待ちに待った春季関東大学リーグ(春リーグ)が23日に開幕した。きょねんの秋季関東大学リーグ戦で惜しくも2部に降格となってから初のリーグ戦。相手は白鷗大だ。新体制になるにあたって、ポジションの変更を含め大改革を遂げた早大の選手たちは、試合の序盤から主導権を握る。瞬く間に3セットを連取し、セットカウント3-0(25-16、25-15、25-18)でストレート勝ち。1部復活に向けて好スタートを切った。
変革の成果は第1セット目から現れた。きょねんリベロからサイドに転向した中川知香副将(スポ4=神奈川・川崎橘)は、これまでサポートが主であまり攻撃的な選手ではなかった。しかし今回は試合序盤から積極的なアタックを仕掛け、早大に流れを引き込むことに尽力する。センターの森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)も中央からだけでなくサイドからもスパイクを決め、大きく点差をつけるとそのリードを保ったまま1セット目を先取。2セット目も森と芹澤友希主将(スポ4=茨城・土浦日大)の素早い連携が功を奏し、相手を翻弄(ほんろう)する。守備面では空いたスペースにボールを落とされる場面もあったが、相手の速攻に対してもブロックポイントを取るなど練習の成果を見せ、少ない失点でこのセットを奪った。
積極的にアタックを仕掛ける中川
続く3セット目は新戦力である井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)のサーブから始まった。中川や富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)の思い切りのよいサイドアタックでなんと11連続得点。このまま勝負ありかと思われたが、なおも食い下がる相手の猛攻にブロックが崩され始める。中盤14-11まで追いつかれるが、富澤のスパイクが流れを引き戻し、17-11まで突き放す。この後スパイクの打ち合いになるが、リードを保ったまま3セット目も奪取。終わってみれば3-0のストレート勝ち。開幕戦を白星で飾る結果となった。
久々の勝利に喜ぶ選手たち
「自信しかなかった」という芹澤の言葉通り、大幅な変革と練習が戦略の幅を広げ、選手全員が自信をもって試合に臨んだのが今回の勝因だ。長らく「勝利」という二文字からは遠ざかっていた早大。勝利は自信を裏付けし、自信はまた新たな勝利に繋がるだろう。自信をつけた選手たちは、ここから1部昇格への道を一歩ずつ歩いていく。
(記事 坂巻晃乃介、写真 川浪康太郎)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 |
25-16 25-15 25-18 | 0 | 白鷗大 |
スタメン | ||||
レフト 中川知香(スポ4=神奈川・川崎橘) レフト 富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女) センター 浅野泉里(文4=岐阜) センター 森佳央理(スポ3=群馬・高崎女) ライト 井上裕利恵(スポ1=岡山・就実) セッター 芹澤友希(スポ4=茨城・土浦日大) リベロ 飯田友美(商2=長野・諏訪清陵) |
コメント
馬場泰光監督(平8卒)
――きょうの試合はどうご覧になっていましたか
出だしの大事な一戦だったんですが、みんなまとまって集中して試合できていたと思います。
――センターの欠員が危ぶまれていましたが
フォーメーションで対角をきれいに組まずに、ローテーションごとにポジションを組んでみんな器用にやってくれてます。その中でも4年生中心にうまくチームをまとめてくれていると思います。
――今季のチームの長所はどこだとお考えですか
まとまりがすごくいいと思いますね。大砲がいるわけでもないので、繋ぎが勝負だと思ってます。こちらから自滅のミスを出さない。そういったところでまとまりがすごくいいので(長所は)そこだと思います。
――逆に今季伸ばしたい点はどこでしょうか
一人ひとり得意なプレーはあるんですが、もう一つ何か武器を身に着けてほしいですね。スパイクのほかにブロックとか、レシーブのほかにスパイクを打つとか。レシーバーが多いチームなので、プラスワンというところを求めたいなと思います。
――今季の展望をお願いします
まずは一つひとつ勝ち星を重ねていくことかなと思ってます。最後の結果はどうなるかわかりませんが、積み重ねていけばおのずといい結果がついてくると思ってます。
芹澤友希主将(スポ4=茨城・土浦日大)
――きょうの試合を振り返って
きのうまで練習を積んできて、自信しかなかったです。きょうはそれをコートに出すだけだったので、楽しんでやろうと思いました。
――ブロックが機能しているように見受けられたが
練習の中からしっかり速い攻撃に対しての練習だったり、1部のチームと練習試合をしたりして、速さにも慣れていたし、準備の速さも意識して練習に取り組んでいたので、そこが聞いていたのかと思います。
――森選手との連携も目立ちました
森に関してはすごい動いてくれるというか、攻撃の幅がきょねんよりもすごく増えてそれもブロックが対応できないくらいの速さになったので、これからも機能できると思います。
――きょうの試合を通して浮かんだ課題などはありますか
サーブがちょっと弱かったかなというのが課題だと思います。体育館に慣れていないっていうのもあるし、思いっきりサーブをこれから打っていかないと、これから(対戦相手が)強いチームになっていくにつれて攻撃されるっていうことが増えてきちゃうと思うので、サーブで崩して、相手の攻撃の幅を減らせるようにもっとサーブを強化していきたいと思います。
――次戦への抱負をお願いします
相手もそうなんですけど、やっぱり自分たちのバレーをすることが1部昇格するために重要だと思うので、練習を積んで自信をつけて来週も頑張りたいと思います。
中川知香副将(スポ4=神奈川・川崎橘)
――開幕戦を終えた今の気持ちは
302日間勝ちがなかったので、まず開幕戦で1勝できてよかったです。
――ご自身のスパイクについてはいかがですか
アタッカーの経験がない分思い切ってやるしかないと思っていたので、練習で何本も打ったり、とりあえず試合では思い切り打って思い切り喜んで、自分でムードをつくれるように頑張りました。
――現在は完全にアタッカーとしての練習をしているのですか
そうですね。今年度はアタックの練習をしています。
――4年生、副将になって意識の変化はありますか
自分たちの影響がすごく後輩に出るということがあるので、どれだけネガティブな部分を見せないでいるかということを考えています。プレー面では、決定力がないのでレシーブだったり粘りの部分を見せたり、レシーブの部分でチームを引っ張っていきたいと思っています。
――メンバーが大きく変わりましたが、新体制になってどのように感じていますか
監督も変わったのですが、みんなが1部で勝負したいという気持ちが強くて、後輩からも意見を出してくれたり、いいムードでやれています。
――きょうは1年生の活躍もありました。まず、河治えみり選手(社1=北海道・旭川実業)は元リベロとして見ていかがですか
本当にガッツがあるし、うまいし、レシーブでチームを盛り上げてくれるので、すごく心強いです。
――井上裕利恵選手(スポ1=岡山・就実)もリベロが本職の選手ですが
裕利恵もレシーブで入っていて、いい時に拾ってくれたり、着実にボールを返してくれるので、友希(芹澤、スポ4=茨城・土浦日大)もコンビを作りやすくなっています。陰ながら一本一本丁寧にボールを持ってきてくれるので、アタッカーが打てているのかなと思います。
――最後に、来週の試合に向けた意気込みをお願いします
来週も今週のようにみんなでいいムードをつくって、目の前の一戦を大事にして全員で勝てるように頑張りたいです。
森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)
――開幕戦を終えた今の気持ちは
ホッとしています。ずっと勝てなくてチームに負け癖がついてしまっている中での試合で、監督さんやチームメイトもがらっと変わっての初戦だったので、緊張しました。
――ご自身のプレーを振り返って
チームが新体制になってから自分のスパイクが決まらなくてローテーションが回らないことが多くて、どうすればいいかとなった時に、コンビを速くして攻撃の種類を増やしたりしてきたので、それが実際に試合で出せたことはよかったです。ですが、来週からどんどん相手チームも強くなっていって対策してくるの思うので、対策された時にいかに自分が工夫して得点するかということを考えていきたいです。
――チームとしてブロックの出来はいかがですか
きょうのチームはライトが速かったのですが、まだライトブロックに対して二枚つけないことが多いです。それは相手が強くなっていくにつれて、ライトに決められると乗っていくチームが増えていくので、そこはしっかり徹底していきたいです。
――学年が一つ上がって変わったことはありますか
今まではピンチの場面で先輩に助けてもらって支えてもらっていたのですが、逆に今度は後輩が苦しい場面で自分が引っ張っていけるような存在になりたいです。そう思っているのですが、まだまだなので、頑張ります。
――チームの雰囲気はどう感じていますか
雰囲気はすごくいいです。人数が少ない分、ギュッとしてるというか、まとまりがあると思います。それは4年生がそういう練習作りをしてくれているからだと思うので、私たちもしっかりついていけるように、1年生を引っ張っていけるようにしたいです。
――最後に、来週の試合に向けた意気込みをお願いします
勢いそのままに、頑張りたいです。