『攻めのバレー』体現できず、黒星に終わる

女子バレーボール

 4月から始まった春季関東大学リーグ戦もいよいよ大詰め。早大は前回の嘉悦大戦でストレート勝ちを収め、セット差で10校中6位についていた。今回の相手はリーグ順位でも互角の日体大。拮抗した試合展開が予想されたが、第1セットから29-31まで勝負がもつれこみ、早大はセットを落としてしまう。第2セットはスパイカー陣が奮闘し奪取するも、その後は相手の攻撃に押され始め、なかなか自分たちの流れに持っていくことができず、セットカウント1-3(29-31、25-22、17-25、18-25)で勝利することはできなかった。

 序盤から、両者は1歩も譲らなかった。早大は先制点をこそ相手に奪われたが、森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)の効果的なフェイントを織り交ぜた攻撃で、じりじりと試合は進んだ。途中相手に3連続得点を与えてしまう場面もあったが、要所で及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)のスパイクが光り、第1セットの行方はデュ―スにまでもつれこんだ。富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)は「第1セットのように競る展開だと、『この1本、この一瞬だ』と踏ん張れる」とこの壮絶な点の取り合いを振り返った。その言葉通り、早大はチーム一丸となり、粘りの守備を見せる。しかし奮闘むなしく、一瞬の隙を突いた相手のスパイクを防げず、第1セットは落としてしまった。

森の攻撃で流れを作る

 気持ちを入れ替え挑んだ第2セット。序盤一気に4連続得点を挙げ、流れは早大にあったと思われたが、相手の強力なスパイクで12-12の同点に追いつかれてしまう。すると平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)の相手コートを射るようなスパイクを皮切りに5連続得点をもぎ取り、そのまま第2セットを奪取した。第3セットはシーソーゲームで試合が進む。しかしこのあたりから早大の攻撃が決まりにくくなり、苦戦を強いられる。その焦りからか相手に連続得点を許した後も、それを巻き返すことができない。さらに相手のクイックなどに翻弄され、そのまま第3セットを明け渡してしまう。後がない第4セット、序盤は点の取り合いが続く。しかし相手の攻撃を阻めないという嫌な流れはタイムアウトを取っても変わることはなく、7連続失点という痛手を負ってしまう。途中、及川に代わり加納茉未(社4=北海道・札幌大谷)を投入し、懸命に挽回しようとする早大だが、平山のバックアタックが決まらないなど攻め切ることができない。そしてそのまま試合は終了した。

守備でも活躍した及川

 試合後、富澤は「きのうの試合とは違い、守りに入ってしまった」と語る。相手に強いスパイクを打たれたとき、どう立て直し自分たちの攻撃につなげるか――これは1部のチームと渡り合う上で重要なポイントなのは間違いない。春季リーグ戦の残り2試合も、強豪校との対戦になるが、自分たちのバレーをまっとうし、最後は晴れやかな顔の選手たちを見たい。

(記事 鎌田理沙、写真 加藤佑紀乃)

セットカウント
早大 29-31
25-22
17-25
18-25

日体大
スタメン
レフト 及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)
レフト 富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)
ライト 平山璃菜(スポ4=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
コメント

及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)

――本日は敗戦してしまいましたが、日体大にはどのような意気込みで臨まれましたか

(春季リーグ戦で)2勝をして、自分たちのバレーも1部で通用するという事を、1人1人知ることができました。日体大に向けては、全員で勝ちに行くという事が大事だと、今までの試合を通して思いました。昨日の嘉悦大戦もそうですが、やはり勝ちたいという気持ちが大きい方が勝つという事をきょうの試合で実感しました。

――1セット目は29-31まで試合の行方がもつれこみました

自分たちも絶対に勝ちたい、相手に勝たせたくないという気持ちが強くて、チームスローガンとして『粘り強さ』を揚げていますし、そこを強みに頑張れたセットではないかと思います。

――ご自身のスパイクの調子はいかがですか

きのう1試合勝って、この先は1セットだとか、得失点差で順位が決まってくるので、自分がもっと決めに行く姿勢を見せることで、チームもいい方向に行くのではないかと思いました。ですがこの1試合を通してまだまだだなと思いました。

――途中加納茉未選手(社4=北海道・札幌大谷)と交代したことについては

(私は)ずっと試合に出ていて、自分が崩されたから(交代になったの)だと思うのです。ですが監督からは「また戻るからな」と指示が出ていたので、気持ちを切らさず集中はできていたのではないかと思います。

――相手の強力なスパイクに対して対策は

サーブに関しては練習から常に意識していました。レセプションは3枚というのが自分たちの軸なので、私やリベロを中心として練習していました。ですのでそこまで崩されることはなかったのではないかと思います。

――春季関東学生リーグ戦も残すところあと2試合ですが、どのようなお気持ちで臨まれますか

もう1回チーム全員で、1人1人が何をすべきなのかだとか役割などを明確にして、残り2戦、技術的な差はあるかもしれませんが気持ちでは負けたくないです。気持ちが強いことによって1人1人の強さが出てくると思うので、そこを大事に1週間で修正して、次戦に臨みたいなと思います。

富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きのうの試合とは違い、守りに入ってしまったので、また1週間練習して、攻めるバレーをできるようにしていきたいです。

――第1セットでは29-31まで試合がもつれこみましたが、そこはいかがだったでしょうか

何回もチャンスはあったのですが、そのチャンスを生かしきれないところが駄目なのかなと思います。

――かなり体力も使ったのではないでしょうか

そうですね。ですが第1セットのように競る展開だと、「この1本、この一瞬だ」と踏ん張れるので、疲れても頑張れるなと思います。

――きょうのご自身のスパイクの調子はいかがですか

あまり良くないです。肩をずっとけがしているのですが、(きょうは)あまり肩の調子が良くなくて、自分のベストのスパイクが打ててないと思います。

――きょうのチーム全体の守備はいかがですか

きのうもそうだったのですが、とても粘れていると思います。

――連勝は2回でストップとなってしまいました

きょうの試合で勝つという事は大事だったと思うので、すごい悔しいです。

――来週に向け意気込みをお願いします

来週はきょうよりレベルが1つ上の2チームと対戦することになると思うので、しっかり攻めるバレーをして、勝てるように頑張りたいです。