6連敗も、勝利に向けて確かな一歩

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦、第6日目。いまだ勝ち星のない早大は、青学大との一戦に臨んだ。強気なサーブで相手を崩すと、3試合ぶりにセットを奪う。流れに乗りたかったが、エースを軸にした相手の攻撃を止められず、3セットを連取される。セットカウント1-3(25-18、17-25、16-25、19-25)で敗れ、初勝利を手にすることはできなかった。

 

 「1セット目は自分たちの良いかたちでバレーができた」と中川知香(スポ2=神奈川・橘)が振り返るように、順調な滑り出しを見せる。サーブで攻めて相手を崩すと、ワンタッチを取って自分たちの攻撃へとつなげる。一人一人がコートの中で積極的に声を出し、いい雰囲気で試合を進める。終盤には芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)のサーブから連続得点を奪う場面も見られ、松蔭大戦以来のセット奪取。選手たちには明るい表情が見られた。

松蔭大戦以来のセット奪取に喜ぶ選手たち

 しかし、第2セットに入ると好調だった第1セットから流れは一転。自らのミスから得点を許すと、瞬く間に5点差に。及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)が巧みにフェイントを織り交ぜて得点を重ねるが点差は縮まらず、このセットを落としてしまう。続く第3セットも、流れは変わらない。相手エースの攻撃を止めることができず、同じようなコースのスパイクで得点を重ねられてしまう。中川が懸命に食らいつくも、乱されたことによって攻撃が単調になり、なかなかスパイクが決まらない。次第に点差は開き、このセットも失った。後がない状況で迎えた第4セット。及川がサイドから気迫のこもったスパイクを打ち込み、一時はリードするも、自らのミスも絡み要所で6連続失点を許す。巻き返し及ばず、6連敗を喫した。

軟打を織り交ぜながらスパイクを放つ及川

 これまでなかなかセットを取れなかっただけに、1セットを取れたことは大きな収穫だろう。1セット目のように自分たちらしいバレーを展開することができれば、1部でも十分通用する。課題として見つかったサーブレシーブとブロックを修正し、次こそ勝利を手にしてほしい。

(記事 本田理奈、写真 渡辺新平)

セットカウント
早大 25-18
17-25
16-25
19-25

青学大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ4=千葉・柏井)
レフト 及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)
センター 関根早由合(スポ4=神奈川・橘)
センター 森佳央理(スポ1=群馬・高崎女)
ライト 平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ2=神奈川・橘)
コメント

唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

これまでセットをなかなか取れずに試合をしていたので、その中で1セットを取れたということだけは今後につながると思います。セットを取れたことは良かったのですが、その後にどうやって戦っていくのかが重要だと思います。

――第1セットを取れた要因をどのようにお考えでしょうか

今週は中で盛り上がりながらしゃべってやっていこうということを目標としてやっていて、それが1セット目はできていました。その流れがつくれていたら決めるべきボールも決まってくるし、普段決まらないボールも決まってくるので、その流れがつくれていたのが勝因かなと思います。

――特に第1セットはサーブで攻めていたと思います

強気なプレーを心掛けていたというのもあり、その結果がサーブでのメンタル面に表れていたのかなと思います。

――相手のエースを止められませんでした

エースに決められてしまうのは多少仕方がない部分もあったので、その中でも上げられるボールをきっちりと上げられるようなディグだったり、ブロックのコースを抑えにいくということができれば良かったと思います。

――あしたの試合に向けての意気込みをお聞かせください

きょうできた良いプレーをイメージし直して、ここからもう一段階上がっていけるように頑張っていきたいと思います。

及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)

――第1セットはサーブで崩してブロックで取るというバレーができていたと思いますが、ご自身としてはどうでしたか

1セット目は自分たちがここ1週間対策を練ってきたことができたと思うし、一人一人がどこを狙うなどといった戦略をしっかり実行できたのでセットを取ることができたのだと思います。

――うまくフェイントを織り交ぜていましたが、振り返っていかがですか

今までの試合を振り返ってみると強打ばかりで、ミスをしてしまったり相手に読まれたりしていたので、きょうは自分なりにどうしたら1点が取れるのか考えて、自分自身で相手としっかり戦えるようにやりました。

――第2セット以降崩れる場面も見られましたが、原因は何だと思いますか

取れるところでしっかり点を取り切れないというのがこの試合を通しての大きな課題というか自分たちの弱い所だと思います。1セット目の出だしのように1点で切れれば自分たちの流れがつかめると思うので、決められるところでしっかりと決められればよかったのではないかと思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

東日本インカレで戦ったことのある相手なので、相手も対策を練ってくると思いますが、こちらも戦略を練っているので、きょうの1セット目のように、戦略を意識してできたらいいと思います。

中川知香(スポ2=神奈川・橘)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

1セット目は自分たちの良いかたちでバレーができていたのですが、2セット以降に自分たちのバレーができませんでした。個人的にはエースが打ってくるボールを全然上がられなかったので、あしたはまた切り替えて自分がレシーブを上げてムードをつくれるように頑張りたいと思います。

――第2セット以降に崩れてしまった原因をどのようにお考えでしょうか

1セット目を取って、いままで全然セットを取れなかったので安心してしまったのも一つの要因だと思うんですけど、やっぱり自分たちの軸であるレセプションとブロック、サーブがうまく機能しなかったことが2セット目以降にセットを取れなかった敗因だと思います。

――今後、チームがもう一つうえの段階へ上がっていくうえで何が重要だとお考えでしょうか

自分たちは2部から上がってきたばっかりですけど、1部で勝っていくチームにならなければならないと思うのでもう一回自分たちがやりたいバレーを展開できればいいかなと思います。

――きょうは特にスパイクレシーブで活躍されていましたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

大事なところで上げられない部分があったので、勝負どころで上げられるようになれれば良いと思います。

――あしたに向けての意気込みをお聞かせ下さい

あしたは東女体との試合になるのですが、自分たちのバレーをできれば良いと思います。個人的には一本目だけでなく、セッターが取ったあとの二本目をアタッカーが打ちやすい、攻撃しやすい環境をつくっていければ良いと思います。