1勝が、1セットが、いや1点すら遠い。秋季関東大学リーグ戦の開幕から4試合、いまだ白星の遠い早大は昨季4位の日女体大と対戦。しかし、なかなか持ち味を出すことのできないままセットカウント0-3(16-25、9-25、20-25)で2戦連続のストレート負けを喫した。
この日もやはり立ち上がりに苦しんだ。相手のサーブにレシーブを乱され、唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)のスパイクも立て続けにブロックされる。1-6といきなりの苦しい展開に思わずタイムアウトを要求。その後はセンター中心の攻めで打開を試みるも、点差は縮まらず第1セットを落とした。切り替えて臨みたい第2セットだが、流れは変わらない。サイドアウトを奪うことができず、相手に連続得点を度々許す。このセットはアタッカー陣にもスパイクミスが相次ぎ、終わってみれば9-25という大量点差で落としてしまった。
相手の強打のブロックを試みる平山(左)と関根
あっさりと2セットを奪われ、選手たちにも戸惑いの表情が見られた。「試合をやる以上悔いの残らないようにしっかりプレーしよう」(唐木)。何もできないまま試合を終わらせたくはない。関根早由合副将(スポ4=神奈川・橘)のクイックなどが決まり、3-0とこの日初めてのリードを奪う。しかし、相手も関東1部という大学最高峰の舞台でしのぎを削ってきた猛者、すぐさま追い付かれる。平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)や及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)らサイドアタッカーの奮起で中盤までは食らい付くも、最後は相手の勢いに押し切られ、これで開幕からの連敗は5に伸びた。
ボールを拾えず、悔しい表情を見せる選手たち
「どの試合も自分たちの良さが出し切れていない」(関根)。スパイクレシーブに関しては、リベロの中川知香(スポ2=神奈川・橘)を中心にブロックを補う働きを見せ、ラリーを続けられるような粘り強さは出せている。一方で、春の2部リーグでは早大の大きな武器となっていたライトからの攻撃が思うような決定率を残せておらず、ラリーをものにできない場面が目立つ。そのため、ここ一番での得点力に欠けてしまっており、苦しい状況を打開できるようなエースの存在が望まれる。現体制では最後となるリーグ戦、ここはやはり唐木と関根の4年生二人がけん引していくほかはないだろう。1部の舞台は、想像以上に勝つことが難しい世界だった。残る4戦必死に食らい付き、再び笑顔を取り戻してほしい。
(記事 谷口武、写真 難波亮誠、三上雄大)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 0 |
16-25 9-25 20-25 | 3 | 日女体大 |
スタメン | ||||
レフト 唐木沙彩(スポ4=千葉・柏井) レフト 及川香菜(スポ3=宮城・古川学園) センター 関根早由合(スポ4=神奈川・橘) センター 森佳央里(スポ1=群馬・高崎女) ライト 平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女) セッター 芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大) リベロ 中川知香(スポ2=神奈川・橘) |
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コメント
唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)
――1セット、1点の遠い試合でした
1回も勝てそうな感覚がないまま試合が終わってしまったので、苦しい試合でした。
――第3セットは序盤巻き返す場面が見られましたが、それまでと何か変えた点はあったのでしょうか
1本目をしっかり返していこうということと、あとは試合をやる以上悔いの残らないようにしっかりプレーしようと話して第3セットに臨みました。
――コート内の雰囲気というのはいかがですか
いいわけでも悪いわけでもないという感じです。
――第2セット終盤からは唐木主将の打数も増えましたが、それはチームとしてそういう方針だったのでしょうか
最後は4年生が引っ張っていかなくてはならないので、自分と関根(早由合、スポ4=神奈川・橘)がもっと死に物狂いでやらなくてはいけないです。
――チームとしてラリーをものにできない場面が見受けられますが、決定力という面でキープレーヤーはどうお考えでしょうか
自分たちの得点パターンがまだ確立しきれていないです。2部リーグの時は決まっていたライト側からの攻撃が今季は決まっていないのは大きいなと思います。
――5季前に1部でプレーしていた時とは違う点などはありますか
2年前の1部時代のことはあまり覚えていませんが、4年生になって1部でプレーするのと2年生としてやっていた時とでは感覚としては違うと思います。
――今後も負けられない試合が続きますが、チームとして貫いていきたいことは何でしょうか
悪い展開になったりミスが出た時にどうやって立て直していくか、どうやってコート内で喋っていくかを4年生が中心になってやっていかなくてはならないです。上級生が、4年生がどうすべきかを考え直していきたいです。
関根早由合副将(スポ4=神奈川・橘)
――苦しい試合がこれまで続きますが、きょうの試合はいかがでしたか
これまで4戦負けていての5戦目で、私たちは2部から上がってきたチームなので苦しくなるだろうなというのは分かっていました。それでも自分たちのバレーというのをしっかり出し切ろうということでリーグ戦がスタートしましたが、勝てない試合が続き悔しいです。どの試合も自分たちの良さが出し切れていませんでした。今回も同じように自分たちの軸である攻撃ができるように、上級生が中心となって頑張ろうということでしたが、なかなか思うようにはいきませんでした。苦しい戦いにはなりました。
――4年生中心に今後戦っていくということでしょうか
毎年4年生が引っ張ってくれるチームだったので、そこは主将の唐木(沙彩、スポ4=千葉・柏井)だけに任せることなく、自分ももっと引っ張ってチームを盛り上げなくてはならないなと思っています。そういったプレッシャーに打ち勝たなくてはいけませんが、弱い部分が出てしまってまだ引っ張り切れてないと思います。自分の武器であるブロックも2部では通用していても1部では通用していない部分があるので、まず一つのことをしっかり修正して試合につなげていきたいです。
――ブロックが通用しなくなったというのは、やはり1部だと攻撃のスピードが上がったことなどが挙げられますか
そこが一番大きいと思いますが、自分の気持ち的にも相手に向かって闘争心を持ってやっていければ、止まるブロックも増えてくると思いますし、後ろがレシーブしやすい状況にも持っていけると思うので、心の持ちようが大事だなと思います。
――春とはローテーションも変わりましたが、何か変わったなと感じることはありますか
スタメンに定着した森(佳央里、スポ1=群馬・高崎女)も春は1年生として雑用などいろいろありましたが、秋は攻撃に参加してよく頑張ってくれています。
――ミドルブロッカーというポジション上、後衛の時はベンチに下がりますが、ベンチから見るコートの雰囲気というのはまた違って映るものでしょうか
リベロと交代して外で見ていると分かることも多いです。押されているときはやはり目が合っていなかったり、会話ができていなかったりするので、コートに入ったらみんなと目を合わせるようにして頑張っています。
――4年生として迎える1部の舞台ですが、以前と違って感じることはありますか
全然違いますね。私が1年生の時も同じように春は2部リーグで戦っていて秋に1部に昇格できました。下級生の時は思い切りやれる環境だったので、特にプレッシャーもなく楽しんでバレーボールをできました。楽しむのはいまもそうですが、責任感という面では2年前と大きく違うなと思います。
――最後のシーズンになりますが、意気込みをお願いします
ここまで5敗中ですが、ここでめげても仕方ないと思います。これまでやってきたことは間違いではないと思うので、いままで通りにコツコツと積み上げていきたいです。いまはやることが中途半端になっていると思うので、しっかり一人一人ができるように頑張っていきたいです。
平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
前の試合ではふがいない試合をして、3、4年生でコートの中でどれだけチームを引っ張っていけるかと話されて臨んだきょうの試合でしたが、3セットをあっという間に取られて何もできませんでした。
――前日の試合からの改善点は
相手どうこうではなく、まずは自分たちのプレーをするように心掛けようということを話していました。また、下級生をしっかりと上級生が引っ張っていこうと思っていました。
――その中でラリーでは点を落としてしまう場面が目立ちました
やはりチームとしてつなぐチームが多く、私たちはスーパーエースがいるわけではないので、粘って粘って全員で1点をもぎ取るバレーをしていかなければならないと思っています。
――エースとして期待されることもあると思われます
チームの決めるパターンとしてライト中心で試合を組み立て、そうすることで初めてセンターもライトも生きてくるのですが、自分がしっかりと機能していない部分があって。自分がチームのためにやっていかなければいけないと思います。
――これからは1試合も落とせない戦いが続きますが、次戦への抱負をお願いします
連敗でチームのモチベーションが落ちてしまうこともあるのですが、こういうときこそ上級生が軸となっていきたいです。また4年生は最後のリーグ戦なのでそういった意味でも思い切ってプレーしてもらえるように自分も頑張っていきたいです。
芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)
――きょうの試合を振り返って
1部に上がって勝てそうで勝てないという悔しい試合だったのですが、このチームで戦えるのも最後なので、もう一回全員でやり直して次の試合からも頑張っていきたいと思います。
――試合展開はいかがでしたか
1点1点の積み重ねやサーブの強さ、スパイクコンビの精度などが他のチームに比べて足りなかったと思いました。
――2セット目までビハインドで3セット目は戦えていた印象ですが立て直したことはありましたか
キャプテンの唐木(沙彩、スポ4=千葉・柏井)さんからの「このままでは悔しいから思い切ってやっていこう」の一言でチームが変わっていったと思います。
――1部の印象はいかがですか
2部と違って速さ、スピードもありますし2部とは違うチームの濃さもあります。
――チームとしてサーブレシーブの乱れは感じますか
自分の仕事はそこからだと思うので、サーブキャッチは上げてくれたら自分がどうにかしてあげたいです。
――負けられない試合が続きますが次への意気込みをお願いします
このチームで秋リーグ戦うのも最後になってくると思うので、下級生から4年生のために1勝でも多くできたらと思います。