悲願の1部昇格へ――。予選リーグの上位4チームで行う順位決定戦がこの日から始まった。松蔭大、早大、日大、都留文科大で2枠の入替戦出場権を争う。予選リーグ2位の早大は3位日大と対戦。相手の粘り強い守備に苦戦を強いられる。だが、要所で平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)がスパイクを決め、セットカウント3-1(25-22、20-25、26-24、25-17)で勝利を収めた。通算成績7勝1敗となり、次戦で都留文科大に勝利するか、松蔭大が日大を下すと入替戦進出が決まる。
敗戦から一夜。前日の大東文化大戦では、相手の流れを断ち切ることができず精彩を欠く内容となってしまった。だが、この日はエースであり精神的支柱の唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)が戻り、試合前にはリラックスした表情を見せる選手たち。気持ちを切り替え、適度な緊張感を保ちながらこの一戦に臨んだ。第1セット、ブロックでコースを限定すると、リベロの中川知香(スポ2=神奈川・橘)を中心に安定した守備を見せる。一方の日大もブロッカーとレシーバーの位置取りが良く、早大は思うようにスパイクを決められない。こうした状況を打開したのは、センターの関根早由合副将(スポ4=神奈川・橘)とライトの平山だった。関根は序盤にプッシュを決めると、その後も移動攻撃で組み立ての中心になる。また、平山はライトだけでなくセンターからスパイクを放ち、要所で得点を挙げた。両選手の活躍もあり、僅差で第1セットを取った。
移動攻撃を決める関根
第2セット、一週間チームを離れていた影響からか唐木の調子が上がらない。序盤に5連続失点を喫し、リードを許す展開となった。その後、及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)がブロックアウトを取ると、関根や平山も確実にスパイクを決めて追い上げる。しかし、ライトを軸にした相手の攻撃に対応できず、このセットを失った。続く第3セットは、サーブやスパイクでのミスが散見される。相手のサーブにレシーブが崩され、二段トスが上がる場面も少なくなかった。だが、「奥と前を使い分けて守備をずらしていこうという意識をもっていた」と唐木が話すように、サイドアタッカーが軟打を使い分けて得点を重ねた。ジュースの末に第3セットを取り、迎えた第4セット。及川や平山が果敢にスパイクを放ち、試合を優位に進める。2セットを連取し、接戦を制した。
果敢にスパイクを放つ平山
前日の敗戦を引きずらず、高い集中力で勝利したこの試合。及川や平山ら各選手が気持ちを全面に出して、勝利への執着心を見せた。「自分たちのバレーをやれば怖くない相手だと思うので、強気で頑張りたい」(中川)。サーブとブロックでチャンスボールを拾い、速いトス回しから展開されるコンビバレー。そのスタイルを貫き通し、笑顔と『結束力』で入替戦の出場権を手にしたい。
(記事、写真 渡辺新平)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 |
25-22 20-25 26-24 25-17 | 1 | 日大 |
スタメン | ||||
レフト 唐木沙彩(スポ4=千葉・柏井) レフト 及川香菜(スポ3=宮城・古川学園) センター 関根早由合(スポ4=神奈川・橘) センター 佐藤夢菜(文3=埼玉・狭山ヶ丘) ライト 平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女) セッター 芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大) リベロ 中川知香(スポ2=神奈川・橘) |
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コメント
唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)
――きょうから上位リーグとなりましたが、どのような意気込みで臨まれましたか
上位リーグでは1戦も負けられないと思うので、そのような中でプレッシャーはあったと思います。私は1週間いなかったのでチーム状況がよく分からないのですが、たぶんみんなもそのなかでしっかり勝っていこうという強い気持ちをもってできていたのではないかと思います。
――ご自身の調子はいかがでしたか
これまでみたいに自分が思うように動けなかったなというのが率直な感想です。
――相手の守備が良かったと思いますが、どのように対応しようとお考えでしたか
ブロックと守備の位置取りと関係が相手はうまいので、そこをどうやって崩すか考えたところ、うまい具合に奥と前を使い分けて守備をずらしていこうという意識をもってやっていました。
――チーム全体としてサーブミスが多かったと思いますが、振り返ってみていかがですか
攻めようという気持ちはあるのですが、それが合わなくてミスが続いたり、入れても入っても相手を崩せないという中で、これまでサーブで攻めていった試合が多かったのでどうしようという中の葛藤であのようなミスが多くなってしまいました。
――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい
1週間しっかりと修正をして、あと2戦を自分たちが勝ちにいくという強い気持ちをもってやっていきたいと思います。
中川知香(スポ2=神奈川・橘)
――きょうから上位リーグとなりましたが、どのような意気込みで臨まれましたか
昨年は負けてしまった後に試合を取りきることができなくて、ずるずる引きずってしまった部分がありました。きのうの負けから切り替えて、きょうの試合に臨むという気持ちでいました。そのため、今は上位リーグだから、という感じではありませんでした。
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
きのうに比べて自分たちの軸であるサーブとブロックも良く、粘り強くみんながボールを追えたと思います。
――きょうは守備の中心として活躍されていたと思いますが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか
自分が調子が良いときはいいのですが、時々雑になってしまうプレーがあるので、一つ一つに精度を求めてやっていければいいと思います。
――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい
次の試合も上位で戦って上がってきたチームなので苦しくなると思いますが、自分たちのバレーをやれば怖くない相手だと思うので、強気で頑張りたいと思います。