開幕2連勝も、課題があらわに

女子バレーボール

 前日、開幕戦で快勝を飾った早大は都留文科大戦に臨んだ。序盤から平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)らの活躍で連続得点を重ね、2セットを先取。しかし2日連続のストレート勝ちが見えた第3セット以降は相手の反撃に遭う。まさかの苦戦を強いられるも、セットカウント3-1(25-16、25-15、21-25、29-27)で逃げ切った。

 立ち上がりから早大が試合の主導権を握る。及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)のサーブからリズムを作ると、トスはライトの平山の元へ。威力のあるスパイクと裏をかいたフェイントを巧みに織り交ぜ、得点を確実に決める。第2セットからはレフト中心の配球で攻める。相手のスパイクミスやサーブミスにも助けられ、最後は及川が決めてこのセットも取った。一度もリードを許さない、ほぼ完璧な試合運びを見せた。

ライトだけでなく、センターからもスパイクを打ち込んだ平山

 「第2セットまでがうまくいってしまって、自分たちが相手を下に見てしまった」(唐木沙彩主将、スポ4=千葉・柏井)。それまでとは一転し、一進一退の攻防に。相手のミスが減ったことに加え、ことしから正セッターを務める芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)とアタッカー陣とのコンビミスが目立ち出す。苦しくなった早大は攻撃力を上げるため、レフトを及川から加納茉未(社3=北海道・札幌大谷)に変更。立て直しを図ったが、都留文科大の勢いを止められない。中盤から終盤にかけて連続得点を度々許し、このセットを落としてしまう。第4セットに入ってもなかなか試合序盤の勢いは戻らず。なんとかマッチポイントとするが、ミスにより今季初のジュースに持ち込まれる。互いに意地を見せる中、早大はレフトで勝負。最後は加納のブロックポイントで、辛くも逃げ切りに成功した。

主将としてだけでなく、エースとしてもチームをけん引する唐木

 新チームが発足して間もない春の時期は、ミスが出ることはやむを得ない。それをいかに減らしていけるか。チーム力が試される秋とは異なり、春はミスの少なさが勝敗を分けることが多い。この2試合で活躍を見せた平山も、「(きょうのプレーは)自分的には全然よくなかった」と最後のサーブミスなどを悔やんでいた。来週は3部リーグから上がってきた白鷗大と桜美林大と戦うこととなる。最後まで自分たちのバレーを貫き、連勝数を伸ばしていきたい。

(記事、写真 谷口武)

セットカウント
早大 25-16
25-15
21-25
29-27

都留文科大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ4=千葉・柏井)
レフト 及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)
センター 関根早由合(スポ4=神奈川・橘)
センター 佐藤夢菜(文3=埼玉・狭山ヶ丘)
ライト 平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ2=神奈川・橘)
コメント

唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)

――これまで2試合戦って、チームの出来としてはいかがでしょうか

(リーグ戦開幕まで)結構いい流れで来ていましたが、この2戦はいい流れのまま(試合を)できていないことが課題です。リーグ戦を通して成長していく部分ではまだ伸びしろがあると思いますが、出だしとしてはあまり良くないと思います。

――第2セットまではいい展開でしたが、いかがでしたか

第2セットまでは自分たちのバレーをしてくことを重点的にやっていたので、相手のミスもあっていい流れでできていたと思います。

――第3セット以降崩れてしまった要因は

第2セットまでがうまくいってしまって、自分たちが相手を下に見てしまったことが一番だと思います。そこから相手に攻めたてられ、立て直すことができなかった試合でした。

――サーブミスもありましたが、トータルではサーブが効果的に決まっていました

サーブミスは若干ありましたが、攻めるサーブを打とうということでやっているので、ミスは多少出てもいいようにしています。

――サーブレシーブは中川知香選手(スポ2=神奈川・橘)と唐木主将を中心に行っているのでしょうか

レフト2枚とリベロの3枚でやっていこうというシフトを組んでいます。

――ことしのチームの攻撃の軸はどうお考えですか

コンビバレーが中心なので、センターとライトのコンビをうまく使っていくのはもちろんですが、最後はやはりレフトで勝負しなくてはいけないと思います。

――実際に苦しくなった第3セット以降はレフトにトスが集まっていましたが

そうなってしまうと思います。

――エースと主将ということで責任の重さも感じますか

責任は重いですが、それを感じずに思いきりやって引っ張っていけるように頑張りたいです。

――来週以降への意気込みをお願いします

来週は3部から昇格してきたチームとの試合ですが、いいバレーをしてくると思うので、気を抜かずまたもう一回この1週間でチームを作り直していきたいと思います。

――どのような勝ち方をしたいですか

目標としては、自分たちの強みのサーブとブロックで攻めて、最後まで気を抜かずに攻撃して、しっかりとストレートで勝ちたいと思います。

平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)

――調子は良さそうに見えましたが、プレー面を振り返っていかがでしたか

きょうは相手を崩せたこともあったので良かった部分はもちろんありました。でもサーブで最後にミスがあり、スパイクも自分的には全然よくなかったです。

――最後のサーブはジュースの場面ということで、緊張などがあったのでしょうか

自分たちのいつものバレーができていればあんな展開になるはずはないのですが、課題としていることが表れてしまいました。追われる展開になった時にどうするかということが克服し切れていなかったです。

――苦戦した要因としては、自分たちから崩れてしまったこともあるのでしょうか

そうですね。2セットを取ったのも相手のミスに助けられた部分がありました。第3セットの前に自分たちのリズムをしっかり作っていこうと話はしましたが、そのリズムが作り切れなかったですね。

――サーブを打つ際に心掛けていることはありますか

しっかり狙ったコースに向かって思い切り打つだけです。

――セッターとのコンビもミスが見受けられましたが

きょうは両サイドが全然合いませんでしたが、それは上級生である自分たちアタッカーがどうにかしなくてはいけないですし、来週に向けて1週間しっかり調整していきたいです。

――第4セットはツーアタックを決められる場面が目立ちましたが、ブロック面に関してはどのように臨まれましたか

相手が前衛2枚の時にどう跳んでいくかなどの確認はできていたのかもしれませんが、それがプレーとして表れず、うまく連携が取れていませんでした。結果としてツーアタックも結構決められましたし、ブロックが1枚になるケースも結構あったので、そこも修正点ですね。

――打数も結構多かったですが、平山選手がことしのチームのエースということなのでしょうか

エースは一応レフトですけれど、レフトに決めさせるためにも自分がライトやセンターでコンビを使ってブロックを引きつけて、レフトが楽に決められるようにするのが自分の役割だと思っています。積極的には攻撃に参加していきたいと思っています。

――バックアタックなど、攻撃のバリエーションも昨年より増えたと思いますが

増えはしましたが、まだ自分たちの強みになっていないです。パターンとしてはあるけれど、そこで確実に1点が取れるということではないので、もっと自分もバックアタックなど頑張っていきたいです。

――冬場はそういったコンビに重点を置いて練習されていたのですか

新チームが始動してからはコンビに重点を置いてきました。きょねんはオープントスが中心でしたが、ことしは身長が低い分、速いバレーを意識していこうとなりました。

――第4セットの最後にはセッターの芹澤友希選手(スポ2=茨城・土浦日大)が退く場面もありましたが、どういった作戦なのでしょうか

セッターの身長が低いので、(身長の高い)森(佳央里、スポ1=群馬・高崎女)を入れて前衛をしっかり3枚にしてブロックを強化しようという作戦です。

――来週以降への意気込みをお願いします

自分たちの目指すところは1部リーグなので、きょうみたいな試合をしていてはいけないと思います。この1週間でしっかり気持ちを切り替えて、もう一回土曜日から頑張りたいと思います。