首位の牙城、崩せず

女子バレーボール

 ついにこの日がやってきた。2部リーグ首位に立つ東女体大との首位攻防戦。春は1部でプレーしていたチームであり、激戦が予想されていた。その予想通り、点数だけ見れば第3セットまでは僅差のゲームが繰り広げられる。しかし、試合の主導権を握っていたのはどちらかと言えば東女体大だった。第4セットでは流れを完全に奪われ、セットカウント1-3(21-25、25-23、21-25、14-25)で今季初黒星を喫した。

 「試合への入りは全セットよくなかった」。黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)が語るように、第3セット以外のセットは全て序盤に大量失点をしてしまった。特に第1セットでは試合開始からいきなりの6連続失点。サーブレシーブが乱れ、後手に回らざるを得なかった。初めはレシーブがうまく上がらなかったが、徐々に立ち直りを見せるワセダ。セッターの黒木が両サイドやセンターにトスを振り分け、18-20と2点差まで詰め寄る。しかし、序盤の大量失点が響き、このセットを取ることはできなかった。第2セットも中盤までリードを許し苦しい展開が続く。ここでワセダは状況を打破するべく、ピンチサーバーに中川理沙(法4=東京・田園調布学園)を起用。好サーブで流れを変えると、選手たちの動きも良くなる。唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)や関根早由合(スポ3=神奈川・橘)が1枚で相手の攻撃を止めるなど、6連続得点でこの試合初のリードを奪う。最後は平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)がスパイクとサービスエースを決め、1セットを返した。

ピンチサーバーとして活躍した中川理

 第3セットでは唐木が持ち味を発揮。相手のレシーブを崩し、7連続得点を挙げる。その後もワセダペースで試合は進み、中盤で17-9と東女体大を突き放す。しかし、そう簡単に勝ちを譲ってくれるような相手ではなかった。東女体大の反撃に対しタイムアウトで間を挟むも、反撃は止まらない。攻撃の要である加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)や平山のスパイクもブロックに阻まれる。「完全に勢いに押されてしまっていた」(黒木)。気がつけば同点、そして逆転を許してしまう。「その流れのままずるずると4セット目もいってしまった」(中川美香副将、スポ4=神奈川・大和南)と語るように、第4セットでも主導権を握ったのは東女体大。終盤はスパイクレシーブも上がらず、ワセダのバレーをほとんどさせてもらえなかった。勝てば首位に浮上していたため、非常に惜しい一敗となった。

スパイクを決める場面も目立った黒木

 連勝が4で止まったワセダ。しかし、黒木も「次に切り替えることが大事」と語るように、これはリーグ戦である。負けたら終わりというわけではない。リーグ戦も半分を消化し、チームの良いところも悪いところも見つかったはずだ。1部昇格へ向け、これからも負けられない試合は続く。あすの松蔭大戦で良いところを試合で出し切るためにも、下を向いている暇はない。

(記事 谷口武、写真 吉原もとこ)

セットカウント
早大 21-25
25-23
21-25
14-25

東女体大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)
レフト 加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)
センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘)
センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)
ライト 平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)
セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井)
リベロ 中川美香(スポ4=神奈川・大和南)
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コメント

黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)

――痛い敗戦となってしまいましたが、試合を振り返っていかがでしたか

試合自体は、負けてしまったことはもちろんですけれども、最後バタバタしてしまったことの方が反省すべき点だと思っています。さきほど監督からも話があったのですが、リーグ戦なのだからいま負けたらすべてが終わるというわけではないので、次に切り替えることが大事になってきます。

――普通の一敗として捉えろということでしょうか

そういうわけでもないですけれど、次を考えればそれぐらいの気持ちで切り替えていければ次に生きてくるのではないかと思います。でも、反省すべき点はたくさんあるので。きょうはリードしているところからひっくり返されるなど完全に気持ちの問題が大きかったので、そこをもっと変えていければなと思います。

――特定の選手にサーブを狙われていた印象でしたが

そうですね。おそらく徹底的に分析をされて、うちのチームの弱いところを狙ってくるバレーで、序盤からすごくやりにくい感じがありました。まだまだそこを対応できるほど、力はついていないんだなと知ることができました。

――その第1セットもスタートに苦しみましたが、試合への入りとしてはいかがでしたか

試合への入りは全セットよくなかったと思います。

――第2セットは中盤の連続得点で逆転に成功しました

例えば誰かがサーブを少し頑張る、(ブロックが)2枚来ても頑張って打つ。そういった一人一人のちょっとした頑張りがあれば悪い流れも断ち切れるのですが、きょうの場合は徹底的にマークされて狙われてと守りのバレーになってしまったのがよくなかったです。

――第3セット途中から第4セットにかけてのチームの雰囲気はいかがでしたか

もう完全に勢いに押されてしまっていて、私たちは目を見て、しっかりとコートで会話をしながらプレーすることをチームの約束としているのですが、そこができていなかったことがきょうの試合で一番よくなかったことかなと思います。

――課題としては技術面より気持ちの面ということになるのでしょうか

そうですね。技術的な部分はかなり上がっていると思うので、ここ1点が欲しいときにまとまれる力だったりというのを出せるかどうかがまだまだ課題なのかなときょう思いました。

――次戦の相手は宿敵・松蔭大ですが、一言お願いします

きょうはきょう、あしたはあしたなので、きょうだめだったからあしたがだめだとか、きょう良かったからあしたが悪いというのはないと思うので、この後切り替えて、良いチームの雰囲気であしたを迎えたいので、アップから頑張っていきたいです。

中川美香副将(スポ4=神奈川・大和南)

――きょうの試合を振り返って

3セット目の大量リードしているところで取り切れなかったことが、相手がどうこうというより自分たちの中での問題だったので、そこは反省すべき点です。

――具体的にはどのような原因があったのでしょうか

自分たちは勝負どころでつながれるチームを目指してこの1年間やっていて。苦しい場面とかそこだけでなく他にも勝負どころというのはたくさんあると思うんですけれど、3セット目は大差で勝っていて、このセットいけるかなと先を見過ぎてしまった感じになってしまったので、そうではなくて目の前の一点をしっかり取りにいこうというふうにやれればよかったなと。そういうつながりができなかったことが敗因だったかなと思います。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

3セット目は大差でリードしていたのにひっくり返されて取られてしまって、その流れのままずるずると4セット目もいってしまいました。今回の試合では出だしもすごく悪かったので、そこはあした修正して頑張ろうと思います。

――サーブレシーブが狙われる場面も多かったですが

前衛のレフトの人がサーブレシーブを結構狙われてしまったことがあって、自分の所にサーブが来たときはしっかり入れてコンビを作ろうという気持ちだったのですが、やはり間のボールで声が掛け切れずに触って落としてしまったりすることが何本かあったのでそこはしっかり私が入っていれていこうという気持ちでいます。

――きょうの試合の収穫は

個人的には、自分にあまりサーブが来ていないときにどれだけ気持ちを持ち続けていられるかです。あまり狙われないセットもありますが、その中でポンッと一本来たときに確実に入れられる気持ちをしっかりと作っていきたいと思いました。

――今後への意気込みをお願いします

きょうは敗戦してしまいましたが、また切り替えてあす、そして来週に向けて頑張りたいと思います。