ワセダらしさ貫き2連勝

女子バレーボール

 先週今季初の黒星を喫し、1部昇格に向けこれ以上の負けは避けたい早大。この日の相手は都留文科大。第1セットを大差でものにしたが、その後はなかなか思うようなプレーができない。第2セット中盤、相手の猛追を受けると終盤にはついに追いつかれてしまう。何とかこのセットも勝利をつかむが、第3セットは立ち上がりに相手の攻撃が爆発。6連続得点で最大7点のリードを許す。非常に苦しい展開となるも、あきらめない早大は終盤の怒涛(どとう)の追い上げで見事逆転。セットカウント3-0(25-16、25-23、26-24)で辛くもストレート勝ちを収めた。

 ブロックが面白いように決まり快勝となった第1セット。ここまでは順調な試合運びであった。しかし第2セット中盤、試合の流れが突如変わる。唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)の2本連続のサービスエースで始まったこのセットも15-10と中盤までは早大ペース。だがここから相手のスパイクが決まりだす。4連続得点で1点差まで詰め寄られる。息の抜けないシーソーゲームが続き一時は同点とされた早大だったが、効果的にタイムアウトを使って何とか相手を振り切り第2セットもものにした。

2日続けてピンチサーバーの起用に応えた中川理沙(法4=東京・田園調布学園)

 迎えた第3セットは開始早々、都留文科大が一気に流れに乗る。相手の猛攻にリズムをつかめないまま6連続失点。加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)がフェイント気味のスパイクで何とか連続失点は止めるが、相手の勢いは止まらずその差は7点まで広がった。しかしここで諦めないのが今季の早大だ。黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)が仲間に声をかけチームの士気を再び高める。木暮美波(人4=群馬・高崎女)や唐木を中心に終盤激しく追い上げた早大は、ついに23-23の同点に持ち込む。ジュースまでもつれこむが、最後は及川香菜(スポ2=宮城・古川学園)のスパイクで勝利を決めた。

得点を挙げ、笑顔を見せる選手やスタッフたち

 結果こそストレート勝ちながらまさかの苦戦を強いられた早大。だが「ここまで作ってきたものは間違っていない」(黒木)と自分たちのバレーを信じて得たきょうの白星は、選手たちにさらなる自信を与えた。悲願の1部昇格へ――。早大らしい笑顔でのプレーを貫き、残りのリーグ戦を戦い抜く。

(記事 三井田雄一、写真 谷口武)

セットカウント
早大 25-16
25-23
26-24

都留文科大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)
  レフト 加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)
  センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘)
  センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)
ライト 木暮美波(人4=群馬・高崎女)
  セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井)
  リベロ 中川美香(スポ4=神奈川・大和南)
関連記事

力の差を見せつけ、貫禄のストレート勝ち/春季関東大学2部リーグ戦(5/12)

反撃の糸口をつかめず、初黒星/春季関東大学2部リーグ戦(5/06)

持ち味を発揮し、大東文化大を下す/春季関東大学2部リーグ戦(5/03)

途中出場組の活躍光り、開幕2連勝/春季関東大学2部リーグ戦(4/29)

コメント

黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)

――なんとか逃げ切りストレート勝ちを収めましたが、いまの心境を教えてください

きょうは確実にストレートで勝たなければいけない試合で、思うようにプレーできなかったところが第2セットの後半から第3セットにかけてすごくあって、流れがよくなかったですけれど、気持ちを切らさずにひとりひとり前を向いてやったので、そこは良い収穫になったと思います。

――第1セットではブロックが好調でしたが

約束をしっかり決めて臨んだ試合だったので、約束通りやれば良い状態でブロックもポイントも出て波に乗れたのですが、途中からはそこが相手のセッターに乱されてしまいバタバタした場面があったのだと思います。

――反撃を許してしまった要因というのも、相手のペースに呑まれてしまったということですか

そうですね。向こうも調子の良し悪しがあると思うので、必ず決められてしまう場面があるのは当然なんですが、そこで私たちがなんで決められたのだろうといつも以上に慌ててしまいました。やはりレシーブが上がってこないと、次につなげられないので、そこが(反撃を許した)原因だと思います。

――タイムアウトを効果的に取られていましたが

流れがつかめなくて、どこで追いつけるかがひとりひとり不安でしたが、タイムアウトをうまく入れてもらうことでもう一回気持ちを一つにまとめて、先のことを考えずにいまできることをしっかりやって、追いつけなくないと自分たちでしっかり自信を持ってやろうということを言っていました。すごくタイムアウトには救われました。

――ピンチサーバーの起用が二日続けてうまく的中しましたが、ピンチサーバーを使うタイミングなどはどのように決まっていますか

そうですね。それはもう監督に任せているのですが、やはり本人がしっかり準備して、重要な場面でも攻める気持ちを持ってくれていたので、本当に二日間ずっと助けられっぱなしでした。

――来週はヤマ場となる日大戦を迎えますが、意気込みをお願いします

ここまで作ってきたものは間違っていないと思うので、自分たちのやってきたことに自信を持ち、別に相手が日大だからと気負うわけでもなく、いままでやってきたことを約束通りやり、あとはもう元気にやれれば、絶対に大丈夫だという自信があるので、また一週間しっかり練習していきたいと思います。

中川理沙(法4=東京・田園調布学園)

――なんとか逃げ切りストレート勝ちを収めましたが、いまの心境を教えてください

ストレートで勝てて本当に良かったと思います。

――二日続けてピンチサーバーとして活躍されましたが、どのような意気込みで臨まれていますか

途中でサーブが入ってそこからチームの流れを良い方向にもっていくことが私の役目だと思っているのでそれをしっかり果たせることができて良かったです。

――主務と選手の両立というのはいかがですか

プレイングマネジャーということで、主務のこともやらなくてはいけないし、プレーヤーとしてもチームを支えていかなければいけないので、大変な役目ではありますが、自分にしかできないことだと思っているので、しっかりやっていけるようにしたいと思います。

――来週の日大戦がヤマ場になると思われますが、意気込みをお願いします

日大も、早大とは試合したいと意気込んで当たってくると思うので、それにしっかり負けないように、スローガンである『つながり』を掲げて、チームで、総合力で勝っていきたいと思います。

唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)

――きょうの試合を振り返って

きょうは相手にリードされる部分もたくさんあったと思うんですけど、最後まで自分たちの中で声を掛け合って笑顔でやれたのでよかったと思います。

――先週の初黒星のあと、チームではどのような話をされてきょうの試合に臨まれましたか

あの試合を悪く振り返るのではなくあそこで負けて自分たちの課題が見つかったので、よかったと捕らえて、また1から自分たちがやってきたことは間違っていないと確信しながら練習に取り組みました。

――その課題とは具体的に

国士舘戦ではけっこう相手のスパイクにブロックがついていけなくて、あと自分たちはレシーブで勝負するチームなのにレシーブが上がらなかったんで、レシーブとブロックの兼ね合いを課題として見つけました。

――第1セットは非常によくブロックが決まっていましたが

4番の小暮さんのブロックが今すごくよくて、なのでレシーブもそこで上がるのでブロックは今チームの強みになっていると思います。

――第2セットは中盤相手に迫られてその後はシーソーゲームとなりましたが

レセプションで乱れる部分がけっこう多かったんですけど、バックの3人の中でしっかり足から動かそうとか中で声を掛け合っていてその部分でしっかり巻き返しができたと思います。

――第3セットでは序盤6連続得点を奪われる苦しい展開でしたがチームのプレーにそれまでと何か変化を感じられましたか

1、2セット目は自分たちのペースに持っていけた部分があったのでずっと強気のプレーができていたんですけど、3セット目は相手に取られたことでちょっと下を向いたり落ち込んだりしたこともあったんですけど最後は自分たちの力で点を取りにいこうっていう気持ちが出てそれがプレーにも現れていたと思います。

――チーム内ではどのように声を掛け合っていたのでしょうか

キャプテンの方から下を向かないとか、つらいときこそ笑っていこうと声をかけてもらったのでそのことをみんなで意識しながらやっていきました。

――次戦は現在2位の日大戦で重要な1戦になると思いますが意気込みを聞かせてください

日大とは相性も悪くないと思うので、相手に合わせることなく自分たちのバレーをしていきたいと思います。