昨年の秋季関東大学2部リーグ戦では5位に終わり、1部復帰とはならなかった女子バレーボール部。今季こそ1部へ。その目標を達成すべく、男子部から遅れること2週間、春季関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)がついに幕を開けた。初戦の相手は、昨年の全日本大学選手権でベスト8という好成績を収めた松蔭大。第1セットは逆転を許し奪われてしまうも、粘り強いバレーで対抗し、試合をフルセットまで運ぶ。第5セットは緊迫した展開となりジュースまでもつれ込んだが、最後はこの接戦を制したワセダがセットカウント3-2(22-25、25-22、18-25、25-13、16-14)で勝利。1部昇格へ、好スタートを切った。
第1セットはワセダが一歩リードし、それに対して松蔭大が食らいつくという展開に。しかし終盤に4連続でポイントを落とし逆転を許してしまう。そして、相手のレフトからのスパイクを防ぎきれず、このセットを先取される。第2セットも第1セットと似たような展開となる。しかし、このセットから途中出場した加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)がスパイクを確実に決めていき、試合を振り出しに戻す。続く第3セットではミスから、相手に点差を離される。「ミスが出る場面がまだ多い」と黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)は語るように、特にチームで重要と捉えているレシーブにミスが表れてしまった。佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)がスパイクを2連続で決めるなど点差を詰めていくものの、一筋縄にはいかない。タイムアウトを取られ勢いを断たれると、その後4連続ポイントを許し、セットカウントを1-2と追い込まれてしまった。
途中出場ながら活躍の光った加納
だが先に2セットを取られようと、ワセダには誰一人として諦めの表情を見せる選手はいなかった。徐々に調子の上がってきた選手たちの攻撃が決まるのに加え相手のミスも重なり、第4セットを大量点差で奪う。互いの勝利への執念が、試合をフルセットまでもつれこませた。先制点をもたらしたのは、ここでも加納のスパイク。「みんな前を向いてすごく強気でやっていた」(黒木)と語るように、ジュースとなったが、ワセダが最後に意地を見せた。唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)がスパイクを2本連続で決め、勝負あり。粘りを見せたワセダが松蔭大を下し、見事この激戦を制した。
開幕戦勝利に、喜びを爆発させる選手たち
この時期にチームを「家族のように心がいつもつながっている」(黒木)と表現できるところに、ことしのチームへの自信がうかがえる。その自信を深めさせたのも、きょうの勝利であるに違いない。勝利を積み重ねることで、ワセダは何倍にも強くなれるだろう。「全員が笑ってプレーできるように頑張りたい」(黒木)。最後にはコートに笑顔で立っていられるために、まずはこのリーグ戦を制覇したい。
(記事 谷口武、写真 吉原もとこ、谷口武)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 22-25 25-22 18-25 25-13 16-14 | 2 | 松蔭大 |
スタメン | ||||
レフト 及川香菜(スポ2=宮城・古川学園) センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘) センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘) ライト 木暮美波(人4=群馬・高崎女) セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井) リベロ 中川美香(スポ4=神奈川・大和南) |
コメント
黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)
――初戦からフルセットの試合となりましたが、きょうの試合を振り返ってどうでしたか
一喜一憂するわけにはいかないかもしれないですけれど、初戦を取れたことで、このチームも波に乗って行けると思うので、きょうの一戦は粘り強く全員で戦えてよかったと思います。
――フルセットから最後ジュースに持ち込まれてしまいましたが、その時の心境などはどうでしたか
勝つこと、そして一人一人のいいところを出すことしか考えていなかったので、怖い場面ではありましたが、みんな前を向いてすごく強気でやっていたのでよかったと思います。
――主将として、現在のチームはどのように見えますか
私自身そんなにリーダーシップとか取れるタイプでもないので、とにかくみんながいいところを出せるように自由にのびのびと大きくプレーしようということを普段から下級生にも言っています。なので、家族のように心がいつもつながっているようなチームになりつつあるなとはすごく感じています。
――オフの期間はどのようなことに取り組まれましたか
ことしは大型のチームではありますが、レシーブのチームだと言っています。つなぎだとかレシーブとか を絶対に落とさなければバレーボールは負けないので、そこに粘り強さを追求して練習を日々やってきました。
――いまのチームに課題を挙げるとすれば、どのようなことがありますか
まだ、レシーブと言っていてもミスが多いし、スパイクもトスも含め全部、ミスが出る場面が多いので、その波をなくしていくことが課題かなと思います。
――ことしのチームで、キーマンとなるのは
私たちで言うのもなんですが、やはり4年生です。いま3人コートに入っており、一本目をリベロ 、二本目を私がトスを上げて、三本目を決めきる木暮(美波、人4=群馬・高崎女)がいるんですけれど、その4年生が軸となって、あとは下級生がのびのびとやってくれれば勝てるのではないかなと思います。
――春季リーグの意気込みをお願いします
1部昇格を目標にやってきたので、それだけを考えて、全員が笑ってプレーできるように頑張りたいと思います。