接戦の第1セットを制し、ストレート勝ちで天皇杯初戦突破!

男子バレーボール

 カテゴリーを超え、バレーボール日本一のチームを決める天皇杯全日本選手権(天皇杯)ファイナルラウンド。5日前に全日本大学選手権(全日本インカレ)で王座を奪還した早大は、岩手県代表の岡崎建設Owlsと対戦した。接戦となった第1セットをデュースの末奪うと、第2セットは危なげなく連取する。下級生主体のチームとなった第3セットも、今試合フル出場したセッター浅野翼(スポ3=宮城・東北)との意気の合ったプレーを発揮し、セットカウント3-0(30―28、25―15、25―16)でストレート勝利を収め、2回戦へと駒を進めた。

駿台コンビの伊藤(左)、佐藤のブロックポイント

 立ち上がりから相手に押し込まれる展開になり、4-9と一時は5点差をつけられてしまう。それでもOH水町泰杜主将(スポ3=熊本・鎮西)の強烈なクロススパイクを皮切りに、徐々に調子を取り戻した早大は、4連続ブレイクでついに逆転に成功する。その間、布台駿(社4=東京・早実)のブロックフォローが良い形の攻撃につながった。その後もMB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)のダイレクトやMB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)のクイックなどで着実に得点を重ねていく。佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)と伊藤のブロックでマッチポイントになるが、交代時のミスもあり1点が取りきれずデュースにもつれ込む。一進一退の攻防が続く中、水町がエースの意地を見せ28-28。相手のスパイクアウトで29-28になると、最後はOP畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)のブロックポイントで第1セットを制した。

第1セットをブロックでとった畑のガッツポーズ

 第2セットは、接戦となった第1セットと打って変わり、早大ペースの展開となった。畑やOH山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)のクロス、麻野のライト側からの速攻で開始から3連続得点する。「ハイボール専門家」と自身で話していた水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)がハイボールをコースに打ち分けると、今度は相手のスペースを突いた軟打でさらに突き離す。10-3と早大が先行した場面では、畑・伊藤・水町の3枚ブロックも光った。第2セット終盤には浅野のレシーブから水町がフェイクトスを上げ、畑がそれを決め切る華麗なプレーも。長いラリーの中で浅野のレシーブ力が光り、最後は板垣慧(政経2=京都・洛南)のブロックでセットを連取した。

 続く第3セット。佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)の今試合チーム初となるサービスエース、安食浩士(スポ1=宮城・東北)の2連続得点など下級生が中心となって試合を進めていく。さらに途中出場した滝谷照(スポ3=宮崎・日南振徳)がスパイクを決め、早大の雰囲気を盛り立てる。リベロ荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)が何度もボールをつなぎ、粘ってラリーを制すると、ついにマッチポイントに。最後は相手のミスもあって、25-16でセットを奪い、ストレート勝利を収めた。

片手でトスアップする浅野

 自分たちのミスが見られた場面もあったが、「下級性がやりやすい環境を」(水町)と、4年生を中心に試合をつくり、下級生が奮闘し、チーム一体となって勝利を手にした。次戦の相手はV1所属のジェイテクトSTINGSだ。厳しい相手にはなるが、天皇杯は水町率いる現体制がプレーする最後の大会。1試合でも多くこのチームで戦うために、全員が全てを出し切りたい。

(記事 渡辺詩乃、写真 五十嵐香音)

 

セットカウント
早大 30-28
25-15
25―16
岡崎建設Owls
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 浅野翼(スポ3=宮城・東北)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
リベロ 布台駿(社4=東京・早実)
途中出場
滝谷照(スポ3=宮崎・日南振徳)
板垣慧(政経2=京都・洛南)
佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)
菅原啓(教1=山形南)
安食浩士(スポ1=宮城・東北)
布台聖(スポ1=東京・駿台学園)
コメント

水町泰杜主将(スポ3=熊本・鎮西)

――今大会の位置付けは

 このチームでやる最後の大会になるので、まずは後悔しないように最後までやり切る気持ちで臨みました。

――今日の試合を振り返って

 全日本インカレ終わりの天皇杯は、毎年すごく難しくて。最初硬さが出たのですが、4年生中心に、しっかり盛り上げていこうと話してました。そこから後輩たちがよく頑張ってくれたかなと思います。全日本インカレにかけてきたところがあるので、(今まで)僕らがやってきてすごい難しいっていうのが分かったので、その分僕ら4年生がきっちりやって、下級性がやりやすい環境をつくらないといけないと思っていました。

――ご自身のプレーを振り返って

 今日は翼(浅野翼、スポ3=宮城・東北)が上げてたので、ふんわりしたトスになるっていうのが分かっていました。全日本インカレで、そんなに本数を打ってなかったので、それに合わせてしっかりできました。

――相手チームはどのようなチームでしたか

 結構時間差で動いてきて、ブロックしにくかったです。

――ブロックはチームとしてどうでしたか

 3枚ブロックは全日本インカレに向けてやっていたところが、吏玖(伊藤吏玖、スポ3=東京・駿台学園)を中心に出たんじゃないかなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 難しい試合になりますけど、このチームでやる最後の大会になるので、悔いのないように全部出し切りたいです。まずは4年生から全部出していきたいと思います。

畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)

――今日の試合をチームとして振り返って

全日本インカレが終わって、気持ち的にちょっと難しい大会だったと思います。 そんな中でしっかり1試合目勝ち切れたのはよかったと思います。

――ご自身としてはどういう気持ちで挑みましたか

 4年生は最後ですが、自分は来年も大学生が続くので、しっかり1つの大会としてちゃんと臨もうと思っていました。

――今日の自身のプレーの振り返りをお願いします

 いつも通りのプレーができたと思うので、よかったかなと思います。

――第1セット、畑選手のブロックでとったと思います。それ以降はチームとしてブロックが良かった印象があるのですが、守備面を振り返っていただけますか

 やはり1セット目は相手がどういうチームか正直わかってなくて、どのようにブロックをついていくか探り探りでやっていたのですが、2セット目からはそれがはっきりとして、 うまくいったかなと思います。(岡崎建設は)ライトが速いのですが、レフトはふんわりしたトスでしたね。それに合わせてブロックにつく枚数を変えていました。

――途中まで乗り切れない感じがチームとしてあったのは、どのようなところが要因ですか

 全日本インカレで優勝して、ひと段落したという感じでみんな思っちゃっているのかもしれないです。ミスがめちゃくちゃ多かったです。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 明日はVリーグの相手とできるので、貴重な良い経験だと思って、自分の全力を尽くしたいなと思います。