関西王者・近大にストレート勝利し、ベスト4進出!

男子バレーボール

 全日本大学選手権(全日本インカレ)準々決勝、関東王者の早大は関西王者の近大と対戦した。第1セットはOH山田大貴(スポ4=清水桜が丘)の攻撃力が爆発し、危なげなく先取する。第2、3セットは接戦になるが、苦しい場面でも安定したレセプションから多彩な攻撃を展開し、粘ってセットを連取。セットカウント3―0(25―8、25―23、25―16)で準決勝へと駒を進めた。

麻野のクイック

 1セット目、序盤からOH水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)が強烈なサーブで相手守備陣を崩し、山田のスパイクで流れをつかんだ早大。相手のミスもあり、驚異の8連続得点で12-3と点差を広げる。その後もリベロ荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)の丁寧なレセプションからMB麻野堅斗(スポ1=京都・東山)のクイック、相手のブロックアウトを狙った水町の冷静なプレーで近大を寄せ付けることなく25-8でセットを先取した。

 接戦となった第2セット。序盤、相手のコンビミスが目立った中、早大は強みであるサイドアウト率の高さを見せる。中盤には麻野が2本連続でサービスエースを決め、さらに点差を離し12-6とした。しかし徐々に近大の攻撃の精度が上がり、終盤には接戦に。それでも23-22の場面でセッター前田凌吾(スポ2=大阪・清風)、麻野、山田の3枚ブロックが近大の攻撃を封じ、相手に流れを渡さなかった。ブロックポイントが少なかった第1セットに対し、第2セット以降は高さでも相手を圧倒して試合中の修正力が光った。最後は水町のパイプ攻撃で25-23、接戦の第2セットを制した。

山田のスパイク

 続く第3セットも、拮抗(きっこう)した場面が見られた。そんな状況の中でも、「普段通りやってきたことを出すっていうところが、チームの中で統一されていた」(水町)と、慌てることなくいつも通りのプレーを発揮する。今試合、特に活躍が光った山田が相手のスパイクをシャットアウトし、7-4。水町のエンドラインすれすれのスパイクやMB伊藤吏玖副将(スポ4=東京・駿台学園)のクイックなどで16-12、早大は着実に得点を重ねていく。終盤には水町、MB板垣慧(政経2=京都・洛南)、麻野の3枚ブロックがラリー中に何度も相手のスパイクをブロックし、粘り強さを見せる。麻野がネット際のボールを押し込み、ついにマッチポイントに。最後は途中投入されたOP佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)が25点目を奪い、25-16でストレート勝利を収めた。

喜ぶ選手たち

 拮抗(きっこう)した場面も見られたが、一度も相手に主導権を握らせることなく勝ち切った今試合。麻野や伊藤を筆頭とした安定感のあるブロックや、前日に松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)が課題として挙げたスパイクの精度も上がり、日を追うごとに成長を見せている。次戦は、去年のインカレで辛酸をなめた準決勝だ。全てを出し切り、去年の悔しさを晴らしたい。

(記事 渡辺詩乃、写真 五十嵐香音、町田知穂)

 

セットカウント
早大 25-8
25-23
25―16
近大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ4=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ4=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ4=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ1=京都・東山)
オポジット 畑虎太郎(スポ2=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ2=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ4=熊本・鎮西)
リベロ 布台駿(社4=東京・早実)
途中出場
浅野翼(スポ3=宮城・東北)
板垣慧(政経2=京都・洛南)
佐藤遥斗(スポ1=東京・駿台学園)
安食浩士(スポ1=宮城・東北)
コメント

水町泰杜主将(スポ4=熊本・鎮西)

――今日の試合をチームとして振り返っていかがですか

 準々決勝ってすごく大事な1戦だったと思います。点差は大きく離れたり、僅差だったり、いろいろありましけど、まず良いかたちで終えることができてよかったなと思います。

――接戦になった場面でも粘って勝ち切れた要因は

 どういう状態にあっても、普段通りやってきたことを出すっていうところが、チームの中で統一されていたのでそこが良かったです。

――水町選手自身、普段通りやるためにチームに声掛けなどは

 特別な声掛けは別にしてなくて、いつもの指示出してる声とか、ちょっとミス出た選手に声掛けをしていました。

――昨日松井監督がスパイクの精度がもう少しとおっしゃっていました。今日はチームや個人としてスパイクの精度はどうだったか

 大貴(山田大貴、スポ4=清水桜が丘)が非常に良かったので、最初何本かスパイクを打って、「大丈夫だな」って安心して。僕はまた明日からも頑張らないといけないです。まだ全然噛み合ってないです。

――噛み合ってないというのは

 最初はハイボールの本数が結構多くて、僕はハイボール専門家みたいな(笑)。明日からはパイプもレフトもそれなりに本数増えてくると思うので、その中でしっかり上げていければいいのかなと思います。(今日は)僕以外で点が取れて、ミドルやライトが使える証拠なので、シンプルに僕の問題で、僕がハイボール専門家になりきれてないです。

――水町選手の二段トスから山田選手の得点が多かったです

 今日は高いトスに対して、(山田が)きちんと入り込んでヒットできていたので、とりあえず高さを作ることを意識して、あとはそんなに心配していなくて、大貴に任せるという感じでした。

――関西のチームならではのプレーや、近大の印象は

 コイントスで(近大に)コートを選ばれたのですが、関東ではあまり見なくて。僕らはずっと最初から同じコートでやっていて、急にそれが変わったので、流れ的にやりづらくしたいんだろうと感じて関西ぽいなと思いました。本当の意図は分からないですけど(笑)。なかなかコートを変えてほしいというチームはないです。

――明日への意気込みをお願いします

 とりあえず準決勝、去年悔しい思いした場所なので、まずはその思いと、同期と後輩としっかり楽しみたいです。

麻野堅斗(スポ1=京都・東山)

――試合を振り返って

 昨日などに比べるとパフォーマンスが落ちてきていると感じていて、その中でもできることをやろうと思って今日は挑みました。ブロックも要所でとれたので良かったと思います。課題としては、相手のミドルブロッカーが交代で入ってきて、そこに対応できなかったことです。

――インカレ前対談で、初めての全日本インカレですが緊張はしないと思うとおっしゃっていました。実際に出場してみていかがですか

 以前言った通り緊張はあまりしていないですね。

――チームとして良かった点、課題点は

 1セット目は思うような形でとれたのですが、2、3セット目は相手に押された状態になってしまいました。そこを封じ込めるというか、1セット目のような状態をキープ出来たらもっといい試合になったと思います。そこを明日はできるように頑張りたいと思います。

――クイックの完成度はいかがでしたか

 思うように体が動かなかったので、あまり打点が高い状態で打てなかったです。

――次戦への意気込みをお願いします。

 明日は中央大学さんか東海大学さんと当たるのですが、どちらのチームも向かってくると思うので、そこで自分たちが受け身にならずに進められるように頑張りたいです。