例年に比べ、多くの選手が入部した今年。今回は、その中でも埼玉と東京に縁のある4人の選手を紹介する。お互いのことや、春リーグに向けてバレーボールのことを伺った。
※この取材は3月17日に行われたものです。
お互いのこと
対談中の新井(左)、布台
――まずは自己紹介をお願いします
新井 早稲田大学系属早稲田実業学校(早実)高等部出身、新井琉之介です。法学部に入学する予定で、ポジションはアウトサイドヒッター(OH)です。趣味は映画を見ることですかね。最近はタイタニックを見に行きました。
大谷 埼玉県私立川越東高等学校出身、大谷陸です。ポジションはミドルブロッカー(MB)です。進学先はスポーツ科学部で、趣味はYouTube鑑賞です。
佐藤 東京都私立駿台学園高等学校(駿台)出身、佐藤遥斗です。ポジションはOHで、スポーツ科学部に進学予定です。趣味は特にないです・・・。
――バレー部は寝るのが趣味という人がたまにいますね
佐藤 そんな感じです。
布台 東京都私立駿台学園高等学校出身、布台聖です。スポーツ科学部に進学予定で、ポジションはリベロです。趣味は釣りをすることです。
――どこに行かれるのですか
布台 自分は千葉県出身なので、そちらの方の海に行きます。
――みなさん初対面はいつでしたか。早実と駿台はよく練習試合をしていたとか。あとは、東京都の国体でも一緒でしたよね
新井 遥斗(佐藤)は中学の時に練習試合をしたことがあります。エースで、1人とびぬけていたなという印象があります。
佐藤 (新井選手は)練習試合の時ではなくて、長身者合宿での印象なのですが、高さがあって、そのときからずっと強いなと思っていました。
布台 遥斗はサレジオ中のときに一度練習試合をしたことがあって、1人でずっと打っているなという印象で。話したりはしたことなかったですね。 琉之介(新井)は、中学生の頃にJOCで埼玉代表だったので、その時に見る機会が多くて。もともと自分も早実に行こうとしていたので結構話していました。
――大谷選手と新井選手は埼玉出身ということで、なにか絡みはありましたか
大谷 高校2年生の12月くらいに、関東圏の長身者合宿で初対面でした。その中だったら、レシーブもスパイクも一番強く感じましたね。
新井 (大谷選手は)多分1日目に試験か何かで遅れてきて。一人遅れてくるからとは言われていたのですが、「遅れてきたやつでか!」ってなりました(笑)。
一同 (笑)。
――では第一印象と変わったところなどはありますか
佐藤 (新井選手は)チャラそうに見えて、意外と真面目。
新井 チャラそうに見えるか・・・?
佐藤 てきとうな感じがする。意外とでもちゃんとやることはやるなという感じです。
布台 自分は、早実上がりもうちょいまじめかなとおもっていたんですけど。
新井 反対じゃね?
布台 自分は割と話すので、ふざけるなあとか。国体の時も一緒にふざけたりしていたので。
大谷 長身者合宿の時にはしっかりしている印象というか、しっかりしているところしか見ていなかったので、今一緒にいるとオンとオフの差があって。オフはめっちゃ笑っている、ふざけているという感じですね。
佐藤 (大谷選手は)初対面が入試の時だったんですよ。その時はそんなにしゃべっていなかったんですけど、「あれなんか結構しゃべるな」みたいな(笑)。無口な感じなのかと思っていました。
布台 自分も入試の時に初めて会って、「めっちゃでか」って第一印象は思っていて。おとなしいんだろうなと思っていたら違いました。
大谷 (佐藤選手は)こちらも静かな印象で。今も静かな方だと思うので、印象が変わったわけではないですね。静かで淡々とやっているイメージ。
佐藤 静かかな・・・。
大谷 この中だったら静かな方でしょう
新井 でもこの間練習試合出させてもらったときに、佐藤が最初に入ったのですが、1点目をブロックか何かでとって。気まずい感じかなと思ったら、大はしゃぎして走り回っていました(笑)。プレーの時だと結構盛り上げるなって思っていました。
――布台選手は、ずっと一緒にいるから特にないでしょうか
布台 (うなずく)
一同 (笑)。
新井 (布台選手は)オンとオフの差ははっきりしていて、オフではちゃんと面白いしよくしゃべります。一緒にふざけたりもするけど、バレーボールに対してとなると、1番まじめなのではないかなと思います。
大谷 必殺仕事人みたいな印象があるんですよね。同期で良かったと思います。
――対戦相手ではなくてよかったということですか
大谷 それもそうだし、聖(布台)の後輩じゃなくてよかったなって・・・。
新井 たしかに
大谷 後輩だったらやばかったと思います。
――佐藤選手はいかがですか
佐藤 無いです。聖です(笑)。
――みなさん、もう仲良くなりましたか
新井 仲良くなりました!
――寮暮らしですか
佐藤 自分だけ寮です。
新井 1人暮らしです。
大谷 1人暮らしです。
布台 実家です。
――ばらばらですね。今までに面白かったエピソードや印象深かったエピソードはとかありますか
大谷 安食浩士(スポ1=宮城・東北)のふざけ度がすごい。思ったより誰にも絡みます。先輩にもめっちゃくちゃ人に絡むイメージがありますね。最初はそんなイメージなかったけど。
佐藤 原宿デート(笑)。
一同 ああーー(笑)。
佐藤 僕と安食で原宿行ったんですけど、YouTuberの動画に映りこむっていう(笑)。出演したというわけではなくて、YouTuberが2人いて、その後ろを歩いていました(笑)。
新井 それを聖が見つけて、1年生のLINEグループで「発見しました」って。
一同 (笑)。
バレーボールについて
対談中の佐藤(左)、大谷
――バレーボールを始めた時期ときっかけを教えてください
新井 小学校1年生と2年生の間くらいです。サッカーをずっとやっていたのですが、練習に行かなすぎてセレクションに落ちてしまって。上がれなくて何かをやろうと思っているときに、日大のリベロの子が近所にいて。誘われて一緒にジュニアに入ったという感じです。
――そのころから練習があまり好きじゃなかったのですか、それともサッカーがあまり好きじゃなかったのですか
新井 いや、サッカーも大好きだったんですけど。なんかわからないけど行かなくて。
布台 行けよ(笑)。
新井 バレーボールもちゃんとやり始めたのは5、6年くらいですね。それまでは遊んでいました。
布台 自分は小学校4年生くらいから始めました。兄がいたので、影響を受けました。
佐藤 自分は小学校2年生です。家族全員バレーボールをやっていたので。
大谷 自分は高校1年生の7月から始めました。顧問の先生に熱烈に勧誘されました。入学式の日に(笑)。
――早大に進学を決めた理由を教えてください
大谷 身長を活かせないのはもったいないなと思っていました。高校の顧問の先生と松井監督(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)が知り合いで、練習に参加させていただいて、声をかけていただきました。やはり大学でもやりたいと思っていたので、その話を受けたという感じです。早稲田という名前は大きいですし日本一を狙っているチームなので、ここしかない、ここでやりたいと思いました。
佐藤 自分は最初大学を決めるのをずっと迷っていて。もともと第一希望は早大ではなかったのですが、大会を見ていて早大が成績を残していて、一番強いのは早大だなと思いました。最後決めるところまでずっと迷っていましたが、将来Vリーグに行くとなったら絶対にレベルの高いところでやらせてもらった方がいいと思ったので、早大にしました。
布台 自分は本当にどこに行くか決まっていなくて。バレーボールで行こうと思っていたのですが、どこからも呼ばれることはなくて。兄が学校的にもバレー的にも魅力的だからと言っていて、兄もいるし1年かぶるからやりたいなと思って、早大に決めました。
――中学でもともと早実志望だったとのことでしたが、早大を意識していたのですか
布台 中学から高校に上がる時は、早実の顧問の綿引先生に呼ばれていて、自分はそんなに行きたい高校もなかったので行こうと思って。でも受験失敗して違う高校にしました。
新井 自分は高校選びの時に、多分早大の試合を見て。高校3年間というよりも、大学でレベルが高いところでやりたいということがバレー人生の目標としてあって。そのために早実を選びました。
――早大の先輩たちとはもともと交流がありましたか
新井 早実は結構練習試合をさせてもらうことがあったり、オフシーズンに駿さん(布台、社4=東京・早実)が泰杜さん(水町、スポ4=熊本・鎮西)や怜音さん(荒尾、スポ4=熊本・鎮西)を連れて練習の手伝いに来てくださったりしたので、交流はあったと思います。泰杜さんからは、二段トス打ちきれなくて悩んでいた時にアドバイスをいただきました。
布台 駿台で結構練習試合をやらせてもらって交流はあったので、早大がどんなバレーをしているのかも見ていてわかっていました。自分たちが高校3年生だったときの4年生の岩本大吾さん(令5スポ卒=現ジェイテクト)とは結構仲良くさせていただいていて、大学のことを聞いたり。兄に家で大学のことを聞いたりしていました。
大谷 自分は特に・・・。松井先生から話が合ってからの早稲田のバレーボールについて調べてみて、先生から聞いてなるほどなと思ったりしたので。先輩から話を聞くとかは一切なかったです。
佐藤 駿台は年末、春高前にOBが来てくれるんですよ。そのときに伊藤吏玖さん(スポ4=東京・駿台学園)に話を聞いたりとか、自分で連絡を取ったりはしていました。早大がバレースタイルでやっているのかとか、練習はどういう感じでやるのか聞いていました。
――高校のチームと、早大のバレースタイルに違いは
佐藤 駿台はシステムというか、データで相手に合わせて対応するというのが一緒だと思います。でも自分たちの代の駿台は結構攻撃が速かったので、それに比べると早大のサイドの攻撃はゆったりしているのかなと思います。
布台 レベルが変わるので、球が重いとかは感じます。
新井 松井先生が練習の指導をしてくださったりしていたので、今やっている練習も早実ではやったりしていて。でも球の質も違うし選手の質も違うので、全く違う練習みたいです。高校でやった練習よりも何ランクも上という感じです。
大谷 自分の高校は別に県大会でも上位の成績をとったり、全国大会に出場したりする高校ではないので、プレースタイルもその代に身長が高い人がいれば任せたり、小さかったら速い攻撃とかするのかもしれないですけど、特にこれをやろうというのがなかったので。早大は急にレベルが上がって、何もかもレベルが高いから、基礎も一から全部やるつもりで自分は1年間頑張ろうと思っています。
――大谷選手は今までのチームではスコアラー的な役割だったのですか
大谷 ずっとMBで。ひたすらブロックとクイック打つ、だけだったので、練習中にサイドとかはまだ全然できないです。全然やってないので・・・。MBのためにやってきたという感じです。
――実際に練習に参加してみて感じたことを教えてください
佐藤 時期も時期だとは思うのですが、基礎練が多くて、基礎を大事にしているのかなと思います。ずっと基礎だけをやっているわけではないですが、多いのでそこは意外でした。
新井 昨年から主力でやってきた今の4年生がすごくしっかりしているので、まだ何もわからないながらも何が求められているのか感じることができます。4年生がしっかりしているとやりやすいのだなと思います。
大谷 松井先生が結果よりも過程を大事にするバレーをすると聞いていたのですが、その言葉の通り目印のところまでボールがいかなかったら何度も何度もやり直したりするという、過程を意識したバレーを体感、実感しました。それを継続していく力をつけていかなければならないのかなと思いました。
布台 高校だと先生が結構言うことが多いですが、ここに来てからは松井先生が練習を止めて指示出すというよりかは、4年生が下級生に教えることを練習で見ていて、学生を中心に練習しているなという印象があります。
――主将副将対談のときに、「今年の新入生はめっちゃ気合入ってる」と伺いました。なにか意識していましたか
佐藤 プレーヤーとして尊敬できる方が本当にたくさんいるので。今の4年生とできるのは1年しかないので、吸収できるところは吸収していかないと、絶対後で聞いておけばよかったと後悔すると思ったので、自分から気になったことは聞きに行くようにしています。
布台 自分は高校と大学でチームのシステムが変わったりして、わからないところがあったら4年生に聞きます。日本代表に入っていたりするすごい人たちがいるので、そういうひとたちに聞いて自分が成長できるように、たくさん質問しています。
大谷 自分は何も知らない状態で高校1年生からバレーボールを始めて。最初の方にYouTubeで見た動画に泰杜さんとかが載っていたんです。それで今この4月から一緒にプレーできるという状況がすごく気合入るし、高校から始めた分みんなよりバレー歴が短いので、今からちゃんとやっていかないと追いつけないのは当たり前だと思っています。その点では気合入っていますね。
新井 大会で自分が観客としてみた人たちだし、YouTubeとかで暇な時間にずっと見ていた人たちなので、1年たっても慣れないんだろうけど、2週間たった今でも隣でサーブキャッチに入っているのが泰杜さんだったり大貴さん(山田、スポ4=静岡・清水桜が丘)だったりすると、すごいなと改めて思います。その人たちと一緒にできる期間を大事にしたいです。あとはこの代も1年生2年生から主力で出ていくだろう子ばかりが揃っていると思うので、同期にも負けていられないというので引っ張られる部分はありますね。
――自分の持ち味や、見ていて欲しいところは
布台 高校の時から声を出すことでチームを引っ張ってきた部分があるので、チームが雰囲気悪いときとかに自分が元気を出してチームを盛り上げられるようにしたいです。
佐藤 高校の時に駿台の監督にレシーブをたくさん指導いただいたので、他の人たちよりは守備面がある程度できると思うので、攻守のバランスを高いレベルで保ちながらプレーしていきたいと思います。
大谷 まだウェイトとかをしていなくて身体が細いですが、MBがチームのブロックの要になるので、体のウェイトアップもそうですがクイックの高さとか、サーブの強さとか歴が短い分伸びしろがたくさんあると思います。1年生の間に限らず、来年以降も成長する姿を魅せられたらなと思います。
新井 ウェイトをしてジャンプ力が伸びたので、打点を活かして高さをチームにもたらせたらいいなと思います。あとはブロックが得意、ではないですが苦手ではないので、ブロックをしっかりして守備面でも頼ってもらえるような存在になりたいです。
――大学バレー4年間での目標を教えてください
新井 (小声で)全カレ優勝・・・。
佐藤 それそれそれ・・・。
――ではみなさんで日本大学選手権(全カレ)優勝ということですね。自分たちの代でですか、それとも4連覇ですか
布台 ハイ。
一同 (笑)。
――みなさんで連覇の歴史を作っていくということで、頼もしい1年生から目が離せません!ありがとうございました!
(取材・編集 五十嵐香音 写真 荒井理沙)
1年目の抱負を書いていただきました!
◆新井琉之介(あらい・りゅうのすけ)※写真中央左
2004(平16)年5月11日生まれ。192センチ。最高到達点343センチ。東京・早実高出身。法学部1年。早実を3年ぶりに全日本高等学校選手権大会(春高)へと導き、エースとしてチームを率いました。今度は大学バレーに『挑』みます!布台選手と合わせて『挑戦』だそうです!
◆大谷陸(おおたに・りく)※写真右
2004(平16)年6月7日生まれ。200センチ。最高到達点340センチ。埼玉・川越東高出身。スポーツ科学部1年。体づくりもプレー面も伸びしろだらけと話す大谷選手。『継続』力を大事に、練習やウェイトに取り組みます。4年間の成長に期待大です!
◆佐藤遥斗(さとう・はると)※写真左
2004(平16)年12月1日生まれ。190センチ。最高到達点333センチ。東京・駿台学園高出身。スポーツ科学部1年。春高優勝を経験し、最優秀選手賞を獲得しましたが、どこまでも謙虚な佐藤選手。今の実力に満足せず、レベルの高い先輩たちから吸収して戦えるように『努力』を怠りません!
◆布台聖(ふだい・しょう)
2005(平17)年1月31日生まれ。161センチ。最高到達点280センチ。東京・駿台学園高出身。スポーツ科学部1年。春高では佐藤選手とともに優勝を経験。スーパーレシーブを連発し話題になりました。その姿はまさしく必殺・仕事人。今からでも試合に出られるよう、努力して『戦』います!