全日本大学選手権（全日本インカレ）が、このチームで大学生と戦う最後の舞台となる。全日本インカレを終えた選手たちに胸中を伺った。
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〇監督・４年生編
松井泰二監督（平３人卒＝千葉・八千代）
１回戦・北海学園大戦で選手に指示する松井監督
――試合前、選手たちにどんな声をかけて臨みましたか
昨日のことを振り返ることはなく、新しい未来を見るために先をみてやろうと。それを言う前から本人たちはその気持ちづくりができていたようなので、学生たちは大人だなと、安心して今日は試合を見ていました。ほんとに良い顔をしてやっていましたね。朝から良い顔をして集まっていたので、大丈夫だろうなって感じていました。
――今日の試合（３位決定戦）を振り返って
全部出し切れていましたね！
――全日本インカレを終えて、今のチームはどのように映っていますか
優しい４年生がリーダーシップをとって、試合に出ているメンバーも多い３年生と一緒に一つになってできていたのかなと思います。特に今日の試合はあんまり波がなかったですが、それも３、４年生のリーダーシップが発揮できたからなのかなと思います。その３、４年生のまとまりが良いかたちで発揮できたから、こういう結果に表れたのかなと思います。
――山田（大貴、スポ３＝静岡・清水桜が丘）選手がコートに入ってからは、３年生が中心になりました。３年生にとっても来年に向けて良い経験の場になったのではないでしょうか
そうですね。山田はたつ（大塚達宣副将、スポ４＝京都・洛南）がいない時でも試合には出ていました。ですがやはりあの舞台を踏ませてあげないとなとは思っていましたね。いろいろな状況も踏まえて出すべきところだと思いましたし、良く頑張ってくれました。
――やはり「６連覇」へのプレッシャーは相当なものでしたか
今思うと、確かに僕にもプレッシャーはあったのかもしれません。やっぱり学生たちの良さを引き出すという目でチームを見てきたつもりでした。ですが今日の学生たちの表情を見ていると、もしかしたら僕がそういう顔をしていたから彼らもそういうプレッシャーを感じてしまっていたのかなということが頭をよぎりました。そういう部分があったとしたら、まずかったな、プレッシャーをどこかで感じてしまっていたのだなということはあります。
――この大会で来年につながる収穫もたくさん得られたのではないでしょうか
そうですね。やはり実力があるので、少しのところで勝敗は分かれてしまいますし、やはり勝ちを意識するのではなく、全部出すということができれば、今日のように自分たちらしいバレーができることが確認できたのではないかなと思います。
――天皇杯（天皇杯全日本選手権）に向けて意気込みをお願いします
本当に４年生にとって最後の大会になります。勝ち負けよりも、また４年生の集大成として、３年生以下は次のインカレに向けての良いスタートとして、戦ってくれればなと思っています。
ＭＢ岩本大吾主将（スポ４＝兵庫・市尼崎）
２回戦・名城大戦でサーブを打つ岩本 コート外からの声掛けでチームを盛り上げ、雰囲気を作った
――今日の試合どんな気持ちで挑みましたか
気持ちの切り替えが難しいところはありました。ですがある意味プレッシャーから解放されたというか。最後だからだという気持ちはなかったので、いつも通り試合に臨むことができました。
――今日は楽しんでバレーすることができましたか
出場したのは少しだったのですが、楽しんでバレーボールをすることはできたのかなと思います。
――集大成となりましたが、今日のプレー面振り返って出し切れていましたか
去年のチームからそうですが、サーブはすごくチームの武器になっていたのかなと思います。フローター陣、ジャンプ陣含めて効果的なサーブが打てていたので、そこから理想的なディフェンスができていたのかなと思います。ブロックタッチをよく取って、そこからの切り替えしもできていたので、良かったのではないかなと思っています。
――岩本選手自身はこの４年間の集大成として悔いのないプレーができましたか
この２日間は直接点を取ることができなかったのですが、今日あの１本、思い切ってサーブを打つことができましたし、悔いはないです。
――主将としてこの１年間を振り返っていかがですか
今一番思うのは、やっと終わったなと。最後の大会も結局結果を残せなかったというところでは、後輩や応援してくださる方々には本当に申し訳ないなと思っています。僕なりに１年間やってきて、最後にみんなが笑ってくれるところを見て、笑顔でプレーする姿が１番、早稲田に似合っているなと思いました。そういう風になれるチーム作りを１年間できたのかなと思うと、良かったのかなと思うところもありますね。
――来年、日本一に挑戦する後輩たちに向けてメッセージをお願いします！
今年負けてしまったので、そこのプレッシャーはないとは思うので、伸び伸びと、１年間苦しんで苦しんで頑張って、最後に笑えるように、うれし泣きできるように頑張ってください！
ОＨ大塚達宣副将（スポ４＝京都・洛南）
３位決定戦・日体大戦でスパイクを打つ大塚 高い技術力と決定力でチームをプレーでけん引した
――３位決定戦はどんな試合でしたか
昨日負けてしまって、最後に自分たちで１年間やってきたものを出して、いいバレーをしようと話していたので、それがチーム全体としてできたのが良かったと思います。
――３位で全日本インカレを終えましたが振り返っていかがですか
３年間優勝し続けてきていて、最後に優勝できなかったので、それはすごく悔しいです。
――このインカレを通して得たものは何でしたか
負けた中で気持ちの切り替えはなかなか難しかったですが、チーム全員でいい準備をして今日の試合に入れたのは、このチームの強さだと思いました。それを知れたのも準決勝で負けたからできたことではあるので、チームの強さが見れたので良かったと思います。
――ここまでともに歩んできた同期へのメッセージをお願いします
同期のメンバーには、自分がチームにいない時も多くてたくさん迷惑をかけてしまいましたが、信頼できるメンバーだったので思い切って、代表だったり色々な活動に集中することができました。本当に感謝しています。
――最後にこれからの早稲田を引っ張る後輩たちに向けてメッセージをお願いします！
下級生のみんなも自分たちにすごく付いてきてくれて、どんどん自分から自発的に発信してくれるようになりました。どんどん頼もしくなってきて、自分たちもすごく助けられる部分がありました。そういう意味で、下級生にも恵まれたので来年も安心しているというか、思い切って来年もやりたいようにやってもらえたらいいかなと思います！
ＭＢ秋間直人（スポ４＝愛知・桜台）
３回戦・東亜大戦でブロックをする秋間 ブロック、クイックを決め、チームの士気を上げました
――３位決定戦はどんな気持ちで挑みましたか
昨日負けてしまったことで気持ちの整理もつきづらい状況だったのですが、最後はチーム全体で勝って終わりたいと思っていたので、昨日の夜に切り替えて、今日は楽しんでやろうというのを思っていました。
――実際に楽しんでバレーをすることはできましたか
そうですね（笑）。絶対勝たなければいけないというプレッシャーは、これまでの試合よりも薄かったので、思いっきりできたなと個人的には思います。
――この４年間通して得たものは
やっぱり高校からバレーボールを初めて、入学当初は初心者に毛が生えたような状態でした。その中で先輩や後輩、同期がアドバイスをしてくれて、バレーボール選手として大きく成長できたなと思います。あとは、全カレで優勝するための行動であったり、早稲田らしさだったり、多くのことを学べた４年間だったなと思います。
――全日本インカレはどんな大会になりましたか
スタートでコートに立つ最初で最後の大会だったので、思うようなプレーは準決勝を含めて、あまりできなかったのですが、最後の３位決定戦で今までやってきたことが出せていたと思います。そういう面では、とても貴重な経験になった大会だし、準決勝の大一番、あの緊張感の中でプレーできたということは、今後の人生においても大きな財産になると思います。充実した大会になりました。
――これからの早稲田を背負う後輩に向けてメッセージをお願いします！
来年はプレーで引っ張ることができる学年だと思うので、優勝するのも大事ですが、そこまでの過程を大事にしてもらいたいです。ですがやはり結果も期待してしまうくらいすごい後輩たちなので、後輩たちが最後に笑って終われるような結果になればいいなと願ってます！
ＯＰ重藤トビアス赳（スポ４＝神奈川・荏田）
準決勝・筑波大戦でサーブを打つ重藤 攻撃的なサーブ、スパイクで早大アタックの一翼を担った
――昨日の準決勝で負けてから、今日どのような気持ちで試合に臨みましたか
練習前は切り替えることができていなかったのですが、アップ中に徐々に最後だから頑張ろうという気持ちになっていきました。
――最後プレーしてみていかがでしたか
楽しんでできたのかなと思います。出し切れたのかなと思います。
――秋季関東大学リーグ戦から不調だった時期もあったと伺いましたが、今日のパフォーマンスはいかがでしたか
今日は比較的、良くできていたのかなと思います。全カレの１週間前からまた調子が良くなかったのですが、凌吾（前田凌吾、スポ１＝大阪・清風）とも話し合って、最後は良い形で終われたので良かったのかなと思います。
――どんな４年間でしたか
コロナで体感的に半分くらい試合がない４年間でした。１年生の時は仕事に追われていたらあっという間に１年が過ぎていました。今思うと、楽しかったなと思います。ポジションが変わったり、ピンサーをやったり、オポだったりいろんなところを経験できて楽しかったなと思います。
――後輩に向けてメッセージをお願いします！
自分たちのことを信じて、来年の１年生と一緒に４学年で足並みをそろえて、気持ち良くプレーしてもらえたらなと思います！
ＯＰ中島明良（法４＝京都・洛南）
１回戦・北海学園大戦でスパイクを打つ中島 ポイントブロッカーに、オポジット、コート外からの声掛けとさまざまな役割を果たした
――全日本インカレを終えて今の率直なお気持ちは
優勝できなかったこと、3位で終わるってこんな感じなのか…という虚しさと、最初からもっと後輩を思ってチームとして頑張れていれば結果は変わったのかな、という気持ちです。最後とてもいい試合ができただけに、今勝ったのが3位決定戦じゃなくて、決勝戦だったらなと、勝った瞬間は思いました。
――交代で最後コートインした時を振り返っていただけますか
特に何も余計なことは考えず、頭の中はクリアでしたが、最後勝つ瞬間にコートに立つことができるタイミングでワンポイントブロッカーのチャンスが回ってきたことに運命を感じていました（笑）。
――楽しんでバレーをすることはできましたか
後輩の黒鷲旗（黒鷲旗男女選抜）出場のために4年生としての責務を全力で果たすという決意があったので、最後の一試合は楽しまないようにしました。他のメンバーが楽しそうだったので、それで僕は満足です。
――最後の試合を見て、どんなチームになったなと感じましたか
これからの主軸を担う3年生の成長と、今まで「チームを引っ張れ」と言われ続けてきた4年生がチームを引っ張っているのが目に見えて、これからVで活躍するであろう4年生、特に重藤と秋間の成長、その両者が重なりあって、最高のチームになったと感じました。もう4年生がいなくてもこのチームは大丈夫だ、と思いました。
――この４年間振り返って、悔いはないですか
最後の試合を見て、今までの過程は間違ってなかったと思えたし、自分のやりたいことも全部やらしてもらったので、悔いがあるとすれば最後勝てなかったことですかね。でもそれは結果論なので（笑）。だから４年間通算してみれば悔いはないです。人間的に多くの学びのある大きく成長できた４年間だったと思います。
――後輩に向けてのメッセージを何かお願いします！
（今の）３年生が最上級生なら最高のチームになれるから、３年生の優しさに甘えることなく、自分達のベストを突き詰めて、後は全力で３年生を支えてあげて、今年苦しんだ分も、来年報われるような素敵な一年にしてください。応援行きます！
ＯＨ芳賀雄治主務（商４＝山形南）
３位決定戦・日体大戦でサーブを打つ芳賀 どんな時でも熱い声掛けをかけ続けた
――今日のご自身のプレーを振り返っていただけますか
明らかにうまくいったとはいえないプレーも多かったですが、そういう機会を頂いたからには全力でプレーしようと思っていました。そういった点では４年間の思いの全てをぶつけることができたのかなと思います。
――昨日の敗戦後、声かけなどで意識した点はありますか
敗戦後は、僕自身すごく落ち込んでしまって、なんにも声をかけることができなかったです。それもちょっと後悔する部分でもあります。もっと今日頑張ろうと言えたらよかったなと思っていて。今日の朝結構切り替えられていて、みんな笑顔で来ていたので、今日頑張ろうねとか頼むねという話をしました。
――タイムアウト中には、芳賀選手と中島選手を中心に声かけをされていましたね
プレーに対する声かけというよりは、 やってきたことをしっかりやろうぜとか、うつむいている選手に胸張って思い切りやっていこうとか、プラスの声かけを意識していました。
――全日本インカレを３位で終えましたが、今のお気持ちを聞かせてください
率直に言うと、優勝を目指していたので悔しい気持ちはあります。でも最後このチームで３位決定戦を勝って終えられたことが一番の収穫だと思いますし、今後の人生の財産となると思うので、シンプルに嬉しいです。 また僕たちの借りを下級生が来年返してくれると思うので、期待を持ちながら最後締めくくれたのかなと思います。
――下級生へのメッセージをお願いします！
僕たちの思いを胸に、と言ったらおこがましいかもしれませんが、僕たちがかなえられなかった夢を来年、再来年、そしてその先もつなげていって欲しいと思います。頑張れ！
トレーナー堀内直人（スポ４＝愛知・滝）
準々決勝・国士館大戦でサポートする堀内 試合中の的確な声掛けやアップ中のサポートでチームを支えた
――インカレを終えて振り返っていかがですか
準決勝で達宣がケガをしてしまって、それは学生トレーナーとしても想定したくない事態でした。落ち着かない時間が多かったのですが、本人が「出たい」ということだったし、大人の方とできるだけの対応をすることができたのかなと思います。結果としては昨日（準決勝）で負けてしまいましたが、ケガをしたたつが思いっ切りやれて、他のメンバー対してもできることはできたので良かったかなと思っています。
――この４年間、悔いはないですか
ひとつひとつを振り返るとできることがあったのかなと思う部分もありますが、悔いはありません。
――４年間、トレーナーとして自分の役割を全うすることができましたか
コロナで試合ができない時期もあって、部員の一人としてもトレーナーとしても難しくて、迷った時期もありました。ですが振り返ってみると全て経験というか、良い時間だったのかなと思います。
――これからをつないでいく後輩に向けてメッセージをお願いします！
あまり心配していないというか、今回のこの経験をバネにしてプラスに変えられる後輩ばかりなので、さらに強いチームを作ってくれたらいいなと思っています！
アナリスト小室麻由（政経４＝埼玉・早大本庄）
準々決勝・国士館大戦で分析する小室 多大なデータを取り、分析しチームの戦術に大きく貢献した
――全日本インカレを終えて今の率直なお気持ちはいかがですか
ここまで５連覇という歴史を築き上げて下さった先輩方や、松井監督をはじめとするスタッフの方々、そして何より後輩たちへ申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、３位決定戦終了後に全員が良い顔をしていたことはとてもうれししかったです。
――アナリスト席からどんな気持ちで試合を見ていましたか
相手の傾向や自分達の修正すべき点を考えながら試合のデータを入力し、分析することがアナリストの役割なので、冷静でいることを心がけていました。ですが、同期が要所要所でコート内に入り、活躍していた姿を見た時は４年間を思い出して少し涙が出そうになりました。
――この４年間振り返って、悔いはないですか
完全にないとは言えませんが、それを払拭すべくラスト１年は全力を尽くしてきたつもりです。
――後輩に向けてのメッセージを何かお願いします！
数字で現れる結果だけに囚われるのではなく、そこに至った過程や内容を大切にしてまた進んで下さい！ 個性派ぞろいの４年生をたくさん支えてくれてありがとうございました。
※次回は下級生編をお送りいたします。
（取材・編集 新井沙奈、五十嵐香音、山田彩愛）