全日本大学選手権(全日本インカレ)がついに開幕した。早大は1年間の集大成として頂を目指す。初戦の相手は北海学園大。立ち上がりから強気な攻撃で1セット目を先取すると、その後も危なげなく試合を進め、2セットを連取する。第3セットではメンバーを大きく変更して挑んだが、そこでも攻勢を貫いた。最後は相手のサーブがアウトとなり、ゲームセット。セットカウント3-0(25-7、25-9、25-18)で快勝し、幸先の良いスタートを切った。
立ち上がりから落ち着いたプレーを見せ、連続得点を決めた。OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)のバックアタックやOP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)のサービスエースが決まるなど、攻撃で相手を圧倒する。サーブやスパイクミスで失点する場面も見られたが、焦ることなく攻撃を続けた。ブロックフォローにもしっかりと入り、息の合った攻守を見せ、序盤から早大は主導権を握った。終盤には7連続得点をし、25-7と大差をつけ第1セットを先取した。
クイックを打つ秋間 4年生としてコートでチームを盛り立てた
第2セットでも早大の勢いは止まらない。重藤の強烈なスパイクや、OH大塚達宜副将(スポ4=京都・洛南)のサービスエースで開始直後に6連続得点。相手のフェイントも冷静に拾い上げ、攻撃の隙を与えなかった。セット終盤にはメンバーを大幅に入れ替える。OH畑虎太郎(スポ1=福井工大福井)がフェイントとスパイクで緩急をつけ、相手を翻弄(ほんろう)する。OH芳賀雄治(商4=山形南)も強気なサーブでブレイクを演出するなど途中出場選手の活躍も光った。最後は長いラリーをOP中島明良(法4=京都・洛南)のスパイクで制し、第3セットへ。
初めての全日本インカレでサーブを打つ畑
第3セットはスタートからメンバーを大きく変えて挑んだ。MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)のクイックで先制し、畑の2連続サービスエースなどで点差を広げていく。ところが中盤、相手に攻撃のチャンスを与え、一進一退の攻防が繰り広げられる。速いテンポでラリーが続き、ブロックや守備の空いたスペースを突かれてしまう。それでも4年生の岩本、芳賀、MB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)、中島を中心に声を掛け合い、攻め続け再び点差をつけた。長いラリーで相手のミスを誘い、最後は相手のサーブがアウト。ストレート勝利し、明日の2回戦へと駒を進めた。
「チームもまとまり」はこの1年通して何度も挙げられていた課題であった。だが「今はもう90点くらいまでは来ている」(芳賀)。秋季関東大学リーグ戦以降、それぞれの役割を全うし、ここまで完成度を上げた。あとは試合ごとに出る細かな課題をその都度修正し、次へとつなげていくのみ。「チャレンジャー」として強気に立ち向かい続ける早大の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
(記事 町田千穂、写真 前田篤宏、山田彩愛)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 25-7 25-9 25ー18 |
0 | 北海学園大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西) アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ4=京都・洛南) ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台) ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園) オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田) セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風) リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西) |
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途中出場 | ||||
芳賀雄治(商4=山形南) 中島明良(法4=京都・洛南) 布台駿(社3=東京・早実) 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎) 畑虎太郎(スポ1=福井工大福井) 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘 馬渕純(スポ2=岐阜商) |
コメント
OP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
――今日の試合を振り返って
大会やリーグ戦の初戦は難しいのですが、今日はいい入りができたかなと思います。
――入りから落ち着いたプレーをされていた印象でした。緊張などはされましたか
程よい緊張という感じですね。
――ご自身のプレーを振り返って、今日はいかがでしたか
初めの数本は初めての体育館ということもあってあんまり合わなかったんですけど、最後の方はちゃんと合って、気持ちいいサーブが打てたので良かったと思います。
――今日のチーム全体としての収穫は何でしたか
初戦の入り、出だしが詰まることが多かったのですが、今日はそこをすんなり走れたことが良かったかなと思います
――明日以降修正したい点はありましたか
明日以降は今日みたいなバレーを続けるというのと、中からの攻撃をもっと本数を増やすのと成功率を上げるというのが大事になってくると思います。
――明日への意気込みをお願いします!
明日は2回戦で、体育館にも慣れてくるのでもっといいプレーや声掛けをして、いいリズムでどんどん次に進んでいけるように頑張ります。
OH芳賀雄治(商4=山形南)
――今日の試合を振り返って
全日本インカレの入りとしては、問題がないというか先が見える試合になったのかなと思います。僕たちに今まで足りなかったのが、わあっとなるような覇気や雰囲気でした。そういった部分をチームみんなで意識して取り組んだので、そこは達成できたのかなと思っています。プレーについても、一人一人が自分の役割を明確にして、ミスもありましたが思いっきりできたので、良かったのかなと思います。
――途中から出場されていましたが、その時の気持ちは
めちゃくちゃ緊張していました(笑)。
――その中でいつも通りのプレーを出すために意識したことなどありますか
緊張はいつもしてしまうので、最近はサーブの前に深呼吸をすることを意識しています。意識してはいますが、相変わらず緊張はしてしまいますね。
――サーブでブレイクする場面も見られましたが、今日のご自身のプレーで評価できる点は
いつもは(サーブが)「入るかな」「入らないかな」といった不安がありました。ですが今日は「入らなくても入ってもいいや」という割り切りをして、思い切ってサーブを打つことができました。最後はアウトになりましたが、それも思いきり攻めた結果だったので、思い切って攻められたことは自分の中で良かったことかなと思います。
――4年生としてコートの内外からチームを見ていて感じる今の雰囲気はいかがですか
100点満点だとすると、今はもう90点くらいまでは来ているのかなと思います。今まではミスをして落ち込んでしまったりだとか、他の人のミスを流してしまったりだとかいう場面がありました。今日はミスが少なかったこともありますが、チーム全体として笑顔で楽しんでバレーができたので、90点くらいかなと個人的には思っています。
――明日の試合につながる課題、収穫は何かありましたか
誰が(コートに)入っても勝てるチームを僕たちは目指しています。Aチームの時は大きな点差をつけてセットを取ることができたのですが、Bチームになった時に点差をつめられてしまいました。BチームがAチームと同じ質でバレーボールができていないところが見受けられました。AB戦では結構良い試合をするので、Bチームも力を発揮することが、まだまだ課題なのかなと思います。
――対戦相手はまだ決まっていませんが、明日への意気込みをお願いします!
どんな相手が来ても、自分たちのバレーボールを一戦ずつ発揮していくだけなので、これからも頑張っていきたいと思っています。
OH畑虎太郎(スポ1=福井工大福井)
――今日の試合を振り返っていかがですか
普段あまり試合に出ないので、とにかく思い切り楽しんでプレーすることを意識していました。
――初めての全カレのコートに立ってみてどんな気持ちでしたか
最初はめちゃくちゃ緊張しました。ですがプレーしていく内に、緊張が和らいでいって、それが良いプレーにつながったのかなと思います。
――サーブやスパイクで得点に貢献されていましたが、自分のプレーを評価してください
今日は60点くらいですね。いつもみたいにプレーできたわけではないのですが、思ったより少し良い状態だったので、普通よりちょっと上くらいかなと思って60点ですね。
――今日の試合を経て、明日ももし試合に出られたら「こういうプレー」がしたいというのがあれば教えてください
明日も1年生らしく、ミスをあまり気にせずにバレーボールを楽しんでできたらいいなと思っています。
――全日本インカレでの目標、意気込みをお願いします!
コートに立つときには、毎回笑顔を忘れずに楽しんでプレーしていきたいと思っています!