天皇杯予選初戦 盤石な試合運びで大差勝ち!

男子バレーボール

 12月に行われる天皇杯全日本選手権(天皇杯)への出場をかけ、早大は天皇杯予選関東ブロックラウンドへ挑んだ。初戦の相手は、神奈川工科大を破り上がってきた東京ヴェルデイ。早大は開始早々からブロックを中心に4連続すると、攻守ともに安定感のある試合運びを見せ、セットを連取する。攻守ともに相手を圧倒し、セットカウント2-0(25-11、25-11)で勝利しこの後控える決定戦へとつなげた。

 

 第1セットは開始早々から、OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)のバックアタック、MB伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)らを中心として2枚、3枚のブロックが決まり4連続ブレイクする。10-5とダブルスコアをつけ、ここでサーブが回ってきたMB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)がチームをさらに勢いづけるサービスエース。その後もリベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)がしっかりとスパイクコースに入り、何本もディグを上げ攻撃につなげると、中盤以降も5連続、4連続とポイントを連取し続ける。そして岩本の2本目のサービスエースで第1セットを奪った。

クイックを打つ岩本主将

 第2セットでも盤石な試合運びで相手を寄せ付けなかった。伊藤のシャットアウトや水町のダイレクトが決まり、7-2と序盤から点差を付けると、堪らず相手もタイムアウトを要求。だがその後もOH大塚達宣(スポ4=京都・洛南)のディグからOP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)がスパイクを叩き込むなど、攻守ともに一貫して強さを発揮した。大塚、水町が立て続けにバックアタックを決めさらに点差を広げると、13-4で試合を折り返す。この後途中出場のOP山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)のスパイクが相手ブロックを弾き、甘く浮いた球を大塚がダイレクトで決めるなど攻撃の手を緩めることなく点数を追加していった。終盤にも水町のサービスエースなどで4連続ブレイクすると、25-11で勝利を決めた。

ブロックする重藤(左)、伊藤(中央)、大塚副将

 社会人チームの対戦となったが、普段通りの力を発揮し、大差をつけて勝利することができた。一人一人がチームの中での役割を自覚し、力を出すことができたことがこの結果につながったのだろう。次は国際武道大との対戦、秋季関東大学リーグ戦で顔合わせしたばかりのチームではあるが、勢いそのままに勝利し、12月に行われる天皇杯本戦への出場権をつかみ取りたいところだ。

(記事 山田彩愛、写真 新井沙奈)

 

セットカウント
早大 25-11
25ー11
東京ヴェルディ
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ4=京都・洛南)
ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
中島明良(法4=京都・洛南)
芳賀雄治(商4=山形南)
山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
浅野翼(スポ2=宮城・東北)
 
コメント ※コメントは国際武道大戦と併せたものとなっております

MB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)

――久しぶりのスタメン出場となりましたが、ご自身の状態やバレーボールの感覚についてはいかがでしたか

 感覚はあまり良くなかったのかなと感じています。ゲームを通して試合に出ること自体が久しぶりだったので、試合勘が鈍っていたところがありました。そういったところでいうと、1試合目の時の方が僕自身としては感覚が良くて。国際武道大戦では、僕のミスから他のプレーにも影響が出てしまったので、そのあたりのメンタルのコントロールがしきれなったかった部分があったと思います。

――「安定感」という部分ではチームの状態は全カレ(全日本大学選手権)に向けて良いかたちになってきていますか

 そうですね。ちょっとしたきっかけでのミスから中大戦では敗北につながってしまったので、そこを詰めることを今週はやってきました。今日の試合を振り返ってもレセプションがすごく安定してきたということは、パスを入れてもらう身として感じました。そこの部分では秋を経ての変化を感じます。しかし1本目が安定しだした分、2本目、3本目との差が見られるので、そのあたりを練習していきたいと思います。

――チーム全体として今日の2試合を通して収穫は

 大塚(達宣副将、スポ4=京都・洛南)が帰ってきた今のメンバーで試合ができることだけでも収穫だと思っています。そこでどれだけできるのかというところを試すことができたので、先週に引き続き良かったところです。

――個人としてプレー面で収穫や課題はありましたか

 課題としては、ゲームの中でのサイドとミドルのブロックの合わせ方であったりだとか、感覚的なところで僕はチームを離れていた分、馴染めなかったところがありました。ところどころ良いプレーもあったので、悪いところを修正するというイメージではなく、良いところを伸ばしていくイメージでここから先インカレに向けて頑張っていきたいと思っています。

――早慶明戦に向けての意気込みをお願いします!

 明治には高校時代との同期や後輩もいるので、楽しく試合ができればいいなと思っています。インカレに向けて弾みがつく定期戦にしたいです! 

 

リベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)

――1試合目の振り返りをお願いします

 初戦のところは、今までずっと対戦してきた関東1部の学生らしいというか元気にやってくるチームとは違って大人のチームだったので、雰囲気を作るのがすごく難しかったです。ただ試合ではみんな一人一人の役割や基礎基本、やらなければならないことが技術的な部分でしっかりできていたかなと思います。でも雰囲気が作れていないというのも現状としてあるので、今後インカレに向けてもボールが動いているときの声をもっと大切にした方がいいなと思いました。

――では2試合目の振り返りをお願いします

 決定戦の時は1セット目のハプニングからその後のずるずる感というか、一つ一つをしっかりやっていけばいいところを、自分たちで自分たちの首を絞めている感じがありました。どんな状況になっても、松井先生がよくおっしゃる「軸をぶらさない」という意識で切り替えて、「何ができるか」とか「何をしなきゃいけないか」を一人一人が考えられていないというのもあったのかなと思います。人任せにならずに、それぞれがもっと個人としても戦える人にならなければいけないのかなと1セット目を終えて感じました。2セット目はサーブアンドブロックなど自分たちがしたいバレーができていたと思います。その1セット目のぐだぐだした感じが、今季まだどこのタイトルも取れていない原因が出たのかなと思いました。

――チームのディフェンス面ではどんな収穫がありましたか

 初戦では相手があまり良い状態で打ってくるシチュエーションがなかったので、しっかりブロックをそろえて脇にレシーバーが入ってということができました。決定戦の時はブロックとレシーブの連携がうまくいかずに、「もっと上がるボールあるのに」とか「ブロックでもっと引っ掛けられるのに」という場面がすごくありました。抜け球に関しては1年間通してみんな反応も良くなってきて、コート内に収めるということができてきましたが、絶対に欲しい1点を取るための1本目の精度がまだ低いのかなと思っていて、そこは個人としてもチームとしても精度を上げていくことでもっといいディフェンスができると思いました。

――自身のプレーについてはどう評価していますか

 決定戦の時は2、3本取りそびれたボールがあって、そこがしっかりできていればもっといい点数で試合が運んだと思います。そこを取り切れない現状もしっかり受け止めた上で、いつもよりはすごく楽にバレーができたというかいい意味で力が抜けてプレーできたので、インカレでは力が入ってしまうと思いますが今日の感覚を忘れずにやっていけたらいいのかなとは思います。

――春からチームでレセプションアタックに力を入れていますが、完成度はいかがですか

 フローターサーブに対してのレセプションアタックは強くなってきました。ですがジャンプサーブやハイブリッドサーブの時に、ボールが割れたとしてもクイックが使える割り方にしていかないと欲しい点数が取れなくて落とすセットもあるので、キープするボールの質も高めていけたら、もっといい数字も残せると思いますし、勝てる確率も上がってくると思います。

――早慶明戦に向けて意気込みをお願いします

 早慶戦はちょっとずつやらせていただきましたが、早慶明戦は初めてで3年生以下はどんな感じなのか知らないです。インカレの良い準備期間として楽しんでやれたらいいなと思います! 

 

OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)

――今日の試合を振り返って

 初戦の東京ヴェルディ戦は、ひとつカテゴリーが上のチームに対して点差を付けて勝てた部分は良かったのかなと思います。細かいミスやブロックやフロアの関係性などはできていない部分もあったので、もっと全カレに向けて詰めていく必要があるなと感じました。国際武道大戦は、チャンスボールが相手に返ってしまったりだとか、取れるところで取り切れない凡ミスが多かったので、上のレベルではそれが命取りになってくるので、しっかり詰めていきたいです。

――ご自身のサーブで終盤に連続ブレイクされていましたが、サーブについてはだいぶ手応えはありましたか

 対角線をしっかり打ち抜くことができました。大貴(山田大貴、スポ3=静岡・清水桜が丘)とかが「力抜いて」などの声掛けをしてくれるので、そういうのも力になっていますね。

――守備も安定感がありましたが振り返ってみていかがですか

 レセプションは崩されてしまった部分もあったので、もっと頑張らなきゃいけないなと感じました。ディグは狙ってAパスを上げるのは難しいものなので、ブロックとの関係性を見直したり、「上がればいい」くらいのメンタルで、それでももっとディグ率を上げるためには、ブロックとの連携をもっと取れるように。僕自身もブロックの面の形などにこだわっていきたいです。

――チーム全体の攻撃面で良かった点は

 凌吾(前田凌吾、スポ1=大阪・清風)が今日はライトを多く使おうとしているのかなという意識を感じました。秋リーグの終盤戦で、レフト、クイックにブロックを絞られてしまったことを凌吾なりに考えてライトを多く使おうとしていたので、それは良かったのかなと思います。

――逆に全カレに向けてもっと磨いていかなければいいけないと感じている部分はありましたか

 ラリー中のクイックもチームとしての課題にはなってくるので、1本目の質であったり、クイックを上げられるパスを返すことに力を入れて、チーム全体でクイックをラリー中も使うという意識を上げていければいいなと思います。

――早慶明戦に向けての意気込みをお願いします!

 早慶明戦は初めて挑む大会になるのでどういうものなのかもまだわからないのですが、インカレ前の貴重な試合になるので1本1本を大事に頑張りたいと思います!