攻勢から流れを引き寄せ、順大から白星を挙げた! 

男子バレーボール

 関東大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)9戦目、早大は春に惜敗した順大と対戦した。立ち上がりから波に乗ることができず、第1セットを落とすと、第2セットも接戦が続いた。しかし終盤に、本試合でも勝負強さを発揮。デュースにもつれ込んだセットをしっかりと取り切った。その後も攻撃の手を緩めることなく流れをつかむと、第3、4セットを点差をつけて奪った。そしてセットカウント3-1(21-25、27-25、25-17、25-15)で勝利し、春の雪辱を果たした。

勝負どころで打ち切る姿が印象的な山田

 第1セットは両校ともにミスが目立ち、お互い試合の流れをつかむことができない。終盤に入っても点差が開かなかったが、最終局面で順大にサービスエースを含む3連続得点を許し、第1セットを落とした。勝利のために絶対に取り切りたい第2セット、試合はサイドアウトの応酬(おうしゅう)が続く。MB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)のAクイックを中心に得点を重ねるが、相手に反撃され20点に突入してもサーブ権は動き続けた。20-20となり、ここからセッター前田凌吾(スポ1=大阪・清風)を中心に早大は多彩な攻撃を展開していく。OH水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)が相手のスパイクをあげ、高く上がった二段トスをOH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)が打ち込む。さらにリベロ荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)の華麗なレセプションから、秋間が速い強打を突きさす。それでもなおブレイクすることができずに24-25と相手が先行したまま、デュースへともつれ込んだ。この苦しい局面、トスを託された山田が2連続でスパイクを決め、正念場で逆転に成功。セットポイントを握った早大は、ここでしっかりと3枚で相手のスパイクを封じ、27-25。「ここぞ」という場面で追い上げ、第2セットを奪取した。

 第2セットでの逆転から早大は勢いづく。第3セットは水町のフェイントやスパイクが決まり、7連続ブレイクと好調な滑り出しを見せた。序盤のリードを守ったまま攻勢を続け、25-17でセットを連取した。第4セットに入っても流れを相手に渡すことがなかった。14-12の場面、山田のサーブが攻撃の起点となり、前田がブロックを揺さぶるトス回しを展開する。OP重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)のライトからバックアタックや、山田のバックアタック、水町のプッシュなどで相手に攻撃を絞らせない。終盤にコートに入ったMB岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)のクイックやOH畑虎太郎(スポ1=福井工大福井)のスパイクも決まり、全員でつかみ取った1勝となった。

トス回しで多彩な攻撃を指揮した前田

 今日は立ち上がりこそは相手に押されてしまったものの、逆転から攻勢に転じ、一気に試合を早大ペースに持ち込んだ。第3セット以降は安定感のある試合運びをみせ、さらに大量ブレイクするなど勢いづいたときの強さを感じさせた。次は春季関東大学リーグ戦で大接戦の末に敗れた、春の王者・東海大との対戦となる。「リベンジを果たせるように」(山田)。あのときの悔しさをバネに鍛錬してきたことを『全部』出し、春の借りを返したい。また東海大戦の次の日には、秋季リーグ戦ここまで全勝の中大との対戦が待ち構えている。秋季リーグ戦もあと2試合、全勝優勝で全日本インカレ(全日本大学選手権)に向けた追い風を吹かせたいところだ。

(記事 山田彩愛、写真 新井沙奈)

 

セットカウント
早大 21-25
27-25
25-17
25ー15
順大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 秋間直人(スポ4=愛知・桜台)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
途中出場
浅野翼(スポ2=宮城・東北)
布台駿(社3=東京・早実)
岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市尼崎)
中島明良(法4=京都・洛南)
芳賀雄治(商4=山形南)
畑虎太郎(スポ1=福井工大福井)
 
コメント

MB秋間直人(スポ4=愛知・桜台)

――今日の試合を振り返って

 1セット目と2セット目の途中までは相手に合わせてしまった部分がありました。そこから(2セット目の途中から)上手く立てなおして、自分たちらしい良い雰囲気でゲームをできたので、そこは良かったのかなと思います。

――ブロックでワンタッチを良く取れていた印象でした、ブロックについてはいかがですか

 基本的にはブロックをまっすぐ出すことを意識していました。相手が僕が出した手に当ててくれていたところもあったのですが、良いブロックを今後も継続していければと思います。

――反対に相手にブロックを利用される場面もありましたが、意識したことなどありますか

 今日はまっすぐ前にブロックを出すことしかできなくて、今日は(ボールを)出されてしまった場面が多くなってしまいました。(次の試合まで)1週間空くので、その期間に改善したいと思っています。

――セッターの前田凌吾(スポ1=大阪・清風)選手が秋間選手にクイックを上げる本数も試合を重ねるごとに増えているように感じますが、クイックの手応えはありますか

 リーグが始まった当初と比べるとやはりコンビも合ってきたのかなということはお互いに感じているのかなと思います。全カレ(全日本大学選手権)に向けてコンビが上手くいくように練習から合わせていきたいです。

――全勝していますが、チームの雰囲気はいかがですか

「受けない」ということを目標にやってきています。春は受けてしまって、2点差でゲームを落とすことが多かったのですが、秋リーグは2点差のゲームをしっかり取り切ることができているのかなと思っているので、良い雰囲気を継続していければなと思います。

――次の東海大、中央大戦に向けての意気込みを!

 来週には大塚(達宣、スポ4=京都・洛南)も帰ってきて、チームの雰囲気も変わってくると思うので、大塚を含めて良い状態で次の試合を迎えられたらなと思います。

 

OH山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)

――今日の試合の振り返りをお願いします

 春リーグの時にフルセットで負けていた順天堂さんということで、個人的にはリベンジの思いが強かったです。春にスパイクをブロックされたり拾われたりという印象がすごく強かったので、それに対して自分がどう工夫して点を取れるかを意識して試合に臨みました。

――チームの収穫と課題はどこでしたか

 第1セットなど相手の勢いに押された場面で自分たちでうまく打開できなかったので、押されているときの何か打開策を、自分たちの中でまだ見つけられていないのが課題かなと思います。収穫としては終盤とかに乗ったときの爆発力は、この秋リーグで発揮できていると思うので、そこが今の早稲田の強みなのかなと思います。

――ここぞという場面でトスが上がりますが、自分のスパイクに手応えは

 自分は最後に託されるポジションなので、そこでまず気持ちが負けてしまったらだめだなと思っています。どんなにブロックをされても拾われても、負けないぞと向かっていく気持ちを強く持つことで、終盤や劣勢でもしっかり振り切れていると思います。

――ハイボールもたくさん上がりますが、打ち切る上で意識していることは

 ハイボールは相手も止めやすいですが、逆に言えばこっちも最大のジャンプができるので、まずはシャットアウトをされないということを意識しています。特にブロックの当て方で、ブロックを利用して失点につながらない打ち方を考えてプレーしていています。(二段トスのときは)3枚ブロックが確実に来るので、そこを抜くのは結構難しいですしミスの可能性も大きいです。なのでブロックを面としてとらえたときの端だったり、奥を狙って打っています。

――次戦へ意気込みをお願いします

 今週には(大塚)達宣さんが帰ってきて早稲田全員がそろうというところで、メンバーはどうなるか分からないです。春は準優勝なのでそのリベンジを果たせるように、熱い気持ちで次に臨みたいと思います。