勝負強さをみせ、日体大との一戦を制した！

　秋季関東大学リーグ戦（秋季リーグ戦）も終盤戦へと突入した。第８戦目である本日、早大は日体大と対戦した。第１セットから、点差の開かない互角の戦いを繰り広げる。クイック攻撃で得点を重ね第１セットを奪うが、その後第２セットを取り返された。迎えた第３セット、終盤に日体大に得点を離されたところから、強烈なサーブや粘り強いつなぎをみせ逆転。勢いのまま第４セットをものにし、セットカウント３－１（25－23、23－25、27－25、25－20）で接戦を勝ち切った。

 

　第１セットは、ＭＢ伊藤吏玖（スポ３＝東京・駿台学園）のＡクイックを中心に得点を重ねたが、ディフェンスが乱れる場面がみられ、なかなか攻撃のリズムを作ることができなかった。だが相手のサーブミスなどもあり、15－15と中盤まで試合は均衡を保つ。ここからリベロ荒尾怜音（スポ３＝熊本・鎮西）を中心として、粘り強い守りからラリー戦に持ち込むと、ＯＨ山田大貴（スポ３＝静岡・清水桜が丘）がレフトからスパイクを叩き込み３連続ブレイク。18－15と早大がリードを奪い、早大の攻撃に勢いが生まれた。終盤には日体大が追い上げを見せたがこれをしのぎ切り、25－23で第１セットを奪取した。第２セットでもお互い点数を取っては取り返す展開が続く。20点を超えてからもサイドアウトの取り合いとなるが、最後は相手のツーアタックがコート上に落下。23－25でセットを落とし、試合は再び振り出しに戻った。

クイックを打つ伊藤

　第３セットでは１点を巡る一進一退の攻防が繰り広げられた。中盤、ＯＨ水町泰杜（スポ３＝熊本・鎮西）が破裂音がするような力強いスパイクを打ち込み、４連続ブレイクに成功。だがすぐに相手も３連続ブレイク、と再び試合は緊張状態になる。ここで均衡を破り優位にたったのは、日体大であった。細かなブレイクを重ねられると、18－22と終盤に４点差を付けられてしまう。だがここから早大は勝負強さを発揮。水町のスパイクで１点を返し、その水町にサーブが回ってくる。「自分のサーブで崩せば、追いつける点差だと思っていたので、しっかり攻めようという気持ちでサーブを打った」（水町）。２連続でサービスエースを決め、21－22と１点差にまで迫った。だが日体大も簡単には決めさせてはくれない。勝負どころの場面、相手の鋭いスパイクを良いかたちでセッター前田凌吾（スポ１＝大阪・清風）へと上げ、水町がバックアタックを叩き込む。相手の得点を１点はさみ、山田のブロックアウトで25－25と同点に。ここで相手がスパイクミスをし、早大がセットポイントを握ると、最後は水町が相手守備の間にスパイクを突き刺し、27－25。終盤に早大が得点をひっくり返し、緊迫した第３セットを制した。

 

　第３セット終盤での流れのままに、第４セットも序盤から前田のサーブを起点として４連続得点。ＭＢ秋間直人（スポ４＝愛知・桜台）と山田のシャットアウトや、伊藤、水町のブロックなども決まり、危なげない試合運びを見せた。またクイックやバックアタック、センター線での攻撃を中心として攻める姿勢を貫き通し、25－20で第４セットも奪うと、見事勝利を決めた。

スパイク、サーブで攻撃を引っ張る水町

　春シーズンに出た「２点差の試合で取り切ることができない」という課題。今日の試合は、逆転からセットを奪取するなど、春からの成長と早大の勝負強さを感じさせる内容となった。明日対戦する順大は、春季関東大学リーグ戦の際にはフルセットにもつれ込んだ末、『２点差』でセットを落として敗北している。５カ月前は、自分たちのやるべきことを発揮することができず悔し涙を飲んだ。そこからさまざまな壁に突き当たりながらも、そのたびに課題を見直し、克服し成長を遂げてきた。明日も自分たちの力を最大限に発揮し、「自分たちのやってきたことは間違いではなかった」（松井泰二監督、平３人卒＝千葉・八千代）ことを、勝利という結果で示したい。

（記事　山田彩愛、写真　町田知穂、谷地星）

 

コメント

松井泰ニ監督（平３人卒＝千葉・八千代）

――今日の試合を振り返って

　（日体大は）ディフェンス力もそうですし総合的に力があるチームなので、厳しい試合になると予想していましたが、その通りになりました。その中で、最後まで強い気持ちでしっかりと攻めることができていたので、その点は（選手を）褒めてあげたいと思っています。

――今日は試合の入りの部分でなかなか自分たちのリズムを作ることができなかったように感じましたが、何か選手に声掛けなどされたのですか

　入りの部分については本当にその通りですね。固くなることはわかっていたので、できるだけ普段の練習どおりにできるような雰囲気づくりはしたつもりでした。ですが、まだまだ勝ちたいという気持ちが先行してしまい、固い部分があったのかなと思います。そのあとの展開で試合が競ってきたり、自分たちのバレーができてきた時には、自分たちのやってきたことが間違っていなかったと理解したのではないでしょうか。

――第３セット終盤、競ったセットを逆転から取りきることができたところは、やはり春からの成長は感じられましたか

　そうですね。今までだとああいう場面でずるずると負けてしまっていました。２セット目を取られた時は、一時自分たちで向かっていく姿勢ではなく守りの姿勢に入ってしまっていましたが、それ以外は前提として、攻めていく気持ちを持ち続けられていたので、その部分では成長したのかなと思います。

――明日の順大戦に向けての意気込みをお願いします

　順天堂さんは去年のインカレ（全日本大学選手権）の決勝でも当たり、今年の春（春季関東大学リーグ戦）は負けている相手です。そういう部分で順天堂さんに対して、今日と同じ気持ちで向かっていくことができたらいいのかなと思っています。守りに入らないように、コンディションを整えていけば、自分たちの良さは出ると思います。

 

ＭＢ伊藤吏玖（スポ３＝東京・駿台学園）

――今日の試合を振り返って

　１セット目は相手のミスもあり、スムーズに試合を展開することができました。しかし、２セット目以降、メンバーチェンジなどによって相手のミスが減ってきた中で、ディフェンスがうまくいかなかった部分が反省点です。２セット目以降は苦しい展開となってしまいました。

――今日はクイックをたくさん決められていましたね

　相手のブロックがクイックに合わせてきてなかったので、決定率が良かったのは、相手のブロックのおかげかなと思う部分もあります。セッターともリーグ期間中、（クイックを）合わせてきていたので、それをうまく発揮できてよかったです。

――ディフェンスが上手く機能したときには、スムーズにアタックできていた印象でした。トランジションの部分について振り返っていかがですか

　ブロックとディフェンスに関してはこれまで練習してきていました。チームの中での役割や、相手に対してどう対応するのかを春（春季関東大学リーグ戦）、東日本（東日本大学選手権）で出た課題をもとに練習してきたので、相手に対応することができたのかなと思います。しかし、ディフェンスに関しては相手の速い攻撃に対して、少しバタバタしてしまったのが反省点です。

――では収穫は何かありましたか

　試合を通して、自分たちのペースを維持するのが難しかったです。その難しさを理解できたのと、ブレイクをとり続ける上で意識しなくてはいけないことは何かを理解することができた点が収穫かなと思います。

――明日の順大戦に向けての意気込みをお願いします

　相手が変わっても自分たちがやることは変わらないと思っています。相手に対しての戦術を組むのはもちろんのこと、自分たちがやるべきことを意識して頑張りたいです。

 

ＯＨ水町泰杜（スポ３＝熊本・鎮西）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　序盤に日体大に流れをもっていかれたり、逆に（早大が攻めて）いったりして、お互いのチームともに、気持ちにふらつきが少しある試合でした。最後に向かっていくという気持ちの部分で、統一できたのが良かったと思います。

――今日はだんだん調子が上がってきたように感じました。ギアが上がった要因はありますか

　１、２セット目は打数が少なくて、僕は打ちながら調子が上がっていくタイプなので３セット目からセッターの凌吾（前田凌吾、スポ１＝大阪・清風）に打数を増やして欲しいと言ったことで、調子が上がっていったと思います。

――第３セット、日体大にリードされた場面でのサーブはどんなことを考えていましたか

　３点くらいリードされていたのですが、自分のサーブで崩せば、全然追いつける点差だと思っていたので、しっかり攻めようという気持ちでサーブを打ちました。

――今日の試合を通して課題と収穫は何ですか

　課題としては、日体大さんのスパイクはハイボールなど、指先狙って出してくるので、（ブロックでは）しっかり指先に力を入れて叩こうと話していました。それでうまくシャットできた時も、（ブロックアウトで）出された時もあったので、それが収穫にも課題にもなりました。出され方はそれほど悪くなかったので、継続していけたらなと思います。

――明日の順大戦に向けての意気込みをお願いします

　春（春季関東大学リーグ戦で）負けている相手なので、しっかり攻める気持ちで、挑戦者ということを忘れずに、どんどん攻めていきたいと思います。