ブロックが光り、初陣を勝利で飾った!

男子バレーボール

 ついに日本一に向けた戦いの序章が幕を開けた。本来であれば4月9日に開幕戦を迎えるはずであったが、新型コロナウイルスの影響により試合が延期に。そのため早大にとって、本日の明大戦が春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)初戦となった。1セット目は両者一歩も譲らない一進一退の攻防となったが、早大が逃げ切りセットを先取。2セット目以降は経験のある3、4年生を中心として、攻守ともにかみ合ったプレーを発揮した。そしてセットカウント3ー0(25-23、25-17、25-20)のストレートで勝利を収めた。

 

 1セット目はサイドアウト(※1)を取り合う拮抗(きっこう)した試合展開となった。水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)の強烈なスパイクや岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)、伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)のミドルを中心としたブロックで得点を重ねたものの、なかなかブレイクすることができない。明大の空いたスペースを突くフェイントと鋭いスパイクを上手く組み合わせた攻撃に崩される場面もあった。しかしオフシーズンから力を入れてきたブロックを武器に、簡単には相手に得点を与えなかった。終盤に重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)が決めたスパイクでブレイクした早大。ここでのリードを守り切り、第1セットを奪った。

 

スパイクを打つ重藤

 

 第2セットは経験値の高い4年生メンバーが活躍をみせた。序盤から重藤がフェイントを決めるなど、多彩な攻撃が光る。5-3となり、ここで岩本主将がクイックを、重藤がラインギリギリにスパイクを決め連続得点。中盤には岩本主将が一枚ブロックで相手のスパイクを止めるなど、上級生のプレーが早大を勢いづけた。21ー17となったところで、パナソニックパンサーズから早大に合流した大塚達宣副将(スポ4=京都・洛南)が水町に代わりに投入された。大塚の強烈なサーブで相手を崩し、3枚の手厚いブロックで相手の攻撃を確実に止める。ここで流れを引き寄せた早大が、大塚のサーブから一気に4連続得点。そのまま25点目を先取し、勝利まであと1セットとした。

 

ハイタッチで得点を喜ぶ水町(右)と山田

 

 3セット目には3年生のアウトサイドヒッターコンビが躍動した。序盤には山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)がレフトからのスパイクで2連続ポイント。存在感を発揮した。中盤には同じくレフトの水町が、クロスへのスパイクやサービスエースでチームに得点をもたらす。山田もサービスエースを決めるなど、第3セットは早大の サーブが光った。試合の最終局面においても、水町がサービスエースを2本連続で決めるなど、会場を沸かせるプレーをみせた。最後は途中出場の秋間直人(スポ4=愛知・桜台)が決め、試合終了。2022年シーズンは好調な走り出しとなった。

 

 新たな戦力として加わった前田凌吾(スポ1=大阪・清風)と経験のある3、4年生が中心のメンバーで組まれた明大戦。しかし、途中出場のメンバーをはじめとして『チーム早稲田』全員でつかみ取った一勝だといえる。「スタートの7人だけではなく、チーム全員でこれから先、戦っていきたい」(岩本)。この言葉どおり、これから待ち受ける長い戦いの中では、全員の個の力が団結し、さらなる力を生むことが必要となってくるだろう。目標とする日本一に向け、どれだけ成長できるのか。まずは春季リーグ戦で課題を見出し、さらなる進化へとつなげたいところだ。

(記事 山田彩愛、写真 山田彩愛、山田真由)

 

(※1)サイドアウト…レシーブ側のチームが得点すること

 

 

セットカウント
早大 25-23
25-17
25-20
明大
スタメン
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)
セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)
 
コメント

岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 本当ならば先週2試合、昨日も1試合あってから今日の明大戦という予定でしたが、コロナの関係もあって今日が早大の初戦ということになりました。この1週間しっかり今日に向けて調整ができたことがすごく大きかったです。明大は1試合やってきたなかでの早大戦でしたが、僕たちはブレることなくちゃんと自分たちのやることをやり切って勝てたことが大きかったのかなと思っています。

 

――今のチームの状態はいかがですか

 今週から大塚(達宣副将、スポ4=京都・洛南)がパナソニックパンサーズから帰ってきました。また冬にやってきた厳しい練習やトレーニングを実際この試合でいかせました。大塚からの刺激やファンの方々の応援をしっかり力に変えて試合に臨めているのかなと思います。

 

――春の新体制対談でブロックに力を入れているとおっしゃられていました。今日の試合ではブロックがよく機能しているように感じましたが、いかがでしたか

 昨シーズンは個人的に少し膝の調子が悪くて、あまりよくなかったところがありましたが、それをしっかりこの冬に鍛え直してブロックもちゃんと見直してやってきました。今日はそれがかたちに表れたことが個人的にはすごく良かったです。

 

――今後の試合に向けての意気込みをお願いします

 まだ始まったところでこの先どうなっていくか分からないですが、連戦なので、総力戦になっていくと思います。今日コートに立っていたスタートの7人だけではなく、チーム全員でこれから先、戦っていきたいと思っています。

 

 

山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 自分は気合いを入れすぎると空回りしてしまうので、少し落ち着きながらやっていました。初戦は入りがすごく大事だなと思っていて、昨日の夜からしっかりいい準備ができたかなと思っています。

 

――昨日の試合が延期になってしまいましたが、そのことでモチベーションが下がることはなかったのですか

 下がったというか、むしろ1日長く自分たちのチームのことを練習できる期間が増えたなというプラスの方向に捉えられましたね。昨日は練習でも、紅白戦などの質の良いものができていたので、準備としてはいい1日だったと思います。

 

――今日はサービスエースを決めていましたが、サーブは力を入れてやってこられたのですか

 サーブが1番自分のなかで苦手というか、上手くコントロールできない部分です。安定できていないプレーなので、ここからまた頑張っていきたいなと思います。

 

――今後の試合に向けての意気込みをお願いします

 自分自身、サイドで公式戦に出ることがあまりなかったので、とにかく経験を積みたいです。自分ができるプレーを全力でやりたいと思っています。