中京大にストレート勝利! 一人一人の力がかみ合い準決勝進出を決めた! 

男子バレーボール

 全日本学生選手権(全日本インカレ)準々決勝で4強入りをかけて中京大と対戦した。1セット目はサイドアタッカーを中心に得点し、2セット目は一進一退の展開となるもののブロックが要所で大きな効果を発揮。徐々に点差を広げ相手の追い上げを振り切った。3セット目はサーブとブロックがかみ合った早大らしいバレーを披露。セットカウント3-0(25-21、25-20、25-17)で勝利し、準決勝に駒を進めた。

 試合は伊藤吏玖(スポ2=東京・駿台学園)の強烈なクイックで幕を開けた。その後は互いにミスが出て点を取り合う展開になったが、岩本大吾主将(スポ3=兵庫・市立尼崎)のクイックや水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)のノータッチエースで連続得点し、8-5とリードを広げる。その後早大のサイドアタッカーへの警戒が強くなり、ブロックにかけられてつながれる場面が増える。2度の連続得点を許して10-10と追いつかれてしまった。しかし大塚達宣副将(スポ3=京都・洛南)の的確にコースを突くスパイクや、伊藤のサービスエースもあり流れを相手に渡さず。長いラリーを落とした直後でも切り替え、着実に得点を重ねる堅実さも見せる。最後は岩本主将の相手の隙を突くフェイントで25-21とし、このセットを先取した。

 

クイックを決める岩本主将

 第2セットはブロックが効果的に働いた。序盤に連続でシャットアウトを決めるなど上々の滑り出しを見せるが、相手も簡単には崩れなかった。「昨日の試合でフルセットの末勝ち上がってきたチームなので、楽に勝てる相手じゃない」(重藤トビアス赳、スポ3=神奈川・荏田)。早大のミスを確実にものにされ9-10と先に10点台に乗られてしまう。しかし大塚副将のサービスエース、伊藤のシャットアウトなどで3連続得点し13-10とリードを奪った。その後互いに点を取り合う展開になるが、伊藤の強烈なクイックとシャットアウトが出ると、相手はタイムアウトを要求。再びサイドアウトを取り合うかたちになったが、早大の守備を吹きとばすスパイクで追い上げられ、3連続得点を許す。早大ベンチもタイムアウトを要求し立て直しを図った。その後は重藤の力強いスパイクとサーブで連続得点しセットポイント。最後は荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)がディグをつないで水町がブロックアウトをもぎ取る。25-20で2セット目も奪った。

 3セット目も伊藤のクイックから始まった。序盤に重藤の軟打でのブロックアウトを含めた連続得点もあり、サイドアウトを取り合う展開が続いても早大優位のまま進んでいく。相手のミスが増え12-7まで点差が開いたところで相手にタイムアウトが入る。その後も大塚がこの日3度目のサービスエースを決めるなど、流れは早大にあった。水町がレシーバーの間にサーブを打ち込み2度目のノータッチエースを決める。その後も水町の強力なサーブで守備を乱し、ブロックを3枚そろえてシャットアウト。理想的なかたちでつかみ取り、一気に21-11と点差を広げた。その後は北川諒主務(教4=東京・早実)、仲濱陽介(スポ4=愛知・星城)などリザーブメンバーを次々と投入。最後は中京大に反則が出て25-17と大差をつけてのゲームセットとなった。

 

クイックを決める上條(右)・仲濱コンビ

 「サーブで攻めてブロックで仕留める、ブロックとフロアとのトータルディフェンス」という早大が追い求めてきたバレーの一つのかたちが具現化されつつある。ワンタッチを取ってチャンスボールにしたり、スパイカーのコースを絞ったりするプレーが何度も見られた。また、3セット目はサーブで乱してブロックでプレッシャーをかけ、相手のミスを誘う場面が多くあった。これからさらなる強敵が待っているが、早稲田のバレーを存分に発揮して頂点をつかんでくれることを期待したい。

(記事 新井沙奈、写真 西山綾乃)

 

セットカウント
早大 25-21
25-20
25-17
中京大
スタメン
アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ3=京都・洛南)
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)
ミドルブロッカー 岩本大吾(スポ3=兵庫・市立尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ2=東京・駿台学園)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)
セッター 佐藤玲(社3=東京・早実)
リベロ 荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)
コメント

北川諒主務(教4=東京・早実)

――全日本インカレでの主務の仕事は大変ですか

大変です。

――どんな仕事をされているんですか

試合前のタイムスケジュール(の管理)ですかね。あとは当日、試合前にメンバー表を出さないといけないんですが、その確認をしたりしています。

――1試合目から途中出場される場面もありますが、出場するにあたって意識していることはありますか

意識というよりかは、やってやろうという気持ちだけですね。

――北川主務が出場するとチームが盛り上がるという印象を受けますが、盛り上げようという意識はありますか

その意識はないですね。

――純粋に楽しくて声が出ているということでしょうか

そうだと思います。

――これまでの3試合を振り返って、早大の戦いぶりはどうですか

調子はかなりいいと思います。明日以降どうなるかは分からないですが、結果的にはストレートで勝っている試合なんです。ただセットを取られそうになっているときもあります。それでもセットを取られずに勝っているというところが、チームとしてはすごく自信になっていると思うので、明日以降もその自信を持って変に気負わずにやっていければいいかなと思います。

――次戦以降の意気込みと、主務として力を入れたいことをお願いします

チームとして優勝を目標に頑張っているので、そのために僕のマネジメントでみんなの試合の準備の部分を完璧にするというところですね。あとは今までやってきたことをやるだけなので、みんなで後悔なく終われたらいいかなと思います。

重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)

――今日は準々決勝でしたが、振り返っていかがですか

(これまでの試合では)僕とセッターの玲(佐藤玲、社3=東京・早実)のコンビが少し合っていなかったのですが、自分が打ちやすいトスに変えてもらってからは、ちゃんと打てるようになりました。

――大会を通してよくサーブを決めていますね

この体育館、サーブ打ちやすいんですよ。去年もそう感じていました。自分の打ちたいところに照明がない体育館なので、打ちやすかったです。

――1、2セット目は接戦で3セット目は点差をつけて勝利しましたが、想定していた試合展開はどのようなものでしたか

準々決勝まで上がってくるチームなので、「楽に勝てる相手じゃない」とみんな口をそろえて言っていました。実力がなかったらここまで上がってこられないし、昨日はフルセットで勝ち上がってきたチームなので、勝負強いという印象を持っていました。3セット目は逆にラッキーでした。

――準決勝への意気込みをお願いします

勝ったら優勝に大手がかかる大事な試合で、負けたら3位決定戦で気分的にも落ち込むと思いますが、明日が一番大事な試合になるので、しっかり勝ち切って明後日の決勝に立てるように頑張りたいです。