熱戦の末、中大を下す! 決勝へと駒を進めた

男子バレーボール

 今日から本戦がスタートした秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)。予選を全勝で勝ち進み、波に乗る早大はBグループ2位の中大と対戦した。秋季リーグ全試合にスタメンで出場し、早大の攻撃の要である水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)の不在により、山田大貴(スポ2=静岡・清水桜が丘)がスタメンとして出場。1、2セット目はせめぎ合い、最後までどちらがセットを握るかわからない展開に。決勝進出に向け白熱した戦いとなった。接戦の末、1セット目を落とすが、ここから攻めの姿勢を崩さず戦い抜いた早大。31点に及んだ2セット目をなんとかものにすると、そのままの勢いで3セット目も連取。セットカウント3ー1(24-26、31-29、25-22、25-19)で中大から白星を挙げた。 

 

 優勝が懸かる今回の試合、緊張感が漂う中幕を開けた。1セット目の序盤、重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)のサービスエースが2本連続で決まる。相手がここでタイムアウトを要求。流れを渡さずリードを保ちたいものの、ここから両者一歩も譲らないサイドアウトを取り合い、一進一退の攻防が続く。重要な局面で早大は3枚ブロックを決め、24ー22に。先にセットポイントを握り逃げ切りたいところだったが、ここから中大が猛攻。連続得点されると、24ー24のデュースに。ここで早大はタイムアウトを要求し、中大に傾きかけた流れを断ち切ろうと試みた。しかし終盤に集中力を見せ、攻めのバレーを継続した中大に押され、24ー26でこのセットを落とした。

 

サーブを打つ重藤

 

 2セット目は、前回の東海大戦で攻守ともに活躍が光った上條レイモンド副将(スポ4=千葉・習志野)がコートに入る。序盤は1点を取り合う緊迫した展開となる。ここで均衡を破りたい早大。攻撃のリズムに変化を加えるべく、ベンチが動く。7-7の場面でセッター佐藤玲(社3=東京・早実)に代わり仲濱陽介(スポ4=愛知・星城)を投入。「自分が入ってチームの雰囲気を変えようという気持ちで臨んだ」(仲濱)。この言葉どおり交代早々サービスエースを決めると、懸命な守備でボールをつなぐ。長いラリーとなったが、最後はブロックで決め、ここから流れが早大へ。5連続得点でリードを広げる。前半は早大有利な展開で試合が進んだが、20点を取った後、エースの鍬田憲伸(中大)のスパイクを中心に連続得点される。ここから主導権は相手に移った。点差を詰められ、先にセットポイントを握ったのは中大。だがここでサーブミスがあり、早大にチャンスが巡ってきた。必死に食らいつき25点を超えると、再びデュースに。どちらも2点差をつけきれず29ー29に。ここで重藤のスパイクとシャットアウトでブレイクし、早大が優位に立つ。最後は相手スパイクミスで、31ー29の長いセットを奪取した。

 

 

トスを上げる仲濱

 

 セットカウント1−1となり迎えた第3セット。ここでも拮抗(きっこう)し、苦しい展開となった。このセットではエース・大塚達宣(スポ3=京都・洛南)の活躍が光り早大に勢いを与える。リベロの荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)のディグとフォローも安定し、相手に得点のチャンスを渡さず。山田のスパイクや岩本大吾(スポ3=兵庫・市立尼崎)のブロックも決まり、チーム全体に好調の兆しが見え始める。ミスをしても切り替え、次へと繋ぐことができた。最後は大塚がスパイクを連続で決め、このセットを25ー22で制した。これを取れば勝利が決まる第4セット。エース・大塚の躍動と、調子を上げた山田のスパイクで得点をもぎ取る。このセットは危なげなく点数を重ね、マッチポイントを取ると最後は相手の連携ミスで25ー19に。約2時間半にもわたる壮絶な戦いを制し、明日の優勝を懸けた戦いへと駒を進めた。  

 

 主力の水町を欠き、フルメンバーで準決勝を迎えられなかったが、山田や途中出場の仲濱などリザーブの選手が活躍した。今日の勝利は、早大の選手層の厚さを示し、多様な攻撃を引き出した。明日、早大は春季大学オープン戦(春季オープン戦)で敗戦している日体大とぶつかる。東京五輪で活躍を見せた髙橋藍(日体大)も加わり、さらにパワーアップしていることが予想される。春季オープン戦では敗れ辛酸をなめた早大だったが、徐々に歯車が噛み合い、秋季リーグ戦では順調に勝ち進んできた。頂まであと一歩ーー。チーム一丸となり秋季リーグを制覇する。

 

(記事 山田彩愛、写真 西山綾乃)​​​​

 

セットカウント
早大 24-26
31-29
25-22
25-19
中大
スタメン

​​​​​​アウトサイドヒッター 大塚達宣(スポ3=京都・洛南)
アウトサイドヒッター  山田大貴(スポ2=静岡・清水桜が丘)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ2=東京・駿台学園)
ミドルブロッカー 岩本大吾(スポ3=兵庫・市立尼崎)
オポジット 重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)
セッター 佐藤玲(社3=東京・早実)
リベロ 荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)

 

コメント

仲濱陽介(スポ4=愛知・星城)

――2セット目から試合に出場されましたが振り返って いかがですか

水町(泰杜、スポ2=熊本・鎮西)の代わりに山田が出るとなって、水町不在の中でもベストを尽くそうとしていましたが、1セット目は自分たちのミスで落としてしまいました。そこから自分が入ってチームの雰囲気を変えようという気持ちで臨んでました。自分のミスは目立ちましたが、みんながカバーしてくれて結果的には勝つことができたので良かったです。

――スパイカーとの息は合っていますか

まだまだ完ぺきではありませんが、少しずついい部分は増えたと思います。もっと合わせられるように努力していきたいと思います。

――2、3セット目は序盤からリードを保っていたものの、最後に逆転されセットを取られそうになりました。その中でもチームで意識していたことはありますか

最後は達宣(大塚、スポ3=京都・洛南)が決めるということをチームで決めていました。

――4セット目は終始リードを保ち磐石な試合運びを見せ、気持ちを切り替えられたように見えました。

そうですね。5セット目にいくと出てたスパイカーたちの体がきついかもしれないので、このセットで決めきるというのは意識していました。強い気持ちを持って挑めたので良かったです。

――今日の試合でご自身のトスに点数をつけるとしたら何点くらいでしょうか

60点くらいですね。結果的には勝利につながりましたが、直接的に点数につながるミスがいくつかありました。セッターが流れを作らないといけないので、目立たないというか裏方ではないですけど、黒子となってもっと支えられるようになりたいです。

――明日は優勝が懸かった試合になりますが、意気込みをよろしくお願いします

秋リーグの締めくくりの試合なので、チーム全員で優勝したいと思います。

 

山田大貴(スポ2=静岡・清水桜が丘)

――今日の試合を振り返っていかがですか

自分の中では緊張していなかったつもりなのですが、なかなかリズムが作れませんでした。チームに勢いをもたらせませんでしたが、セットを重ねるごとに自分らしさを意識してスパイクで貢献しようと意識したので、終盤は持ち味を出せたと思います。

――水町泰杜選手(スポ2=熊本・鎮西)の代打として出場されました。秋季リーグ戦初スタメンとなりましたが、緊張の方はいかがでしたか

自分がリザーブなのですが、全日本インカレ(全日本大学選手権)でもこうして出場する機会があるかもしれないので、自分にできることを考えていました。泰杜と僕ではプレースタイルが違うので。結果も大事ですが、試合が終わった後に後悔しないように、自分にしかできないことをチームで生かそうと意識していました。

――2、3セット目はチームとしてピンチな状況でしたが、あまり良くない雰囲気の中で山田選手が意識していたことはありましたか

あまり引きずったらいけないなと思っていました。あの終盤の競っている場面で自分のスパイクのミスを引きずっていたらだめになるので、切り替えが大事だなと思っていました。

――明日は優勝が懸かった試合になりますが、意気込みをよろしくお願いします

スタメンの先輩たちがすごく支えてくれてプレーしやすい環境を作ってくれているので、高い打点からスパイクを打てるという自分の持ち味を意識して明日の試合に臨みたいと思います。