中大の強いサーブに苦戦するも勝利!連勝記録伸ばす

男子バレーボール

 春季関東大学オープン戦(春季オープン戦)第3戦目、早大は中大を相手に迎えた。強いサーブやスパイクでブレイクされ2セット目を落としたものの、3セット目からは吉田悠眞主将(スポ4=京都・洛南)と上條レイモンド副将(スポ4=千葉・習志野)の投入により、チームが活気づく。最後まで早大ペースで試合が進み、セットカウント3-1(25-23、18-25、25-21、25-19)で勝利した。

 1セット目はこれまでの試合と同様、2、3年生主体のスタメンとなった。中大は強いサーブを持ち味としているチーム。しっかりサイドアウト(※1)を取ることを意識して臨んだ。守備を乱された場面はあったものの、サービスエースは取られず。アウトサイドヒッターを中心に得点を重ね、リードを保った。さらに17-15の場面では、水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)が高校時代の先輩である鍬田憲伸のスパイクをシャットアウト。18-16で相手がタイムアウトを取ったものの、早大有利の展開は変わらず。25-23で先取した。

 

3枚ブロックの上からスパイクを打つ水町

 2セット目は序盤から4失点し、波に乗れなかった。「3点まとめて取って3点取られてと荒い感じになった」と松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)は話す。ブロックを避けようとするあまりスパイクをミスしてしまったり、相手の強い攻撃に圧倒されたりしてリードを広げられる。サーブやパイプ(※2)などで連続得点するも、最後まで悪い流れは断ち切れず。18-25でこのセットを落とした。

 

セット間でチームに指示を出す吉田主将(左)

 3セット目からは、吉田主将と上條副将がスタメン入り。吉田主将を中心にそれぞれの役割を再度確認した。松井監督も「吉田がいると下級生の良さが出てくる。ちゃんと進むべき方向を明確にしてくれて、チームの調子が良くなる」と信頼を寄せる。精神的支柱がコートに入ったことで、2セット目とは打って変わりいい立ち上がりとなった。上條や岩本大吾(スポ3=兵庫・市立尼崎)のセンター線からの攻撃やブロックなどで得点を重ねる。22-20の場面ではピンチサーバーの中島明良(法3=京都・洛南)がサービスエースを決めた。最後は水町がスパイクを決め、25-21とした。そのままのスタメンで4セット目へ。序盤から6連続得点し、主導権を握った。アウトサイドヒッターの水町や山田大貴(スポ2=静岡・清水桜が丘)がマークされるも、パワーのある水町はブロックアウトで決め、最高到達点345センチを誇る山田は相手ブロッカーの上から打ち込んだ。最後は途中出場した中島がスパイクを決め、25-19。セットカウント3-1で、春季オープン戦開幕3連勝を挙げた。

 3戦目となり、チームの歯車がかみ合い始めてきた。ブロックが揃うようになったりミスによる失点が少なくなったりと、着実に成長している。だが「レセプションアタックがうまくいかず、なかなかサイドアウトを取れなかった」(※3)と松井監督。相手の強いサーブで崩されてしまい、スムーズに攻撃へつなげられない場面が見られた。春季オープン戦を通してレセプションアタックを安定させることを目標にするという。新たな課題と向き合い、これからも変化を遂げていく。

(記事・写真 西山綾乃)

 
(※1)サイドアウト…サーブ権を持っていない側が得点すること

(※2)パイプ…中央からの速いバックアタック

(※3)レセプション…サーブレシーブ
 

セットカウント
早大 25-23
18-25
25-21
25-19
中大
スタメン
アウトサイドヒッター 重藤トビアス赳(スポ3=神奈川・荏田)
アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ2=静岡・清水桜が丘)
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)
ミドルブロッカー 岩本大吾(スポ3=兵庫・市立尼崎)
ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ2=東京・駿台学園)
セッター 佐藤玲(社3=東京・早実)
リベロ 荒尾怜音(スポ2=熊本・鎮西)
コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――今日の相手の特徴を教えてください

サーブ、アタックが強い攻撃型のチームでした。でもミスが多く出てリズムに乗り切れなかったのかなと思いました。

――それは相手がミスをしてくれたのか、それともこちらがミスを誘ったのかどちらでしょうか

実際うちのブロックが揃ってきたというのがあります。でも春の段階ではチームが完成していないので、3点まとめて取って3点取られてと荒い感じになってしまいます。全日本インカレ(全日本大学選手権)だと1点取って1点取られてという感じで、完成度が高いんですけれども。春はまとまった点数をどう取れるかというのが重要になってきます。なので3、4点ほど一気に取られてというのがあるので、まだまだ技術力が足らないという証拠ですよね。

――試合前のミーティングでは選手にどのようなポイントを意識させましたか

レセプションアタックです。サーブが来てそれを一回で決める。中大はサーブが強いので、強いサーブに対してもポイントを取られないで何とか一回で決めていこうとやっていました。でも少しうまくいきませんでした。

――今日の試合を振り返っていかがですか

第3戦目は、自分たちのチームがどの方向に行くのか見れたらいいなという位置づけでした。重藤(トビアス赳、スポ3=神奈川・荏田)を最初に入れたのですが、2セット目で3点取ったり3点取られたりという、大きな波が何回もありました。3セット目から悠眞(吉田、スポ4=京都・洛南)が入るとチーム全体が落ち着いて進むべき方向が明確になりました。キャプテンの存在感を改めて感じられた試合でした。

――吉田主将はタイムアウトの際やセット間にチーム全体に指示を出していました

吉田がいると下級生の良さが出てくる。ちゃんと進むべき方向を明確にしてくれて、チームの調子が良くなるんですよね。

――やはりプレーより大事なことがあるのですね

そうですね。今日途中出場した中島(明良、法3=京都・洛南)とか芳賀(雄治、商3=山形南)は普段から頑張っているんですよ。中島はサーブをミスしてしまったけど、誰も不満がない。普段からあの二人はものすごく練習をしているから。あの二人はスポーツ推薦で来ているわけではないですが、あのような選手たちを評価するのは大事なことだと思うんです。勝ち負けよりも。芳賀がサーブでミスをしたとしても「次につながりそうなミスだよね」というようには言っています。

――オープン戦も残すところあと2試合になりましたが、選手たちにどのようなことを求めたいですか

一つは春の段階でレセプションアタックを安定すること。サーブポイントをたくさん取られたりとか、レシーブは返るけど打たれてしまったりとかそうではなくて、そこで確実に1点を取れるようにすることが春の目標ですね。

水町泰杜(スポ2=熊本・鎮西)

――今日鎮西高校時代の先輩である鍬田憲伸選手との対戦でしたがいかがでしたか

試合前のバチバチとかはなかったんですけど(笑)。1本ブロックを止めたときはうれしかったし、逆に止められたときは悔しかったです。鎮西で一緒にやってきて思っていたのですが、それなりに存在感はありました。

――何か話したりしましたか

話しました。ブロックを止め返さないでほしいと言いました(笑)。

――今は2、3年生主体の若いチームですがいかがですか

スパイクの本数自体は去年よりは増えましたが、チームを引っ張る精神的な部分は全然できていないので、そういう部分はまだまだだと思います。

――落としてしまった2セット目の雰囲気はいかがでしたか

相手が乗っているときにどうしてもチームが相手の雰囲気に押されてしまって。そのときに歯止めを利かす選手が若いチームにはまだいないので、そういう選手にならないといけないと思います。

――3セット目に4年生が入ってからチームの雰囲気が変わりましたが、4年生の存在はやはり大きいですか

4年生が入るとプレーしやすいと言いますか、プレーに集中できるので。頼りになります。

――今日出た課題と次にそれをどう生かしたいかを教えてください

オープン戦を通して1、2セット目の出だしが良くないので、序盤からしっかり先行していけるように来週は序盤の入りを意識してやっていきたいです。