山場を勝利で乗り越え、黒鷲旗へ

男子バレーボール

 早大はきょう東海大と対峙した。共にこれまでを全勝で迎えた両校。「一番の山場」(大塚)と早大の中で位置付けられ、激戦必至かに思われた一戦であった。しかしスタメン6人中4人がサービスエースを決まるなどサーブで東海大を苦しめた早大がセットカウント3-0(25-22、25-20、25-21)で完全勝利を飾った。

 平成最後の一戦は大塚達宣(スポ1=京都・洛南)のストレートのスパイクから始まった。その後も村本涼平(法4=京都・洛南)のブロックアウトを誘うスパイクなどが2連続で決まり8-4と序盤の主導権は早大にあった。しかし「全勝対決ということを意識してしまってみんな動きが堅かった」と中村駿介(スポ3=大阪・大塚)が振り返るように相手のスパイクに対応しきれず徐々に追い上げられていく早大。そしてついに19-19となってしまう。ここで松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)はタイムアウトを要求。落ち着きを取り戻した早大は宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)の対角に鋭く刺さるスパイクでブレークに成功するとその後もサイドアウトを切りなんとか東海大の流れを振り払った。このままの流れで1セット目を獲得する。迎えた第2セット。このセットの立役者は村山豪(スポ3=東京・駿台学園)だ。序盤から相手のスキを突くフェイントを決めるなど頭脳派のプレーを見せると早大陣営は大盛り上がり。早大ペースのまま試合は運ばれ、セット終盤には2連続のサービスエースを含む4連続得点を村山が獲得する場面もあった。こうして順調にこのセットも連取する。

第2セットの立役者、村山

 最終セット、武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)のブロックなどで得点を稼ぎ10-6とすると東海大がタイムアウトを要求。そのタイムアウトが功を奏したのか東海大が怒涛の反撃を開始する。サイドの山崎のバックアタックを含む5得点を獲得し4点差あった得点差もなくなり11-11と同点となる。ところが東海大のサーブミスを皮切りに、5連続得点を獲得すると流れは打って変わって早大が掴む。その後も中村のトス裁きで相手のブロックを翻弄し得点を取り続ける。ついに相手のフォーメーションを崩すスパイクが大塚から放たれてマッチポイントに。逃げ切りたい早大であったが宮浦のスパイクが相手の高さあるブロックに阻まるなどなかなか25点目を取ることができなかったものの最後は相手のサーブミスを落ち着いてジャッジして試合終了。全勝対決は早大に軍配が上がる結果となった。

一丸となって喜ぶ選手たち

 「ミスをしても次はあるし、一人で背負いこまなくてもいい。」堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)がミスをしたチームメイトにかけた言葉だ。チームの雰囲気が悪くなった時も人一倍大きな激を飛ばす。そして一点を取るごとに自分のことのように喜ぶ。そんな男気溢れる主将の下で早大は1試合ごとに成長していることだろう。5月1日からは黒鷲旗全日本男女選抜大会(黒鷲旗)に出場する。早大にとっては格上の実業団と戦う大会だ。堀江主将率いるバレーボール部はどのような活躍を魅せるのか、目が離せない。

(記事 萩原怜那、写真 松谷果林)

セットカウント
早大 25-22
25-20
25-21

東海大
スタメン
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――ストレート勝ちとなりましたが今の率直な気持ちをお願いします。

今までの敵に比べると相手のミスに助けられた部分が大きいです。なので嬉しいというよりかはきょうに関しては自分たちの反省の方が大きいかなと思います。

―1セット目終盤のタイムアウトでどのような声を掛けられましたか

全体的にスパイクミスした人やトスミスをしたセッターが落ち込んだりということが僕的に多くみられたのでミスしても次はあるし一人でミスを背負わなくてもいいし、ブロックフォローも入っているから思いっきりいこうという話はしました。他のセットでもそのようなことを話しました。

――ご自身のレセプションの調子はいかがでしたか

僕の中でもまだまだですしAパスというよりはBパスが多いので取れる範囲は広くなったと思うのですが精度を上げればセッターも楽に上げられる状態が続くと思うのでそれはまだまだ追求していきたいなと思います。

――きょうの試合で修正点や課題は見つかりましたか

技術的な課題というよりはみんなで一点を取りにいくということ、先程も言いましたが一点取られた後に悲観するということがありましたし明らかに声が少なくなっていることもあります。なのでもっと楽に勝てる試合は今後ないと思うので課題はメンタル面かなと思います。技術的なことを言ったら山程ありますが今修正できることでは一点取った後に切り替えたりとか悪いプレーの後に良いプレーの準備をする心構えをしたいと思います。

――最後に黒鷲旗の目標をお願いします

勝ちたいです。一昨年の黒鷲も堺ブレイザーズさんにセットをとったり去年も(ジェイテクトSTINGSに)フルセットしたりしているので今年こそは先輩の借りを返すではないですが爪痕残せるように頑張ります。

村山豪(スポ3=東京・駿台学園)

――きょうの試合はどのような意気込みで臨まれましたか

全勝対決ということで、すごく気持ちが入りましたし、負けられないという気持ちでした。

――前回はコースをしっかり狙ったサーブを打っていきたいとおっしゃっていましたが、きょうの2連続サービスエースを振り返っていかがでしたか

きょうサービスエースを取れたのは、気持ちがすごく入っていたからだと思います。

――ご自身の調子については

そうですね、徐々に上がってきている感じはしています。ただもう少しブロックの面で活躍できたらなと思っています。

――ブロックではこの2試合しっかりワンタッチを取れている印象があります

サーブで崩して相手の攻撃枚数を減らし、ブロックでワンタッチを取って切り返すということをチームで決めていました。この2日間はそれがしっかりできていたので、いいゲーム内容になったのかなと思います。シャットするよりはワンタッチを狙っていました。

――東海大に追いつかれることも何度かありましたが、落ち着いているように見えました

焦ってしまうと、やはり相手のコートが見えなくなってしまいます。冷静に相手を見ながらプレーしようということを心がけていました。

――ここまで8試合戦ってみて

反省点や課題が出るとそれを次の週までに克服する、というふうに毎試合ごとにうまく修正できているなと思っています。その積み重ねで今のチームができているので、やりづらさとかは特に感じていません。

――黒鷲旗に向けて

やる相手が自分たちよりも格上で、言ってしまえば失うものは何も無いですよね。チャレンジャー精神でどこまで食いつけるか、ということを試したいと思っています。

中村駿介(スポ3=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返って

内容的にはあまり噛み合ってなくて、雰囲気も悪くて…。きのうが結構よかったんですけど、相手の東海大のミスが多かったのでそこに助けられたところもあるかなと思います。

――互いに全勝での対戦となりましたが、どのような意気込みで試合に臨んだか

全勝ということはあまり考えずに、今までやってきたことを全部やろうという意気込みで臨んだんですけど、やはり全勝対決っていうのを意識してしまってみんな動きが堅かったかなと思います。

――きょうのご自身のプレーについて

きょうはもう全然だめで、ブロックを意識しすぎてトスが綺麗に上がらなかったりとか。ブロックが大きい相手でも堂々とトスを上げられたらよかったなと思います。

――新体制が始まってから、スパイカーの選手とどのようなコミュニケーションを取りながらプレーしているか

僕は今三年生なんですけど、一年生の子には、思いっきりやっていいよ、ミスしても全部俺のせいにしていいよ、って伝えていて、逆に四年生の先輩にはお前も思っきりやっていいよ楽しんでやれよって、言ってもらってるので、お互い思いっきりプレーするっていうのを意識してやっていますね。

――最後に、黒鷲旗に向けての意気込みをお願いします

相手が格上のチームになってくるので、リーグ戦とはまた違ったチャレンジャー精神をもって、ひとつでも多く勝てたらなと思います。

宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

試合に勝てたのはよかったのですが、まだまだ自分たちの100%を出せたわけではありませんでした。今日の試合でまた課題がたくさん出たように思います。

―東海大との一戦でしたが、試合前の相手の印象はいかがでしたか

お互い全勝同士だったので、接戦になるという予想で、また今日の試合が山になると思っていました。ですが、自分たちは自分たちの100%を出し切ることを心がけて臨みました。なので、相手というよりかは、自分たちのやるべきことをやるという意識でした。

――1セット目の立ち上がりの部分でライトからのスパイクが効果的に決まっているように見えたのですが、どのようなことを心がけて打っていましたか

相手のミドルのブロックがいつもより高かったので、そこを避けて打つようにしていました。

――堀江選手をはじめとして選手同士でコミュニュケーションをとる場面が目立ちましたが、コート内の雰囲気はいかがでしたか

2セット目の途中から自分の調子が落ちていったのですが、他の人にカバーしてもらったように、お互いに助け合っていくといった雰囲気でした。とても心強かったです。

――黒鷲旗への意気込みをお願いします

黒鷲旗でもチームとして成長できるように、一戦一戦を大事にして、相手は格上ですが、挑戦する気持ちを持って試合に臨みたいです。

重藤トビアス赳(スポーツ1=神奈川・荏田)

――きょうの試合の感想をお願いします

きょうは涼平さんに(村本、法4=京都・洛南)アクシデントがあって急きょ試合に出で気持ちを作ることも難しかったんですが結果的にチームが勝てたので良かったかなと思います。

―ご自身のプレーを振り返ってみてどう思いますか

あまり覚えていないですが先輩たちが決めてくれて、僕は喜んでいるだけだったのですが良かったと思います。

――途中出場する機会が多くあると思いますが、チームにどのように貢献して行きたいと考えていますか

サーブですね。先輩からもサービスエースかサーブミスかどちらかで良いと言われていますし中途半端なサーブを打っているぐらいだったら思いっきり打ってほしいと思われているので良い方向に転べば良いなと思っています。

――最後に黒鷲旗の意気込みをお願いします

黒鷲は実業団などと戦ったりレベルが1つ上がるので勝って自信に繋げていけたらいいなと思います。