国士館大に勝利し、3連勝で首位をキープ!

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)第2週のきょう、早大は国士館大と対戦した。第1セットは攻撃のリズムを上手く合わせることが出来ずに国士館大に流れを渡す展開で落としてしまうも、以降は早大らしいプレーが多く見られるようになる。終盤はブロックポイントも量産し、国士館大に一気に差をつける展開で第2、3セットを連取。第4セットは先にブレークを許し、常に2点差をつけられながらの苦しいゲームだったが、終盤にピンチサーバーとして出場した宮下諒大(社4=東京・早実)の効果的なサーブから一気に国士館大を突き放しにかかった。セットカウント3-1(19-25、25-15、25-12、25-20)で勝利し、3連勝を飾った。

 序盤からこれまで高い決定率を残している武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)と宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)のスパイクが立て続けにブロックにかかってしまい、攻撃の幅が大きく狭まってしまう。「相手の攻撃に対応するのが遅れてしまった」(藤中優斗主将、スポ4=山口・宇部商)が反省するように、第1セットは早大が得意な攻撃の形をなかなか作ることができず、苦しい時間が続いた。11-16と5点差をつけられたところでたまらずタイムアウトを要求して巻き返しを図るも、点差は縮まらない。ついにセッターの小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)を交代させ、代わりに中村駿介(スポ2=大阪・大塚)をコートに送り出す。宮浦や藤中に打ちやすいトスを供給してコートを盛り上げるものの、国士館大に逃げ切られる形で第1セットを落とした。第2セット、再び気持ちを入れ直してスターティングメンバーがコートへ。鵜野幸也(スポ4=東京・早実)、宮浦のスパイクでいきなりブレークに成功すると、相手のスパイクミスなども重なり9-3とする。徐々にブロックとレシーブの関係も向上し、相手に簡単にサイドアウトを取らせないような粘り強いバレーを展開した。その後も相手のミスを見逃さずに落ち着いて連続得点に繋げ、第1セットでスパイクをブロックされた武藤や宮浦も複数得点を決めた。このセットを10点差をつけて奪取し、セットカウントを1-1のタイに戻した。

高いブロック相手にスパイクを打つ鵜野

 第3セットは第2セットの流れを引き継ぎ、主導権を終始譲らなかった。藤中や宮浦のスパイク、武藤のブロックでいきなり9-1と大幅リード。北川諒(教1=東京・早実)が丁寧な二段トスを上げ得点に結びつけ、多くの得点に貢献した。これまで強いスパイクの印象が強かった村山豪(スポ2=東京・駿台学園)は軟打を織り交ぜ、相手に攻撃を読ませない。終盤にピンチサーバーとして出場した宮下のサーブで2連続ブロックに成功し21-9とすると、その勢いのままにこのセットも獲得し、勝利に王手をかけた。第4セットはもう後がなくなった国士館大の猛攻に苦しむセットとなる。宮浦、村山のスパイクがブロックされると2点差が開いてしまい、その差をなかなか詰めることができずに25点がお互いに近づいていく。均衡が破ったのは早大だった。鵜野のジャンプサーブから、小林、村山が相手のスパイクを見事にシャットアウトして同点とすると、続いて打たれた村山のサーブはサイドラインぎりぎりインの判定。これで15-14と逆転に成功した。すかさず国士館大がタイムアウトを連続で要求して早大に流れを渡すまいとするも、早大の集中力にはかなわない。小林のサーブで4連続得点して19-15と差を一気に広げると、ここでピンチサーバー宮下が登場。打つサーブ全てで相手を乱し、鵜野、宮浦、村山のフロント3人が立て続けにブロック。24-17と畳みかけ、最後は鵜野のスパイクがストレートコースに決まりゲームセット。勝負強さが光った。

宮下のサーブで連続得点を何度も奪った

 接戦ではなく、相手に押されてセットを落とすという今までにあまりない形で第1セットを落としてしまった。選手たちは「やるべきことが出来なかった」と口を揃える。しかし、サーブレシーブ成功率を先週から20%近く上昇させ、スパイク決定率も大幅に改善されている。試合序盤での雰囲気づくりを改善させつつ、大事な場面でブレークが奪える勝負強さを、あすの駒大戦でも発揮したい。

(記事 松谷果林、写真 杉山睦美)

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セットカウント
早大 19-25
25-15
25-12
25-20 ​
国士舘大
スタメン
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商)
レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実)
センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園)
リベロ 北川諒(教1=東京・早実)
コメント

藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)

――きょうの試合を振り返って

先週は2セット目の入りが課題でした。夏合宿の期間は逆に1セット目の入りが課題で、きょうも1セット目が良くなかったかな、という印象です。

――1セット目の入りがあまり良くなかった原因は

アップの時からみんな体も動いてましたし、声も出ていたと思います。ですが、相手のスパイクやブロックへの対応が上手くいかなかったことが原因かなと思います。

――2セット目の入りについては

自分たちの戦い方をがらっと変えてみて、相手へのマークも位置取りも変えて挑みました。それが上手くはまって良かったかなと思います。

――第3、4セットではブロックポイントを量産しました

相手も疲れてきていて全然跳んでいない、というのもありました。徐々にコースも分かりやすくなって、それに対応できたという感じです。ですが、もっと相手が強くなれば第1セットを落としてしまうと戦えないという試合も出てくるので。1セット目の序盤から自分たちの力で対応できるようにしていきたいです。

――先週はサーブレシーブが課題でした

先週よりは良かったですが、まだまだセッターを動かしてしまったり、セッターのトスワークを制限させるレセプションをしてしまったりしています。今後もこの課題には取り組んでいきたいです。

――あすに向けて

自分たちのバレーをすることはもちろんですが、相手への対応という部分で、きょう映像をよく見て、1セット目からしっかり雰囲気よく頑張ります。

小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)

――試合を振り返って

相手が自分たちのバレーに対応して来ていて、それに対してやるべきことができなかったことが1セット目を落とす原因になってしまったと思います。2セット目以降は修正できたのでそこは良かったと思います。

――1セット目については相手に合わせてしまったという部分もありましたか

合わせてしまったというよりは、相手が自分たちのバレーに対応して来ている中で、自分が流れを変えるようなトスの配球ができませんでした。

――交代の際にはどのようなアドバイスを受けましたか

配球や攻め方に関してのアドバイスは受けました。流れを変える目的もあったと思います。

――2セット目に入る際に意識したことはありますか

相手が攻め方を1セット目と2セット目で変えてきていて、自分たちにとっては2セット目の方がやりやすかったので、楽な展開になっていったと思います。

――4セット目はブロックから流れをつかみました。ブロックに関してはいかがですか

相手にプレッシャーもかけれていましたし、ブロックとディグの関係も良かったと思います。

――2、3、4セット目に関しては目指すバレーを出せたのではないでしょうか

まだまだ未完成な部分は多いですが、その中でも戦えたという感じだと思います。

――あすへ向けて

あすは切り替えて、きょうの反省を活かしながら、相手に対応しつつ戦えたらと思います。

宮下諒大(社4=東京・早実)

――きょうの試合はいかがでしたか

先週までは自分たちのミスで勝ち切れない部分がありましたが、きょうは序盤相手の動きに対応できずにリズムが作れませんでした。2セット目からは自分たちのやるべきことが明確になってうまくいったので、1セット目からもっとやるべきことを明確にしていった方がいいなと感じました。

――夏の間に重点的に取り組んできたことはありますか

1番は今までと一緒で、自分がコートに入って何を変えられるか、ということです。企業合宿などで強い相手とやる時は、自分がまずサーブでい相手を崩さないと勝負になりません。相手がどこに打たれたら嫌がるのか、などそういった駆け引きの部分で自分なりに練習を積んできました。

――1セット目のベンチの状況はいかがでしたか

やられてしまっている時はどうしても(コートの)中が沈んでしまうので、もっと外から声かけしていこうということを事前から話してはいたのですが、どうしても外からも盛り上げ切ることができませんでした。積極的に声を出すように心がけていたつもりでしたが、外から流れを作れなかったことも1セット目を落としてしまった原因かなと感じています。

――第3、4セットのご自身のサーブについて

今週ずっと宮浦(健人、スポ2=熊本・鎮西)と村山(豪、スポ2=東京・駿台学園)とコースをつくる練習をしてきました。普段と少し打つ位置を変えたら、それが上手くはまって。しっかり相手を崩して、村山がブロックする、という形が作れたので、個人的にはまだまだの部分ももちろんありますが、ひとまずブレークすることができたので良かったと思います。

――あすの駒大戦に向けて

駒大は開幕2連勝していて勢いに乗っているチームだと思うので、自分たちのやるべきことをやって相手の動きに対応できるように、この後も試合をしっかり見て対策を立てたいと思っています。

武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)

――試合を振り返って

1セット目の入りが悪かったです。2、3セットは相手が勝手に崩れてくれました。4セット目のようなバレーがこれからやっていくべきバレーだと思います。結局は4セット目も相手のミスなのですが、ビハインドでもしっかりついて行って、最後に逆転というかたちをこれからもやっていければと思います。

――1セット目は早大の攻撃のリズムを作れませんでした。そのような展開になってしまった要因はどのような点ですか

サーブレシーブが低かったり短かったりして、光輝さん(小林副将、スポ4=長野・創造学園)が思うようにセットアップできなかったことが1つです。あとは、相手のミドルが弱点だったのに対して、こっちもミドルを使えずに、サイドばかりの攻撃になってしまい、結局相手と同じ攻撃になってしまったのが良くなかったと思います。

――2セット目に向けてはどのようなことを意識しましたか

2セット目は、相手が真ん中が弱いということで、真ん中を中心に攻めて、そこからサイドに展開していくということを意識しました。相手はミスになるか決まるかという紙一重のスパイクだったので、ブロックを機能させるために、手の出し方の工夫などもしました。

――特に4セット目はブロックポイントも多く出ました

全体を見たらブロックはそんなに悪くなかったと思います。ですが、相手がワンチャンスを狙って来たスパイクに対して、ブロックミスになってしまったり、ミスにならないようなボールでブロックミスが出ている場面も多々あったので、そこはやはり修正していかなくてはいけないと思います。

――セットが進むにつれてセンターからの攻撃も増えていきました。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

夏も含めて、真ん中中心の攻撃をやって来たので、こういう試合になっても同じ形をしっかりつくれるようにしたいです。これからマークも厳しくなってくると思うのですが、決め切るボールと、無理をしないで繋げるボールもしっかり区別していきたいです。

――あすは駒大と対戦します

駒大は早いバレーボールをしてくるチームです。それに対して、慌てるのではなくてしっかり的を絞って、先手を打っていきたいです。リスクのあるバレーをしてくる分、先手を打つことができれば崩れるのも早いと思うので、そこが大事になってくると思います。

村山豪(スポ2=東京・駿台学園)

――きょうの試合を振り返って

1セット目は相手の雰囲気に流されてしまって自分たちのバレーができずに終わってしまいました。2セット目は始まる前に自分たちのバレーをしようということを話して、2、3、4セットと通して実行することができました。それが勝てた要因かなと思います。

――3、4セット目のクイックについて

1セット取られているので、ここから3セット連続で取ろうという気持ちで頑張りました。

――大事な場面でサービスエースを決めました

手に(しっかり)当たっていなくてたまたまエースになったので、ラッキーでした(笑)。

――宮下選手のサーブから何本もスパイクをブロックしていました

(宮下)諒大さんは普段から仲良くて、とても優しく接してくれますし、自分が悩んでいる時も話を聞いてくれるので、とても頼りにしています。あと3カ月くらいしか一緒にプレーできないということもあって。絶対にブレークしたいという気持ちからあのような形で沢山ブロックできたのだと思います。

――あすに向けて

相手に勝つことも大事ですが、自分たちのバレーがしっかりできることが1番大事です。あすも苦しい試合になると思いますが、1点1点大事にやっていきたいと思っています。