宿敵明大を倒して7連勝 ついに全勝は早大のみに

男子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)後半戦、最初の相手は明大。連続得点を奪われる場面も見られたものの、崩れることはない安定感を見せた。村山豪(スポ2=東京・駿台学園)らのブロックポイントや、甘い球を確実に得点に繋げる粘り強さでセットカウント3-0(25-18、25-17、25-17)のストレート勝利で7連勝。きょう日体大が中大に敗れたため、全勝は早大のみとなった。

 第1セットは堀江友裕(スポ3=和歌山・開智)が初戦以来のスタメンとしてコートに立ち、声でもプレーでもコート内を盛り上げていく。このセットで先に主導権を握ったのは早大。「ポジション取りがしっかりできた」と堀江が言うように、序盤からサーブで攻め、甘い返球をセッター小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)に返すという理想的な展開を繰り広げる。試合中盤では、サーブレシーブで崩された藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)が、小林がかろうじて上げたトスに反応して得点を決める場面では会場を沸かせた。そして、藤中のサービスエースを皮切りに早大が一気に勢いを増す。武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)のサーブから6連続得点、明大に10点差をつける。ブロックもしっかり機能し、ブロックポイントはこのセットだけで4得点。宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)の緩急をつけた多彩なスパイクで相手を翻弄し、ラリーもしっかりと得点に繋げた。最後に早大のミスから5連続失点を許すも、中盤のリードを守り切って25-18で第1セットを先取した。

段々と調子が上がってきている武藤のジャンプサーブ

 続く第2セット、早大はサーブミスやスパイクミスをきっかけに4連続失点からスタート。サイドアウトの応酬が続き、3点差がなかなか縮められない。明大のサーブミスで10-12とするが、このミスが第2セットの勝負を分ける転機となった。続く早大の的を絞ったサーブで相手陣形を乱しタッチネットを誘うと、今度は宮浦がバックアタックを決めて12-12と同点に持ち込む。すかさず明大はタイムアウトを要求して仕切り直しを図るも、早大の勢いは止まらない。武藤のジャンプサーブからのチャンスボールを村山や鵜野幸也(スポ4=東京・早実)が確実に得点して15-12と逆に3点差をつける。ここでたまらずもう1度明大がタイムアウト。最終的に9-12から17-12へ、怒涛の8連続得点を奪っていた。その後は、鵜野の1枚ブロックで選手たちの笑顔が弾け、コート内の盛り上がりは最高潮に。試合終盤はリザーブメンバーを積極的に起用し、中村駿介(スポ2=大阪・大塚)も多くトスを上げた。最後は中野博貴(教4=東京・早実)がきっちりスパイクを決めて25-17で2セット目も獲得した。最終第3セットも第2セット同様序盤にリードを許すものの、安定感のある試合運びで中盤に逆転。相手の集中力が切れたのかミスも増えていき、このセットも25-17で終えた。

宮浦(左)と村山(右)の高さのある2枚ブロック

 「ファーストブレイクをとること」。課題として選手が揃ってこの言葉を口にする。連続得点は要所でしっかり取れているものの、やはり出だしで相手に連続得点を取られてしまうことが多い。きょうのサーブレシーブの成功率は8割近かっただけに、早大のスパイクのミスが目立つ試合となった。あすは全日本大学選手権(全日本インカレ)3位の強敵、中大と対戦し、翌日からは黒鷲旗全日本選抜が控えている。集中力がものをいうミスが許されない試合が続くので、早大の底力が試される。

(記事 松谷果林、写真 成澤理帆)

 

セットカウント
早大 25-18
25-17
25-17
明大
スタメン
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商)
レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実)
センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ3=和歌山・開智)
コメント

藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)

――きょうの試合はいかがでしたか

振り返ってみると3-0で終わった試合ですが、試合の中で課題がかなり見つかりました。今回も僕たちはファーストブレイクを取れていなかったので、とりあえず1本目(サーブレシーブ)をということでやっていたのですが、結局相手のミスに助けられた試合だったかなと感じました。

――2、3セット目は明大に先にリードを許す展開となりました

フローターサーブの選手以外はあまりサーブで攻めてこなかったわりには、僕たちのレセプションが全く返りませんでした。ファーストブレイクができていない原因はやはりレセプションだったと感じています。監督(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)からも指示がありましたが、春季リーグ戦の課題は「レセプションアタック」なので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

――サーブではよく相手を乱していましたが、狙いについては

とにかく、フローターサーブもジャンプサーブも明大のリベロを外そうということでした。サイドの選手にうまくストレスをかけていければなとチームの中で決めていたので、うまくいった部分もありましたが、ミスをしたあとのサーブなどはまだまだだと思うので、修正していきたいです。

――バックアタックをたくさん決められていましたが、ご自身のスパイクの調子はいかがですか

光輝(小林、スポ4=長野・創造学園)にうまく使ってもらっている部分が大きくて、打ちやすい状態で打たせてもらっているという感じです。まだ僕らがリードしている展開でスパイクを打っているということが多いですが、これからは劣勢とかデュースの場面、しっかり決めなければいけない場面でトスが上がることが増えると思うので、決めきれるよう、満足せずに頑張っていきたいです。

――色々な選手に声をかける姿が印象的でした

僕が黙り込んでいてもチームが回らないので。声かけに関しては、僕もそんなにがつがつ声かけるタイプではないですが、自分の課題として取り組んでいます。

――あすは中大との試合です

データに関してはミーティングで分析を共有し合ってきたので、あとは準備をしっかりしたいです。相手に対応していくというバレーではなく、自分たちが先にバレーをするという先手先手の意識でやっていけたら戦えると思うので、思い切って戦っていきたいと思っています。

武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)

――今回の試合を振り返っていかがですか

きょうはブレイクがよかったんですけど、ファーストブレイクっていう部分では全然いい訳ではないです。春リーグ(春季関東大学リーグ戦)ではそこ中心に強化しているので、いい試合だったかと言われるとそうでもないかなという感じです。明日はそこを修正できればなと思います。

――第1セットの後半で5連続失点したときのチームの雰囲気はいかがでしたか

こっちのミス、ライン踏んじゃったりとかがあり、点差もあったので焦りはしなかったんですけど、(点数を)獲れるときにしっかり獲れるようにしないと上位チームになったときにセット落としたりするかなと思ったので、そこは反省していきたいと思います。

――第3セットの中盤あたりまで明大にリードされていた原因は何ですか

ファーストブレイクが獲れていないのがネックです。ブレイクはとれているので、焦りはないんですけどファーストブレイクがとれないとゲームとしてきついかなと思います。

――全体を通してブロックはいかがでしたか

きょうは相手が速い攻撃だったので、(相手に)つけているとは思うんですけど、(ブロックの)練習もそこまで多くやっていないので、今はつけてるとかしっかりボールに触ることができてるという点では良いと思います。

――サーブの調子が良かったと思いますが、ご自身ではいかがですか

きょうは比較的良かったと思います。先週くらいからちょっと全体的には良くなってきて、練習の中でも映像を確認してフォームを修正したりしてきたので、それが試合で生かせているのかなと思います。

――最後に、あしたの中大との試合に向けて一言お願いします

あしたはそのまま黒鷲旗に行くんですけど、黒鷲旗はまた別で、リーグをまず勝ち切らないといけないので、相手関係なく自分たちが練習してきたことをしっかり出せればいいと思います。

堀江友裕(スポ3=和歌山・開智)

――お疲れ様でした。久しぶりのスタメンでしたがいかがでしたか

膝の関係もあり、長くコートから離れていました。実戦から離れていたので、体を慣らすところからでした。チームも勝てましたし、良かったと思います。

――スパイクレシーブもかなり上げていました

あまり急に体を動かしすぎても良くないと思ったので、今日はまずは位置取りを大事にしようという感じでした。そのポジションがしっかりはまったことで、いい結果に繋がったと思います。

――北川選手(諒、教1=東京・早実)とは何かお話しされましたか

普段から色々話してます。きょうの試合でも、北川が自分に位置取りどうすればいいですかね、とかたくさん聞いてきてくれたので、アドバイスもしました。

――コートの外からみて、チームの課題などなにか感じることはありましたか

監督(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)とも話していたのですが、やっぱりファーストブレイクですね。きょうも明大に序盤リードを許す形になってしまったので。ファーストブレイクのためのレセプションも課題だと感じました。

――あすは中大、その後は黒鷲旗(黒鷲旗全日本選抜)と試合が続きます

自分もいま膝を痛めていますし、チーム内にも調子が悪い人が何人かいます。5連戦ということで、ケガには十分に気をつけながら頑張っていきたいと思います。