苦しみながらもつかんだ勝利!開幕3連勝を飾る

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦も2週目に突入。早大は筑波大を破り勢いのある明大と対戦した。結果的にはセットカウント3−1(25—22、25—20、28−30、25−22)で勝利したが、スコア以上に苦戦を強いられる。今季初めてセットを落とし、苦しみながらつかんだ一勝となった。

 
「焦っていた」。試合後小林光輝(スポ3=長野・創造学園)はこう口にした。センターへのマークが厚く、早大の武器の一つであるクイックを決めることができない。それを補うためのセンターからのバックアタックもタイミングが合わず、センター線を封じられるかたちになってしまう。サイドからの攻撃も相手に粘り強くレシーブを上げられ、なかなか一度で決めきることができない。本来早大がやりたいバレーを明大にやられてしまう苦しい展開となる。そんな中、チームを救ったのは宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)だった。「高い通過点で打てていた」(宮浦)という言葉通り、高さを生かしコースを狙ったスパイクで得点を量産。ブロックにつかれた状況で上がってきた2段トスもしっかりと決め切る活躍を見せた。早大の思い通りのバレーはできなかったものの、最後に粘りで相手を振り切り2セットを連取した。

得点を量産しチームを救った宮浦

 試合内容に少し不安を残しながら迎えた第3セット。中盤、ここまで圧巻の活躍を見せていた宮浦をはじめ早大に少しミスが目立ち始める。そこから連続得点を許し、リードを奪われる展開に。加賀優太(商4=東京・早実)のセンターからのバックアタックが徐々に決まり始めるなどいい場面もあったが、流れを変えることはできず。デュースに入ってからの連続でのサーブミスや相手のライトからの攻撃に対応できなかったことが響き、今季初の失セットとなった。切り替えて臨みたい第4セット。互いに点を取り合う拮抗した展開となるが、サービスエースやブロックなど要所で連続得点を奪う。そのリードを守り抜き開幕3連勝をつかんだ。

粘り強く配球する小林

 試合内容を見ると負けてもおかしくない試合だったと言えるだろう。しかし、苦しい状況の中でも失セットを最小限に止め勝ち切った選手たち。1年生を含む若いチームであるだけにまだまだ伸び代は十分だ。ここから強豪チームとの対戦までにどれだけチームの完成度を上げていけるかが優勝へ向けて大きなポイントとなるだろう。あすは日大と対戦する。今週は3連戦となるだけに、ストレート勝ちを収めリーグ戦中盤に向け弾みをつけたいところだ。

(記事 杉山睦美、写真 坂巻晃乃介、藤原映乃)

セットカウント
早大 25-22
25-20
28ー30
25-22

明大
スタメン
レフト 加賀優太(商4=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
センター 山﨑貴矢(スポ4=愛知・星城)
ライト  宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

加賀優太(商4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

全体的に早大がバタバタしてしまい、決め切れるはずのボールを逃してしまいました。それが3セット目ああいうかたちで落としてしまうことにつながったのだと思います。

――ブロックでワンタッチを取って切り返すことがなかなかできませんでした

センター・サイド共になかなか攻撃を絞り切ることができませんでした。終盤はだんだんと修正できていましたが、中盤まではそれで大分やられてしまったと思います。

――ブロックとレシーブの関係の面では課題の残る試合になったということですか

レシーブで触っても上げられない場面が多かったです。そういう部分でまだまだ詰めていかなくてはいけないと感じました。

――スパイクが一度で決まらない場面が目立ちました

リベロがうまいということはやる前から分かっていたのですが。決まったと思っていても、相手のリベロが回り込んでいて自分たちの打つコースに入っていました。決まったと思っても上げられて、チャンスボールが来て攻撃を展開しようとしたところでミス、というのが多かったです。明大が相手だったのできょうは良かったですがこれが上位のチームだったらその1点が命とりになるのでそこは詰めていかなければいかないと思います。

――3セット目落とした後はどのような声かけをしましたか

こっちのスパイクミスが多かったので、いいペースで試合を運べていませんでした。1年生の2人が気負いすぎていたのでそこはリッラクスさせて、序盤でリードして余裕のある展開をつくろうという話をしていました。

――若いチームであるだけにうまくいかない部分がありながらも勝利できたことは大きな収穫なのではないですか

僕自身4年生が僕しか入っていなくて、別に下級生もみんなうまいし実力もあるので気負う必要はないのですが、僕が気負い過ぎてしまい決められるはずの場面で決められない部分がありました。下級生が僕のためにというわけではないと思いますが、それぞれが自分が決めなくてはいけないと気負ってしまたと思います。下級生が頑張ってくれて勝ちきれたことは大きいですが、自分としてはふがいなかったです。

――日大戦へ向けて

毎年勢いのあるチームなので、きょうのように苦しい場面になると相手に押し切られて自分たちのペースで試合を運べなくなってしまうと思います。受けて立つわけではなく、こっちも序盤から食ってかかる勢いを持って臨めば実力的にはこっちが上なので勝てると思います。気持ちの面で負けないようにしたいです。

 

小林光輝(スポ3=長野・創造学園)

――今日の試合振り返って

試合には勝ったんですけど、個人的には明大の創造(学園)のメンバーに負けてしまったなと思います。

――苦戦した部分

相手がブロックをマンツーマンでやってきていました。それに対して僕たちはバックアタックが合わず、サイドが(ブロック)1枚になったところもレシーブで拾われ、うまく回っていかなかったので僕としてもちょっと焦っていました。

――センターのマークが厳しい中での早大のするべきバレーができなかったということですか

バックアタックが合わなくて、ミドルを潰されて、サイドが決めきれないとこっちの負けパターンになってしまって苦しいです。その中で勝ちきれたのはよかったですけど、内容は悪かったので課題が出たのが収穫だと思って次に生かしていきたいです。

――内容が悪い中でも勝ちきれたのは要因を挙げるとしたら

サーブが攻めれたことはよかったです。向こうのスパイカーは限定できていたのでそこはよかったです。

――日大戦への意気込み

きょうの試合は切り替えて3連戦なので気合い入れて頑張ります。

宮浦健人(スポ1=熊本・鎮西)

 

――きょうの試合を振り返って

3セット目で自分からミスをしてしまったことが反省点だと思います。

――特に1、2セット目はスパイクもよく決まっていましたが振り返って

しっかりコースに打ち分けて叩けていたと思います。高い通過点で打てていたことが良かったです。

――苦しい場面で2段トスが上がってくることも多かったですがどのような意識をしましたか

とにかくミスをしないように心がけていました。あとは、高い通過点から長いボールを打つことを意識しました。

――3セット目少しミスが出た場面は何が要因として挙げられますか

3セット目はノーブロックになって力んでた部分がありました。力を抜いてコースに打とうという意識をしました。

――何か声かけをされましたか

1年生なんだから、あまり勝ち負けを意識せずに思いっきりやれと言われました

――ブロックに関してはいかがですか

まだブロックで流れてしまうことがあります。自分がブロックをしているときは後ろのレシーブがやりにくいと思うので、もっとかたちを意識しないといけないと思います。

――あすの日大戦へ向けて

日大は強いと思いますが、早大らしいバレーをして勝ちたいと思います。