喜入主将健闘も小さなミスが目立ち筑波大に敗戦、3位で春季リーグ戦を終える

男子バレーボール

 4月8日に開幕した春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)もいよいよ最終戦を迎えた。早大は筑波大と対戦。隣のコートでは東海大と中大の試合が同時に行われ、早大にとっては自分たちの結果だけでなくそれらの大学の結果次第で優勝や順位変動にかかわってくるため会場には緊張感が漂う。試合は早大の良さを見せつつも、連携などでミスが目立つ。大事な場面で相手を突き放しきれず流れを手放してしまうと、結果はセットカウント2-3(23-25、25-23、25-18,21-25)でまさかの敗戦。春季リーグ戦は最終結果3位で幕を閉じた。

 第1セットは23-19と4点のリードした場面からまさかの展開となった。筑波大のルーキー・坂下純也のサーブでレシーブが乱されてしまうと攻撃の的を絞られブロックがついた状態で上がってきたトスにスパイカー陣が苦戦。スパイクアウトやブロックされる場面が目立った。最後は加賀優太(商4=東京・早実)のスパイクがシャットアウトされ、相手に6連続得点を許し逆転負けとなった。このセットを落としたことで優勝への望みは消え、選手たちの表情にも悔しさがにじみ出ていた。続く第2セットは中盤まで一進一退の攻防を見せる。しかし、19ー18の場面で相手スパイクを小林光輝(スポ3=長野・創造学園)がレシーブ。大きく上がったボールを堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)がつなぎ加賀へ。ブロックが2枚ついていたがうまく指先をねらいブロックアウト。この粘り強さで取り切った1点から流れが早大に傾くと、スパイクレシーブも上がり始め25ー23でこのセットを取った。

ブロックアウトを奪う加賀

 第3セット目は 喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)が活躍。2度のブロックポイントを奪うと、「よーし!」とこぶしを突き上げた。スパイクでも慣れないライトのポジションからもレフトから顔負けのスパイクで得点を量産。主将の活躍にチームも鼓舞され思い切りの良いプレーが見られた。相手のサーブミスも相次ぎ25ー18の大差でセットを奪った。しかし、第4セットを奪われると試合はフルセットへもつれ込む。5セット目になり筑波大もミスが減り互いに突破口を見出せない中で、喜入主将と堀江の間にサーブが落ち相手にノータッチエースを与えてしまう。本日2度目の同じ連携ミス、しかも大事な局面でのことに少し嫌な空気が流れる。それでも食らいつき13ー14と相手のマッチポイントで喜入主将がノータッチエースを取り返し簡単には勝たせない。しかし、ジュースになった試合も最後は相手にブロックポイントを取られ17ー19。最終戦で黒星を喫し、8勝3敗、セット率2.154で最終順位3位で春季リーグ戦を終えた。

奮闘した喜入

 「取れるボールを落としてしまい、勝てるセットを落とした」。喜入主将の言葉通り相手のノータッチエースやフェイントに対してのミスなど早大らしくないミスが目立ってしまった。しかし、結果に悔しさを抱きながらも春季リーグ戦を振り返って選手たちは「1年間で見ると今のこの状況は悪くない」(堀江)と語る。時間差攻撃など機動力のある多彩な攻撃が持ち味の早大だが、あえてシンプルな攻撃を中心に"サーブで攻めて、サイドアウトを取る"という目標をブレることなく実戦し、3位という結果を残せたことは自信につながっただろう。この春季リーグ戦を通し、出た課題を次の試合では克服しようとする姿勢が見られ、それぞれのポジションや学年で自分たちの役割を自覚しているように感じる。東日本大学選手権まで1ヶ月。どんな成長を見せ、結果を残すのか。期待が高まる。

(記事 藤原映乃、写真 杉山睦美)

セットカウント
早大 23-25
25-23
25-18
21-25
17-19

筑波大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 山﨑貴矢(スポ4=愛知・星城))
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返って

取れるボールを落としてしまい、勝てるセットを落としてしまいました。試合の中で、相手にやられたとかではなく、自分たちのミスで負けてしまったと思います。

――1セット目は終盤にひっくり返されてしまいました

一本目(サーブレシーブ)が乱れてしまいました。サイドアウトを取るために、Aパスを返すということが徹底できていなかったと思います。

――サーブレシーブでは堀江選手との間にボールを落とされる場面がありました

僕が積極的に取りにいけていない部分がありました。

――ブロックやスパイクレシーブに関して

3セット目はいいかたちでできていたのですが、コースを抜けたところを拾えなかったところがあったので、もう少し拾えるボールは上げていきたいと思います。

――重要な場面でのスパイクやサービスエースなど、プレーで引っ張る姿が印象的でしたが

それでも結果負けているので、まだまだ自分の力が足りなかったと思います。

――スパイカー陣のスパイクアウトが目立ちましたが、相手ブロックに対してのプレッシャーなどもありましたか

ブロックを意識してたりとか、あとはトスと合わなくて何とかしようとした結果、力任せになってしまったところがあったと思います。

――春季リーグ戦全体を振り返って

自分たちのやるべきことができた試合は勝てて、できなければ負ける、ただそれだけという感じもあります。やり切ることが難しいのですが。まだまだ全日本大学選手権に向けては通過点だとおもうので、春リーグを通じてできたサーブで攻めてサイドアウトを取るというかたちを少しずつ発展させていけたらと思います。

――強化したい点はありますか

ブロックです。最後にブロックされて終わってしまったのですが、逆に僕らがブロックし返して終わるようなかたちができたらと思います。身長が低いチームですが、そういう細かい部分をつめていきたいです。

加賀優太(商4=東京・早実)

――きょうのふりかえりをお願いします

1セット目で大事なところで自分が決めきれなくて、そこが敗因だったかなと思います。

――1セット目先取された直後、悔しそうな表情も浮かべられていましたが、何が原因でしょうか

正直苦しいところでトスが上がってくるのは全然わかっていたんですけど、自分自身あまりライト側からの攻撃に自信がなくて、弱気になった部分が少しあったかなと思います。

――2、3セット目はワセダが取りました。いい流れだったのではないでしょうか

自分たちが決めていた部分もあると思うんですけど、相手の逃げてきたフェイントだったりとかが拾えていなかったですし、どちらかと言えば相手のミスに助けられたのかなと思います。

――4セット目、取られた原因は

2、3セット目取ってはいたんですけど自分たちの力で取っていたというよりも相手のサーブミスだったりスパイクミスだったりとかで助けられて、そういう相手のミスが減って地力で負けたんだと思います。

――自分たちの力が出せなかったというのはどういう点でしょうか

相手の逃げてきたボールに対して全然拾えていなかったですし、キャッチにしてもそうでもないサーブでノータッチエースが出てしまっていたり、取れるボールが取りきれていないなという感じです。

――最後のセットは手に汗握る展開でした

最後マッチポイント握ってこっちがダイレクト決めきれなかったり、自分が最後上がってきたボールを相手にあげられてしまったり、喜入が相手にマッチポイント握られた場面でサービスエース取ってなんとか持ちこたえられたと思うんですけど、4年生が決めきれなかったなというのを思いました。

――春リーグが終わり、3位という結果になりましたがいかがですか

去年とかを振り返ってみると自分たちのバレーができていなかったんですけど、今年はスタートも比較的良い形で切れて、機動力が武器のチームなんですけれど、あえて時間差を使わないで両サイドの平行でオーソドックスなバレーで勝負していて、その中で3位という結果を残せたのはよかったと思うんですけれども、負けた試合3試合全部勝ちきれる試合を落としたという感じがしたので、そこは4年生3人コートに入っているので厳しい部分でも4年生がしっかり頑張れたらなと思います。

――今後は早慶戦、東日本インカレが待っていますが、改善したいことなどあれば教えてください

早慶戦は教育実習で4年生3人抜けて、3年生中心でやることになると思うんですけれど、その3人いない時期に数少ない4年生として自分が残っているので崩れないようにしっかりサポートして、また東日本インカレでは去年決勝で負けた悔しさを経験しているのでその悔しさを晴らせたらいいかなと思います。

堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)

――試合を振り返って

1年間で見ると今のこの状況は悪くないと思います。でも、個人としては5セット目にノータッチエースなどミスが目立ってしまったのでその悔しさを覚えつつ反省したいと思います。

――喜入主将と堀江選手の間に落ち、ノータッチエースとなる場面がありました

確認不足と二人の間に(ボールが)来たらリベロなので僕が取りに行かなければいけないんですけど、勝負所で消極的になってしまったと思います。

――早大ペースの中でも勝ち切れなかった原因

(相手に)押されているというよりはリードしているときに突き放せなかったことが原因だったと僕は思います。

――得点が取れてる場面ではディグもよく早大のやりたいバレーができていました

点差が離れていていいときはいいプレーが出るのは当たり前だと思います。劣勢のときにディグをパンッと上げたりして、そういうのがリベロの役割だと思うのでそういう実力をつけたいです。

――春リーグを振り返って

(自分のプレーの質が)どん底まで落ちるっていうことは自分ではなかったのですがそういう要所でのミスとかは練習から意識してやっていかないといけません。終わってからならなんとでも言えるので、常に意識するのは難しいんですけどそれでも常に頑張ることで勝負所でのミスがなくなってくると思います。次は安定するのはもちろんのことで要所での自分のプレーをしたいです。

――2度目の春季リーグ戦はどのような心持ちでしたか

去年は僕が1年生で一人だったんですけど、ことしは1年生がいなくて下級生という立場は変わりなかったです。そうは言っても2年生で去年1年間やってきてるということがあったので、声出しとプレーの両面で安定を意識してやろうと思ってやりました。

――今後強化していきたいところ

(東日本大学選手権まで)1ヶ月しかないのでそんなにすごいレベルアップはできないと思うんですけど、勝負を分けた1点だとかこの春リーグのことを自分で分析して、細かいプレーをして向こうに入った1点をこっちの1点にできるように修正をしていきたいです。