サーブで圧倒!順大をストレートで破る

男子バレーボール

 黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)から一週間。春季関東大学リーグ戦も残すところあと3戦となったこの日、早大は順大と対戦した。出だしからサーブで攻め、相手を圧倒すると試合は終始早大ペースに。セットカウント3−0(25−18、25−14、25−20)で危なげなくストレート勝ちを収めた。

 「黒鷲旗の勢いそのままに試合に入れた」(喜入祥充主将スポ4=大阪・大塚)。その言葉通りの試合展開となった。ゴールデンウィークに行われた黒鷲旗で、格上の相手と試合をする中で確かな自信を得た選手たち。サーブとレシーブに磨きをかけ、ブロックの練習も取り入れて春季リーグ戦の終盤を迎えた。順大戦は試合序盤からサーブで圧倒。加賀優太(商4=東京・早実)がサーブで相手を大きく崩すと、村山豪(スポ1=東京・駿台学園)のダイレクトスパイクや、ブロックポイントで4連続得点を奪う。勢いに乗った早大は要所で連続得点を積み重ね危なげなく1セットを先取した。続く第2セットも依然として早大ペースは変わらず。小林光輝(スポ3=長野・創造学園)の2本のサービスエースを含め、セット開始早々の4連続得点。サーブで崩しブロックで仕留める理想的なプレーも飛び出し、中盤6連続得点で相手を突き放す。結局このセットだけで奪ったサービスエースは4本。セット終盤には大幅にメンバーを入れ替える余裕も見せ、2セットを連取した。
 

サービスエースを奪う小林

 第3セットは中盤まで競り合う展開となった。そんな中でも「焦ることなく自分たちのかたちを意識した」(喜入)という選手たち。象徴的だったのが、7−7の場面からの藤中優斗(スポ=山口・宇部商)のプレーだ。藤中のスパイクが相手の3枚ブロックにシャットアウトされ、7−8。そのすぐあとに再び3枚ブロックに付かれた状況で藤中にトスが上がってきたが、冷静にコートの奥へスパイクを打ち8−8。続く場面では、指先を狙ったスパイクで、3枚ブロックを弾き9−8。修正力を見せたこの一連のプレーで一歩リードすると、その後追いつかれる場面は見られたものの逆転は許さず。ストレートでの勝利を収めた。

冷静な対応を見せた藤中

 黒鷲旗を通して、サーブで攻めサイドアウトを取り切るというチームの戦い方がより明確になりチームとしての状態は上がりつつある。あすの相手は中大だ。早大はここ数年中大相手に白星を挙げられていないが、今回は少し事情が異なる。中大の主力選手である石川祐希と大竹壱青が代表合宿によりチームを離れているのだ。順位争いを含め、いつにも増して負けられないというプレッシャーのかかる中、どこまで自分たちの力を出し切れるか。あすも早大らしい戦いを見れることに期待したい

(記事 杉山睦美、写真 藤原映乃)

セットカウント
早大 25-18
25-14
25-20

順大
スタメン
レフト 加賀優太(商4=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)
センター 武藤鉄也(スポ2=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ1=東京・駿台学園)
ライト  喜入祥充(スポ4=大阪・大塚)
セッター 小林光輝(スポ3=長野・創造学園)
リベロ 堀江友裕(スポ2=和歌山・開智)
コメント

喜入祥充主将(スポ4=大阪・大塚)

――きょうの試合を振り返って

黒鷲旗でつけた勢いそのままに、いい感じで試合に入れたと思います。

――サーブがとても良かったですが、空いた1週間でさらに強化されたのですか

黒鷲旗で自分たちのプレーのかたちを改めて確認できたので、サーブとレシーブに力を入れて取り組みました。その結果が出たかなと思います。

――1セット目から相手を圧倒しました

出だしから自分たちのバレーができました。相手のバレーをさせず、自分たちのバレーができたことが大きかったと思います。

――逆に3セット目は競るような展開になりました

普通にやればああいう展開になるので、焦ることなく自分たちのかたちを意識してやっていました。

――センターの位置からライトに移動してスパイクを打っていましたが

僕の入り方を変えました。外に待ってて打つのではなく、中で待ってて外に行くという入り方の方がトスと合っていたので変えました。

――3枚ブロックに付かれてもスパイカー陣が決め切る場面も多かったですね

しっかり相手のブロックを見て打てていたと思います。

――メンバーが大幅に入れ替わりましたが、意識したことはありますか

誰が入っても、入ったメンバーのいいところが出せるようにすることが大切だと思います。そういう面でいいプレーができていたと思うので良かったと思います。

――中大戦へ向けて

負けたらいけないと思うのでしっかり勝ちにいきたいと思います。

山﨑貴矢副将(スポ4=愛知・星城)

――代表から帰ってきてすぐということでしたが、きょうの試合を振り返って

きょうは2セット目から出たのですが、村山(豪)は良かったと思います。それでもこの先を考えると、やはり合わせていかなければいけないと思います。きょうの時点では(トスと)全然合っていなかったので、もう一度一からやり直してしっかり合わせていきたいと思います。

――ブロックに付かれたときに、少しタイミングをずらして打っていたように見えました

狙ったわけではなくて、たまたま合わなかったものを無理やり打ったら決まりました。

――ブロックポイントがよく出ていました

ブロックはもっと止められる場面があったと思います。かたちが悪いという部分もあったのでもう一度見直したいです。

――中大戦へ向けて

残り2試合負けられないので、勝ちにいきたいです。

藤中優斗(スポ3=山口・宇部商)

――黒鷲旗を終えてからどのようなことに重点を置いてきましたか

格上相手に自分たちのバレーができれば通用するということがわかったので雰囲気や自分たちの調子を落とさないように思い切りプレーするということを意識しました。具体的にはサーブとかスパイクをトスとしっかり合わせるということを確認しながらやってきました。

――きょうの試合を振り返って

僕たちが優勝するには他のチームの勝敗もかかわってきますが自分たちはしっかり(セットカウント)3ー0で勝っていくことが重要なので3ー0で勝てたことはよかったかなと思います。

――スパイクでは藤中選手らしいプレーができていたと思います

黒鷲旗前に比べて自信がついたというわけではないですが、気持ちに余裕が出てきた部分もあります。体のコンディションも疲労はありますけど思い切ったプレーができているのでそこがよかったと思います。

――サーブを振り返って

僕以外はみんなジャンプサーブなので僕の役割として他の選手が打ちづらくならないようにミスしないことを心がけています。でも、サービスエースは何本か取れましたけど、1本ミスしちゃいましたし。きょうはリードしていたので思い切って打てましたが、僕らがリードされてる時にしっかり思い切って打てるように感覚とかを磨いていかなければいけないなと思います。

――ブロックについて

黒鷲旗が終わってから今週1週間ブロックの形であったり、ブロックの練習を取り入れてきました。春季リーグ戦ではブロックのことはあまりやらないのですがブロックの形や(データで)コースが出ているのでそこをしっかり止めるということができたかなと思います。

――サーブレシーブについて

相手のジャンプサーブで1人強い人がいたんですけどそこでグダグダしてしまった部分がありました。フローターサーブは3人(喜入主将、藤中選手、堀江選手)とも大丈夫なんですけど、ジャンプサーブで相手がせめてきたときに耐え切れるようにしなければと思います。サーブと一緒できょうはリードしていたので気楽にできましたが、競ったときにしっかり返せるように3人とも課題ばかりなのでしっかりやっていきたいです。

――中大戦に向けて

相手は2人いないですけど東海大の時も2人いない状態で負けましたし自分たちのバレーができなければあしたも負けてしまうと思います。自分たちのバレーをしっかりすることを心がけて勝ちにいきたいと思います。