要所でブロックが機能!苦しみながらも開幕2連勝

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦2日目。開幕戦を白星で飾った早大は、この秋、1部に昇格した国士舘大と対戦した。7月の天皇杯東京都予選会では、勝利したもののセンター小島大輝(国士舘大)の移動攻撃に苦戦。それに加えクイックなど多彩な攻撃パターンを持つ相手だけに、ブロックとレシーブがカギを握る試合となった。第2セットをデュースの末に落とすなど課題は残ったが、勝負どころで粘り強さが光る。セットカウント3-1(26-24、31-33、25-23、25-23)で、全セット2点差という激闘を制した。

 第1セットは田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)のスパイクが冴え得点を重ねたが、やはり移動攻撃に対応し切れず接戦となる。それでも22-22の場面、藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)がついにブロックで小島を止めた。「移動攻撃を止めるという仕事が僕に与えられていた」(藤中)。指揮官の期待にプレーで応えると、ここから流れは早大に傾きセット先取に成功する。第2セットでは加藤久典(スポ4=東京・早実)らセンター線を使った攻撃が機能し、24-20とマッチポイントを迎えた。対する国士舘大は決定率の落ちてきたセンター攻撃を諦め、サイドから威力のあるスパイクを連発。好調の田中が連続得点を挙げ応戦するも、相手の気迫がそれを上回り惜しくもこのセットを落とした。

苦しい場面でスパイクを決め切りチームをけん引した田中

 攻撃陣に疲れの見え始めた第3セット。加藤、山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)のセンター2枚がチームの窮地を救った。執拗(しつよう)なまでのサイドからの攻撃を要所で阻止すると、守備の乱れた瞬間を狙いクイックをたたき込む。終盤に猛追を許したものの逃げ切り、勝利に王手をかけた。第4セットも一時逆転されるなど苦しい展開となったが、早大のスパイクレシーブとブロックが相手のそれを上回った。23-23から田中、藤中が立て続けにブロックポイントを奪いゲームセット。「勝負どころで勝てたということで1つ大きなものを得た」と田中が語るように、格下相手とはいえ、僅差の場面で持ち味を発揮できたことは春からの成長と言えるだろう。

相手の移動攻撃を止めた山﨑、藤中

 開幕2連勝で1週目を終えた早大だが、山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)は「反省の方が大きい」と振り返った。サーブで崩される場面や、勢いにのまれ連続失点を喫する場面が目立っただけに、上位校との対戦を前に弱点を修正する必要がある。それでも、順調につかんだ2勝は春のリベンジに向け大きな価値を持つはずだ。頂へと続く、秋のロードを突っ走る。

(記事 川浪康太郎、写真 杉山睦美、藤原映乃)

セットカウント
早大 26-24
31-33
25-23
25-23

国士舘大
スタメン
レフト 加賀優太(商3=東京・早実)
レフト 藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)
センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
センター 山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
コメント

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

下位のチームですが部員も多く、上の応援や一人一人思い切り打ってくるチームなのでそこは警戒していました。しかし、2セット目のデュースになった場面では相手の思い切りの良さで落とさなくても良いセットを落としてしまったのは反省点です。

――きょうはブロックとレシーブの関係が良かったと思います

打ってくる相手やコースは大体わかってはいたんですけど、指先を狙われたりしてしまいました。もっとブロックで仕留めなければいけない場面が多かったと思います。もっと相手の得意なコースを一人一人が頭に入れて戦っていく必要があると思います。

――2セット目は早大がマッチポイントを先に取った状態からデュースにもつれもみ逆転されてしまいました

強いサーブを打ち込まれ崩れたところを点数につなげることができなかったです。欲しいところで1点を取るということをチームとして取りたいときに取っていかないと上位のチームと当たるときにきつくなってくると思うのでそこを修正していきたいと思います。

――きょう4セット目で勝ち切れたことは収穫だったと思うのですがいかがですか

春リーグのチカラで考えるとズルズルいかなかったという点では良かったと思うんですけど、ストレートで勝つべき相手だったと思うので反省の方が大きいですね。

――次の試合への意気込みをお願いします

確実に勝たなければいけない2試合だと思うので、相手のビデオを見ながら対策をして、もちろん自分たちのバレーができるように準備して一つ一つの試合を頑張りたいと思います。

 

田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)

――苦しい場面でトスが多く上がっていました

チームの中心として、4年生として、厳しい場面や苦しい場面でボールが上がってくることは分かっていることなので、そこでいかに決め切るかということが、僕の仕事ができるかできないかの違いだと思います。まだまだ2セット目などは僕の所に上がってきたボールを決め切ることができなかったので、そういう所を詰めていかなくてはいけないと思います。

――きのうよりもブロックが機能しているように見えました

まだまだだと思います。監督にもさっき言われたのですが、全体的にデータが入っていない部分があります。身長の低い相手だったので、もっとブロックポイントが出できてもよかったのかなと思います。

――2セット目を落としてしまった要因は何かありますか

鵜野(幸也、スポ2=東京・早実)についてはらいねんのことを見据えて監督が采配されました。(鵜野は)リーグ戦に出た経験があまり無かったのでそこに責任を負わせるのもどうかと思うので、そこを全体でフォローし切れなかったということが2セット目の終盤に逆転された原因だと思います。

――接戦を勝ちきれたことは、今後に生きてくると思います

最終的には2点差を付けて勝てれば良いのですが、この2点差を勝ち切れたということは、勝負所で勝てたということで一つ大きなものを得たと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

来週の練習のうちに、今週見つかった課題を克服して、また成長して戦っていきたいと思います。

 

加藤久典(スポ4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは本当なら(セットカウント)3ー0で勝ちたかったんですが2セット目を取られてしまいました。ブロックは相手のレフトを止めれずに最後までいってしまったかなと思います。

――ブロックで相手の移動攻撃に対して対策はされましたか

移動攻撃は早大のレフト側のブロッカーがマークを外さないということはミーティングの時から話していたのでよくできたと思います。

――ブロックでは具体的にどの部分が課題となりましたか

サイドのコースをしっかりと防ぎきれなかったです。例えばストレート出しが多いのにストレートにブロックのマークを付けていなかったりなどがあったので、ブロックでどこを止めるかということを試合中にしっかりと話し合っていく必要があるかなと思います。

――センターの本数が多かったですがご自身のプレーを振り返っていかがですか

最初のうちは高いところから打ってブロックをかわすことができたのですが、途中で僕の決定率が下がり始めてしまいました。最初から最後までちゃんと決めることができるように、そして本数を増やせるようにしていけたらと思います。

――どのようなことを意識して第3セットに臨まれましたか

出だし走られてしまうと2セット目を取った勢いが向こうにはあるのでそこを注意しました。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

来週も落とせない試合なのでそこで自分たちのバレーがどこまでできるようにもう一度練習をしっかりやっていこうと思います。

藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)

――きょう対戦した国士舘大とは天皇杯予選で当たっていましたが、対策はしていましたか

天皇杯予選とはメンバーが違うということもあって、大会前にミーティングした内容とは違うかたちになってしまったのですが、きのうの国士舘大対筑波大の試合を見て、対策としては一番打ってくる相手のライトを止めていこうということをポイントとしていました。

――第1セット終盤で移動攻撃をブロックで防ぎましたが、あの場面を振り返って

チームの方針として、移動攻撃を止めるという仕事が僕に与えられていたので、その仕事ができたかなと思います。

――第2セットでは移動攻撃が少なくなり、相手の戦術が変わったように見えましたが

セッターが天皇杯予選の時と違っていて、移動攻撃が合っていないイメージが強かったので、最終的にはサイドに集まってくるということは想定していました。ですが、最後までサイドを止めることができなかったので、もう少し対応できたらなと思いました。

――第3セットの追い付かれた直後のタイムアウトではどのようなアドバイスを受けましたか

データを見て、相手がストレートしか打ってこないということが分かったので、データを受けてストレートをしっかり止めていこうという話をしました。

――最後も自らのブロックで試合を決めましたが、ブロックの調子はいいですか

きょうはよかったです。

――一方、開幕2試合を終えてスパイクの調子はいかがですか

決めるところで決められなかったり、トスに対して踏み込めて打ててないかなと感じました。しっかり踏み込んで、パワーの乗るところで打つことを意識して、どんな時でも余裕を持ってスパイクを打っていきたいです。

――最後に、次週へ向けた意気込みをお聞かせください

来週は専大と中央学院大なのですが、自分たちのバレーをすれば負ける相手ではないと思います。きょうのように自分たちのミスであったりやるべきことをやらないとこういう試合になってしまうので、相手どうこうというより自分たちが一番いいプレーができるようにこの一週間でもう一度ブロックとレシーブの関係を整えていきたいです。