天皇杯東京都予選会を突破し関東ブロックラウンド進出

男子バレーボール

 熱戦を繰り広げた東日本大学選手権(東日本インカレ)から約3週間。早大バレー部は12月に行われる天皇杯ファイナルラウンド出場の切符を得るための最初の関門となる東京都予選会に出場した。高校を始めとする全11チームがトーナメント形式で戦う予選会で早大は初戦の東稜東京クラブBLUEをセットカウント2-0(25-15、25-16)で下し、駒大戦も2-0(25-20、25-18)で勝利し、国士舘大戦は2-1(25-15、21-25、25-19)とフルセットになるも優勝を収め、関東ブロックラウンドへと駒を進めた。

 16日に行われた初戦。対するはクラブチーム東稜東京クラブBLUEだ。「東日本大インカレが終わってあまりチーム練習はあまりやっていなくて、基本的には基礎練習をずっとやってきていました」(山口頌平主将、スポ4=長崎・大村工)というように細かいプレーを意識して臨んだ1試合目の序盤は久しぶりの試合に慣れずサーブミスが目立つ。しかし、攻撃面で山口がセンター、サイドを器用に使い25ー15でこのセットを奪う。続く第2セットもブロックに課題が見られるものの攻撃力で相手を上回ると危なげなくこのセットを奪い初戦を突破した。

全ての試合に途中出場し活躍した鵜野

 2日目の駒大との第1セット。序盤はリードするもののタイムアウト明け後、レシーブの乱れもあり相手に4連続ポイントを許す。一時は追いつかれる場面もあったが、その中で光っていたのがセンターからの速攻だった。「クイックのバリエーションを増やす練習をしている」(加藤久典、スポ4=東京・早実)というように、数種類の速攻を操り相手のブロックを翻弄(ほんろう)。加藤がブロックポイントを含む4連続ポイントを挙げて駒大を突き放し、そのままこのセットを取りきった。続く第2セット。レフトからの攻撃がなかなか決まらず、序盤はリードを許す展開になる。そこで、調子の上がらない喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)に代えて鵜野幸也(スポ2=東京・早実)を投入。鵜野のフェイントで逆転すると、流れは早大へ。後半はリザーブの選手の活躍もあり勝利を決めた。

攻撃の幅を広げセンター攻撃の得点率を上げた加藤

 続いて迎え撃つは国士舘大。第1セットは早大のペースで試合が進む。多彩なクイックを使ったセンター線の攻撃が機能し、10点差をつけてこのセットを奪った。しかし第2セットでは一転、相手の強力なサーブと移動攻撃に対応することができず、大きくリードを許してしまう。終盤は勢いのある下級生を起用し追い上げるも及ばず、思わぬ失セットを喫した。最終セットも接戦となったが、ライトの田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)とレフトの加賀優太(商3=東京・早実)が得点を量産。最後はピンチサーバーとして登場した鵜野の好サーブで国士舘大の攻撃を封じ込み、逃げ切りに成功した。

調子の上がらないレフトに代わり得点源となった田中

 格下相手とはいえ、3連勝で関東ブロックラウンド進出を決めた早大。レギュラーメンバーのみならず、春は出番の少なかった選手の活躍も目立った。「少ないチャンスですがそれを生かすために日頃から緊張感を持って練習するようにしている」。全試合に途中出場した鵜野がこう語るように、控え選手の努力がチーム内競争による相乗効果をもたらしている。秋のリベンジへ向け、視界は良好だ。

(記事・写真 藤原映乃、川浪康太郎、杉山睦美)

コメント

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――東日本大学選手権(東日本インカレ)が終わり臨んだこの試合はどのような試合内容を意識していましたか

東日本インカレが終わってあまりチーム練習はあまりやっていなくて、基本的には基礎練習をずっとやってきていました。なので実際のチーム力は東日本インカレの時よりもないと思いますがパスや、サーブをやってきたのでそういう部分が出ればいいなと思っていました。

――きょうの試合を振り返って攻撃面はいかがでしたか

今回は速攻に対して(ブロックが)飛んでくる感じがしたのでセンターを使いつつ時間差などをうまく入れて戦えたかなと思います。

――ブロックなど守備面を振り返っていかがでしたか

日体大との東日本インカレの決勝で一人一人のブロック力にまだ差があったということがわかったので、ブロックに力を入れて練習してきてはいるのですが、きょうも手には当たっているけど弾かれたり、吸い込んだりということが多かったので今後、課題になってくると思います。

――あしたは大学との対戦になりますが意気込みをお願いします。

法大も駒大も練習試合をしていて、2部ですが入れ替え戦に出るなど1部とほとんど差のないチームだと思います。チーム練習はあまりしていないですが基本的なことからしっかりやっていけば結果は出ると思うので相手どうこうではなくいつも言っているように自分たちがやってきたことをしっかり出すことを意識してあしたの試合も頑張りたいと思います。

加藤久典(スポ4=東京・早実)

――きょうの2試合を振り返って

きょうは2つとも落とせない試合で、勝ったのはよかったのですが内容的にはよくないので、この夏しっかり練習して課題を克服しなければいけないと思います。

――レフトの決定率が低い中、センター攻撃が目立ちましたが、そのあたりについてはいかがですか

基本的に春からセンター中心の攻撃だったのですが、それがきょうはできていたのでよかったです。

――様々な種類のクイックが決まっていましたが

AとBだけでは通用しない部分があって、クイックのバリエーションを増やす練習をしているのですが、それを試合で出せたのでよかったです。

――ブロックについてはいかがですか

正直ブロックはあまり本数がなかったのですが、本数だけでなくしっかりと当てて後ろのレシーブが拾いやすくできるようにしたいです。

――国士館大戦の第2セットを落とした要因はなんですか

自分たちの甘さやダメな部分が出てしまいました。そこを修正しないと秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ)でやられてしまうので、しっかり詰めていきたいです。

――現時点での具体的な課題と、秋季リーグに向けてこの夏取り組みたいことを教えてください

サーブレシーブは前から課題なのですが、それ以外の強打レシーブとブロックをしっかりすることと、センターの攻撃をもう少し機能させることです。バリエーションを増やす練習を夏に行って、秋季リーグで使えたらいいかなと思います。

鵜野幸也(スポ2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

駒大戦は藤中(優斗、スポ2=山口・宇部商)の代わりに出ました。藤中の役割は守りとかなんですけど、自分の持ち味を出せるように努力をしました。国士舘戦は、途中出場の機会をもらえたので、そこに関しては精一杯できたかなというのが個人的な意見としてあります。

――国士舘大戦のサービスエースを振り返っていかがですか

リーグ戦のオフが終わってからミーティングの中でサーブでどれだけ攻められるかということが課題として挙げられていました。サーブは個人的なスキルなので練習すればできるかなと思っていたので、練習の中で意識していたことができたかなと思います。

――少しづつ試合に出場する機会も増えてきましたが、その点についてはいかがですか

試合に出させてもらうことは非常に嬉しいです。少ないチャンスですがそれを生かすために日頃から緊張感を持って練習するようにしているので、きょうできたことは自信になりました。

――秋季リーグに向けてどのような点を強化したいですか

今は加賀(優太、商3=東京・早実)さんが田中(健翔副将、熊本=鎮西)さんの代わりにオポジットのポジションをメインとしてやられているので、そうするとサイドの控えが自分ということになります。喜入(祥充、スポ3=大阪・大塚)さんや藤中のように守りはうまくないですけど、自分の高さや持ち味を生かせるようになればと思います。