早大バレー復活、強敵東海大にストレート勝ちで3連勝!

男子バレーボール

     ゴールデンウィークに行われた黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)を終え、いよいよ春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)の後半戦に突入する早大。この日は、ここまでリーグ戦3位につける強豪・東海大と対戦した。第一セットから危なげない試合を展開すると、勢いそのままにセットカウント3-0(25-20、25-15、25-23)でストレート勝ち。復活を印象づけ、3連勝を飾った。

     チームが噛み合った、まさにそんな印象を受けた試合だった。第1セットからレギュラー陣が好調。レシーブを確実にセッターへとつなげ、多彩な攻撃を繰り広げる。序盤は加藤久典(スポ4=東京・早実)と、山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)の、センター2人を中心とする素早い攻撃で、確実に相手陣内にボールを落とし、有利に試合を進めた。後半は、喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)がレフトから鋭いスパイクを打ち込み一気に加点。25-20でこのセットをものにした。

    思い切りよく力強くプレーを見せた田中

     第2セットも依然早大ペース。サーブ好調な山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)、山崎が相手レシーブを翻弄(ほんろう)すると、ブロッカー陣がトスを読み切り、ブロックポイントを着実に積み上げる。終盤は東海大のミスも重なりあっさりとセットを奪取した。迎えた第3セットは、初めて相手に主導権を握られるかたちとなる。サーブミスや、相手の早いセンター攻撃に対応できずリードを許す展開。しかし、田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)が、「ブロックとレシーブの関係ができていて、相手の打つコースも分かっていて、上げる所も分かっていた」と振り返ったように、この日は迅速に対応を見せ、立て直しを図る。規律のとれたブロックで相手スパイカーを誘導し、レシーバーが確実にスパイクを拾う。早大らしいバレーのサイクルで、点差をみるみる縮めた。攻撃で光ったのは、加藤、田中の4年生アタッカー。速攻を確実に決め続ける加藤に対し、ライトの田中は苦しい体勢からも、気合の入った力強いスパイクを叩き込んだ。25-23。見事な逆転でこのセットも取り、ストレート勝ちを決めた。

    今季初のストレート勝ちを収め喜ぶ選手たち

      黒鷲旗後の初戦、東海大相手という難しい試合ながら、終始自分達のペースで試合をすすめた早大。「得意なコースをしっかり塞いでこぼれてきたところをレシーブする組織的な守備がしっかりできた」(山口)。確実にボールをレシーブし、そこから攻撃のリズムをつくりだす。ついに取り戻した自分達のバレーで、強豪をも圧倒した。春季リーグ戦も後半戦。前半戦で喫した3敗を取り返すような活躍が望まれる。

    (記事 喜田村廉人、写真 太田萌枝)

    セットカウント
    早大 25-20
    25-15
    25-23

    東海大
    スタメン
    レフト 喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)
    レフト 藤中優斗(スポ2=山口・宇部商)
    センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
    センター 山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)
    ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
    セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
    リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
    コメント

    山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

    ――きょうの試合を振り返って率直な感想をお願いします

    前半戦は3勝3敗と自分たちが目標にしていた結果で終わることはできなかったのですが、先週の黒鷲旗(黒鷲旗全日本男女選抜)で色々な収穫や手応えがあったのでそれを出すことができれば結果は付いてくると思っていました。チームとしてミーティングで決めた約束事を守れた点や、一人一人が強い気持ちを持って戦ったことがストレート勝ちという結果につながったと思います。

    ――黒鷲旗を経て具体的にチームが変わった点はありますか

    自分がセッターをやっていて、キャッチをする堀江(友裕、スポ1=和歌山・開智)、喜入(祥充、スポ3=大阪・大塚)、藤中(優斗、スポ2=山口・宇部商)の3人が最後まで集中してよくやっていたなと感じます。黒鷲旗ではブロックとレシーブの関係を意識して3試合取り組んだのですが、その中でVリーグ相手でもラリーに持ち込めることが結構あったのできょうもそこを意識しました。相手のスパイクは一人一人強かったのですが、得意なコースをしっかり塞いでこぼれてきたところをレシーブする組織的な守備がしっかりできたのではないかと思います。

    ――リーグ戦前半では4年生が活躍できれば、というお話を多く聞かれましたが4年生の調子はいかがですか

    気持ち的には開幕戦から変わらない気持ちで臨んでいたのですが、4年生中心にスパイクを決めきれなかったり自分自身も自信を持ってトスを上げれていなかったなと振り返って思います。前半戦はあまりうまくいかなかった時もありましたが、下級生は元気で練習からよく付いてきてくれてると思うので4年生がしっかりプレーで、結果で力を示していければいいなと思います。

    ――明日の試合と、リーグ戦後半戦に向けての意気込みをお願いします

    明日の専修大はいま最下位ではあるのですが、相手がどうこうというよりはきょうみたいに自分たちのプレーができれば結果は付いてくるという気持ちで、持っている力を全部出しきるということを目標にしっかり準備して明日また頑張りたいと思います。リーグ戦後半はいま上位のチームとの対戦が多くなります。前半戦で勝てなかった理由も自分たちにあったと思うので自分たちの準備をしっかりするということだけに集中して1試合1試合を大切に戦っていきたいです。そうすれば少しでも最終的には良い結果が出てくると思うので、頑張ります。

    田中健翔副将(スポ4=熊本・鎮西)

    ――ストレート勝ちを収めました。きょうの試合を振り返っていかがでしたか

    僕たちは黒鷲旗からしっかり勢いをつけてこのリーグ戦後半戦に臨むことができました。1セット目から走ることができて、いいバレーもできていたし、相手もミスをしてくれていたのでいい試合運びができたのだと思います。

    ――田中選手自身は黒鷲旗で悔しい思いをされましたが、それをバネにきょうはいいプレーができましたか

    リーグ前半から黒鷲旗までずっと調子は上がってきませんでした。ここ最近、体のコンディションから見直しました。そうしたら調子も上がってきたので、ようやく自分的にはスタートラインに立てたかなと思います。これからはチームの大黒柱としてもっと決め切れるようにしていきたいなと思いますね。

    ――きょうはサービスエースもありましたが、ご自身のサーブを振り返っていかがですか

    今リーグ初めてのサービスエースで、打ち込んだのもきょうが初めてでした。ミスを出さないということをチームで言っていて、自分も正直、入れに行ってミスを出してしまっていました。なので、思い切って攻めてみようという気持ちできょうはやりました。それが吉とでました。

    ――スパイクも調子がよさそうでしたが、どのようなことを意識してやられましたか

    松井先生(泰二、平3人卒=千葉・八千代)からも腰が入っていないと言われ、自分でも映像を見てフォームが崩れていることに気づきました。松井先生の方からフォームの見直しというのをもう一回指導していただいて、この3日間くらいで調整することができ、自分のスパイクが戻ってきました。

    ――ブロックとレシーブの関係がよく早大らしい粘りのバレーが見られました

    最近試合やっててラリーが続くなと思います。ブロックとレシーブの関係ができていて、相手の打つコースも分かっていて、上げる所も分かっていたのでワセダらしいバレーができたと思います。

    ――あしたの試合に向けて意気込みをお願いします

    きょうしっかりと(セットカウント)3-1といういいかたちで終われました。あしたは専修大学さんとやるんですけど、きょうの夜から食事など、コンディションを整えて、しっかりと自分たちのバレーをやっていきたいと思います。

    山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)

    ――きょうの試合を振り返って

    3-0で勝てたので良かったと思います。

    ――サーブの調子がよさそうでしたが

    サーブは、後半ほとんどミスばっかりだったので、反省です。

    ――ご自身のクイック攻撃の精度については

    だいぶ前半に比べて良くなってきたと思います。

    ――ブロックとレシーブの関係はどのように改善されましたか

    やはり一回見直して、練習し直したので、その効果が出てるんじゃないかと思います。

    ――相手センターのクイックへの対応は

    ほとんど届かないって分かっていたので、あえて横を抜かせるように意識して、レシーバーに拾わせるようにしていました。

    ――あしたの試合への意気込みをひとことお願いします

    明日もそんなにレベルの高いチームじゃないかもしれないですけど、自分達のことをしっかりやって勝ちたいと思います。