後半ブレイクで逆転勝利、3勝3敗で後半戦へ

男子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)もいよいよ折り返し地点。前日の勝利に続き勢いをつけたいところだ。1セット目は攻撃がうまくかみ合わず落としてしまうが、2セット目以降は徐々に早大らしさを見せる。セットカウント3-1(18-25、25-21、25-18、25-19)で勝利を収め、連勝を飾った。いま、早大はチーム方針確立の足掛かりを確実につかんでいる。

 序盤は苦しい展開となった。相手のサーブに翻弄(ほんろう)され、思うように攻撃を組み立てることができない。「自分ちでバタバタしてしまった」(喜入祥充、スポ3=大阪・大塚)と語るように、焦りからかミスも多くなり失セット。「慌てないでゆっくり一本目を返していこう」(加藤久典、スポ4=東京・早実)。気持ちを切り替え、逆転を狙って第2セットに挑んだ。

要所でクイックを決め流れを引き寄せた加藤

 そしてここから早大は覚醒する。第2セット、立ち上がりに連続4得点で勢いに乗ると、徐々に相手のサーブにも対応し始めた。課題としていたブロックも決まり始め、それに呼応するかのようにアタッカーも調子を取り戻す。またミスをしても引きずらず、すぐに立て直す姿勢が見られ、セットカウントを1-1へ持ち込んだ。勝負のカギを握る第3セット。序盤一時は5点差まで突き放すも、ミスなどもあり12-12と同点に追いつかれてしまう。しかしここで加藤が強烈なスパイクで連続得点を挙げると、チームも活気づき相手を圧倒。流れを完全に引き寄せた。続く第4セットも主導権を渡さず終始リード。早大らしいコンビバレーが戻り、ビハインドからの3セット連取で勝ち星を挙げた。

得点を挙げ喜びをあらわにした選手たち

 この日までで春季リーグ戦、3勝3敗。「今週絶対2勝して五分五分にする」(山口頌平主将、スポ4=長崎・大村工)という目標を達成したことは、チームに自信を取り戻した。しかし、チームは現状に満足はしておらず、サーブレシーブやブロックの甘さなど課題は残る。不安要素をいかに小さくしていくかが今後を左右するだろう。来週には黒鷲旗全日本男女選抜が行われ、社会人の強豪チームと対戦する。山口が「チームが変われるきっかけになればいい」と語るように、高いレベルのプレーを体感することはチームへの刺激となるはずだ。チャレンジャーとして多くの収穫を得て、さらなる飛躍につなげてほしい。

(記事 加藤佑紀乃、写真 藤原映乃)

セットカウント
早大 18-25
25-21
25-18
25-19

駒大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)
レフト 加賀優太(商3=東京・早実)
センター 加藤久典(スポ4=東京・早実)
センター 山﨑貴矢(スポ3=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ4=長崎・大村工)
リベロ 堀江友裕(スポ1=和歌山・開智)
コメント

山口頌平主将(スポ4=長崎・大村工)

――目標通り今週2勝することができました

今週絶対2勝して五分五分にするという大きな目標があったので、そういう結果で終われて良かったと思います。

――きょう1セット目を落としてしまいましたがその原因は

サーブで崩されて、ファーストブレイクからリズムがつくれなかったです。そして自分たちもミスをたくさん出してしまいました。このリーグを通して自分たちのミスが多いとセットを落としてしまっているので、きょう落としてしまった1セットもミスが原因だと思うのでそこが課題だと思います。

――チームの方針というものが見える試合でした

自分も大事な場面やここ一点欲しいというときに4年生の加藤(久典、スポ4=東京・早実)とか田中(健翔副将、スポ4=熊本・鎮西)に頼る部分も大きいです。4年生が結果を出すことが、行き詰まっている状況の中で何か変わるきっかけになると思います。

――前半戦を振り返っていかがですか

リーグ前に立てていた予想とは、思うようにいかないこともあり違ってしまいました。しかし、その中でチームとして考え、変わっていくいいきっかけとなりました。もっと考えていかないと勝てないし、プレーに表していかないと変わることはできないと思います。だから、逆に良い機会だと考えて後半戦と来週の黒鷲旗(全日本男女選抜)に臨みたいです。あとは調子を上げていくだけだと思います。もっと練習のときに厳しく、それを試合の中で発揮する準備をするだけだと思うので、もっと詰めてやっていきたいと思います。

――黒鷲旗ではどのようなプレーをしていきたいですか

Vリーグの方と試合ができる良いチャンスですし、高いブロックや緻密で組織的なプレーを間近で体験することができる機会でもあります。そういう高いレベルのプレーを体感しながらチームが変われるきっかけになればいいかなと思います。

加藤久典(スポ4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

1セット目を落としてしまったのが本当にだめなんですけど、2、3、4セットをしっかり取れたのでそこだけは良かったと思います。

――1セット目、課題を挙げるとしたら何がありますか

入りから雰囲気が悪くて全然口も動かず、声が出ていませんでした。2セット目からはできていたんですが、1点取っても喜ぶこともあまりありませんでした。来週の黒鷲旗(全日本男女選抜)に向けて、もう少しがんばっていきたいと思います。

――1セット目終了後、切り替えようと言葉を掛けたりしましたか

まずは慌てないでゆっくり一本目をしっかり返していこうと。あっちのペースをしっかりみんなで共有して、あとはブロックを徹底して相手ペースを崩すつもりでやりました。

――きょうのブロックに関してはいかがですか

ちゃんとレフトに付いていくことはできたのですが、きれいにシャットが決めきれてないのでちょっと悔しいです。

――チームとしてよかった点は

キャッチがしっかり返って、山﨑(貴矢、スポ3=愛知・星城)のクイックもしっかり決まってたし、サイドの一枚の時に振り切ってました。

――きょうで2連勝となりましたが、前半戦を振り返っていかがですか

前半で3敗しているので、後半戦に向けてまた全勝できるようにがんばっていきたいと思います。

――来週の黒鷲旗ではどのように戦っていきたいですか

プロの方とやれる少ない機会だと思うので、チャレンジャーとして頑張っていきたいと思います。

喜入祥充(スポ3=大阪・大塚)

――今週2勝することができましたが、きょうの試合を振り返っていかがでしたか

結果的には勝ったのですが、順位が混戦なのでセット率がこれからの順位に関係してきます。セットを落としてしまったことは悔しいです。

――1セット目を落としてしまった原因は

1本目のレシーブが安定してできていなかったです。そこで、自分たちでバタバタしてしまったというのが原因です。

――チームの方針というものが固まってきたと思うのですが、今のチームの雰囲気はいかがですか

チームがどこに向かっていけばいいかということが明確になってきているので、あとは自分たちのやるべき仕事をやり抜くだけという感じですね。

――きょうは要所でスパイクを決めていらっしゃいましたがご自身のプレーを振り返って

まだまだ決めきれていない部分が多いので、点を取るべきところで自分がもっと目立つようにやっていければいいなと思います。

――喜入選手の声やガッツポーズはチームにとって大切だと思うのですが意識していることは

そうですね、それが喜入みたいなところがあるので、これからもどんどんやっていこうと思います。

――前半戦を振り返っていかがでしたか

負けてはいけない相手に負けているので、これからが本当の勝負どころと言いますか、厳しい戦いになっていくと思います。なので一戦一戦自分たちのやるべきことをしっかりやっていきたいと思います。

――黒鷲旗全日本男女選抜ではどのようなプレーをしたいですか

チャレンジという気持ちでできるので、自分たちの思い切ったプレーがいっぱい出るようにやりたいです。そして、リーグ戦後半に向けて調整ではないですが、しっかりやっていけるように頑張りたいと思います。