二つの課題を克服し、久々のストレート勝ち

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)は第10日目を迎え、前週終了時点で4位の早大は同10位の国士舘大との試合に臨んだ。課題だったサーブとサーブレシーブを修正し、センターを軸としたコンビバレーを展開。セットカウント3-0(25-22、25-22、25-17)とストレートで勝利を収め、連敗を3で止めた。

 二つの課題を修正し、一つの大きな勝利を手にした。秋季リーグ戦中盤までは優勝争いを繰り広げていた早大。しかし、東海大と順大、筑波大との最近3試合に敗れて順位を大きく落とした。その大きな敗因としては、相手を崩すような効果的なサーブが打てなかったこと、安定感を欠いたサーブレシーブで得意のセンター攻撃が使えなかったことの二点が挙げられる。思うような結果が残せず、フラストレーションのたまる試合が続いていた。「サーブは攻めて、サーブレシーブはしっかり返して切っていこうと思っていた」(福山汰一主将、スポ4=熊本・鎮西)。この二つを集中的に取り組み、臨んだこの試合。その成果は第1セットから表れた。守備力が評価され3試合ぶりの先発出場となった藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)を中心にサーブレシーブが安定すると、センターを使ったコンビバレーを展開する。また、コースにコントロールされたサーブで崩し、相手の攻撃を限定。これが要所でのブロックポイントにつながった。終盤に連続得点を挙げ、1セットを先取する。

攻撃の中心としてクイックを打ち込む福山

 「サーブでどんどん攻めていけ」。セット間に主将の福山が大きな声で指示を出す。最後までサーブとサーブレシーブを徹底した。第2セット、立ち上がりはミスもあってリードされる。しかし、10-11と1点ビハインドの場面で加藤久典(スポ3=東京・早実)が相手の移動攻撃をシャットアウトすると流れが大きく早大に傾いた。安定したサーブレシーブから田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)を軸に攻撃を展開。要所ではセンターが得点を重ねた。また、山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)や藤中がサーブでレシーブを乱し、終盤のブレイクにつなげた。このセットを取ると続く第3セットは8点差をつけて連取。第2日目の日体大戦以来となるストレートでの勝利となった。

得点を挙げて喜びを分かち合う選手たち

 「久々に自分たちらしいバレーができたのではないかという実感がある」。福山は試合後にこのように手応えを口にした。連敗が続いていただけに、充実した内容で手にしたこの一勝には大きな価値がある。秋季リーグ戦最終日となる次戦の相手は、今季の優勝が決定した中大。厳しいゲームになることが予想されるが、勝利でこのリーグ戦を終えたい。

(記事 渡辺新平、写真 鎌田理沙)


セットカウント
早大 25-22
25-22
25-17

国士舘大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――久々のストレート勝ちとなりましたが、いまのお気持ちをお聞かせ下さい

久々に自分たちらしいバレーができたのではないかという実感はあります。

――それはやはり守備が安定していたからでしょうか

今週は(練習で)サーブレシーブとサーブしかやっていないので、サーブは攻めて、サーブレシーブはしっかり返して切っていこうと思っていました。いつもラリーをどうのこうのと言っているのですが、きょうは絞ってとりあえず二つだけ集中してやりました。東日本までにやってきたことをもう一回やろうというかたちでやったらサーブレシーブがずっと返っていたので、そういった点で自分たちのバレーが最初からできていたのかなと思います。

――ドライブをかけるなどサーブを工夫されていたように思います

あれは昨年もやっていて、ジャンプサーブを打つ選手が多いので使えないと思っていました。ただ、サーブをミスしてもいいから攻めようというかたちをとっていましたし、練習もしていたのでちょっとやってみようという感じですね。

――きょうはチーム全体でブロックポイントが多かったと思います

センターのブロードを使う小島くん(大輝、国士舘大)には対応しようというかたちだったのですが、こちらがサーブで攻めて入ったときは結構(レシーブが)乱れていたので、それでサイドサイドになったときが絞りやすかったです。ストレート側の選手が頑張って位置取りをしてくれたので、そのおかげで(ブロックポイントが)増えたのではないかと思います。

――あすは秋季関東大学リーグ戦の最終戦、中大との試合になりますが意気込みをお聞かせ下さい

中大はずっとサーブで攻めてくるのでうちも攻め負けないように、サーブとサーブレシーブはまたきょうみたいにやっていきたいと思います。

藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)

――本日の試合を振り返っていかがですか

サーブミス覚悟でしっかり攻めて、また相手のサーブも1本でしっかり切っていくというチームでの目標がしっかりできて良かったです。またブロックもポイントだったので前後でのフォーメーションなどを確認してきたのが出せたと思います。

――久々のストレート勝ちでしたが

3連敗してきてチームとしても難しい状況でしたが、練習で下を向かずに福山キャプテン(汰一、スポ4=熊本・鎮西)中心に、勝つことにこだわってきたので、きょう3-0というかたちにできてよかったと思います。

――再びサイドアタッカーに戻られての試合はいかがでしたか

やはりまだスパイクが全然チームに貢献出来てないと思います。守備面でチームの中心になるために、自分が起用されているという責任はあるので、まずは1本目、またはブロックでしっかりチームの力になるためにきょうは取り組みました。あまり良かったとは言えないですが、結果チームが勝てたことは良かったと思います。

――きょうはご自身のレシーブが良かったと思いますが

あまり自覚はないですが、U21でもリベロをやってきたので、その経験を無駄にせず、ワセダに持ち帰り、チームをレシーブ面で底上げできればなと思いました。

――サーブでコースを狙い相手を崩すこともありました

いままでの自分は、攻めるというよりつなぐというスタイルでサーブを打っていましたが、今回はサーブで攻めていこうというチーム方針でした。そこでパワーよりコースで攻めていこうという自分の中での目標を立てました。ミスも多かったですが成果も出せたかなと思います。

――あしたの最終戦への意気込みをお願いします

福山キャプテンは秋リーグ最後なので、結果勝つことができるようにしたいです。練習でやったことをしっかり出せれば、戦えると思います。自分は1年生ですが、下から盛り上げたりできたらなと思います。最後は勝って終りたいです。