優勝遠のく痛恨の二敗目

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦は第8日目を迎え、前週終了時点で3位早大は同2位の順大との試合に臨んだ。安定感を欠いたサーブレシーブにより攻撃が単調になり、劣勢を強いられる。ライトの田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)が高い決定率で得点を重ねたが、セットカウント1-3(19-25、25-17、19-25、23-25)で敗戦。先週の東海大戦に続いて二敗目を喫し、優勝から大きく遠のいた。

 前半は決して悪い内容ではなかった。第1セット、相手のコントロールされたサーブに崩され4連続失点し、序盤からリードされる展開になる。しかし、そのような状況でも中盤以降はセンターへの配球を増やして立て直しを図った。最終的には19-25でこのセットを失ったものの、これが次の第2セットにつながる。サーブレシーブがセッターに返るようになると、得意のコンビバレーを展開する。5-5と同点の場面から田中の3本のバックアタックや福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)と山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)のブロックなどで6連続得点を挙げる。立ち上がりから大きくリードすると、加賀優太(商2=東京・早実)が相手のブロックを利用したスパイクを決めてこのセットを取った。

強烈なクイックを放つ福山

 しかし、この勢いは続かない。第3セットの立ち上がり、ブレイクチャンスでアタッカーとトスが合わずにサイドアウトを取られてしまう。さらに相手ブロッカーが早大の攻撃に対応してワンタッチを取るようになる。流れが順大に大きく傾き、7-6から6連続失点。好調の田中を軸に攻撃を組み立てたが、次第に点差を広げられこのセットを失う。続く第4セットはエースの喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)らサイドアタッカーがコースに打ち分け、序盤から試合を優位に進める。だが、サーブレシーブが返らずに点差を縮められると、最大で6点あったリードを逆転された。最後はバックアタックを決められ、試合終了を告げる笛が鳴り響く。コートにはぼう然と立ちつくす選手たちの姿があった。

2連敗となり、悔しい表情を浮かべる選手たち

 「まだ一人一人が甘い」。主将の福山は厳しい口調で試合を振り返った。サーブレシーブやチャンスボールの処理でミスが目立ち、試合の流れをつくることができなかった。また、ブレイクチャンスでトスが合わない場面が見られたことに不安が残る。この敗戦で優勝の可能性は低くなったが、課題を修正して残り3試合に臨みたい。

(記事 渡辺新平、写真 本田理奈、谷口武)


セットカウント
早大 19-25
25-17
19-25
23-25

順大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 加賀優太(商2=東京・早実)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

きょうは点数とかを見れば分かるのですが、やられてやってっていう試合でした。大差で勝ち負けが決まるということはまずありえないので、その点で負けたセットはこちらのミスがただ多かっただけだと思います。後半もこちらがグダグダいった結果、相手に取られたので自滅に近いかたちだったと思います。

――先週の敗戦から一週間どのようなことに取り組まれてきましたか

一回ミーティングをやって松井監督(泰二、平3人卒=千葉・八千代)に基本に戻るように言われました。ボールをしっかりとコントロールするような練習をしていたのですが、チャンスボールやサーブレシーブが直接向こうに返ってしまいました。まだ一人一人が甘いのかなと思います。

――相手は高いブロックが持ち味ですが、どのような対策をして試合に臨まれましたか

サーブレシーブさえ返ればセンターブロックの選手は動けないので、そこでサイド陣が少しずつずれて入ってくれればブロックはあまりこないと分かっていました。そういうかたちでやっていこうとは思っていたのですが、キャッチが返らなかったのでどうしようもなかったですね。

――第2セット以降はセンターを有効に使えるようになったと思います

久々にスパイクが抜けていました。ブロックに引っかかっても拾えるボールはありましたし、自分と加藤(久典、スポ3=東京・早実)がもっと決められれば良かったと思います。

――第4セットは最大で6点のリードがありながら逆転されてしまいました

秋リーグはこちらのリズムが全くなく、単発単発というかたちになってしまっています。点差が開いても簡単にポンポンいってしまうのは目に見えているんですけど、練習でそういうのがあるので試合になるとおのずとメンタルが弱くなっているのかもしれません。連続失点は一人一人のメンタル次第なのではないかと思います。

――あしたの試合に向けての意気込みをお聞かせください

もうこれ以上負けてしまうと全カレでの組み合わせが変わってくるので、負けないように頑張っていきたいと思います。

田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)

――きょうはどのような意気込みで試合に臨まれたのですか

先週東海大にストレートで負けて、その後しゅんとなってしまうところもあったのですが、1週間の練習で基礎からやり直して、しっかりチームとしてまとめてきました。しかし、1セット目からキャッチが乱れて崩れる場面が多くなって、大きく点差がついた試合になり接戦という場面がなかったので、きょうは勝てる試合を逃してしまったという感じです。

――順大の高いブロックに対してどのように対応しようと話していたのですか

ブロック自体は高いのですが、そこまで組織力はないので、しっかりキャッチを返して、ブロックやバックアタックを使っていけば乱れるのが分かっていたので、そういう攻め方をしようと思っていました。きょうもパイプが効いていたと思います。

――バックアタックの決定率が高かったと思いますがご自分で振り返っていかがですか

自分でもびっくりするくらい決まっていたので、もう少し自分に集めてほしかったというのはありますね。

――次の試合へのいきごみをお願いします

今週も負けてからの立ち上がりになるのですが、しっかり元気を出して、最後の試合まで戦い抜きたいと思います。

加賀優太(商2=東京・早実)

――非常に痛い一敗になってしまいましたが

自分たちの力が出し切れなかったです。

――ご自身は3試合ぶりの先発出場となりましたが、プレー面振り返っていかがでしたか

気持ちの面で引いてしまったので、まだまだだと思います。

――第2セットは活躍する場面もありましたが

本来の力が出し切れていなかったので、そうでもないです。

――出来で言うと何点ぐらいだったのでしょうか

40点ぐらいですね。

――サーブキャッチに関してはいかがでしたか

まだまだセッターに負担をかけている部分があるので、まだまだです。

――第4セットは後のないセットでしたが、松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)から何か指示はありましたか

あまりプレーがうまくできていなくて、前の試合だったら自分がうまくできていなくても気を配れていましたが、きょうはプレーが思うようにできず自分の世界に入ってしまったので、ミスしてもいいから声をかけろと言われました。それからは気を付けました。

――第4セットはじわじわと追い詰められた挙句に逆転されてしまいましたが、どのようなセットでしたか

それまでの3セットで僕以外のところで決めていましたが、第4セットではそれまで決まっていたところが決まらなくなってしまい、最終的に逆転されてしまいました。

――2連敗となってしまいましたが、あすに向けてどのように切り替えていきたいですか

リーグ戦なので、少しでも勝ちを増やしていくことが大事だと思います。しっかり切り替えていきたいです。

――あすの相手は筑波大ですが、気を付けたいところなどは

みんなで攻めてくるチームなので、序盤で(勢いに)乗せないようにしたいです。