ミスが目立つも辛勝

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦の第3日目は東京学芸大と対戦した。序盤からスパイクなどでミスが目立ち、第2セットでは今季初めてセットを失う。それでもサーブで立て直し、セットカウント3-1(25-22、21-25、25-21、25-22)で勝利を収めた。これで開幕から3連勝となり、暫定首位に立っている。

 「何がしたいか分からない試合になった」。主将の福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)はこのように試合を振り返った。勝利を手にしたが選手たちの表情はさえない。早大にとって、この日の内容は決して満足のいくものではなかった。第1セット、立ち上がりからスパイクやトスにミスが見られる。サーブレシーブも思うように返球できず、相手にリードされる展開となった。しかし、山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)や加賀優太(商2=東京・早実)がサーブで相手のレシーブを乱し、チャンスボールを拾う。これを確実にポイントへと結びつけ、最大で6まで広がった点差を逆転。このセットを制し、従来のスタイルを取り戻したかに思われた。

マークされながらもクイックを決めた加藤

 だが、一度傾きかけたチームを立て直すことは容易でなかった。第2セット、スパイクがアウトになり、ブロックフォローができない。さらにダブルコンタクトを取られるなど、第1セットと同様にミスが相次ぐ。終盤に3度ブレイクされ、このセットを失った。第3セット以降も修正しきれない。それでも、センターの加藤久典(スポ3=東京・早実)とライトの田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)が要所で得点を挙げる。また、喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)らが強気にジャンプサーブで攻め、プレッシャーをかけた。相手のミスにも助けられ、2セットを連取。本来の姿からは程遠かったが勝利を収めた。

最後までサーブで強気に攻めた喜入

 ミスで自ら崩れてしまったこの試合。昨季9位の相手に対して最後まで精彩を欠き、今季初めてセットを失うなど不安の残る内容となった。今後はサーブレシーブが乱れた場面で、いかに効果的な返球ができるかが重要になるだろう。浮き彫りになった課題を修正し、次週に臨みたい。

(記事、写真 渡辺新平)


セットカウント
早大 25-22
21-25
25-21
25-22

東京学芸大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 加賀優太(商2=東京・早実)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうは苦しい試合展開となりましたが振り返ってみていかがですか

序盤からミスが続き、スパイカーのミスもたくさん出た結果、何がしたいか分からない試合になったと思います。

――ミスが出てしまった原因をどのようにお考えでしょうか

スパイクが決まらなかったこととレシーブが最初返らなかったので、そこが原因だと思います。

――第1セットではタイムアウト後に立て直し、逆転しましたがどのような指示がありましたか

ブロックでどうやって(相手のスパイクを)引っかけるかということと、チャンスボールでミスをしていたのでしっかりと点数を取ろうという話をしました。

――第2セット以降はサーブで攻めることができていたと思います

攻めないと厳しいのではないかということが一人一人の中にあったのではないかと思います。1セット目はミスが多かったですが、後半になるにつれて入るようになりました。その点でサーブが後半に伸びてきたことは良かったと思います。

――第3セットはサイドアタッカーがセンターに回り込む場面が多く見られました

このリーグに入って自分と加藤(久典、スポ3=東京・早実)の本数が減ってサイド、サイドになっていました。そのサイド陣が、二段トスになったりラリーが続くと決まらなくなっていたので、監督の方からサイドになりすぎという話が出ました。そこで頌平(山口副将、スポ3=長崎・大村工)が考えて、(サイドアタッカーを)中に詰めさせました。トスワークにしてももう少しやり直さなければいけないと思います。

――センターは要所でポイントを挙げていたと思います

きょうは加藤が結構決めてくれたので、ギリギリを保ったのではないかと思います。

――次の試合に向けて意気込みをお聞かせ下さい

東京学芸大で(セットを)落としてしまったので、これからもっと強いところと当たるのでどうなるのか分からないですが、もう一回チームを作り直して頑張っていきたいと思います。

田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)

――きょうは苦しい試合展開となりましたが振り返ってみていかがですか

きょうはその通り、苦しい試合展開でした。サーブで攻めて、ブロックから取り、ファーストブレイクをしっかり決めるという自分たちのバレーが全然できていませんでした。相手のエースに軽く決められるという悪い流れがずっと続いていましたが、そこで落とさなかったということは大きかったのではないかと思います。

――立て直すことができた要因とは何でしょうか

相手がミスをしてくれたということが、本当にありがたかったと思いますね。ずっと攻められていたので。

――きょうはサーブで攻めていたと思います

最初は入れにいってミスをしていたので、もう攻めようかなと。こっちが引いてしまうと相手はどんどんくるので、こっちから攻めようと思いました。

――特に第4セット終盤、競った展開でのサーブは見事でした

もう少し自分では崩せたと思うので、これからもっとサーブを磨いていきたいと思います。

――きょうは決定率も高かったと思います。

いや、低かったですよ、きょうは。

――次の試合に向けての意気込みをお聞かせ下さい

来週は明大と法大で、特に明大はレシーブで拾って攻撃をしてくるチームです。それにしっかりと対応し、サーブで攻めて早大のバレーができるようにまたこの一週間鍛えていきたいと思います。