田中を中心とした攻撃でストレート勝ち、次戦へ弾み

男子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦の2戦目、早大は日体大との対戦に臨んだ。開幕戦に引き続きセンターには相手ブロッカーがぴったりとマークについていたが、田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)が奮起し、前戦の勝利の勢いそのままにセットカウント3-0(25-20、25-23、25-19)で勝利を収めた。

 やはり福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)と加藤久典(スポ3=東京・早実)のセンターが初戦同様厳しくマークされる展開となった。そのため、チームではサイドアタッカーの決定率が上がるように速いトス回しが意識される。しかし第1セット序盤は山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)のトスがアタッカーと噛み合わない。リードを広げることができずに一進一退の攻防が続く。それでも早大のサーブで崩して、ブロックで取るという方針を実践し、このセットを制した。

試合の要所で得点を挙げた加賀優太(商2=東京・早実)

 第2セットからは田中が躍動する。センターにブロックが集中した分、バックアタックやサイドからのスパイクで得点を重ねた。その安定した高い決定率により後半からはセンターの速攻なども機能し始め、このセットも連取する。続く第3セットも相手がレシーブに精彩を欠いている隙に順調な滑り出しを見せ、多様な攻撃で終始日体大をリードする。後半には鵜野幸也(スポ1=東京・早実)や小林光輝(スポ1=長野・創造学園)らルーキーも出場。次の東京学芸大戦へと弾みのつくストレート勝ちを収めた。

高い決定率でこの日の得点源となった田中

 ブロックとレシーブの関係もよく、早大のコンビバレーがうまく機能した一戦だった。「1試合1試合を大事に戦っていきたい」と山口が語るように、サーブなどの細かなミスを修正するという課題は残ってはいるものの、次の試合によいかたちでつながる一戦だった。次は東京学芸大との一戦。相手はU―21でのメンバー欠員がないため、ベストメンバーで臨んでくることが予想される。油断することなく、開幕2連勝の勢いを次戦でも見せてもらいたい。

(記事 吉澤奈生、写真 松富リサ、川浪康太郎)


セットカウント
早大 25-20
25-23
25-19

日体大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 加賀優太(商2=東京・早実)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

ラリー中になると自分と加藤(久典、スポ3=東京・早実)のマークを外すようになっていたのですが、日体大はミーティングで話した通り、最初ずっとマンツーマンできました。頌平(山口副将、スポ3=長崎・大村工)がそこでサイドに(トスを)上げてくれたので、サイドもずっと(ブロックが)1枚で打つことができ、非常に楽な展開だったと思います。

――サイドアタッカーの中でも、田中健翔選手(スポ3=熊本・鎮西)の活躍が目立ちました

相手がライトに対応できていませんでした。その点で彼がいつも以上に仕事をしてくれたので、レフトとしてもセンターとしても楽になりました。

――きょうの試合ではブロックとレシーブの関係が非常に良かったと思います

ブロックに関しては、もう少しネットからトスが離れているのか近いのか判断できるとワンタッチボールやシャットボールが増えるのではないかと思います

――きょうはブレイクが多かったですが、振り返ってみていかがですか

レシーブも上がっていて、サーブレシーブもいつもよりかは返っていたので、その点でしっかりと点数を取ることができたのではないかと思います。

――次の試合への意気込みを聞かせてください

学芸大は今回誰も(U-21日本代表で)抜けていないのに対して自分たちは抜けていますが、しっかりと勝ちたいと思います。

山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

リーグ戦2戦目ということで1戦目のような緊張はありませんでしたが、自分たちのミスが出てしまいなかなかリズムがつかめませんでした。結果としてはストレートで勝つことができたのですが、もっと楽な試合にできたと思います。自分たちで崩れていってしまうことがないように、修正していきたいです。

――センターに対するマークが厳しかった印象がありますが、どのようにお考えですか

春のリーグ戦ではチーム内でセンターの打数が多く決定率も高かったので、秋のリーグ戦ではどこのチームもセンターのマークが厳しいとは感じています。そのなかでも決め所ではきっちりと速攻を決めてくれるので、自分がしっかりブロッカーと勝負してブロックを分散させられたらいいなと思います。

――第1セットではあまりアタッカーとトスが合っていないという印象を受けましたが、第2セット以降どのように修正していきましたか

試合終了までなかなか納得いくトスをあげることができなかったのですが、スパイカーが何とかしてくれたという感じです。トスは自分自身の問題なので、イメージやフォームなどから見直したいです。

――セッターという立場からして、きょうの田中健翔選手(スポ3=熊本・鎮西)はいかがでしたか

セット終了ごとにデータを見て決定率などを確認するのですが、安定して高い決定率があったので、勝負どころで頼る場面が多かったと思います。

――次の試合への意気込みは

春のリーグ戦では中だるみしてしまい国士舘大との試合のような、負けなくていい試合に負けてしまったので、もうそのようなことがないように1試合1試合を大事に戦っていきたいです。あすはU―21日本代表でのメンバーの招集がなく、万全の態勢で挑んでくる学芸大との一戦なので、きょうのようなミスを修正して戦っていきたいです。

加藤久典(スポ3=東京・早実)

――マークが厳しくなっている印象を受けましたがどのように感じましたか

やはり春よりは秋の方がマークは厳しくなっていますが、そこでもやはり僕らセンターが決めていかなければならないと思っているので頑張ります。

――その中でも決定率が高かったですが、振り返ってみていかがですか

山口(頌平副将、スポ3=長崎・大村工)のトスが良かったおかげで僕は決まるので、あいつのトスがいい時は大体僕も決まっているイメージがあります。

――ブロックとレシーブの関係が良かったですが、ブロックの面は振り返ってみていかがですか

ブロックは僕はあまり得意ではないのですが、きょうは頑張ってついていったと思います。

――シーズン前はどのようなことを意識していましたか

もっとクイックの決定率だったり、ラリー中にクイックに入ることやブロックの精度を上げることを頑張りました。

――最後に、2戦連続ストレート勝ちですが次の試合に向けて意気込みをお願いします

次も頑張っていきたいと思います。

田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)

――秋季リーグに向けて取り組んできたことはありますか

チームとしてはブロックとディグの関係をしっかり固めるようにしてきました。夏の合宿で速いサーブと高いブロックに対しての対応の仕方や戦い方をしっかりと身につけて、東日本終わったあとよりも、チームとしてはすごく固まってきたかなと思います。何かしら変化をつけないといけないと思って、トスを速くしたりだとかを変えてきました。

――第1セットでは、サーブで崩すシーンが多く見られましたが、サーブの手応えはありましたか

ワセダのバレーの方針として、サーブで攻めてブロックで取るというのがあって、そのバレーが1セット目はできたから良かったなと思うんですけど、そのバレーを目指すがゆえにサーブミスが目立ったりしたので、そこを改善できれば楽な試合展開に運べるのではと思います。

――スパイクはいかがでしたか

もうちょっと決めれたかなというところはありますね。きょう頌平(山口副将、スポ3=長崎・大村工)が調子悪かったので、そこを決めてあげれればもっと楽にトスを上げられたのかなと思いました。

――加藤久典選手(スポ3=東京・早実)と福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)がマークされる中、どのようなことを考えてプレーしましたか

いつも日体大はセンターにコミットでくることは分かっていたので、両サイドの選手が決めきれるように速いトス回しを頌平は意識していて、それを決めるという風にチームで決まっていました。

――次の試合への意気込みを聞かせてください

学芸大戦ですが東日本では中大を倒しているので油断ならない相手です。しっかりとまた3-0で倒せるように頑張りたいと思います。