久々のストレート勝ちで、次戦へ弾みをつける!

男子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦もいよいよ終盤に差し掛かかり、第9日目を迎えた。この日の相手は日体大。昨年の秋季関東大学リーグ戦最終戦で苦汁をなめさせられた相手だ。要所でミスが目立ったものの、序盤からペースをつかみ相手を寄せ付けることなく快勝。セットカウント3-0(25-21、25-12、25-23)で第3日目以来となるストレート勝ちを収めた。

 序盤、エース喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)が次々とスパイクを打ち込んでいくも、なかなか決まらず相手ブロックに弾かれてしまう。しかし喜入の好調なスパイクレシーブを起点に攻撃を展開する。福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)のクイックを中心に、藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)のサイド攻撃を巧みに織り交ぜ良いリズムを作る早大。速い攻撃で流れをつかみ、第1セットを先取した。続く第2セット目。長いラリーの中リベロの後藤光明(社3=東京・早実)が安定した好守備を見せると、セッター山口頌平(スポ3=長崎・大村工)が上げたトスはライト田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)の元へ。田中の鋭いスパイクで最初の1点を取る。その後も田中らサイドアタッカーを軸に攻撃を組み立て、勢いそのままに大差を付け2セットを連取した。

安定したレシーブを見せた後藤

 迎えた第3セットも主導権を握りたいところであったが、序盤からリードを許してしまう。ミスも多く目立つ中、藤中とセンター山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)が前衛2枚の場面で攻撃がなかなか決まらない場面が続いた。相手のスパイクも決まりだし、苦戦を強いられる。しかし、中盤からは喜入や田中のスパイクが要所で光るなど、サイドから果敢に攻撃を仕掛けていく。最後にはセンター山﨑が打った力強いクイックが決まり、接戦の中25-23で最終セットも見事早大がものにした。加藤久典(スポ3=東京・早実)の代わりにセンターとして出場した山﨑は「スパイクもサーブもミスが多すぎた」と話すように、確かにミスはまだ課題としてあるものの、今試合でもブロックを決めるなどチームの勝利に大きく貢献した。

指揮官不在の中、チームで団結した

 指揮官不在の間は自らチームを統率しなければならない中、これまで3試合全勝を成し遂げた早大。「これはこれでいい機会で、みんなもよくついてきてくれたので勝てた」と福山が語るように、チームにとっても大きな成長につながったことだろう。次戦の相手は、これまで全勝中の中大。日本代表選手を擁する強豪チーム相手にも、どこまで自分たちのスタイルを崩さずに戦っていけるか。いまこそ真価が問われるときがきた。

(記事 新庄佳恵、写真 谷口武)


セットカウント
早大 25-21
25-12
25-23

日体大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
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コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――早慶戦以来、6戦ぶりのストレート勝ちでした

日体大とは練習試合もやっていて、その時からセッターは変わりましたが、自分たちのバレーができました。結果ストレートで勝つことができました。

――練習試合での戦績は良かったのでしょうか

最初にやった時は、きょうセッターをやっていたキャプテンがサイドで出場していて、フェイントをよく使ってきたりしていました。自分たちもミスが出てしまい、初めてやった時はセットも取られましたが、2セット目からは練習試合でもセット取られていないので、そんなに負ける感じはきょうもしなかったですね。

――公式戦でのストレート勝ちとなると、2年前のインカレ(全日本大学選手権)までさかのぼりますか

そうですね。それぐらい前ですね。でもうちもまだまだミスの出るチームなので、春はストレートで勝つのが難しいなと思いますね。

――ミスといえばサーブミスもきょうは見受けられましたが、それは攻めた結果のサーブミスということですか

来週は中大戦なので、それまでにサーブを攻めて入れられるようにずっと練習してきました。サーブもきょうは効果率が高かったですが、ジャンプサーバー陣も攻めすぎると入らなくなったりするので、そこはまだまだ練習が必要です。

――第3セットは追い上げられてしまいましたが、ミスによるものですか

いつも藤中(優斗、スポ1=山口・宇部商)と山﨑(貴矢、スポ2=愛知・星城)が前衛2枚の時は攻撃が回らなくて。加藤(久典、スポ3=東京・早実)がいても変わりませんが、そこのローテーションがいつも割れてしまいます。サーブレシーブはそこが一番固いですが、スパイカーとしては下級生二人ですし、山﨑はミドルブロッカーとしてまだ3試合目なので慣れない部分も多いと思います。

――山﨑選手のプレーはいかがでしたか

ブロックは良かったと思います。きょうはスパイクも良かったですが、まだまだ波があるので、そこが彼の課題だと思います。

――ご自身の調子はいかがでしたか

自分が前衛の時はあまり点数が取れないので、自分が後衛に回るまでどれだけ貯金を作れるかを考えてやっています。

――チームとして攻撃の展開が以前より速くなっていますが、現在は速いバレーに取り組まれているのでしょうか

身長の小さいチームなので、ことしはコンビをきょねんより増やそうと取り組んでいます。センターを使っている結果、ブロックが真ん中に寄ってくるので、サイドの人にブロックが1枚なり1枚半つかないように相手を崩して、こっちの有利な場面を作れればそれが理想です。

――きょうはレシーブの粘りも目立ちましたが、出来はいかがでしたか

きょうは喜入(祥充、スポ2=大阪・大塚)がスパイクは序盤よくありませんでしたが、ずっとスパイクレシーブを上げてくれたので、きのうきょうとレシーブは良かったんじゃないかなと思います。

――指揮官不在の3戦を終えましたが、この3戦を総括していかがでしたか

監督(松井泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)がいないだけで、タイムアウトのことや選手交代も考えなくてはいけなくて、いろいろと大変でした。でもこれはこれでいい機会で、みんなもよくついてきてくれたので、しっかり勝てたのだと思います。

――どのようなことを心掛けていましたか

ゲーム中は、状況は常に把握しています。タイムアウトをいつ取るか、きょうも5点差を追い付かれた場面があって、そこで取るか取らないか迷いました。結局取りませんでしたが、とりあえず一本切ることを考えていました。 相手がタイムアウトを取ってくれるとこちらとしても余裕が持てるので、できるだけ自分たちは取らないようにはしていました。流れを切らず、いいかたちを作れました。

――きょうは控え選手の起用はありませんでしたが

山﨑のサーブが良かったので代えにくかったです(笑)。点差も開きすぎてローテーションが回ってこなかったのもありますね。

――次はいよいよ中大戦ですが、対策などは

練習試合もしましたが、石川祐希を止めるというより、周りのセンターやライトの打数も意外とあるので、そこを確実に逃さないように、どれだけ切り返せるかが一つの重要なポイントです。

――お互いに代表選手もチームに戻ってきてフルメンバーになります

(加藤が)戻ってくるのが金曜日ですが、うちの加藤は多分出ると思います(笑)。うちとしては遠慮無くやらせてもらおうと思います。

――やはり理想は自分たちのスタイルを崩されないようにすることでしょうか

そうですね。一番は自分たちのことができないと相手の対策も意味がないので、まず大事なのは自分たち個人個人がどれだけ仕事をできるかだと思います。

――キーマンは誰になってくるとお考えですか

セッターの山口(頌平副将、スポ3=長崎・大村工)のトス回しももちろんですが、藤中と喜入の序盤の決定率です。藤中はここ2試合はいいですけれど、喜入が序盤悪いです。スタートからしっかり準備していきたいと思います。

――改めて来週への意気込みをお願いします

順位は落とさないように、中大は無敗ですが倒せるのは自分たちだけだと思うので、そこはしっかり勝てるように頑張っていきたいです。

山﨑貴矢(スポ2=愛知・星城)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

勝てたのですがミスが全体的に多くて、良い試合ではなかったと思います。

――山﨑選手もサーブミスが多い印象を受けました

そうですね。スパイクもサーブもミスが多すぎました。

――改善点はどこにあるとお考えですか

次はメンバーが戻ってくるのですが、いつ出てもおかしくないように練習はしていきたいと思います。

――加藤久典選手(スポ3=東京・早実)の代わりにセンターとして出場して手応えはいかがですか

もともとセンターを少しやっていたので、ちょっと合っていないところも合わせるだけ合わせて頑張ります。

――松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)からはどんな指示を受けましたか

ブロックを頑張れ、という感じでしたね。

――最後に次戦に向けて意気込みをお願いします

次も勝てるように頑張ります。