フルセットの激闘を制し、2位浮上

男子バレーボール

 前日の試合で筑波大を下し、復調を印象づけた早大。第6日目となるこの日は明大と対戦した。昨年の全日本大学選手権で敗れるなど、近年の対戦成績では大きく負け越している。この一戦は優勝を目指すうえで大きな意味を持ちそうだ。前半はレシーブに安定感を欠き、相手の速いトス回しに対応できず第1、2セットを失う。第3セット以降は序盤にリードされる展開が多かったが、ブロックやセンターからの攻撃で接戦に持ち込む。フルセットの末、セットカウント3-2(24-26、20-25、25-23、25-19、25-23)で勝利を収め、2位に浮上した。

 あと1点が取れず、流れは相手に傾いた。第1セット、序盤はサイドアタッカーを、中盤以降はセンターを軸に攻撃を組み立てて試合を優位に進める。24-21で迎えた、早大のセットポイント。しかし、あと1点があまりにも遠かった。センターにダイレクトスパイクを決められると、相手のジャンプサーブにレシーブが崩される。2回のタイムアウトでも相手の勢いを止められず、5連続失点を喫してこのセットを失った。次の第2セットでは、エースの喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)のスパイクがシャットアウトされ、守備では相手の速いトス回しに対応できない。立て続けに2セットを取られ、あとがなくなった。

攻守に渡る活躍を見せた福山

 迎えた第3セット、主導権を握りたいところだったが序盤からリードを許してしまう。4-9と5点のビハインドで早大はタイムアウトを要求。ここから流れが変わった。ブロックでワンタッチが取れるようになると、福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)のクイックを中心に中盤で6連続得点を挙げる。サーブカットが乱れた終盤に5連続失点をしたが、時間差攻撃を有効に使いこのセットを取った。続く第4セットは、ここまで決定率の上がらなかった喜入が復調する。中盤でリードを広げると喜入が確実に得点を重ね、セットカウントを2-2の五分に戻した。勝負を分ける第5セット。2本のサービスエースを決められるなど序盤にリードを許す。だが、要所でブロックが決まり徐々に点差を縮めると、ジュースにもつれ込む。センターを中心に攻撃組み立てる早大に対し、明大はサイドアタッカーにトスを集める。一進一退の攻防が続いたが、最後は相手のダブルコンタクトで決着。25-23でこのセットを取り、フルセットとなった接戦を制した。

徐々に調子を取り戻した喜入

 昨年度の雪辱を果たし、価値のある一勝となった。2セットを先取されたが、ブロックを基点に修正できたことは大きな成長と言えるだろう。5勝1敗の2位でリーグ戦を折り返した早大。日程は空くが、万全の調整をして後半戦に臨みたい。

(記事 渡辺新平、写真 井上陽介)


セットカウント
早大 24-26
20-25
25-23
25-19
25-23

明大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
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コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――いまのお気持ちをお聞かせ下さい

全カレ(全日本大学選手権)の負けがあったので、逆転して勝てたことは非常に嬉しく思います。

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

前半は5点リードしていたのですが、それをひっくり返されて2セット目も簡単に取られてしまいどうなるかと思っていました。それでも後半は前半よりは集中力が高まってきて、相手の攻撃を絞ることができたため良い試合ができたと思います。

――序盤は全体的にレシーブが乱れる場面が見受けられました

きのうからサーブレシーブが悪く、ディグもあまり上がらないという状況だったのでどうなるかと思いました。後半になるにつれてブロックで(相手のスパイクを)ひっかけることができたので、レシーブもしやすかったのではないかと思います。

――第1、2セットは相手の速いトス回しに手を焼いていましたが

真ん中を使われ、コンビも(本数は)少なかったですがずっと決められていたので少しきつかったです。

――どのようにブロックのマークをしていたのでしょうか

回ってきたらサイドの人を止める予定だったのですが、思っていたよりもトスが低いところから上がっていたのでクイックに跳んでしまった結果、相手がやりやすくなってしまいました。そこはセンター陣二人の反省点だと思います。

――センター陣は確実にスパイクを決めていたと思いますが、ご自身のスパイクを振り返ってみていかがですか

きょうは決定率が高かったと思います。前半に結構(スパイクが相手のブロックを)抜けると分かっていたので、2セット目負けはじめて頌平(山口、スポ3=長崎・大村工)にはサーブがしっかり返ったときには全部(トスを)上げるように指示していました。点差が開いていたので次のセットのことも考えて、最初に真ん中を意識づけさせようと思っていました。頌平も本数を増やしてくれたので、相手も真ん中にブロックが跳びはじめました。そのため、サイドが動けば楽だったと思います。

――終盤はサイドアタッカーの活躍も目立ちましたが

喜入(祥充、スポ2=大阪・大塚)は松井監督(泰二、平3人卒=千葉・八千代)にも言われていたのですが、最後の良いところでは点数を取ってくれる一方で、一番大事なときに決定率が上がっていませんでした。序盤は決定率があまり良くなかったので、あれがスタートから出せれば相当良いチームになるのではないかと思います。

――昨年度からフルセットの成績はあまり良くありませんでしたが、きょうは見事勝利を収めました。フルセットに対してどのようにお考えでしょうか

気持ちの面では多少昨年よりかは良くなったのではないかということと、個人一人一人が勝ちにこだわりはじめたので、その点最後まで緩むことなくいけたのではないかと思います。

――次の試合に向けて意気込みをお聞かせ下さい

再来週から加藤(久典、スポ3=東京・早実)が(U-23日本代表選出されたため)抜けて新しい選手が入るのでそこをカバーし、監督役もやりつつチームをまとめたいと思います。相手も抜けるので、しっかり勝っていきたいと思います。

喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)

――きょうの調子はいかがでしたか

1、2セットと調子が上がらず、代えられた場面もあったんですけど、後半は自分自身を奮い立たせて、調子を取り戻せたかなと。

――チーム全体の雰囲気はどうでしたか

相手の2番に思うようにやられて、ギクシャクしてしまったんですが、3・4セットから2番(のサーブ)を拾ったりブロックしたりしたことで、自分達に波が来ました。

――2セット目、代えられてしまった場面もありました。一旦さがったとき、次からはどうしようといったことは考えていましたか

決めきれず代えられましたし、ここは自分の出る幕はないかなと。ただ次のセットから出ることは分かっていたので、とりあえず一回落ち着こうと思いました。

――3セット目終盤から調子が上がったように見えたのですが、何か対策があったのですか

対策というよりは、普段やってきたことを出来るかということなので。ただ相手のライトバックを一本拾ったときにスイッチが入りましたね。

――次の試合ではどんなことを意識したいですか

次は松井監督(泰二、平3人卒=千葉・八千代)と加藤さん(久典、スポ3=東京・早実)がいないのですが、メンバーや環境が変わっても、気を引き締めていつも通りやっていけるようにしたいです。