攻守共に充実の内容で、開幕2連勝!

男子バレーボール

 順大との春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)の開幕戦を勝利し、幸先の良いスタートを切った早大。初戦の勢いそのままに白星を重ねたい2戦目で、東京学芸大と対戦した。第1セットこそジュースにもつれ込んだものの、第2セット以降は立て直し、セットカウント(28-26、25-13、25-18)でストレート勝ち。連勝を2に伸ばした。

 出だしから相手を圧倒し、早大のペースで試合が進む。大量リードを保ったまま奪取するかに思われた第1セット、中盤からミスが相次いだ。大きく開いていたはずの点差もみるみるうちに縮められ、このセットはジュースに。しかし選手たちは冷静だった。相手にセットポイントを何度握られても、点を取り返す。結局最後はエース喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)が強烈なスパイクを打ち込み、このセットを何とかものにした。

高さを生かしたクイックを放つ加藤

 「相手が(波に)乗る前に、潰せた」(喜入)。第2セット以降は、波乱の第1セットとは打って変わって試合の主導権を離さず相手に渡さない。攻撃では、センターを中心にサイド攻撃を巧みに織り交ぜる早大らしい攻撃で相手を翻弄(ほんろう)。守っては、ルーキー藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)が高いレシーブ力を見せつけると同時に、加藤久典(スポ3=東京・早実)らが要所でブロックポイントを重ねるなど、相手の攻撃をことごとく跳ね返す。まさに『全員バレー』で戦い、第2セット、第3セット共に大差で東京学芸大を下した。

ブロックを含む一連の守備で相手の攻撃を封じた

 開幕から順調に2連勝してきたが、いよいよ次は慶大との試合に臨む。それでも伝統の一戦を前に、気負うことはない。「自分たちのバレーをしっかりとできるようにしていきたい」(福山汰一主将、スポ4=熊本・鎮西)。立ち上がりに若干の不安は残るものの、この2試合同様に早大のバレーが機能すれば、自ずと勝利は見えてくる。一つ一つ勝ち星をつかんでいくのみ。頂を目指す戦いはまだ、始まったばかりだ。

(記事 稲満美也、写真 渡辺新平)


セットカウント
早大 28-26
25-13
25-18

東京学芸大
スタメン
レフト 喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)
レフト 藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)
センター 福山汰一(スポ4=熊本・鎮西)
センター 加藤久典(スポ3=東京・早実)
ライト 田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 山口頌平(スポ3=長崎・大村工)
リベロ 後藤光明(社3=東京・早実)
コメント

福山汰一主将(スポ4=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

1セット目は出だしからリードする展開だったのですが、中盤から後半にかけてちょっとミスが出てジュースまで行くというかたちになってしまいました。春リーグなので波があることは分かっていて、そこをしっかりと取れたことは収穫になったと思います。

――サーブで相手の攻撃を限定していたと思いますがいかがですか

きょうの試合前に1回相手のビデオを見て、サーブの狙うところを決めていました。連続でこちらが点数を取れたこととジャンプサーブ陣にしっかりとコースを狙い、攻める意識を持たせて(サーブを)打たせられたことが良かったと思います。

――サーブで攻める意識というのは開幕前からチーム全体としてずっと持っていたものなのでしょうか

ことし新チームになってから練習試合でもサーブがきょねんよりもレベルが高いと思います。サーブで相手を崩せればブロックのかたちさえきれいに整えればしっかりと切り返すことができるので、サーブは練習中でも2回とか回数を多めに入れて取り組んできました。その結果、ことしの春リーグではサーブで攻めることができているので、そこはチームの良いところだと思います。

――きょうはチーム全体としてブロックが良かったと思いますがいかがですか

データを全部もらっていたので、コースを限定させて序盤はちょっと対応できない部分もありましたが、かたちとしてはきょうはブロックは良かった方だと思います。相手のクイックやサイド陣にブロックに当てられた後のチャンスボールが取れないところはまだまだだと思います。

――来週は早慶戦となりますが、何か特別な意気込みはありますか

特にはありませんが、自分たちのバレーをしっかりとできるようにしていきたいと思います。

加藤久典(スポ3=東京・早実)

――きょうは打数も多かったですが、攻撃面振り返っていかがですか

きのうの反省を生かして、力まずに幅広く打つことを意識して、試合に臨みました。

――ブロックも良かったですね

ブロックは僕元々得意ではないので、ワンタッチかけることを意識してやりました。

――味方のサーブがいいということも関係していますか

そうですね。味方も良かったし、サイドの位置取りも良かったです。サイド陣もきょうブロックで止めてくれていたので、リズムが出てきたのかなと思います。

――第1セットはジュースにもつれ込んでしまいました

自分たちのミスで中盤攻められてしまったので、そこを最後締め直して、ジュースになっても気持ちをぶらさずにできたのではと思います。

――2試合連続で立ち上がりが課題となっていますが、どのように改善していきたいですか

最初の最初が本当に悪いので、特に1点から5点あたりが。そこでサーブやブロックが決まっていけばいいと思います。

――セッターの山口頌平副将(スポ3=長崎・大村工)とのコンビはいかがですか

頌平はトス回しも良くてうまいので、いつも助かっています。

――次戦は早慶戦となりますが、意気込みをお願いします

早慶戦というだけでなく、どの試合でも全力を出して頑張っていくつもりです。特に来週は(早慶戦ということで)伝統の一戦なので、気合入れて頑張ります。

田中健翔(スポ3=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

前半の方から試合の展開としてこちらがリードするかたちだったので楽に試合を運ぶことができましたが、差が開いたときに早大は甘さが出て競り合うゲーム展開となってしまいました。その甘さをこの1週間で来週までになくせていけば勝てるのではないかと思います。

――ことしから定位置を確保されましたが、ご自身の役割をどのようにお考えでしょうか

初めてリーグをデビューしたと言っても3年生なので。藤中(優斗、スポ1=山口・宇部商)だったり加藤(久典、スポ3=東京・早実)だったりもデビューしたてなのですが、入ったばかりだと思わず自分からチームを引っ張っていける選手になりたいと思います。

――きょうは打数が多く、移動攻撃もされていました。ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

全然だめでした。(スパイクが)全く決まっていなかったので納得できていないです。

――サーブは効果的だったと思いますがいかがですか

きょうもミスが多かったですね。まだまだ甘いところがあるので、1週間で直したいと思います。

――サーブには自信がありますか

試合前は結構自信があったのですが、今週はまだ納得いっていないので練習でしっかり(自信を)つけたいと思います。

――チーム全体としてレシーブが良いですが

春休みの合宿あたりでチームを固めたのですが、その時はまだレシーブとブロックの関係がごたごただったのですが1カ月ほどあるリーグを重ねるごとにまた良くなっていければいいかなと思います。

――来週は早慶戦となりますが、特別な意気込みはありますか

それほど意識はしていないですね。ただ、初めて早慶戦に臨めるのでしっかりと楽しんで、やることはしっかりとやって勝ちたいと思います。

加賀優太(商2=東京・早実)

――マッチポイントからスパイクを決められましたが、その時を振り返っていかがですか

覚えてはいますけれど、決めたというより決めさせてもらったという感じでした。

――トスが上がってくることはわかっていたのですか

頌平さん(山口副将、スポ3=長崎・大村工)に、(コートに)入った時から「(トスを)上げるよ」ということは言われていたので、来るなと思っていました。

――大学に入学してから公式戦では初出場ですか

そうですね。

――大学のリーグ戦でスパイクを決める感触というのはいかがでしたか

きょうは自分の持ち味を出せたわけではないので(笑)。でも最後の1点を取れたのはすごくうれしかったので、頌平さんにトスを上げてもらえたことはうれしかったです。

――ご自身の持ち味とは

身長はそんなに高くないですが、ジャンプ力はある方なので、高いところから奥に打つことが持ち味です。

――初出場ということで緊張もされましたか

めちゃくちゃ緊張しました。

――実際にコートに入ってみて、コート内の雰囲気はいかがでしたか

何か違いましたね。リザーブで入ったからというのもあるのかもしれませんが、結構ゾワゾワしました。

――出場することは予め伝えられていましたか

全然言われていなくて、あと2点で試合が終わるから片付けの準備をしていました。そうしたら急に呼ばれて、全然準備できていませんでした。そこは少し反省です。

――今後も出場する機会はありそうですか

1年生で出場している選手もいるので、彼らが崩れた時などは出られるように準備しておきます。

――ご自身のチーム内での役割はどうお考えですか

スターティングメンバーではないので、いつでも準備しておいて、誰かが崩れた時に出られるようにすることです。今回はセッターの対角で健翔さん(田中、スポ3=熊本・鎮西)のところに入りましたが、サイドで入ったりオポジットで入ったりいろいろなポジションができるようにしたいです。

――ムードメーカーとしての役割も果たされていると思います

そうですね(笑)。ムードメーカーがいまいないので、新たなムードメーカーというポジションは狙っています(笑)。

――冬場はどのような練習をされていましたか

本当に基礎的なことばかりで、パスの1本目を特に重視してやっていました。

――後輩も入ってきましたが、先輩として思うことはありますか

自分で仕事はできると思いますが、まだまだ教えるということがうまくできていないので、そこは2年生の仕事としてやっていきたいです。

――今後への意気込みをお願いします

きょうみたいに突然出されることが多いと思うので、いつでも出られるように準備していこうと思います。

喜入祥充(スポ2=大阪・大塚)

――1セット目は、後半から競るかたちとなりましたが

まだ春ということもあって、気の緩みだとか小さなことで連続して失点する場面が結構あるので、どれだけ点差が離れていてもしっかり気を引き締めてやっていかないとだめだと痛感したセットでした。

――チームとしての課題は立ち上がりにありますか

立ち上がりもそうなんですけど、序盤にリードすることで優位に試合を運べると思うので出だしを意識して頑張っています。

――2セット目以降は波に乗れましたか

相手が(波に)乗る前に、潰せたという感じです。

――きのうは、レシーブの要になりたいとおっしゃっていましたが、ご自身の守備面はいかがですか

サーブレシーブは1年生の藤中くん(優斗、スポ1=山口・宇部商)が狙われてそんなに(自分のところに)ボールが飛んでこなかったので、1本目のボールはあんまり触ってないので、何とも評価できないです。

――攻撃の面ではいかがですか

ブロックで止められることがきのうに比べるとだいぶ少なくなったので、この調子でやっていきたいと思います。

――次の相手は慶大ですが

個々というより、チームで束となってやってくるチームなので、そういうチームに負けないように自分たちのやれることをしっかりやろうと思います。

藤中優斗(スポ1=山口・宇部商)

――ワセダを進学先に選んだ理由をお聞かせください

バレーの(雰囲気が)明るいところというか、監督も含め全員でやっているところとか、すべての面で魅力を感じて、自分のやりたいところを一番できるのがワセダかなと思ったので入りました。

――練習にはいつから参加していましたか

3月に入ってからです。

――チームにはとけ込めてきましたか

はい。

――リーグ戦のことについてお聞きします。開幕2連勝となりましたが

先輩たちが、ミスしても声をかけてくれたり、非常にやりやすい雰囲気をつくってくれて、先輩たちが助けてくれているのが大きくて、思い切ってプレーができたので、全員で戦えたのが2勝した理由だと思います。

――試合の立ち上がりについてはいかがですか

1セット目は流れがあまりつかめなくて、緊張していたのもあるんですけど、試合中に徐々に自分たちのプレーを調整できるようになったのが良かったです。

――ご自身のプレーの持ち味は

あんまり自覚はないんですけど、スパイクよりはレセプションというか守備の面で貢献できるように、という部分でコートに立たせてもらっているので。ミスをなるべく少なくして、底上げできるように、自分の持ち味として攻撃よりも守備の方を自信持ってやっています。

――そのご自身の持ち味を、この2試合で生かせていると思いますか

まだまだだと思います。

――リーグ戦の意気込みをお願いします

1年生で試合に出させてもらっているので、少しでもチームに貢献できるようにチームで優勝を狙って全員で戦っていきたいです。

――次は早慶戦となりますが

初めてなのであんまり実感はないんですけど、やってきたことを出したら戦えると思うので、やってきたことを思い切って出したいです。