4月に開幕した春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)もついに最終戦を迎えた。昨季学生日本一に輝いた大学として、明大を下し春季リーグ戦の順位を一つでも押し上げたいところだ。試合は序盤から競った展開が続き、フルセットにまでもつれ込む。第4セットを10点以上もの差をつけた勢いでこのまま勝利するかと思われたが、第5セットは明大の方が勢いは上だった。セットカウント2-3(19-25、25-22、23-25、25-13、11-15)で、最終戦を勝ち星で飾ることはできず。5勝6敗(セット率1.042)、リーグ6位という結果で春季リーグ戦の全日程を終えた。
先週、強豪の日体大を相手に華々しい逆転劇をみせたワセダ。この日も、宿敵・明大との対戦だけに勝利に期待がかかる。第1セット、ワセダはなかなか連続ポイントを奪えず、徐々にリードを許してしまう。続く第2セットは両者譲らぬ一進一退の攻防が繰り広げられる。流れを変えたのは、喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)のサーブ。まず、1本目はエンドラインぎりぎりに球を落とした。これで20-20の同点。2本目も相手レシーブの手を大きくはじき、ボールはコートの外へ。サーブポイントで連続得点を奪い、流れをつかんだ。途中交代で第2セット終盤に出場した加藤久典(スポ2=東京・早実)も交代直後にスパイクを決め、勢いは増した。最後を決めたのは、やはり専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)のスパイク。僅差でこのセットを制した。
2連続でサービスエースを決めた喜入
しかし、明大もすんなりとは勝たせてくれない。第3セットは専田や喜入のバックアタックなどで攻撃の軸を作るが、2点差で惜しくもこのセットを取れず。絶対に落とせない第4セット。苦しくなったワセダは専田にボールを集め、勢いに乗る。専田や喜入はブロックに張りつかれながらも、ブロックを弾く強烈なスパイクで5連続得点を奪う。濱松啓陽(スポ4=佐賀商)のブロックも決まり、理想のスタイルで差を広げていった。そして、最後は圧巻の8連続得点。25-13と大差をつけてセットカウントをタイに戻し、勝負の最終セットに弾みをつけた。だが、第5セットはいきなり3点を奪われスタートでつまずく。終盤は「ライトとセンターの間が空いてしまって、そこに打たれてしまった」(専田)と語るように、相手の鋭いスパイクがコートに突き刺さる。タイムアウトを要求するも、流れを変えることはできなかった。勝ちで春季リーグ戦を終わらせたかったが、その気持ちは明大も同じだっただろう。明大に破れ、これで春季リーグは幕を閉じた。
春季リーグ戦はフル回転で活躍した専田主将
昨年の日本一からメンバーも変わり、春季リーグ戦の開幕当初はなかなか勝ちをつかめず苦しんだ。特にフルセットの試合は2勝4敗と、勝負弱さが表れてしまった。しかし、専田も「途中からチームが出来上がってきて勝てるようになってきたので、出来はそこまで悪くない」と語るように、この春季リーグ戦で手ごたえはつかんだようだ。来月には、前回3位に終わった東日本大学選手権が控えている。「このチームはまだ課題もあって、伸びしろは相当ある。一つずつ塗りつぶしていって優勝を狙えるチームに仕上げたい」(専田)。ことしも『真の学生日本一』に輝くため、早大バレーボール部はまい進を続ける。
(記事、写真 吉原もとこ)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 19-25 25-22 23-25 25-13 11-15 | 3 | 明大 |
スタメン | ||||
レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄) レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚) センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商) センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西) ライト 三宅徹(人4=岡山・金光学園) セッター 山口頌平(スポ2=長崎・大村工) リベロ 土屋健太郎(スポ1=群馬・高崎) |
最終結果
6位 5勝6敗(セット率1.042)
▼個人賞
レシーブ賞 専田和也主将
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コメント
専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)
――きょうの試合を振り返って、いかがですか
接戦でしたけれど、競り負けたということは力がないということなので、秋へのいい教訓になったかなと思います。
――明大の攻めに対しては
明大が攻めていたというよりも、うちのブロックが少し弱かったですね。具体的にいうと、レフトのブロックに対して、最後左側を出しに行ってしまっているんです。センターブロックが左側を抑えにいってしまっているので、ライトとセンターの間が空いてしまって、そこを打たれてしまいました。それを追わないで、しっかりと前に出すということがきょうはできていなかったですね。それが相手の攻撃を勢いづけた原因かなと思います。
――サーブで流れに乗った局面も見られましたが
喜入(祥充、スポ1=大阪・大塚)はもともとサーブであまりとらない選手なんですけれど、きょうは全体的に喜入がかなりよかったです。それに乗り切れなかった上級生がもう少し頑張らないといけないなという感じがしますね。
――ご自身のプレーに関しては
きょうは正直、不作でした。最後もミスをしてしまいましたし。途中で決めても、最後にミスをして勝てないと、意味がないです。やはり、最後に決めないとよくない、というポジションに自分はいると思いますし。
――春季リーグ全日程を終えましたが、振り返って
最初はきつかったんですけれど、途中からチームが出来上がってきて勝てるようになってきたので、全体の出来としてはそこまで悪くないと思います。
――来月に控える東日本大学選手権に向けて、意気込みをお願いします
まだライトがいなかったり、ブロックが組織的じゃなかったり、という課題があるので、このチームは、1部の中でも伸びしろだけを考えると相当あると思います。それが全て完成した時、優勝を狙えるチームかなと思うので、一つずつ塗りつぶして、優勝を狙えるチームに頑張って仕上げたいと思います。