日体大相手に見事な逆転劇!

男子バレーボール

 4月に開幕した春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)も残り2試合となった。くしくもその残り2試合の相手は、昨秋のリーグ戦でしのぎを削りあった日体大と明大。きょうの相手は日体大。「僕らより日体大の方が強い」と専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)もその実力を認める通り、第1、2セットは苦戦する。しかしその後、ワセダが本領を発揮。3セットを連取し、セットカウント3-2(22-25、24-26、26-24、25-16、15-10)で日体大を下した。これでワセダは3連勝と良い状態で、最終戦の明大戦に臨む。

 先発出場の1年生二人が苦しんだ。日体大の強烈なサーブやスパイクの前にレシーブをうまく決められず、出鼻をくじかれる。しかしワセダも専田を中心に攻め、粘り強く食らいついていく。第2セットでは中盤までは連続得点を、後半は1点ずつを取り合う一進一退の展開に。23-24と先にマッチポイントを奪われたが、第1セットの雪辱を果たそうと、喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)がスパイクを決め、ジュースに持ち込む。惜しくもこのセットは勝ち取れなかったが、次につながる内容となった。

 「みんな全然諦めていなかったし、あそこからでも残りの3セットを取ろうという意識は持っていました」(山口頌平、スポ2=長崎・大村工)。巻き返しを図るべく、専田はコートに立つ下級生三人にある指示を出す。「走り回って雰囲気を変えろ」。第3セット序盤も日体大の多彩な攻撃に苦しむが、喜入のクイック気味のスパイクを皮切りに4連続得点で1点差まで詰めると、流れが変わり始める。シーソーゲーム状態が続いてはいたが、まるでワセダの方が押しているかのような雰囲気だった。点を取って走り回るという一見普通の取り組みが、チームの空気を確実に変えていたのだ。第2セットと同じく先にマッチポイントを握られてしまうが、その時とはワセダの意地が違った。専田のスパイクで振り出しに戻すと、最後は濱松啓陽(スポ4=佐賀商)と福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)のセンター二人によるブロックが決まる。執念でもぎ取った1セットだった。

日体大の攻撃を遮断した鉄壁のブロック

 第4セットからはワセダの独壇場。専田にマークが集中していた分、センターやライトが気楽に攻めることができた。そしてなにより、ブロックが光った。日体大のエース、山田脩造のレフトからの強烈なスパイクの前に、三宅徹副将(人4=岡山・金光学園)と濱松のカベが立ちふさがる。攻守がかみ合い、9点ものリードを奪ってこのセットを取った。フルセットとなり、最後の1セットを取りに行きたい日体大だったが、ワセダの勢いは止められず。15-10でワセダが逃げ切り、見事な逆転劇となった。

得点を挙げ、走り回る選手たち

 リーグ戦序盤はなかなか勝てない日々が続いたが、ようやくことしのチーム像もできあがり、それが結果となって表れたのがきょうの試合だった。下級生のがむしゃらさに押され、上級生がプレーで応える。昨季日本一に輝いた時のような全員バレーが見えてきた。リーグ戦も明大戦を残すのみ。「自分たちのバレーをすれば勝てる」(山口)と、自信も十分だ。宿敵・明大を倒し、一つでも勝ち星を増やしてリーグ戦を締めくくりたい。

(記事、写真 谷口武)

セットカウント
早大 22-25
24-26
26-24
25-16
15-10

日体大
スタメン
     レフト 専田和也(スポ4=神奈川・弥栄)
    レフト 喜入祥充(スポ1=大阪・大塚)
   センター 濱松啓陽(スポ4=佐賀商)
     センター 福山汰一(スポ3=熊本・鎮西)
    ライト 三宅徹(人4=岡山・金光学園)
      セッター 山口頌平(スポ2=長崎・大村工)
     リベロ 土屋健太郎(スポ1=群馬・高崎)
コメント

専田和也主将(スポ4=神奈川・弥栄)

――逆転勝利を収められましたが、試合を振り返って、いかがでしたか

きょうも僕以外のみんながよく頑張ってくれていたので、特に三宅(徹、人4=岡山・金光学園)や喜入(祥充、スポ1=大阪・大塚)がとても調子が良かったみたいなのでそれに助けられた結果、フルセットで勝てたのかなと思います。

――第3セット以降流れが変わりましたが、何かチームとして、個人として変えたことはありますか

特にないですが、山口(頌平、スポ2=長崎・大村工)と1年生二人に走り回って雰囲気変えろと言って、そうしたらなんか勝っちゃいましたね(笑)。

――第1、2セット苦戦された要因はなんでしょうか

普通に力負けだと思います。多分僕らより日体大の方が強いので。普通に戦って力負けして、でも普通に戦ったうえで勢いを乗せたから、3セットを取れたという感じです。

――チームとしての調子も、最近上がってきたと思うのですが

そうですね。だいぶ上がり調子なので、ラストの明大戦も勝てればいいなと思います。

濱松啓陽(スポ4=佐賀商)

――逆転勝利をおさめましたが、いまの心境を教えてください

うれしいです。1、2セット目は悪いところが結構出て、最後2セット目の、24-26で負けた、あの辺もやっぱり専田がちょっと決めきれなかったというか、キャッチにズレが出たりして、キャッチ回転が無いぶん、攻撃のバリエーションも少なくて、専田がどうしても捕まってしまうんで。やっぱりそういう流れを3セット目以降みんなでなんとか踏ん張って、変えたというのはチームにとっての大きな成長になったと思います。

――第3セット以降流れが変わりましたが、チームとして変えたことなどはありますか

キャッチとか、喜入と土屋(健太郎、スポ1=群馬・高崎)はそんなに練習の時からも調子は良くないので、お前らが元気なくしちゃったらダメだということで、山口も2年なんですけど、お前も走れと言って、決まったら喜ぶってことでチームの雰囲気も良くなりますし、悪い流れも断ち切れたんで、よかったです。

――日体大のブロック相手に、どのように攻めようと考えておりましたか

僕らの攻撃としては、センターを使いつつ勝負どころは専田、喜入も調子良いんで喜入もうまく使いながら、そして時々ライトの三宅、みたいな感じで、どこのチームに対しても同じ攻撃パターンをしかけています。キャッチが変えられないとそれができなくなっちゃうんで。

――最終戦の明大戦に向けて一言お願いします

明大も結構後半調子を上げてきているチームですし、しっかり対策をして最後自分らのバレーを、みんな良いプレーを出して終わりたいと思います。

山口頌平(スポ2=長崎・大村工)

――逆転勝利を収められましたが、試合を振り返っていかがでしたか

2セットを取られてから第3セットに入る前、みんな全然諦めていなかったし、あそこからでも残りの3セットを取ろうという意識は持っていました。得点が入ったらみんなで走ってリズムを作っていこうと話しており、3セット目で流れに乗れて、点数は競りましたが取れたので、良い流れができたかなと思います。

――第1、2セット苦戦された要因はなんでしょうか

キャッチする1年生二人の入りがはじめは硬く、サーブレシーブが短かったり超えちゃったりするボールがあって流れができなかったのですが、3セット目からしっかり集中してきれいに返してくれたのでトスも上げやすく、1年生がよく頑張ってくれたと思います。

――セッターとしてこの春季リーグ戦、心がけていることはありますか

どのようにしてクイックを通すかをまず考えて、勝負どころで頼る部分はしっかり専田主将に頼ろうと考えています。

――ムードメーカーとしての役割も見受けられますが、心がけていることはありますか

きょねんから試合に出させてもらっていますが、まだ下級生なので1年生二人と一緒に走りまわってリズムを作っていくようにしています。

――春季リーグ戦の最終戦、早明戦に向けて意気込みをお願いします

明大も最近勝ち星をつけてきていて波に乗っているチームですが、しっかり自分たちのバレーをすれば勝てると思うので、まずは自分たちのプレーをしっかりだすことです。