鉄壁のブロックで専大を圧倒

男子バレーボール

 約1カ月の中断期間を終え、再開した秋季関東大学リーグ戦(リーグ戦)。残り4試合を残し、3位につけているワセダは首位争いに食い込むべく気持ちを入れて終盤戦に臨んだ。この日の相手は春季リーグ戦2位の専大。一筋縄ではいかない相手であるかに思われたが、鍛え上げてきたブロックがさく裂。途中、1セットは献上したものの勢いに乗ったワセダが圧倒し、セットカウント3-1(25-15、25-15、19-25、25-16)で勝利を収めた。

ブロックで相手を封じ込めた濱松(左)

 交互に点を取り合う接戦。立ち上がりはまさに一進一退の攻防となり、どちらが流れをつかむかに注目が集まる。8-7と点差がつかない中、均衡を破ったのは濱松啓陽(スポ3=佐賀商)。2連続で完璧なブロックを決め、たまらず相手がタイムアウトを取るが、直後にまたもやブロック。濱松の活躍で勢いに乗ったワセダはここで7連続ポイントを奪い、一気に試合の流れを決定付ける。25-15と余裕をもって第1セットを奪うと、第2セットに入っても専大を圧倒する展開は変わらない。攻撃陣も好調で、ブロックを突破し鋭いスパイクが次々とコートに突き刺さる。レフト専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)が高い技術を見せつけるスパイクで得点を重ねると、ライトからは七里幸洋(社4=大阪・清風)がエースの実力を示すように力強いスパイクを打ち込む。隙のない試合運びで2セットを連取した。

 このままの勢いで押しきれるかに思えたゲーム。しかし、第3セットは専大の反撃に苦戦を強いられる。止められることのなかったスパイクが徐々につかまり始め、思うように得点を奪えなくなると、第2セットのまでとは反対に大差をつけられこのセットを落とす。
「浮き沈みを少なくしてセットを落とさないでいいようにしなければいけない」というように1試合を通じて集中力を保ち、無駄な失セットを減らすことが今後の課題だ。それでも第4セットは調子を取り戻し、再びワセダのペースに。効果的なブロックポイントで点差を広げると25-16でこのセットをものにし、勝ち星を挙げた。

高い技術を誇る専田のスパイク

 試合を通じて数えたブロックポイントは14。確かな成長が実感できたブロックは今後も大きな武器となるだろう。チーム全体にも勢いが感じられ、吉村康佑主将(スポ4=長崎・佐世保南)が「3年が中心となってまとまってくれたので僕ら4年もやりやすかった」と語るように専田、濱松の活躍は圧巻だった。リーグ戦終盤にきて完成度を上げてきたコンビバレーを見る限り、春には歯が立たなかった日体大をはじめとする強豪とも互角の勝負が期待できる。最終週に優勝の望みをつなげるためにも、まずはあすの中大戦を確実に取りにいきたい。昨年から負けがない相性の良い相手ではあるが油断せず、『ワセダのバレー』をすることだけに全力を尽くす。

(記事 中澤佑輔、写真 森田夕貴)

セットカウント
早大 25-15
25-15
19-25
25-16

専大
スタメン
レフト 吉村康佑(スポ4=長崎・佐世保南)
レフト 専田和也(スポ3=神奈川・弥栄)
センター 濱松啓陽(スポ3=佐賀商)
センター 福山汰一(スポ2=熊本・鎮西)
ライト 七里幸洋(社4=大阪・清風)
セッター 山口頌平(スポ1=長崎・大村工)
リベロ 本間隆太(スポ4=神奈川・弥栄)
結果

○早大3-1専大

コメント

吉村康佑主将(スポ4=長崎・佐世保南)

――ほぼ完璧な試合内容だったのではないでしょうか

いままでブロックとディグが課題でこの空いていた1カ月はそこを詰めて練習してきました。その成果が結果として表れていい試合が出来ました。

――ブロックは対策をしていたのですか

対策というよりもみんなでブロックを中心とした練習をずっとやってきて、それがただ上手くはまったというか、自然と結果が出たのかと思います。

――技術的に成長したということですか

はい、そうですね。

――攻撃陣も好調に感じましたが、チームの勢いはいかがですか

練習の時から1年生から4年生まで全員で一生懸命取り組んでいて、僕もあと2カ月しかみんなでやることがないのでミーティングとかでもこのメンバーでやれるのも残り少ないからみんなで頑張ろうということを話し合って一人一人が持っているものを出し切ってほしいということを伝えてきました。それで最初の7人がああやって自分の持っているものを出せたのですごいやりやすかったです。3年が中心となってまとまってくれたので僕ら4年もやりやすかったし、山口(頌平、スポ1=長崎・大村工)もトスを上げやすかったと思います。

――あしたの中大戦に向けて意気込みをお願いします

きょうみたいなバレーをしたいです。中央はきょねんからずっと負けてないので相性はいいと思います。でもいいイメージを持つのは大事なんですけど、絶対勝てると思うのではなくて一点一点をしっかり取りにいって自分たちのバレーができるように心掛けたいです。優勝争いに食い込めるように頑張っていきたいと思います。

濱松啓陽(スポ3=佐賀商)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

試合直前に専大の高橋拓也選手(2年)が出ないと聞いて、ミーティングでは高橋をどうするかという作戦を練っていたんですけどいないということで理想的な展開になりました。

――すごいブロックを披露されていましたが

序盤に向こうのエース級の藤中謙也選手(2年)とか長友優磨選手(4年)を止めたので、最初のブロックがすごく効いていました。

――100点満点で表すと何点ですか

ミスも含めたら85点くらいにしておきます(笑)。

――専大の対策などはされていましたか

対策はあまりしてないですけど、高橋選手にどのタイミングで勝負をかけるかというのは考えながらやろうと思っていました。

――専大の印象はいかがでしたか

きょうの試合の印象は、セッターがすごく崩れてしまっていて特に何もしなくても攻撃を決めることができました。

――課題はありますか

3セット目のようにうちのチームはずっと集中力を保てるわけではないので、ずっと試合に集中できれば理想的です。浮き沈みを少なくしてセットを落とさないでいいようにしなければいけないなと思いました。

――あしたの試合にむけて一言お願いします

中大はすごく得意な相手で、僕が2年のときから負けていないのですが、そういうところから落としてしまうと思うので油断せずにいこうと思います。