シーズン後半戦、チームの主力に定着し躍進のシーズンとなった2人。ア式蹴球部きっての仲良しコンビに、今季の振り返りから2人の関係性まで、幅広く語っていただいた。
※この取材は12月27日に行われたものです。
「技術の部分だけではなく、大学の試合で一番重要なのは信頼」(大西)
第9節、国士舘大戦で倉持がゴールを決め、ポーズをとる2人
――まずは今シーズンのチームについての振り返りをお願いします
倉持 苦しいシーズンだった去年と比べると、今年は最初から勝てて、チームとしてもいい流れに乗れていたのですが、ここまでタイトルが取れていないという部分での心残りみたいなものがチーム全体の中でもあると思います。最後にタイトル獲得に挑戦できる場所がまだ残っているので、出場できる選手は限られていますが、全員でやっていこうという気持ちをみんなが持っていると思います。
大西 チームとしてまだ何も成し遂げていない(タイトルを獲れていない)ということが現状としてあります。アミノ杯も決勝進出、リーグ戦も2位という結果なので、勝つべきところで勝てていないというのが今シーズンのチームを象徴していると思います。残すところインカレのみになるので、みんなの士気も高まっているしそこに掛ける思いというのはあると思っています。
――個人としてはここまでどんなシーズンでしたか
倉持 僕は(シーズンの)前期ほとんど試合に出れていなくて、国士舘戦が初出場、慶応戦で初スタメン出場になったのですが、今年から変わった戦術が少し苦手だったので、最初は苦しかったです。千田くん(奎斗、スポ4=横浜F・マリノスユース)をはじめとした4年生の先輩たちがそういった戦術について教えてくれて、その成果が今になってやっと出たという実感があるので、これまで教えてもらった恩をプレーの中で返していい結果で送り出したい気持ちがあります。なので最後は、個人として結果に少しでも貢献できるようにやっていきたいです。
大西 試合に出場する過程で、すごく成長したなという実感はあります。でも、もっと貢献したいという思いが強いので、まだまだ満足してないですし、インカレをはじめ、来年に向けてもチームの中での圧倒的な存在感であったり、そういったものを出していきたいなと感じてます。
――今シーズンの印象に残った試合について、倉持選手は前期早慶戦、大西選手は駒大戦を挙げてくださいました。それぞれの試合について詳しく教えてください
倉持 それまでずっと苦しくて、やっと試合に出れたというのが早慶戦でした。関東リーグの試合ではありましたけど、早慶戦という舞台でやっとア式を背負って戦えるという思いや、それまで良い流れで戦ってきていたチームの勢いを加速させたいという思いがあったのに、結果に対して何も貢献できなくて、自分としての力の無さを今シーズンで一番感じた試合だったと思います。その悔しさみたいなものをもう感じたくないので、1試合1試合、一つ一つの練習の部分で、早慶戦で感じたその思いを持って取り組めています。
大西 僕は、駒大戦が今シーズン初スタメン出場だったのですが、絶対にチームに貢献したいと意気込んで臨んだこの試合で初ゴールを取れたということで印象に残っています。もちろん自分が点を決められたということも嬉しかったですけど、それよりも一緒にプレーしてきた人がすごく祝福してくれたことで、自分がゴールを獲ることでそういう人たちにいい影響を与えられたのかなと感じられたことが嬉しかったので一番印象に残っています。
――仲が良いことで有名なお二人ですが、ここでお互いの他己紹介をお願いします
倉持 翔也は、ブレないというか、自分のペースや自分のやることみたいなものをしっかり持っていますね。ちょっと前まで寮に入っていた時は食生活にびっくりしました。衣とかを全部剥がして食べるんですよ。鶏肉の皮も全部剥がしていて、油は食べないみたいな。冷蔵庫には常にプロテイン冷やしてあって、そんなことやってる人はいなかったのでびっくりしました。自分のペースでひたすら行動するし、芯があるんだなというか。そういうブレなさみたいなところはすごいなと思います。
大西 自分は快の誰とでも仲良くできるところがすごいなと思います。本当にいろんな人と仲良くて、どうやったらそんなに仲良くなれるのかと思います(笑)。本当に幅広くて、みんなと仲いい印象があるので、その秘訣を教えて欲しいです(笑)。
――その他に大西選手のストイックなエピソードはありますか
倉持 そうだな…。でも、自主練とかはしないんですよ。練習が終わったらダウンしてすぐ帰っていくんですけど、それももはやもうぶれないですよね。それで、寮にいる時とかは、練習終わって気づいたらトレーニング室にいるみたいなそんな時もあって。でもやっぱり食生活が一番驚いたかな。やっぱり結構気を使ってるの?
大西 そうだね。衣剥がすのとかは今もまだやってて(笑)。癖になっちゃっていますね。寮にいた時はすごく申し訳なくて、行儀的にはよくないかなという気持ちもあったんですけど、今は家で家族しかいないので。食については、中高や浦和のユースでそういう指導を受けてきたのでそれが根付いてるのかなと思います。それが今も継続してできているという感じですね。
――ユースチームの方針だったわけですね
大西 そうですね。
――ということは同じ浦和ユース出身の山田選手(晃士、社4=浦和レッズユース)も衣を剥がして食べるんですか
倉持 晃士くんはどちらかというと無駄なく食べるって感じだよね。
大西 晃士くんはずるいです、もう体質が何食べても大丈夫な体質なので。中学の最初からずっと、すごく食べてる印象があります。
倉持 でも鳥の皮とか美味しいじゃん?僕、もらってるんですよ、大西から(笑)。
大西 置いといたら食べてくれるんですよ。
倉持 美味しいから食べちゃうんですよね(笑)。
――杉田選手のお話の中で、大西選手は試合中にミスをしても平然としているのがすごいという話題も出ました
倉持 翔也は試合中に割とふざけるというか(笑)。シュート外してハイタッチしにきたりとかするんですよ(笑)。コーナーキックで届かないボールとかハンドでたたき込んだり(笑)。そういうことをした後も平然にプレーしてるので、普通のミスをした後に平然と装ってるのはもはや普通というか、そんな感じですね。ミスしてもすぐ切り替えるよね。
大西 そうだね、基本切り替えは早い。
――それは意識してのことなのですか
大西 無意識ですかね。すごい喜ぶわけでもなくすごく落ち込むわけでもなく、よく言えば感情をコントロールできてるというところはあると思います。ミスしてもそんなにへこむことがないし感情的になることもないし、という感じです。そこが周りから見たら大きなミスしても冷静、と捉えられているのかなと思います。
――倉持選手が誰とでも仲良くなれるという話に戻ります。詳しく聞かせていただけますか
倉持 そうですね、僕は小学校で一回転校してて、中学もまた学区が違う中学に行って、クラブチームにも行って高校も県外でスポーツクラスじゃなくて一般クラスに入ったのでサッカー部誰もいないみたいな。そういう環境が影響しているかなとは思います。
――お二人とも読書好きということですが、どんな本を読まれるのですか
大西 自分は結構幅広くて、小説だけじゃなくてビジネス書、自己啓発書とかも読みますね。2年生の時が一番読んでいたと思います。練習の前まで読んで、練習終わって帰ってすぐ読んでるみたいな感じでした。「あいつ何してんの?」ってみんながなっていた時は大体、本を読んでたと思います(笑)。自分と向き合える1人の時間で、静かに本を読むというのがすごく好きなので。小説とかは、読んだらみんなに貸して感想を聞いて、というのは今もやってます。それが一つのコミュニケーションになるし、そういった部分で読書が好きですね。
大西 自分は1人なれる時間というよりも、いろんな人の思いや気持ちとか生き様というのを知れるということが面白くて読書をしています。なのでビジネス書とかにはあまり興味がなくて。映画や漫画も好きなので、どちらかというといろんな人の考え方を知れるという意味で(本を)読んでますね。
――読書を好きになるきっかけはなんだったのですか
大西 一年生の時にア式に入部して周りのレベルの高さに劣等感を感じて、何か自分を変えなきゃいけない、という思考に陥った時に変化の一つの手段として本を読むことで視野を広げたりできたらいいなと思って読書を始めたのがきっかけです。そこからいろいろと種類を広げて読むようになったという感じですね。
――大西選手は一年生のインタビューの時に「一つ武器がないといけないと思った」と話されていました
大西 そうですね、自分は1、2年生のときは自分の強みがロングボール、キックだと思っていたのでその部分をずっと磨いていました。ただ、最近はそういった技術の部分だけではなく、大学の試合で一番重要なのは信頼かなと思っていて。試合中のプレーだけじゃなくて、ピッチ内外における活動であったり、総合的に監督や主部の人たちからいかに信頼を得ることができるかということがすごく大事なんじゃないかなと思っています。上級生になって、チームのことを考えるようになったんですが、(読書で培った)思考があるからこそ行動に移せていると感じますし、それを積み重ねたことで監督からも少しずつ評価されてきたかなという実感があるので、今はそういった信頼の部分が強みになってきてるのかなと思います。
――お二人は鍬先選手(祐弥、スポ4=東福岡)とも仲が良いとお聞きしました。特に倉持選手は筋トレを一緒にしているんだとか
倉持 自分はこれまで全然筋トレしたことなかったんですよ。鍬くんに言われるがままに始めてみたら、その週の試合で結果が出ちゃったので、「これはやるしかない」みたいな流れになったところから、毎週の鍬くんとの筋トレが始まりました。そのおかげで試合も安定して出られるようになってきているので、今も続けているような感じですね。鍬くんはめっちゃ筋肉強いんですよ。だから、その基準でやられると次の日筋肉プルプルで、シャンプーもできないんですよ(笑)。それでも、ちょっとは強くなってるんじゃないかなと思ってます。来年は(4年生なので)鍬くんがいなくなっちゃうので、下に後輩を作ろうと計画中で、これからも続けていきたいと思ってます。
――千田選手(奎斗、スポ4=横浜F・マリノスユース)から戦術を教わったという話も出ましたが
倉持 そうですね、千田くんとは縦割り班というのが一緒だったということもあってご飯に行ったりとかもしていて、そこで「お前はもっとこうしたほうがいい」みたいなことを話してくれました。自分が「ここわからないっす」ということを聞きにいった時もすごく詳しく丁寧に、キーパーなのにサイドハーフの守備の仕方とかまで教えてくれました。そのおかげで成長できたと思っています。きっとこんなこと言ったらまだまだ下手くそって絶対言われると思うんですけど、試合に出られるようになったのも千田くんがその戦術理解を落とし込んでくれたおかげっていうのが自分の中で大きいので、本当に感謝してます。
――大西選手は戦術という面についてはどうですか
大西 千田くんを中心に、4年生が考えてくれているなっていう印象があります。それを体現するために一つ一つの練習メニューでその意図や目的を教えてくれるので、非常にやりやすいですね。どういうことをすれば評価されるのか、どういうプレーがチームに貢献できるのか、がわかりやすい練習なので、その部分で4年生の偉大さであったり千田くんの偉大さというのをすごく感じてます。
――お二人は頭を使ってサッカーをするタイプですか
倉持 翔也は頭を使ってプレーするタイプだよね。だから最初は本当に合わなかったです(笑)2年生の時とかは右サイドとかでよく一緒に組んでいたんですけど、自分はもうポンと一本裏に蹴ってもらって走りたいのに、翔也は何回か繋いでからみたいなプレースタイルだったので。最初はびっくりするぐらい合わなかったです。
大西 そうですね、自分は個人で打開するタイプではなくて、周りの人との連携を大事にして、コミュニケーションをとりながら自分の考えを伝えたり相手の考えを汲み取ったりすることで周りとの関係を構築するという頭を使うプレースタイルかなとは思います。
「いい競争環境の中で成長できているなという実感がある」(倉持)
第2節筑波大戦、倉持のゴールが決まりポーズを取る2人。今年も沢山このようなシーンを見せてくれるだろう
――続いて、お二人から見た同期の存在について聞かせてください
大西・倉持 真面目ですね。
大西 良くも悪くも真面目っていうのが、一年生の時からの評価というか。上の学年からもずっと言われてきたことですね。あとは優しいとか、いい人が多いとかですかね。
――先輩とは違うカラーがありますね
大西 そうですね、特に一個上とは、だいぶ違うかなと思います。
――倉持選手はア式蹴球部について、サイドハーフのレベルが高い、とアンケートに書かれていました
倉持 名前をあげると、梁くん(賢柱、スポ4=東京朝鮮高)がいて、悠(田部井、スポ3=群馬・前橋育英)がいて、西堂久俊(スポ2=千葉・市立船橋)がいて、水野雄太(スポ2=熊本・大津)がいて。最初チームに入った時は、知名度のある選手たちがサイドハーフで出ていて、2年になるときには下に世代別代表の選手とかが入ってきたのでその時には正直「終わったな」と思っていました。自分は2年生になるまでトップチームに上がったこともなかったので。今もみんなすごいし、その中でライバル意識みたいなのものを自分は持っているので、いいプレーをしたら褒めあって、ただ争うだけじゃなくてみんながみんなを認め合っていて。そのいい競争環境の中で成長できているなという実感がありますね。
――その中でも自分の武器となる部分はどのあたりですか
倉持 自分はスピードですね。はい。それぐらいしか思い浮かばないですね(笑)
――大西選手は後ろでプレーされていますが、倉持選手のプレーについてどう見られていますか
大西 スピードはチーム一番だと思います。あとはプレスをかけたりとか、そういった意味での貢献度が高い部分も多いかなと思うので、そこは後ろから見ていてすごく頼もしくて、自分の強みの出し方をよくわかっているなという印象があります。
――倉持選手は桐光学園の時代から田中選手(雄大、スポ3=神奈川・桐光学園)とプレーされてきました
倉持 雄大は、チームが苦しいときにすごく力を発揮できる選手です。高校の時から、チームがあまりうまくいかない時ほど輝くし、彼の一つのプレーで流れを変えられるし、そのゴールに向かう姿勢だったり、相手に対して挑んでいく姿勢というのが常に刺激になってきました。それは絶対に来年の早稲田にとって武器になると思うので、優勝できるように一緒に戦っていきたいですね。
――田中選手は倉持選手について「隙を埋めてくれる存在」と話されていました
倉持 雄大に褒められることがないので素直に嬉しいです(笑)。先頭に立つのが苦手だとわかっているので、その分広い視野でいろいろなところに目を配るというのが自分がチームの中で出せる価値だと思っていて、それを意識しながら自分の中では取り組んでいるつもりです。
――これからインカレを戦いながら新チームに向けての準備をする期間に入ると思います。個人としてはチームにどんな働きかけをしたいですか
倉持 自分は広く寄り添える代でありたいと思っています。自分は1年生の時にずっと怪我をしていたのですが、その時に気にかけてくれる4年生の存在というのはすごく大きかったので、そういう人たちが頑張れるように自分がいろんなところに関わっていきたいと思っています。
大西 4年生として、リーダーシップを発揮していきたいと思っています。ただ先頭に立つだけじゃなくて、隣の人をリードするだとか、小さなコミュニティや同じポジションの選手たちをリードしていく、という意味を含めてほかの学年や後輩たちを引っ張っていって、最終的にはチームとしての総合力につなげていきたいと思っています。
――大西選手は様々なポジションでプレーをされますが、その器用さはどこからきたものなのですか
大西 思考力というか、考える力かなと思っています。自分が個で何かできる選手ではないからこそ、組織の中でどう貢献できるのか、どういったプレーが求められていてそれを体現するためにはどう選手と連携を取ればいいのかというところを考えられているのがいいのかなと思います。自分だけではなくて隣の選手と連携して相手を崩していくみたいなプレーが得意で、そのスタンスはポジションがどこであろうと変わらないと思うので、その意味でいろんなポジションができているのかなとは思います。
――その中でも特に得意なポジションはありますか
大西 サイドバックがメインかなと思っています。どちらのサイドとかもあまり関係ないです。
――いろいろなポジションができるという意味で、憧れの選手として名前を挙げられた阿部勇樹選手(浦和レッズ所属)と似ている部分があるような気がします。阿部選手のすごさを教えてください
大西 人間性ですね。一度オフシーズンにレッズの練習に参加させていただいたときに、阿部選手が自分のことを覚えてくれていて。あそこまでのキャリアを持つ選手の学生1人に対する向き合い方から、その人間性の良さが伝わってきましたし、他の選手やスタッフからもすごく信頼されていて、誰からも頼られるようなそんな存在だなというのを肌で感じたので、そこが阿部選手のすごさだなと思います。
――やはり大西選手にとってレッズは大きな存在ですか
大西 そうですね、長い時間お世話になったチームですし、とてもいい環境でサッカーをさせてもらったので、自分のサッカー人生の礎となる存在だと思います。
――大西選手はゴールへの意欲も強いように見えますが
大西 狙ってますね(笑)。どこのポジションでもゴールを狙いにいくというのを監督が求めていて、前の選手だけが点を決めるんじゃなくて、後ろの選手もセットプレーとかで決めていくというのが今年のチームの強さの秘訣でもあると思うので、ゴールに向かう姿勢というのはどこのポジションでも体現しようという意識を常に持ってプレーしています。やっぱり結果を残したいですし、どちらを使おうか、ってなったときに点を取っている方を使いたい、アシストしている方を使いたい、と思わせることが大事だと思うし、サッカーが結果が全てとも言えるのでそういった意味で数字を残したいという気持ちがすごく強くあります。
――倉持選手はゴールとアシストどっちを狙いたいというのはありますか
倉持 自分は、ゴールする瞬間というよりは、ゴールできなくてもチームに貢献できてればそれでいいとも思っています。でもやっぱり、オフェンスの選手なのでゴールがないと評価されないですし、アシストにしろゴールにしろ何かしらの結果に常に関わっていたいという気持ちで試合に臨んでます。
――続いて、お二人が進路として早稲田を選んだ理由を教えてください
倉持 自分は、高校に入った時からプロになりたいという気持ちがあまりなかったので、早稲田か慶応、あとは筑波に行きたいという思いがありました。慶応に指定校の枠がなかったことと、選手権の影響で国立の筑波を受験できないということで、指定校推薦のある早稲田に来たという感じです。
大西 自分も筑波と早稲田を考えていました。早稲田に絞った理由としては、快も言ったようにサッカーも勉強もレベル高くやりたかったというところと、あとは実際に練習参加させていただいたときに感じた学生の熱量とか、一個上の学年なのにまるで別人のような熱さを持っていたので、その熱量を見てこの厳しい環境なら絶対に成長できると感じたのが大きな理由ですね。
――『早稲田の4年生』というのはどんな存在だと思いますか
倉持 4年生ということは100人の組織の上に立つということで、今は自分たちがこういうチームにしたいということを学年の会議の中ですり合わせている段階です。同期の思いをまず一つにしないとチーム全体が一つになることができないと思うので、それなりの時間をかけて準備を進めています。始まってみないとわからない部分もので、不安な部分はもちろんあるし、それは学年としても同じだと思います。でも結局は自分たちがやってきたことに自信を持って取り組むしかないと思うし、自信が持てるだけの取り組みをしている自負があるので、来年も絶対にいい成績を残したいという強い気持ちを持ってやっていきたいです。
――今の4年生への思いを聞かせてください
大西 4年生としてどうあるべきか見たいなものを4年生各々がすごく考えていて、それをしっかりと体現しているのが今年ここまで引っ張ってきてくれた要因であると思っています。杉山主将・山田副将を中心に最前線に立って引っ張ってきてくれましたし、その思いが後輩たちにも伝わって、自分たちも後輩として4年生のために頑張りたいという気持ちを全員が持っているなと感じています。その4年生がタイトルを取りたいという気持ちを表現しているので、それを成し遂げるためになんとしてでも貢献したいという気持ちです。
倉持 自分も、今年の4年生は「尽くしたい」と思える4年生だなと思っていて。4年生がチームのために割いて来た時間や労力に比べたら自分の力は本当に少しかもしれないですけど、それでもできることを探して取り組みたいと思える人たちが集まっています。今はまだ何もできているという実感がないので、4年生が笑って終われるための力添えをできればいいなと思っています。
――その4年生とともに戦えるのも残り僅かとなってきました。これから自分の代になっていくという実感はありますか
大西 ありますね。
――新チームはどのようにしていきたいですか
大西 まず自分としてはサッカーで引っ張ることが一番かなと思っています。それに加えて早稲田の4年生はサッカーだけではなくそのほかの面でもチーム全体を引っ張っていかないといけないと思うので、姿勢で自らが体現していくことで、後輩たちを巻き込んで全体が同じ方向を向けるようにしていければという思いが一番強いです。
倉持 下の代にも、チームために自分にできることを探して、プレー以外の広報活動だったりということに取り組んでくれている選手がいるので、その後輩たちを引っ張る存在として常に目標、模範であり続けたいし、彼らが頑張れる環境を作る先頭でありたいと思います。できることは様々あると思うので、最後笑って全員で終われるように今から一つずつ取り組んでいきたいです。
――チームとして最後となる次の大会に向けて。どのような戦いをしたいですか
大西 チームとしてはまず優勝を目指したいです。そのために個人としては、試合に出ても出なくても絶対にチームに貢献して勝利に繋げられるような振る舞いをしていきたいと思っています。4年生にとっては最後の大会、最後の学生サッカーとしての活動になるので、不甲斐ないプレーはできないし、なんとしてでも尽くしたいという気持ちがあるので、勝利に貢献するために尽力していきたいと思います。
倉持 優勝しかないと思うし、そのために一つ一つ の試合を絶対に優勝するんだという気持ちを持って戦っていきたいです。個人としては出れない4年生もいる中でア式蹴球部の代表として試合に出させてもらっている以上は、走り続けることであったりという自分にできるベースの部分を絶対に止めないで、どんな状況でも勝利に向かって突き進んでいきたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 安岡菜月、橋口遼太郎 写真 長村光)
全国大会への意気込みを書いていただきました!
◆倉持快(くらもち・かい)(※写真右)
1999(平11)年10月15日生まれ。166センチ。神奈川・桐光学園出身。人間科学部3年。尊敬している選手は相馬勇紀(平31スポ卒、現名古屋グランパス所属)選手だという倉持選手。圧倒的なスピードを武器に、サイドで存在感を示します!
◆大西翔也(おおにし・しょうや)(※写真左)
1999(平11)年10月7日生まれ。175センチ。浦和レッズユース出身。スポーツ科学部3年。憧れの選手は阿部勇樹(浦和レッズ所属)選手だという大西選手。阿部選手のように多くのポジションで質を発揮する、ポリバレントなプレイヤーです!