第3回に登場するのは4年生のGK・DF陣。それぞれの立場から見たア女の姿、そして頂を目指すインカレへの意気込みを伺った。
※この取材は12月15日に行われたものです。
「(佐々木は)幸せを運ぶ人」(冨田)
佐々木について語る冨田
――ではまず初めに他己紹介をしていただきたいと思います。まず佐々木さんの紹介をお願いします
冨田 幸せを運ぶ人ですね。誰にとっても呼子という存在が唯一無二で、一人ひとりと向き合ってチームに元気をくれる人です。
川端 結構いろいろなところでほわんとしているとか、面白い人っていう印象があると思うんですけ ど、大事な時に頼りになる存在で、周りも見れるし、必要なところで必要なことを言ってくれるので、普段はふざけたおしてますけど、ちゃんと考えている人だなというのは思います。
佐々木 (笑)。
一同 (笑)。
――では次に川端さんについてお願いします
冨田 難しいね。
川端 難しいよね。
佐々木 すずは、もう一言で言ったらア女のパパみたいな感じで、頼りになる存在で、自分を優先することがあまりなくて、いつもチームのために今何をすべきかっていうのを最優先に考えて行動できる人なので、平気で自分の時間を割いたりとか、行動を惜しまなかったりとか、それでみんなが喜ぶ顔を見て、また頑張っちゃうっていう(笑)。本当にア女にとっては物理的にも、精神的にも大きな存在だなと思っています。
冨田 いや、もうまとめてくれましたね(笑)。
一同 (笑)。
冨田 本当に自分のことよりもチームのこととか、誰かのためにとかが選択するときに一番優先されるし、チームを良い方向にもっていってくれます。
――では最後に冨田さんについてお願いします。
川端 とみーは優しいっていうか、思いやりがある、気遣いができる。思いやりがあるって人に対してもそうですしモノとか風景に対しても思いやりを感じるような発言をし始める。
一同 お~。
川端 そういった感受性は素晴らしいと思う反面、自分の曲げられない部分、芯が強い部分は4年間一緒に過ごしてきてそういうところもあるなとすごく感じていて、そういうところが選手としての強さにも繋がっているのかなと思います。
佐々木 とみーは声が小さい。
一同 (笑)。
佐々木 声が小さいのがとみーの代名詞って感じなんですけど、芯が強いっていうのはすごく感じることで、本当に物にも人にも優しいんですけど、譲れない、人を思いやるっていう芯は絶対にぶれないので、戸惑うようなことでも絶対に人を傷つけないほうを選ぶ。とみーなら絶対、そこで思いやるだろうなってところは案の定優しいほうを取ってたりとか、そういう風に期待を裏切らないやさしさがある人です(笑)。
――ではここからは今季の振り返りをしていただきたいと思います。まずコロナウイルスの休止期間全体を振り返っていかがでしたか
佐々木 ハンドクラップっていう痩せるダンスをYouTubeで見てやっていました。汗だくになりながら。
――ここで披露していただくことは…
佐々木 それはちょっと…NGです(笑)。
一同 (笑)。
――川端さんはいかがですか
川端 基本的に生活リズムだけは崩さないようにしようと思っていたので、しっかりと朝は起きて、OGの方がヨガのインストラクターをやっていて、朝7時か8時くらいから30分毎朝ヨガをzoomでする機会を設けてくださったので、そこから1日が始まるなーという感じでした。あとは特にやったことはなくて、そこからいろいろメール対応だったりとか、鈴木佐和子といろいろ話をしたりとかていう感じでした。あとは個人的な勉強だったりとか、そういう自分のためになる時間を作れたらなと思っていました。
――イレギュラーな年ということで自分と向き合ったりサッカーと向き合う時間も多くなったかと思います。大学サッカーのラストシーズンがこのような年になり何か心境の変化はありましたか
川端 今この瞬間っていうのを意識するようになって、当たり前じゃないというのが分かってから、当たり前じゃないし、終わりが必ずやってくるし、っていうのが身にしみて感じました。いろいろ考えて、例年通りに進んでいたらあるはずだった合宿だとか大会とかがなくなっていってしまって、当たり前に来るはずだったものが当たり前に来なくなってしまうけど、でも当たり前に終わりは来るっていう実感のない時間が過ぎていく中で、この感情は今しかないし、今日っていう日は今日しかないんだなっていうのを意識するようになりました。
佐々木 結構コロナで合宿、大会が短縮となってがっかりっていう思いはあまりなくて、がっかりの前に自分の中心にサッカーがあったんだっていう、サッカーが占めるウェイトの大きさを実感したというか、ご飯を食べる時間、寝る時間はサッカーがあったから決まっていたのに、自分で全部自由ってなった時に、こんなにも生活が乱れるんだって(笑)。サッカーって自分の人生をしっかりと形成する大きなものだったんだなって、個人の単位で感じました。
冨田 考える時間が増えて、私たちだけじゃなくて、もっと他の部だったりとかは試合がなくなったり、部活ができなかったりという状況の中、私たちは活動ができる希望があったので、活動できる嬉しさを感じていました。
――ここからは大会・試合についてお聞きします。4連覇を逃した皇后杯関東予選決勝や皇后杯2回戦での敗戦についての振り返りをお願いします
佐々木 今年のア女は敗戦から強くなれると思っていて、関東予選で負けたのも、この間の皇后2回戦で負けたのも、それで焦りが出るとか、悔いが残るというのは個人的にはなくて、そこで自分自身も悔しかったですし、悔しがる仲間を見て、シーズンが終わらなかったらどこまで成長できちゃうんだろう、とか感じるような雰囲気があって、確かに負けたのは悔しいなと思うんですけど、また課題が見つかって、それを最後インカレに改善して持っていければと思うので、負けっていうのはア女にとってプラスに働いているなという風に思っています。
川端 呼子と同じような感じではあるんですけど、試合に出ている選手がこのままじゃダメなんだよっていうのを負けてからの練習とか、帰ってきた日とかに言葉でもそうですし、プレーとか雰囲気で伝えてくれるっていうのは、これまでに自分が感じたことのないチームの状況だったので、折れていないっていうのはこのチームの今年の強いところだなと思います。チーム全体として焦りはもちろんあると思うんですけど、でもそれで崩れることもないですし、一つずつこれで大丈夫だっていう積み重ねができているので、試合の中でチャレンジできているっていうのが、チャレンジした結果これがダメだったっていう得るものが多い敗戦だからこそここまで 自分がサッカーをずっとやってきた中で初めてぐらい、負けをポジティブに変えれるチームっていうのは初めてだったので、チーム全体として自信をつけてこれてるのかなと思います。
冨田 もちろんピッチで戦っている中で負けたくないっていう思いがあふれ出ている試合だったなと思いますし、負けてしまった後に悔しかったとは思うんですけど、落ち込むよりも次勝つために何をしたらいいのかっていうのを一人ひとり考えて、それを次の日の練習では体現していてくれてたので、次に向かっていってる、前を向いて進んでいっているなと思います。
――対照的に、関カレは久しぶりの優勝となりました。振り返っていかがですか
佐々木 久々に関カレを獲ることが出来て、(関東予選で獲れなかった)タイトルも取れたので嬉しい気持ちももちろんあったんですけど、目指している、最終目標はそこじゃないっていうのがチーム共通であった思いなので、ここで気を緩めたらだめだね、この次の試合が大事だねっていう風にチームで話していたので、そこでひと段落就くこともなく、それを自信に、またさらにレベルアップっていういいステップとして踏めた大会だったかなと思います。
川端 目の前の試合を大事にする期間だったよね。リーグ戦だから勝たなくてはいけないのはそうなんですけど、失点しちゃいけないし得点を取らないといけないしっていう中で、リーグ戦だからこそ結果にこだわるっていうのはあったので、内容はどうであれ、得点を取る、ゴールを取るっていう部分にみんなフォーカスして取り組んでいたので、簡単に言えば毎日が充実していたというか、チームとして積み上げられた期間ではあったかなと思います。1,2年生がすごく自由にというか、のびのびとプレーしてくれて、自分の良さを出してくれたので、チームとしての厚みもできてきた期間ので、優勝以上にチーム力の向上っていうところに価値があるのかなと思います。
――1,2年生のお話が出ましたが、ア女の守備を支える1年生の印象を教えてください
冨田 冷静ですね。冷静じゃない?
佐々木 うん。
冨田 どんな状態でも冷静さがあるので、安心して見ていられるというか、すごく頼もしいです。
川端 1年生の後藤若葉がすごく落ち着いてるっていうのもあるんですけど、去年から出ている船木がセンスとか上手さだけじゃなくて、2年生だからという責任感というか、今まではただプレーしていたっていうとちょっと違いますけど、プレーしていた1年生だったのが、2年生になって、チームを見て、必要な時に必要な声を出すとか、走り負けないとか当たり負けないっていうところをすごくプレーの中で感じるので、やっぱり後ろからの佐和子の声掛けもあると思いますけど、学年が上がって、責任感を持ってやっているというのは今年のディフェンスの肝だと思います。
佐々木 謙虚な人が多くて、私が1年生の頃とかはメンバーに出されもしないで先輩が出ているのをア女はすごいうまいなって見てるくらいだったので、その自分と比べたら経験もすでに豊富だし、でも試合に出ているからといって常に吸収が速くて、見ていると頑張らなきゃなと思わせてくれる存在です。
川端 逆にこっちが頑張ろうと思うよね。
冨田 うんうん。
「選手の感情が動く瞬間を見た」(川端)
印象に残った試合を振り返る川端
――では次にチームとして一番印象に残っている試合を教えてください
佐々木 私はこの間の皇后杯2回戦のハリマとの試合で、最初は本当に相手のレベルが高くて、ア女の中では毎日サッカーを極めているつもりで、代表の選手とかもいて、本当にレベルが高いと思うんですけど、一歩外に出たらそれが通用しない、どんなに頑張っても通用しなくて、上には上がいるなっていうのを試合中に実際感じて。だけど後半の仲間の顔を見た時に、いけるいける、絶対いける、行こうね行こうねっていう鳥肌が立つ、試合をやっている最中にも鳥肌が立って泣きそうになるくらいな試合で、でも結局勝ち切れなくて、でもあのみんなの、自分たちなら大丈夫だっていう空気感は負けたけど忘れられないので、その試合が印象に残っています。
川端 私も同じ皇后杯の2回戦ですね。いま呼子が言ったこともそうですし、普段冷静な選手の感情が動く瞬間を見たというか、ベンチにいたので実際に試合をしていたわけじゃないですけど、すごくチームで戦っている感じがあったし、普段冷静に上手いなと思っている人もあれだけチームのために必死で戦っていたので、それで負けて泣いている姿を見ると、チームの一員として、4年生として、もう同じような思いをさせないようなチームを作らないといけないなと感じましたし、こういう思いをしたからこそ最後は日本一を獲って終わりたいなという気持ちがすごく感じた試合でした。
冨田 私も皇后杯の2回戦は中でプレーはしていないですけど、見ていて絶対に勝たないといけないっていう気持ちがプレーから伝わってきて、見てる側もうるっときてしまうくらい、気持ちが伝わってきて、結果的に負けてしまったんですけど、それでも勝てなくて、さっき(川端が)言っていたような感情が出ている姿を見て、やっぱり日本一になるためにはやらないといけないことがあるし、みんなと笑って終わりたいという思いになったので、今のチームがどんな状態なのかっていうのが分かって、次に向けていいスタートが切れる試合だったのかなと、今思うと思います。
――では、個人についてお聞きしていきます。まず、4年間の中で一番辛かったこと、それをどう乗り越えたか教えてください
佐々木 2年生の終わり、インカレの1週間前くらいにけがをして、今まで試合に出ていたのに、急に一人で歩くことすらできなくなった時が辛いというか不思議でした。理学療法士さんとかア女のチームメイトとかが(いてくれて)、孤独だけど一人じゃないというか。サッカーはできないけど自分はやることがある、自分にベクトルを向けて毎日毎日やることをやる。それで抜けてきたなという感じがします。
川端 あんまりないよね。
冨田 もうここまで来たらね。
川端 やることが増えたなというのはあるけど(笑)。自分はそんなに大きなけがをしてきたわけじゃなかったし、楽しくサッカーをさせていただいているので、毎日の練習でうまくできなかったりサッカー以外のことで悩みがあったりしたら一日が辛かったりはしますけど。辛いのが嫌なので、何とか気持ちを変えたり行動を変えたり考え方を変えたりして、自分がつらくならないように辛く思わないようにしてきました。これがあったらから辛かったとかじゃなくて、色々あって今があるなと思います。 すみませんこんな感じで(笑)。
富田 涼朱も言っていたように、今思えばあの時辛かったかもしれないけど、これが辛かったというのはないです。多分その日々を乗り越えられたのはみんなが一生懸命プレーしていたから立ち止まってはいれなかったし、みんながいてくれたから、みんなの姿を見て頑張れたというのもあります。自分のマインドが変わらないと何も変わらないから、行動や意識を変えてみて今までやってきたという感じですね。あっという間にこんな4年生になったなと思います。
川端 辛い時や悩んでいる時に敏感に気づいてくれる仲間がいるので、辛くなりすぎる前に助けてくれるので、そこは本当に有難いです。普段あまりそういう話をしないような人が「どうしたの、最近元気ないじゃん」って言ってくれたりすると、「ああ今切羽詰まっているんだな」と思います。ね!
佐々木 ね!
――仲間との心温まるエピソードを教えてください!
川端 自分はすごく細かいんですけど、皇后杯の関東予選の時にその日のエントリーメンバーしか遠征に行かないんですけど、帰ってくる時間と行かなかったメンバーの練習がかぶっていた時に、佐和子(鈴木、スポ4=浦和レッズレディースユース)がそういうタイプじゃないのに、帰ってすぐ練習を見に来てくれたんですよ。普段はそそくさと帰るようなやつなんですけど(笑)。真っ先にバス下りたままの格好で練習を見に来てくれたのがすごく嬉しかったですね。
佐々木 私はけがをしていた選手がピッチに戻る瞬間のア女のあの雰囲気が好きです。
冨田 めっちゃ分かる!
佐々木 長年リハビリをしていると、けがをしていない人たちが普通にサッカーをしている横で、ずっときついトレーニングをしているんですよ。 それがずっと視界に入ってくる状態で練習をしているんですけど、そういう人がユニフォームを久々に着て途中交代で呼ばれて、レフェリーがボールが出るのを待ってそして入ってくる。その瞬間の「おめでとー!行こうね!」っていうのが、本当はライバルなのに仲間として祝福するのが、何回見てもそのたびにいい組織だなと感じます。
川端 すごいよねほんとに。
冨田 ね!いい!
佐々木 なかなかないよね。わあっていうきつい練習が視界に入ってるからこそ、感情移入したら嬉しいよね。
冨田 同じ感じですね。
川端 一番に言わせるべきだった(笑)。
冨田 いつも練習で笑ってない?それがいいなと思います。日々練習の入りはみんなわいわい笑ってるんですよ。 グラウンドで転げちゃうくらい。でもポジションに立ったらすぐに切り替わる。そのスイッチの切り替わる瞬間は、本物だ、強い組織にいるんだなと実感します。両面があってすごくいいなと思います。
――では冨田さんに伺います。けがで思うようにプレーできない時期が長かったかと思うのですが、その時の心境を教えてください。
富田 うーん、やっぱりケガから復帰して試合に出ていろんな人に見てもらいたいですし、プレーで「あ、頑張ってるな」と思ってもらいたいんです。けど、復帰してもすぐけがということで、「頑張れ」と期待してくれている分すぐ裏切っちゃうじゃないですけど、「ああ、残念だね」って思わせちゃうのがもどかしいところがありました。でもさっき言ったように、みんなが悩みながらもサッカーをしているところを見て、止まってはいられないというか、早くピッチに戻って一緒にサッカーをしたいなと思える仲間がいたので、頑張れた、乗り越えられたかなと思います。
――関カレの最後、帝平戦に出場されていましたが、その時の気持ちを聞かせてください。
冨田 2番という背番号をいただいていたんですけど、あまり自分も着れなかったですし、2番を着ていた先輩方の思いがあったと思うのですけど、それをピッチで輝かせられなかったというのが自分の中であって、(帝平戦で)その番号を着てピッチに入れたというのはすごく嬉しかったです。
――状態というのは、ピッチで戦えるまでに回復されていますか
冨田 そうですね。
――では、川端さんに伺います。昨年はスタメンでしたが、今年はベンチにいる機会が多いかと思います。そこに対してどのように感じていますか
川端 どう頑張っても試合に出れるキーパーは一人しかいない中で一緒に毎日練習している仲間が試合に出ているというのは、その人たちを認めている部分が多くあるし、尊敬している部分もあるけれど、やっぱり自分が出たいという気持ちもあります。3人今キーパーがいるんですけど、一人が試合に出て、一人がベンチで一人がメンバー外という、みんな違う立場になるんです。その中で自分が3番目というのは、去年からの立場の変化というよりは、現状に対して辛いというか「試合に出たいな」「メンバーに入りたいな」と思うこともあったんですけど、それが一番先に来るかと言ったらそうじゃなくて。出ている同じポジションのキーパーが頑張っているのに、チームを背負ってゴールを守ってくれているのに、そこに対して「自分も出たいのに」と思うことは違うというか、自然とないです。一緒に練習している分その人のいいプレーというか長所を一番わかっているつもりではいるので、その人がどうやったらうまくいくかとかそういうことを考えていたかなと思います。出れなくて苦しいというよりは、同志として頑張ってもらいたいと今でも思っています。
――選手としてだけでなく、主務としての仕事もあって両立は難しかったと思いますが、いかがでしたか
川端 試合にでれないということよりはそっちの方が辛かったなと思います。選手としては求めたいけれど、主務としてはだめなんだよ言わなきゃいけないことがあったりしました。両立するというのは時間的にうまくやればなんとかなるのでいいんですけど、気持ちや考え方の切り替えがすごく難しかったです。今の自分の発言は主務としての発言なのか、選手としての発言なのか、はたまた自分のわがままなのかというところが自分の中で整理するのが難しかったですね。
――主務目線と選手目線で変わるところはどんな部分ですか
川端 例えばルール的なことですね。選手としてはこうしたいけれどルールでき決められてるから駄目だよ。でも言わなければ分からないところだったりとか、誰かに見られているわけではないようなことだったりとかします。でもそれはア女として認めていいのか、選手として黙認してもいいのか、誰も見ていないけど早稲田大学のア式蹴球部としてそれはルールだから駄目だよということは結構ありましたね。
――では、佐々木さんに伺います。徐々に出場機会を伸ばしているかと思うのですが、いかがですか
佐々木 けがもあって出場がゼロだった時に比べたら確かに試合に出る機会は増えてきたなと思うのですが、試合に出場するしないが自分のモチベーションに関わることはあまりなくて、試合に出ていても自分のやりたいことが出来ていなかったらそれは最悪だし、試合に出ていなくても自分のやりたいことがどんどん成功体験として積み上げられていたら最高です。本当にベクトルが自分でしかなくて、今上手い人たちとサッカーをしているということが楽しくて仕方なくて、その中で自分がやりたいことをつき詰めて、あとは試合に出る出ないは監督が判断してくれます。確かに出場機会が増えてきているなあと感じているけど、大事なことは別にあるので(出場機会が)増えたからテンション上がるとかではないです(笑)。
――ご自身のプレーに手ごたえや成長を感じる部分はどこですか
佐々木 新監督になって前年度までとサッカーが変わって、今チームでこうしているよということに対して、自分の頭で考えて仲間と対話してかたちにしていくようになりました。具体的に言えばラインコントロールとか、サイドに行ったら全体でがっと行くんだとかを自分で意識してプレーで体現していくことですね。それを突き詰めているからこそ成果として出てきて、多分その評価を監督がしてくれて試合に出れるという風になっていると思います。自分はやることをやるだけです。
――ここをもっと良くしたいなというポイントはありますか
佐々木 すっごく細かいことでいいですか?(笑)。球際に寄せるというのをシーズン初めからすっと言われているのにまだあと一歩詰めれるということが結構あります。サッカーってチームでやるけれど結局は個の集団で成り立っているので、自分が一対一の局面で球際寄せれるようになったらハッピーだなと思います。
一同 (笑)。
川端 急に?(笑)。
――最後にインカレについて伺っていきたいと思います。まず、ここまでのチームの出来は、100点満点中何点でしょうか。
川端 65点。積み上げてきたことはもちろんあると思いますし、サッカーとして伸びてきたことはあると思うんですけど、チームとして頂を目指したときにまだまだ足りないと思っています。それこそ普段の練習の雰囲気だとか、チームとしての団結感だとか、目指すべき場所の明確なイメージを全員が持てているかということですね。サッカーももちろんまだまだできることはあると思いますけど、サッカー以外のところも残り少ない時間で積み上げていくべきことなんじゃないかなと思います。残り35点はどれだけやったら日本一になれるという答えがある若じゃないのでやりつづけるしかないと思うんですけど、練習の雰囲気とかスタメンに出ている人たちは厳しさや悔しさが分かっていると思うんですけど、いかにそれを試合に出ている人に伝えられるか、試合に出ていない人たちがどれだけ追いつこうと頑張れるか、チーム全体の力にしていけるかということが、まだまだできると思います。
冨田 90点!確実に積み上げてこれているなと思います。でも涼朱が言ったようにまだまだ日本一になるためには必要なことがあると思うんですけど、100点以上の状態で日本一になっていたいので、あと10点で完成させたいです。めちゃくちゃ前向きだけど(笑)。個人はひとりひとり課題をもって取り組んでいて変化も感じますし、あとはチームの試合に出ていない選手を巻き込む、全員という部分をあと10点やればいいと思ってます。
佐々木 私は70点。100点は大学日本一のその先にある、ア女という集団が社会全体にいい影響を与える集団になっている状態だと思うので、そこから差し引いたらサッカーのレベルもそうですし、人として外に出た時の態度や練習に向かう姿勢や切り替えがまだまだ伸びしろがあると思っています。7割は、シーズンが始まってからイレギュラーな状態でもしっかりチームで向き合ってきたことや、敗戦から学んでそれを力に変えてきたこと、誰が欠けてもそん色ないようにコミュニケーションをとったり、守備も攻撃も戦術理解して映像見て話し合ってと言う積み重ねで70点まで持ってきました。
――インカレの注目選手を挙げるとしたらどなたでしょうか
佐々木 10番の村上真帆(スポ4=東京・十文字)です。一緒に練習していても見惚れるほど上手くて。キックもそうですけど、こっちがきつい状態でお願い!というパスを出しても必ずキープして次につなげて、守備でもどこにでもいるチームのゲームメーカーです。真帆がいるから安心してプレーができることが多いので、インカレでは真帆の本当に心配になる体勢からのナイスフィード、そこで打つ?というような鋭いシュートが見れると思うので、期待してみていただきたいなと思います。
川端 みんな見てほしいね。個人的に注目しているのは1年生のセンターバックの後藤若葉(スポ1=日テレ・メニーナ)ですね。サッカーが上手いというのもそうなんですけど、試合を楽しんでいる姿をみてほしいです。一緒に練習したり紅白戦で対戦する中でもすごく遊んでるな、スポーツの本質を分かっているなっていうくらい楽しそうにプレーする姿がすごく魅力的ですね。
冨田 誰だろう(笑)。
佐々木 髙橋雛(社2=兵庫・日ノ本学園)?とみー紹介お願いします(笑)。
冨田 2年生の髙橋雛に注目してほしいです。いい時も悪い時も雛はずっと自分が何ができていて何ができていないかを理解してよりうまくなるために常に努力しています。練習中でも誰よりもボールに魂こめてプレーしているんですよ。そういう姿があるからチームが苦しい時に点を取ってくれたりしますし、そういう時だからこそ結果を残してやろうという強い思いが伝わってくるので、きっとみんなの思いを背負って点を取ってくれるんじゃないかと思います。
「あんまり見てほしくないんですよね(笑)。」(佐々木)
インカレの注目ポイントを語る佐々木
――自分の注目してほしいポイントを教えてください
川端 声ですかね。全体にかける声もそうだし、個人にかける声もそうだし。最後の大会、最後の試合、サッカー人生の最後の最後の時期なのでそういうすべての思いを込めたコーチングだったり全体への声掛けを見ていただきたいなと思います。
冨田 見てほしいのはオーバーラップですかね。スピードにのったオーバーラップで、チームに勢いをつける攻撃参加をしたいです。4年間ピッチから離れたことだったり、いろんな人たちに支えられてやってこれたので、そういう思いをプレーで体現出来たらなと思います。
佐々木 あんまり見てほしくないんですよね(笑)。何だろう…。パスですね。攻撃のスイッチになるようなパスを意識して頑張っているので、お手すきの際は見ていただけると嬉しいです。
――それでは最後に、インカレへの熱い思いをお願いします!
冨田 泣いても笑っても最後の大会なので、最後は笑って終わりたいので、みんなで『頂』をつかみに行きたいと思います。
川端 今年は『頂』というテーマがあるんですけど、頂イコール日本一じゃないと思っているので、その先にある本当の『頂』を目指して、チーム一丸で頑張っていきたいと思います。
佐々木 試合に出ていない選手も熱くなれる、手をぎゅっと握って祈るようなチームってすごくいいチームだと思っているので、最後のインカレも自分たちがやってきたことを証明するというか、悔いなく終われるようにしっかりといい準備をして臨みたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 手代木慶、稲葉侑也 写真 永池隼人氏)
インカレの意気込みを色紙に書いていただきました!
◆川端涼朱(かわばた・すず)(※写真中央)
165センチ。東京・十文字出身。スポーツ科学部4年。選手兼主務として活躍する川端選手。「誰よりもアツく」戦います!
◆佐々木呼子(ささき・ここ)(※写真右)
159センチ。宮城・常盤木学園出身。スポーツ科学部4年。今シーズン中盤から頭角を現している佐々木選手。インカレでも「尽くし」ます!
◆冨田実侑(とみた・みゆ)(※写真左)
153センチ。岡山・作陽出身。スポーツ科学部4年。モノや風景にも思いやりを忘れない冨田選手。インカレでも笑顔で輝きます!