最終回を飾るのはMF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)とMF中條結衣副将(スポ4=JFAアカデミー福島)の主将・副将コンビ!今季チームをけん引してきた2人に、今季の振り返りや、インカレへの思いを語っていただいた。
※この取材は12月11日に行われたものです。
「(中條は)普段はちゃらちゃらしている(笑)」(高瀬)
「(高瀬は)すごく考えている人(笑)」(中條)
笑顔で互いの他己紹介をする高瀬(写真右)と中條
――まずお互いの他己紹介をしていただきたいと思います
高瀬・中條 他己紹介?!(笑)
――改めてですがお願いしたいです(笑)。では高瀬選手の紹介を中條選手お願いします
中條 はなは、そうですね、うーん、なんでもいいんですか?(笑)
高瀬 いきなり難しい(笑)
中條 考えてなかったわ何も(笑)。はなはすごく考えている人です(笑)
高瀬 本当に思ってる?(笑)
中條 今年気づきました。はながキャプテンになってからですかね。はながキャプテンになった理由が、自分に芯があるという部分で。今年はなとさらに接するようになって、本当にめちゃ考えているんだなって。すごく実感しています(笑)
高瀬 絶対嘘(笑)
中條 いや、本当だって!(笑)
――高瀬選手はこれを受けていかがですか
高瀬 うーん(笑)。考えているという部分は、自分も結衣に対して言えることで。もともと性格は対照的で、自分は周りから真面目とか落ち着いていると言われるのですが、結衣は普段ちゃらちゃらしているんですよ(笑)。ですが、今年になって立場が主将と副将になっていろいろ話す中では、見かけによらずというか、「あ、ちゃんと考えているんだな」って思います(笑)。普段こういう面をあまり出さない分、考えていることがより分かったというか、しっかりチームを見てくれているんだなと思いますね。
――中條選手はこれを受けていかがですか
中條 間違いなく、今年は考えていましたね(笑)
――これまではあまり考えてなかったという自覚はあるのですか
中條 あんまりチームどうのこうのというのは考えてなかったです。
――そもそも副将にはどのような経緯でなられたのですか
中條 きっかけははなのサポートをするにあたって、はなと性格が対照的の方がいいねという話になったというのと、その中で「自分がやります」という感じでした。
――今まではあまりチームのことを考えていなかったという話がありましたが、その中で立候補された理由は
中條 自分たちの学年って、誰でもキャプテン、副キャプテンができる代で。それだからこそ、みんなが副キャプテンという感じで、自分は副キャプテンという名前ですが、みんながそれぞれ役割だったり、仕事をやってくれていています。自分も副キャプテンという重荷を背負うためにやったというよりは、ただ本当にはなと性格が真逆だからやったというだけでしたね(笑)
――お二人はチームを引っ張る上で意識していることはありますか。高瀬選手は以前「一つになって戦うこと」を意識されているとおっしゃっていましたが、改めていかがですか
高瀬 ここまでインカレが直前になってくると、技術云々というよりは気持ちの面だったり、戦術も良くできたりすると思いますが、とにかく共通認識を深めること、コミュニケーションを取ることが今は一番効果的というか。そこを高めたいなとは思っています。ミーティングでも細かい部分まで会話をすることが今年は特に多くて、そういう場で後輩とか関係なく発言できる雰囲気づくりだったり、練習でも自分から後輩に声を掛けるようにしています。
――試合中も高瀬選手の声は印象的です
高瀬 そうですね、明らかに今年に入って声を出すようになったので(笑)。そこは意識していますが、他のみんなも声を出してくれていて、やっぱり声を出した方が自分もみんなも勢いに乗りやすいかなと今年になって感じます。調子の良し悪しに関係なく声はいつでも出せると思うので、いつも継続してやろうと意識していますね。
――中條選手は何か意識していることはありますか
中條 チームを引っ張る上で、学年関係なく話すようにはしています。練習中だけじゃなくて、オフでも自分から話しかけにいったりというのは、よくやっています。
――今年は1年生も多く試合に絡んでいますが、1年生ともけっこう交流を深めているのですか
中條 1年生にアカデミーの後輩(GK近澤澪菜、スポ1=JFAアカデミー福島)がいるのですが、高校の時はめちゃくちゃ怖い先輩だったという感じで、入学して初めの2、3ヶ月は全然喋ってきませんでした。でもいつの間にかもうタメ口で、めちゃ舐められてます(笑)
――最初は中條選手がアクションを起こしたのですか
中條 うーん、「こいつとはもういけるぞ」と思われたタイミングがあったんでしょうね(笑)
――コミュニケーションという部分では試合後に入念にミーティングされているのが印象的です
高瀬 最初はきっちり決め事として試合後に話す感じでしたが、途中から特に負けた試合の後とか失点のあった試合の後は選手で話そうというか、自然とそういう流れになるようになってきました。
――そのミーティングではグループ分けをするのですか
高瀬 最初は客観的な意見も欲しかったので、試合に出ていない人と試合に出ている人で分かれて話し合いもしていたのですが、今は気になった人が気になったところを発言するようなかたちで、そんなに分けてはいないです。
――チームとして去年と今年で変わったところはありますか
高瀬 だいぶ変わったなと自分は感じていて。そもそも自分が見る視点もすごく変わったので、客観的にどうかは分かりませんが、いろんな学年が試合に出るようになったというか、学年の壁が、もともと少ないチームではあると思いますが、よりサッカーのことでもそういう壁なくコミュニケーションが取れるチームになってきているのかなと思います。
中條 去年のチームって上の学年がうまかったので、力のある人が引っ張っていた感じでしたが、今年は全員でつくっているというのはすごくありますね。
――下級生とプライベートでの交流はありますか
高瀬 プライベートというか、毎日会っているんですよね(笑)
中條 クリスマス会かな?
――クリスマス会は毎年あるのですか
高瀬 はい、毎年やっています。イベントとかはありますね、一応(笑)
――けっこう盛り上がるのですか
高瀬 盛り上がりますね、プレゼント交換があるので(笑)
――以前は何をもらったのですか
高瀬 あ、ひざ掛けもらいました(笑)
一同 (笑)
高瀬 けっこうあったかくて、よく使ってるんですよ(笑)
中條 自分は食器です。
高瀬 食器?(笑)。誰からだろ(笑)
中條 自分はイベント係もやって。プレゼント交換はビンゴでやるのですが、その運営をやったりして。あっち側が楽しいです。
一同 (笑)
「(関東リーグは)成長できたことを実感できたリーグ」(高瀬)
「ベストゲームというか、一番うれしかったのは早慶戦」(中條)
早慶戦について語る中條
――ではここから今シーズンの振り返りをさせていただきます。関東女子リーグ戦(関東リーグ)では先日11連覇を達成されましたが、振り返っていかがですか
高瀬 関東リーグは本当に最初勝てなくて、11連覇を口にできないくらい、出だしはよくなかったです。ですが、途中の関カレ(関東大学女子リーグ戦)だったり皇后杯を通じて、自分たちの強みを自分たちで理解し始めて。そこからの追い上げというのはすごくて、トータル的に見ると、すごく成長できたことを実感できたリーグでした。
中條 今思うと、一戦一戦目の前の試合だけを見てやっていたなというのがあって。11連覇という言葉はどこかにはあったと思うのですが、それよりも目の前の試合にどう勝つかだけを見ていたなとすごく思います。
――例年優勝が当たり前という中で、最終節まで優勝がもつれました。苦しんだからこそチームとして得られることはありましたか
高瀬 得られたものはいろいろあるのですが、最終節で優勝の可能性を残しつつ、最終節で勝たないといけない状況で。関カレもこういう条件でしたが、だいぶ悔しい思いをして、勝ち切れなかったという気持ちが頭にありました。そこで勝ち切るか勝ち切れないかはチームにとってすごく大きいことだと思いますし、最後は総得点差ではありましたが、そこで勝てたのはすごく自信になったかなと思います。
――中條選手は最終節の出場はありませんでしたが、ベンチからどう見ていましたか
中條 前半から「きょういける」というか、「みんなきょう違うわ」と思っていて。今までは前半に点を取っても、後半に失点して負けることがあったので、それだけは心配していました。ですが、どんどん点が取れるんじゃないかって見てましたね。
――その中で、東洋大戦の前に行われた皇后杯の日体大戦が手応えをつかむ一戦だったと思いますが、皇后杯を振り返っていかがですか
高瀬 皇后杯は予選のメニーナ(日テレ・メニーナ)戦だったり、今まで勝っていなかった相手に勝つこともできて、本選でも日体大戦は内容も良かったし、徐々に力を付けているなと感じていました。途中の関カレで勝てなかったのがけっこう大きくて、まだチームとして波がある時期の中で、最終的に日体大に負けはしましたが、そこでもう一度立て直すきっかけになったというか。ですがチームの目標はなでしこの1部に勝つことだったので、そこが達成できなかったことは、今でも悔しいです。
――日体大との差はどのようなところでしたか
高瀬 前半はけっこう入りも良くて、守りっぱなしではなく、サイドを使って攻撃ができていた分、得点力というか最後決め切る部分が日体との試合では力不足だったなと感じました。
――中條選手は去年のインカレからスタメンに定着されて、今回初めて主力として挑む皇后杯だったと思いますが、振り返っていかがですか
中條 関東予選を優勝して、チームとして一つタイトルを獲れたことはうれしかったですし、ちょっとした達成感もありました。ですが皇后杯で日体大戦は少ししか出ていませんが、やっぱりベスト8、4に入っていくためにはあのようなチームを倒していかないといけないので、まだまだチームには課題があるのかなと思いました。
――何度もお話に出ている関カレは終盤失速してしまい、2位に終わりました。筑波大戦(△2-2)がポイントとなったと思いますが、振り返っていかがですか
高瀬 そうですね、最初の出だしからすると最終的な結果はやっぱり悔しかったですし、優勝するべきところを逃してしまったことは大きかったです。最初にうまくいき過ぎていたというか、足りない部分はあった中でなんだかんだ勝ち切っちゃう試合があって。それが過信につながってしまって、最終的にボロが出てしまったのかなと思います。「このままうまくいくはずがない」って思っていたのですが、大きい波を抑えられなかったというか、事前に防げなかったのは自分の力不足です。ですが幸いインカレには出れるので、その波を最後の大会では絶対になくして優勝につなげていきたいなと思います。
中條 はなと一緒で、後半の筑波大戦のような要らない失点がほとんど自分たちのミスからというのが大きくて。ああいう失点があの時期にあったからこそ、気が引き締まったというか、「調子に乗っちゃだめだぞ」というのをチーム全体で感じましたね。
――11月は公式戦で勝ちがありませんでした。この結果が関東リーグにつながった部分はあるのでしょうか
高瀬 チームとしてそういう時期があるのはしょうがないことではあるのですが、皇后杯の日体大戦だったり、やっぱりどこかでいい試合ができるとそのまま勢いに乗れるという確信もあったので、それを関東リーグの前にできたことはすごい大きかったなと思います。
――今年は多くのメンバーが試合に絡んでいる印象ですが、チームの競争はどう評価していますか
高瀬 去年の4年生は圧倒的な力を持っていたので、競争力で言えばあんまりなかったというか、今年の方がより拮抗(きっこう)していて、誰が出てもおかしくないメンバーが揃っています。みんなが試合に出るために努力していて、競争力はあるのかなと思います。
中條 自分もはなと同じで、去年よりは競争力はすごい高いんだろうなと思いますし、それに伴って層も厚いのかなと思います(笑)。逆に誰かが抜けちゃったとしても、全然戦力を落とすことなく戦えることは強みなのかなと思います。
――シーズン序盤には主力選手がけがなどで離脱することが多かったですね
高瀬 本当にその通りで、けがだけじゃなく教育実習や代表で、いろんな時期に主力選手が抜けることが多かったです。ですがそういう時にしっかり「自分がやるんだ」という強い気持ちを持って取り組んでくれる選手が多くて、そういう面ではチームの底上げというかチーム力を養えたと思います。
――今シーズン伸びた選手を挙げるとすると誰になるでしょうか
高瀬 難しいな(笑)。みんな伸びてるんですよね。やっぱり去年からずっと試合に出ている選手が少なくて、だからこそ今年に入って出るようになった選手も「自分がやらなきゃ」という気持ちがすごくあるなというのは感じますね。
中條 やっぱりみんなですね。サイドの選手はさらに足速くなってると思いますし(笑)
一同 (笑)
中條 絶対速くなってますよ、あれ(笑)。みんな強くなってるよね。
――先日の対談でDF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)選手が、DF源関清花(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)選手が強くなったとおっしゃっていました
中條 キヨはどんどん強くなりますね(笑)
――源関選手は冷静にいきたいところは冷静にいきたいともおっしゃっていました
高瀬・中條 あー(笑)
高瀬 それはその通りですね(笑)
――ここまでの今シーズンのベストゲームを教えてください
中條 自分はベストゲームというか、一番うれしかったのは早慶戦ですね。ゴールを決めたからじゃなくて、4年生全員で試合に出れたことがうれしくて。本当にうれしかったですね(笑)
高瀬 あれね、楽しかったね。
中條 でしょ!しんどかったけど楽しかったでしょ?(笑)
高瀬 しんどかったね(笑)
――しんどかった部分というのは
中條 何でしょうか、言ったら今まであんまりゲームの練習を一緒にしてこなかった4年生もいれていたので、戦術はぐちゃぐちゃだったよね(笑)
高瀬 うん(笑)。異常に疲れたもん(笑)
中條 すっごい疲れた(笑)。でも本当にうれしかったですね。
――4年生が全員出ることは事前には決まっていないのですか
高瀬 事前に言われてはないですが、例年そういう流れで、全員ではないけどある程度4年生を主体的に出してくれるので、「もしかしたらみんなで一緒に出れるかもね」という感じでした。
――四年間で思い出に残っている試合はありますか
高瀬 自分はやっと今年に入ってコンスタントに試合に出るようになったので、自分が出ているベストゲームだと今年に限られちゃいますね。1年生の頃のインカレ決勝でベンチメンバーに入っていたのですが、自分が出ていない試合で勝って喜ぶというのが今までの経験上あまりなかったです。これまではチームが勝ったらうれしいですが、やっぱり悔しい部分の方がすごく大きくて。ですが優勝したときに「本当にすごいな」って思ったことはすごく覚えていますね。
中條 それみっちゃん(中村みづき、平29スポ卒)のやつ?
高瀬 そうだね。
中條 あれはもうだって、すごいじゃん(笑)
高瀬 出てない試合であんなに喜べることってあるんだって思いましたね。
中條 うれしかった試合かな、悲しかった試合かな?(笑)
一同 (笑)
中條 印象に残っているのは、前回のインカレの決勝ですね。めちゃくちゃ悔しかったというのはありますし、あの西が丘の人たちが自分たちの試合を観てるんだっていう、会場の熱さも印象に残っていますね。
「(中條は)本当にキックが良く飛ぶ」(高瀬)
「(高瀬は)『The・ボランチ』」(中條)
中條のキックについて語る高瀬
――インカレの話に移る前に、お互いのプレーの紹介をお願いしたいと思います。まず高瀬選手の紹介をお願いします。
中條 はなは本当に落ち着いてるんですよ!性格のまんまで、本当に本当に落ち着いていて、よく周りも見えているし、よく走ります。プレーの波もあんまりないよね?
高瀬 いやあるよ(笑)
中條 あるんでしょうけど、あんまり感じないし、安定感がありますね。『The・ボランチ』って感じです(笑)
――高瀬選手は今の『The・ボランチ』という言葉を受けていかがですか
高瀬 ずっとボランチをやってきたので、その言葉通りですね。
中條 でもサイドバックもやってたよね?
高瀬 1年だけね(笑)。高校3年生の時です(笑)。ちょっといろいろあって、チーム事情でサイドバックをやってましたね。
中條 似合わないね。
高瀬 似合わないね。
一同 (爆笑)
中條 相当な事情があったんだろうね(笑)
――もう戻りたくはないですか
高瀬 たまに違う景色からやるのはすごく面白くて、特にサイドバックはいろんなことができるなとその一年間で思ったので、別に嫌ではないですけど、良さを生かすにはちょっと合ってないかなと・・・(笑)
一同 (笑)
――中條選手のプレーの紹介をお願いします
高瀬 今年はけっこうセンターバックをやることが多かったですが、本当にキックが良く飛ぶので、それは本当にチームの悪い流れを断ち切ってくれるきっかけにもなっていて、いい武器だなと思いますね。
――中條選手自身はキックについてどう思っていますか
中條 いやー、良く飛ぶんですよね(笑)
一同 (爆笑)
――いつ頃から飛ぶようになったのですか
中條 距離的なことはわかりませんが、ずっとボールを遠くに飛ばすことが好きで、ちっちゃい頃からずっとボールを蹴っていたので、いつの間にか遠くに飛ばせるようになっていました(笑)
高瀬 本当に飛ぶよね(笑)
――キックの音が大きいのが印象的です
中條 あれ痛いんですよ、当たると(笑)
――今年はボランチとセンターバックの併用となっていますが、どちらの方が好きですか
中條 本当はボランチの方が楽しいですけどね。守備だとやっぱり優先順位というか、この時は絶対こうしないといけないというのが、決まりじゃないですがある程度あるし、失点に絡むのも多くなりますし。後ろからビルドアップできる点では楽しいですが、ボランチの方が1個前でもっと自由なので、好きです。
――今シーズンの自身のプレーに点数を付けるとすると何点になるでしょうか
高瀬 難しいな・・・。
中條 何点満点ですか?(笑)
――100点でお願いします(笑)。その逆質問珍しいですね(笑)
一同 (笑)
中條 50点です。
――源関選手とDF中田有紀(スポ4=兵庫・日ノ本学園)選手も50点でした
高瀬 えー、キヨと有紀も50か・・・。
中條 センターバックとして失点をしてしまったというのは、個人的なミスもあって、チームとして勝ち切れるのにいらないミスで失点して負けてしまった試合もあったので、そこがマイナスポイントです。ですが、ちょこっとアシストとかしたので、50点です(笑)
一同 (笑)
――副将が50点ですが、高瀬選手は何点でしょうか
高瀬 言いづらいですね、これ(笑)
中條 はなは90点くらいでいいんじゃない?(笑)あ、70点くらい?(笑)
高瀬 うーん、60点で。
中條 10点差(笑)
一同 (笑)
高瀬 いい時は本当に良かったのですが、個人的にも結衣はさっき安定していると言ってくれましたが、すごく波はあって。コンスタントに試合に出られるようになったのは、去年と比べれば成長した部分だと思いますが、やっぱりもっとやらなきゃいけないところが思うので、60点ですね。
――差の10点はコンスタントに試合に出続けた部分でしょうか
高瀬 そうですね、けがが少なかったということで!(笑)
中條 聞かないでください(笑)
一同 (笑)
「チーム全体で一つになって、必ず優勝したい」(高瀬)
「『頂』を『いただき』ます!」(中條)
――ここからインカレの話題に移らせていただきます。組み合わせを見た率直な感想を教えてください
中條 日体が逆山にいるので、一安心しましたね。2、3回戦で当たるかもしれなかったので、まず日体を探して、早稲田を見て、「あ、逆にいる」と思いました(笑)
高瀬 確かに関東だけで見れば強豪と言われる帝平とか日体とか、自分たちが苦手とする神大(神奈川大)もむこうにいて。ですが、筑波はこっち側で勝ててないので、全然安心はないですね。むしろ関東じゃない関西とか地方のチームはほとんど知らないので、良かったというのもないですし、変な危機感もないですが、見て単純に気が引き締まりました。始まるんだなと。
――奪還に向けて、伸ばさないといけない部分はどこでしょうか
高瀬 いろいろあるな…。
中條 失点をしないところですね。
――春先から共通している課題ですね
中條 0で抑えられる試合でもなんか失点してしまうというのが続いてしまっているので、勝つにしても0で勝ちたいですし、次の試合に向けてチームとして引き締まるところはあると思うので。成長はしているのですが、チームによって戦い方は違うので、どんどん違う課題が出てくるのですが、無失点に抑えたいですね。
――守備面のお話が出たので、攻撃面ではいかがですか
高瀬 ここ数試合で言うと、あまりセットプレーから点が取れていなくて。
――小林選手のヘディングシュートですね
高瀬 最近菜々子いないな(笑)。東洋との試合は流れの中でうまくサイドを使って攻撃して、いいかたちで点が取れたので、そこは続けていきたいなと思います。セットプレーでもどんどん点が取れるチームなので、インカレではもう少し結果を出していきたいと思います。
――チームマネジメントの部分で意識しているところはありますか
高瀬 今年のチームは特に、勢いに乗ると自分たちの調子を上げていけるのですが、一回雰囲気が悪くなると駄々崩れしてしまうイメージで、より良い雰囲気にいつも持っていけるように、声掛けだったり練習の雰囲気をつくっていきたいと思っていて。最近12月に入ってから、カウントダウンを始めて、練習中に「インカレまであと何日」というのを常に見えるところに置いておいて、意識させています。あとは練習前に円陣を組んで、より試合を想定するようにしていますね。それでかなりみんなもインカレを意識した練習をできているのかなと思います。
中條 同じになってしまいますが、練習前の円陣だったりカウントダウンだったり、今までとは違う目に見えるものが入ってきたことで、始まるんだなという気持ち的な面でも、インカレにみんなが向かっているのかなと思います。あとはだるまと、えっとなんだっけ、さるぼぼだ(笑)!二人が練習を見てくれています。
――インカレではそのだるまを持って集合写真を撮られていますね
中條 インカレの優勝で(だるまの)両目に塗るのが目標です。あの二人がいると違います(笑)
一同 (笑)
――キーマンを挙げるとすると誰でしょうか
中條 自分的にはそろそろはなが点を決めてくれると思います。やっぱりはなですね。
高瀬 本当に思ってる?(笑)
中條 今年本当に決めてないでしょ?シュート打たないもん。
高瀬 打ってないね・・・。
中條 なのでインカレには期待しましょう!(笑)
――高瀬選手はいかがですか
高瀬 うーん、難しいな・・・。
――今大会で頭角を現しそうな選手でも大丈夫です
高瀬 それで言うと萌(DF井上、スポ1=東京・十文字)かな。本当に出始めたのが最近ですし、萌は確かにキーマンになるかなと思いますね。
――ビルドアップがうまい印象があります
高瀬 そうですね、ビルドアップでも安定したプレーを見せてくれますね。今までのア女とは違った風を吹かせてくれるのかなと思います。
――試合中も声がよく出ている印象です
高瀬 1年生で一番声を出すプレーヤーだと思いますし、初出場の時もしっかり声を出せることはすごいことだし、自分が1年生だったらあんなに出ないよなって思いますし(笑)。なので、頼もしいなって思って見ています。
――インカレでの私のここを見てくれポイントをお願いします
中條 アシストです。アシストします!
――何個アシストを狙いますか
中條 まず菜々子の頭で2つ欲しいですね(笑)。ヒロ(FW廣澤真穂、ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)、マツ(MF松本茉奈加、スポ3=東京・十文字)、あかり(MF蔵田、スポ2=東京・十文字)らへんが裏ですね。アシストになる選手がいっぱいいるので、こっちも楽しいです。なので、アシストを見てください!(笑)
高瀬 そこは期待してくださいでしょ(笑)
一同 (笑)
高瀬 自分は言うほどボールは飛びませんが、精度の部分ではけっこう自信があって。最近こそCKから点を取れていないですが、ピンポイントで合わせられるように、頑張りたいと思います。あとは守備面で横のスライドの速さとか、中盤全体にはなりますが、走力ですね。
――改めてインカレへの意気込みをお願いします
高瀬 本当にチームの集大成になると思うので、自分たち4年生は最後だからという思いもあると思いますが、後輩たちが残りのア女生活にとってもすごくいい経験になるような大会にしたいので、総力戦というかチーム全体で一つになって、必ず優勝したいなと思います。
中條 自分たちのスローガンが『頂』なので、『頂』を『いただき』ます!
――うまいですね!(笑)
高瀬 良かったね、拾ってもらえて(笑)
中條 良かった、滑らなくて(笑)
――ありがとうございました!
(取材・編集 永池隼人 写真 森迫雄介)
インカレへの意気込みを色紙に書いていただきました!
◆高瀬はな(たかせ・はな)(※写真右)
1997(平9)年7月31日生まれ。161センチ。前所属・ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18。スポーツ科学部4年。精度の高いパスと献身的なプレーでア女の中盤を支える高瀬選手。今季は主将として試合中の声掛けなど、プレー以外でもチームを引っ張ってきました。ア女の集大成となるこのインカレで、大輪の『はな』を咲かせてほしいです!色紙には「勝つ!」と書いていただきました。
◆中條結衣(なかじょう・ゆい)(※写真左)
1997(平9)年11月1日生まれ。162センチ。前所属・JFAアカデミー福島。スポーツ科学部4年。圧倒的なキック力を誇る中條選手。今季はセンターバックとボランチをこなし、攻守で活躍。副将としてもチームを支えてきました。さぁ『結』実の時、インカレでも自慢のキックを生かし、アシストを量産してほしいところです!色紙には「笑う!」と書いていただきました。