早大イレブンの心臓として攻守に泥臭くハードワークする池西希(スポ4=浦和レッズユース)。正確な左足のタッチでゲームメイクを担う近藤洋史(スポ3=名古屋グランパスU-18)。正反対のプレースタイルだが、小学校からの付き合いで仲がいいと言う2人。主力として活躍した今季の関東大学リーグ戦(リーグ戦)、そして来る全日本大学選手権(インカレ)について語ってもらった。
※この取材は12月5日に行われたものです。
「どうしても優勝したかった」(池西)
近藤洋
——まずは後期リーグが終わりましたが振り返っていかがでしたか
池西 結果が思ったより出なかったのが正直なとこですし、自分たちの実力と言ってしまえばそれまでですが、まだまだ前向きに見れば自分らの力を出し切れなかったと思う場面はあったかなと。その中でいいところよりも悪いところのほうが多かったのでそこが残念です。ただいい試合もありましたし、勝てなかった時でもいいゲームをした時もあったのでそれをインカレにつなげていきたいとは思ってます。
近藤洋 本当に勝ちきれないというか、勝てない試合が続いてしまったなと思います。最終節の専大戦(●0-1)もそうですけど、自分たちの中でこういうサッカーをする、っていうのがあるけどそれをうまく勝ち点につなげられず、いい試合もありましたけど結局は勝ち点を落として首位に差をつけられてしまったので残念です。
——後期は全試合で失点するなど前期に比べて失点数が増えてしまいましたが原因はなんだと思いますか
池西 まず大きく何かが崩れたとかはないと思います。その中でセットプレーからの失点がかなりあって、その失点数がなければ前期の失点数と同じくらいになってたと思うし、前期はセットプレーからの失点が0だったので、自分たちが身長が小さいからこそしっかり修正していかなくちゃいけないと思いましいた。もう一つは相手がインカレ争いとか、残留争い、優勝争いが激しくなってきてエネルギーを出してくる場面が多くなったので、自分たちはそれに負けてしまったと思います。前期は自分たちが運動量で勝ってエネルギーを出していたけど後期は相手に同じように出されて、それに対抗できなかったのが失点を重ねてしまった原因だと思います。
近藤洋 相手が前期よりも後期にかけてチームをつくってきて攻撃の質も上がった中で、その攻撃に対してチームの守備として対応できなかったというのが試合で感じたところです。普段の練習から守備の場面を想定してやってたんですけど、試合でそれが出せずやられてしまってたのが原因だと思ってます。
——逆に得点力は上がりましたが何が要因だと思いますか
池西 それに関してはいいことだと思います。横にいる洋史が後期4点取ったのも、自分がやるんだという自覚が芽生えて夜練習した成果が出たんだと思います。自分も後期3点取りましたけど、インカレでももっと練習の成果を出していきたいです。
近藤洋 やっぱり自分自身もそうですけど、結局点が入る場面では最後は個人の力だと思うので、練習の場面から全員が最後の仕掛けとかを意識して高められたとうのが得点につながったかなと思います。ただ自分は昨年4点取っててそれに比べると総得点は増えましたけど、前期は1点しか取れてなかったので凄く消化不良でしたし、チームにとってマイナスだったと思うので反省してます。
——勝ち切れない試合が続きましたがチームはどういった雰囲気でしたか
池西 うーん、そんなに大きく変わることはなかったですね。うちのチームのいい点に、一つの結果に対して一喜一憂することなくトレーニングに打ち込めるってことがあって、後期も下を向いてトレーニングすることもなかったです。まあ結果的にはトレーニングが足りなかったとはなるんですけど、自分自身はそんなに試合ごとに雰囲気が変わることはなかったです。
近藤洋 まあそんな感じです(笑)。雰囲気は悪くなかったし、結果よりもまずは自分たちがやりたいことができてるか、ってところに目を向けて練習していました。
——後期は怪我人も多かったですが
池西 そうですね。後期の始めは洋史と貴司(MF近藤貴司、教3=三菱養和SCユース)がいなかったときは小松(MF小松聖音、商4=北海道・札幌光星)と竹谷(MF竹谷昂祐、スポ4=ガンバ大阪ユース)が出場して、はち(DF八角大地、社2=千葉・流通経大柏)がケガしてからは西山(DF西山航平、スポ2=浦和レッズユース)が出て、まつ(GK松澤香輝、スポ3=千葉・流通経大柏)が出れなくなって阿部(GK阿部雄太、人4=千葉・渋谷教育学園幕張)が頑張ってくれました。みんなトレーニングからしっかりやってくれてたので不安はなかったです。なかったよね?
近藤洋 なかったです。普段からみんな自分が出て活躍するための努力をしていましたし、誰が出てもやれるという安心感はありました。
——リーグは2位という結果でしたがどう捉えてますか
池西 どうしても優勝したかったですし、何より監督(古賀聡監督、平4教卒=東京・早実)を優勝させたかったと4年生だけでなく下級生も思ってたので残念です。俺らは優勝しなくてはいけない存在だというのはずっと言われてたことですし、順位こそ上がりましたけどやっぱり悔しいです。ただ僕はこの2位という結果には凄く意味があると思っていて、来年に大きくつながる一つのステップだと思ってます。
近藤洋 今季開幕前は、きょねんの力のある4年生たちが抜けてどうなるんだという評価だったと思うんですけど、オフシーズンからしっかり積み重ねて前期を2位で折り返し、優勝を狙える位置につけたのは評価できることだと思います。ただ後期自分が感じたのは、専大が取りこぼして勝ち点を詰められる場面があったんですけど、そこで自分たちが負けたり引き分けたりしてしまって差を広げられてしまい、専大が勝ち続けたというよりは自分らが勝ち点を落としすぎたイメージがあるので残念です。
——2位が決まって古賀監督からどういう話がありましたか
池西 2位という結果に関しては許されないというか、自分たちの目標としていたのは終わってしまったけど、自分たちを応援してくれる人たちのためにも最後まで戦わなくてはいけないという話をしてくれました。だから最終節で何とか表そうとしましたし、ウルトラスの方々や応援団の方、そして個人で来てくれる方のためにも戦いました。2位という結果はみんなそれぞれ分かってたことだったので、監督から特にそんなに話はありませんでした。
近藤洋 監督から特にはなかったとは思いますね。
——専大との差はどういったとこにあったと思いますか
池西 最終節でやった感覚ではそこまで差が大きく開いてるかといえばそんなことはなかったと思いますし、勝てるだろ、と思ってみんなやってたと思います。たださっき洋史も言ってましたけど、個人として考えれば差はあるのかなと。仲川(輝人)が14点と長澤(和輝)が12点取っていて2人で(得点ランク)1、2位ですし、僕たちは合わせても10点いかないのが現状ですので。専大は決めなきゃいけないシーンとか、途中交代した選手とかが平気でロスタイムに点とったりとかしてて、俺が決めてやるんだという強いメンタルで来てるのでそこはまだ差を感じますね。個人のサッカーの強さを感じます。
近藤洋 試合をしてみて技術面だったり、攻撃の点を取るところでの個人の差を感じました。チームとして感じたのは、勝利するために最適な戦い方ができるというところです。専大は攻撃的で美しいサッカーを目指してやってますけど、別にそれに固執することなく勝つために一番必要なことをチーム内で共有できていて、最終節でもうちが押してて内容的に良くない時でもしっかり勝ち切るところが凄いなと思います。うちは自分たちのやり方はできていても勝てないという試合が続いていて、そこが専大の差だなと実感しました。
——ここからは個人のプレーについて振り返っていただきます。それぞれ後期のプレーを振り返っていかがでしたか
池西 前期振り返った時は自分が思ったよりチームの勝利やプレーに貢献できたと思ってたんですけど、後期はもっとやれた場面はあったかなと。得点は増えましたけどもっと決められたと思いましたし、守備の場面でも前期に比べてボールを奪う回数が減ったと思います。それは相手が自分らのことを研究して戦い方を変えたり、それに対して自分の力が足りなかったんだと思いますけど、それを圧倒するトレーニングをすれば上回れたと思いますし、そう考えるともっとうまくなりたいと思った後期だったと思います。
近藤洋 個人的には後期は最後の方で点を取って守備面でも攻撃面でも相手を圧倒することができるようにはなってきたんですけど、前期の段階でそれができるようになってればと後悔してます。結局前期1点しか取れず、後期に入って徐々に成長して最後にちょっと点を取ってという感じで、前期の段階からそれができてればもっとチームの力になれたと思うし、悔しいです。
——開幕前に、前期で5ゴール取りたいとおっしゃってましたが、そう考えると5ゴール3アシストの今季は足りないですか
近藤洋 足りないですね。全然自分が思ってたのよりも前期は得点に絡めなくて、オフシーズンでの取り組みとかでもっと個人と向き合ってレベルアップしなくちゃいけなかったと反省してます。
——池西選手は前期は小松選手、後期は中田主将(MF中田航平、スポ4=横浜F・マリノスユース)の二人とボランチでコンビを組んでましたがそれぞれの手応えは
池西 あんまり気にしてはいなかったですけど、個人的に前期よりも後期の方が前に行く回数や得点、アシストするチャンスは増えたのかなと。別に航平だからとか小松だからとかというのじゃなくて、二人ともやりやすさを感じます。
——後期は3点取りましたがそのやりやすさが大きく関わってますか
池西 そうですね。航平も小松も凄く頭のいい選手で、僕が上がったときも二人で上がることはないですし、互いがやりやすいように意識してやってくれててありがたいです。
——近藤選手は後期4点取りましたが、後期は調子が良かったですか
近藤洋 調子が上がったというよりは、自分のやりたいプレーっていうのが試合で出せるようになったかなと思います。
——どうしてだと思いますか
近藤洋 トレーニングから試合で出すためのものを意識したから、試合で相手が来ても焦ることなく自分のやりたいプレーが出せたんだと思います。
池西
——トレーニング内容は変えたんですか
近藤洋 変えたというよりは、自主練でシュートを打つようになりました。
池西 本当に練習するようになったんですよ。前はあんまり練習しない選手だったので(笑)。まあいい悪いとかはないですけど、練習するようになってから点取るようになったので。前期からやってれば15点くらい取れたんじゃないですかね(笑)。
——シュート練習はどれくらいするんですか
近藤洋 毎回練習終わった後に何本か打つとか、練習前に感覚的なところでやってます。練習前はキーパーなしで自分一人でやって、シュートの感覚を確かめてます。練習後は阿部くんとかまつとかがキーパー入ってくれてやってますね。
——今季からコーナーキックのキッカーも務めましたが
近藤洋 いや結構それに関しては責任というか、プレッシャーは感じてて。いいボール蹴らなくちゃと思ってます。実際に拓真(DF金澤拓真、スポ2=横浜F・マリノスユース)とかが決めてくれた時は凄くうれしいです。いま自分が練習でやっていって、段々試合でもイメージ通りのボールを蹴れるようにはなってきたんですけど、もっとゴールに直結するようなボールを送りたいので、インカレでも拮抗した場面で点を取れるようにキックを磨いていきたいなと思ってます。あとは、直接フリーキック欲しいです(笑)。
池西 慶大戦で決めてたじゃん。
近藤洋 慶大戦のはなんかちょっと…。
池西 いいじゃんああいうのも。
近藤洋 ああいうのも自分のイメージ通りだったらいいんですけど、ゴール前でもっと狙って入るやつ。それがことし一回もなかったんですよ。
池西 あんまうちないよね。
近藤洋 そうですよね。チャンスがあれば決めたいです。
——3年リーダーとして自覚は芽生えたりはしましたか
近藤洋 そうですね、自分はやっぱ流通経大戦から変わりました。自分をいろいろ見つめ直して、自分が何をしなくちゃいけないのかを考えるようになり見つけてきていて、役割とかを整理して試合にも臨めているのでそこは成長できているなとは思います。
——それでは後期の試合結果を見てお二人が一番印象に残ってる試合はどれですか
池西 明大戦(△1-1)ですかね。順大戦(△2-2)で勝てなくて、慶大戦(○2-1)なんとか勝って、この試合に勝ってれば最終的な結果はもっと違ったものになったんじゃないかといま思います。1-1で終わった時に、この強い明治に勝てたんじゃないかと思いましたし、もちろん危ない場面もありましたけど最後10分くらい押せ押せになって、それでも勝てなかったってのは後期のうちを象徴するような試合だったと思いますね。
近藤洋 後期の結果やばくないすか(笑)。
池西 やばいね。最後の2連敗がちょっとな。
近藤洋 桐蔭横浜大にも負けたのか(●2-3)。
池西 そうだよ、セットプレーでやられちゃってさ。
近藤洋 僕は流通経大戦(●0-3)ですかね。
池西 出た(笑)。
近藤洋 後期の衝撃の負け(笑)。この試合で自分がスタメン復帰して、0-3で負けちゃって。いやいや、みたいな(笑)。お前がスタメンで出る意味ないじゃんみたいな感じで、そっからですね、自分が変わったのは。ここで負けて自分がスタメンで出る意味ないと思って、そっから意識変わって自分がどうしたらチームに貢献できるかを考えてやったと思います。その結果後期の最後に得点が奪えたんじゃないかなと思います。
——シュート練習はその流通経大戦以降ですか
近藤洋 シュート練習はいつからだろ…(笑)。でも多分この後からだと思います。結果として順大、慶大、中大、桐蔭横浜大って点が取れたので。
池西 それ凄いな。
——流通経大戦はチームとしても衝撃的でしたか
近藤洋 ショックでしたね。個人としてもチームとしても何もできなかったので
池西 次が国士館大戦(△2-2)、日体大戦(○3-2)か。俺ここで2試合連続ゴールだ(笑)。
近藤洋 確かにこの時めっちゃ決めてましたね(笑)。
——国士館大戦はせっかく決めたのに追いつかれてしまいました
池西 そうなんですよね、ああいうところがうちは弱かった原因ですよね。国士館とやった時も2点ともセットプレーでやられちゃって。前期は明大戦(○2-1)でも最後にたまたま僕が決めて勝ったり、筑波大戦(1-0)もワセダらしく守備で守り切って勝ってたので、後期はもったいないと思いますね。
——今季戦った相手のなかで一番印象に残ってるチーと選手を教えてください
近藤洋 俺は専大っすかね。北爪(健吾)と仲川の縦のラインはやりにくかったです。普段僕と三竿くん(DF三竿雄斗副将、スポ4=東京ヴェルディユース)のとこで相手の右サイドを脅威に感じる場面ってあんまりないんですけど、専大はちょっとこの二人のラインのとこがやだなと感じましたね。
池西 俺はどこだろうな…。みんな強かったですけどね。あ、でも国士館大は強かったよね?
近藤洋 国士館大は後期強かったですね。セットプレーで後期かなり点取ってましたし。
池西 コーナーキックの時とか勢いあったよな。
近藤洋 もうセットプレー取ったら「俺らいけんぞ!」、みたいな感じでしたもん。
池西 チームとしては一番勢いがあったと思います。自分たちは最後まで走れることが強みですけど、国士館とやった時は最後押し込めたかと言われれば、押し込めてなかったと思うので。個人としては明大のFW和泉(竜司)ですかね。まあうちはあいつにやられてはないですけど、個人的にいい選手だなと思いますね。体も強いですしうまい、速いし、サッカーのスキルがうまいなと思います。
——後期はJUFAガールズが力を入れて活動したり、週刊ア式や集中応援日を設けるなど集客に力を入れてましたが選手として振り返って
池西 そうですね。JUFAガールズも頑張ってくれてますし、もりぞー(森岡礼佳広報、商4=奈良学園)を中心に頑張ってくれて本当、選手としてはありがたい限りです。自分の親も週刊ア式とか見て反応してくれて、そういうのは凄くいいことだと思います。
近藤洋 自分も本当ありがたいと思ってます。慶大戦の時に自分はシールを作ってもらって、色んな人から欲しいって言ってもらえて結構嬉しかったです(笑)。
池西 お前シールなんか作ってもらえたの?
近藤洋 早慶戦でエンジのやつを付けた人にはシールがもらえるみたいな。のぞくん作ってもらってないんでしたっけ?
池西 俺(警告)累積で出場停止だったから作ってもらってないんだよ、冷たいよな(笑)。なんか二人並んでるやつだよね。まあ本当ありがたいです。
——近藤選手は試合に欠場している時に運営の手伝いをしていましたがその時を振り返っていかがでしたか
池西 お前手伝いしてたの(笑)?
近藤洋 してましたよ、(第11節)中大戦(○2-1)の時はパンフレット売ってましたから(笑)。でも学連の仕事関わることができて良かったです。元々運営とか学連の仕事とかに興味があったので。でも大変だなと思いました。毎試合この仕事をしている学連の方たちのことを考えると、もっとしっかり試合しなくちゃいけないなと感じますね。
——手伝いとかは自主的に募るものなのですか
近藤洋 いやまあ、そういうわけじゃないんですけど…。
池西 割り当てられただけっすよ(笑)。
近藤洋 自分の仕事を全うしました(笑)。握手とかもしましたよ(笑)。
——ではここまで一年間の試合を振り返って成長した点と課題を教えてください
池西 成長した部分として言えば、個人個人が何とか点を取ってやろうとか、局面を変えてやろうという選手が増えましたし、連中の質が上がっただけじゃなく自主練習をするやつも増えて、きょねんに比べてそういうところは圧倒てきに改善できたと思います。それによってゴール数が増えた選手とかもいると思いますし、自主練習とかをするのが当たり前になったというのは、チームとして永続的にチャンピオンに立つための土台として素晴らしいことだと思います。課題で言えば、それを関東レベルで圧倒的なとこまでもっていくことができなかったというところですね。きょねんはトミーくん(富山貴光、平25スポ卒=現・大宮アルディージャ)や譲くん(島田譲、平25スポ卒=現・ファジアーノ岡山)、山地くん(翔、平25政経卒)に畑尾くん(大翔、平25スポ卒)らがそういうレベルにあったので結果が出ました。でもことしは下手くそなやつらが努力していってるので、実力が足らないのならもっと努力しなくちゃいけないと思いますし、そうしていれば総理大臣杯とかでも違う結果になっていたんじゃないかなと思ってます。
近藤洋 自分もきょねんのチームは元からうまい選手や関東レベルの選手がたくさんいたけど、ことしは練習に対する姿勢だったりとか自主練習をする人が増えたっていうところで、試合に出るための努力とかをみんながするようになったのでそこは良かったと思ってます。ワセダとしてあるべき姿というか、そういうもののベースの部分が強くつくられたんじゃないかと思います。ただ努力している人の中で関東で活躍するっていうレベルに達してる選手はまだまだ少ないと思うので、そういった選手をどんどん出していくべきだと。ことしの4年生がそういった空気をつくってくれたことによって、1~3年生がその影響を受けていろいろ感じてると思うので、練習に対する姿勢とかをもっと学んで欲しいですね。もうすぐインカレが始まりますけど、4年生の最後の試合に対する意識とかっていうのを見て吸収して、トレーニングからひたむきに努力すればいつまでも強いワセダであり続けられると思うので。
池西 今の4年生が良かった、ってとこ絶対書いといてくださいね(笑)。
「のぞくんがいなかったら俺はここまで来れてない」(近藤)
左から近藤洋、池西
――では、少しプライベートなところの質問に入りたいと思います。普段お二人で遊んだりするのでしょうか
近藤洋 のぞくんとあんまり遊ばないね。
池西 両方彼女いるじゃないですか。そうすると彼女と遊んじゃいますよね。あ、今度インカレ初戦に彼女見に来ますよ!そうだ、俺ら小学校同じチームなの知ってます?
近藤洋 小学校5年と6年で一緒に試合出ていました。
池西 俺キャプテンだったんすよ。愛知FCっていうチームで。愛知に住んでいたんですけど、埼玉に戻ってきて。そしたらまた会ったっていう。で、俺が(ワセダに)入る前の3月くらいにそれを聞きつけて洋史高2のくせに連絡してきて(笑)。
近藤洋 俺たしかワセダ入ろうと思った時にホームページ見たら、練習試合に池西希って名前載ってて、のぞくんじゃんって思って。
池西 洋史、高2の3月にもう練習参加に来たんですよ、それで怒られてんの(笑)。適当なことしてて先生に怒られてんの。
近藤洋 高校感覚でうーいってやってたら
池西 「遊びじゃねえんだよ!」ってね。まあこんな感じでずっと知ってるんで、遊んだりはしないですね。でもよくご飯には行ってましたね。仲悪いとかじゃないですよ!
――以前、近藤洋選手のアンケートで尊敬している先輩に池西選手の名前を挙げていました
池西 昔かよ!
近藤洋 いまも尊敬してますって!もういままで毎回お世話になっています。入部の時も、ランテスト入れないとか、ケガしてBチームに落ちてそこから上がれないとか、いろいろあったけど毎回のぞくんがサポートしてくれて話聞いてくれて。
池西 俺の言うことはなんか聞くんですよ。ちゃんと話せばバカじゃないんで分かってくれるんで。
近藤洋 のぞくんがいなかったら俺はここまで来れてないです。
池西 そーだよ、昨年とか洋史ずっと出てましたけど、出る3週間前ぐらいまでBチームでくすぶってて、「はーもうやめてやるよ」とか言ってたんで、「違うよ。お前絶対公式戦出るとき来るから頑張りな」っていつもゆっくり話したりね。
近藤洋 はい、もうほんとのぞくんのおかげです。
池西 あとね、洋史の母ちゃんが俺のこと好きなんですよ。
近藤洋 俺の母ちゃんは本当によく分かってて、俺がサッカーして順調にここまで来たのはのぞくんのおかげだって本当に思っています。まあ実際そうなんですけどね。それを本当に感謝してて、「本当にいつもうちの子がお世話になってます」とか「またご迷惑をおかけして…」みたいな感じなんですよ(笑)。あと、7番の件いります?(笑)
池西 俺小学校の時、背番号がいまと同じ7番だったんですよ。
近藤洋 それを俺が継いだんです。
――小学校の時からお二人のプレースタイルは変わりましたか
池西 小学校の時からプレースタイルはいまと同じですね。僕も洋史も左ハーフで。
近藤洋 小5から俺左SHになったんですよ。
池西 洋史は技術あって足はあんまり速くないから、それを生かすっていうよりもサッカーセンスで。守備うまくて運動量で、いまみたいな感じだね。いまの方が攻撃的で点取れるようになりましたけど。僕は同じような感じだよね。
――近藤洋選手は池西選手を尊敬しているということですが、池西選手はどうですか
池西 なんか落ち着いたというか、リーダーというか。小学校の時はそんなリーダーみたいなの出してなかったと思いますが、中学でクラブチームで中心的な存在だったんだと思いますし、そのあとグランパスユースでキャプテンやってて。僕からしたらキャプテンやってるなんて想像つかなかったんですけど、いまはそれにふさわしいというか、リーダー的な行動や発言、プレーもそうですけどできるようになったんで、成長したなあと思っています。
――ではお二人のオフの過ごし方は
池西・近藤洋 彼女と遊んでいます(笑)。
――どの辺に行かれますか
近藤洋 どこでも行きますね、東京に限らず…。
池西 お前デート好きだよな。
近藤洋 え、だめなの?(笑)
池西 結構アクティブで、出掛けるの好きなんですよ。目的持って、遊ぶっていうか。こないだもイルミネーション見に行ってたよね。
近藤洋 そうそう、こないだは高速バスでイルミネーション見に行きました。遠く行ったり、旅行も好きかな。ちゃんと計画立てて遊びに行くのが好きなんです。
池西 俺はなー、全然アグレッシブじゃないです。家とか近くで映画見ようか、ってなっちゃいますね、疲れちゃうから。洋史はマメなんだね。
近藤洋 うん、まあイルミネーションは彼女の方が計画してくれたんで。
池西 すごい好きなんですね、彼女のことが。まあ僕も好きですけどね!
近藤洋 いや僕の方が好きです。
池西 これは書いておこう(笑)。まあ彼女見ないと思うけど。僕の彼女はサッカーの試合の結果も気にしないんですよ。まあそれが楽なのでいいんですけどね。
近藤洋 僕は試合見に来てくれたり、来なくてもツイッタ―で試合確認してくれてるみたいで。ありがたいです。
――お互いの学年へはどういう印象をお持ちですか
近藤洋 4年生は個性強いですね。自分は1年生の時から4年生の代とずっと絡んでもらっていて、のぞくん筆頭にいろんな人と話して、遊びに行ったりご飯に連れて行ってもらって、お世話になってきたので親しみがすごくあります。4年生になるまでは好き放題やってた印象ですが、みんな変わったなというか、全員がことしのチームづくりのために一生懸命で、今季のチームがこうやって来たのは4年生の力だし、4年生のカラーが出た良いチームだなと思っています。
池西 3年生はみんな良いやつですよ、凄く人間的に。僕らの代はわがままなやつとかめちゃくちゃなやつが結構いるんですけど、3年生はちゃんと敬語使って来たり、まあ使わなくても全然良いんですけどね、そういう感じで心から良い子ばっかりだなと思います。彼女連れてみんなでバーベキュー行ったり、本当に仲が良い学年ですね。でもそれが来年4年生になるとき、逆に仲間に対して強く言えないとか、まつや貴司たちずっと出ている選手とそれ以外の選手の中で意識に差があるんじゃないかと言われてる中で、それを何とか埋めようと頑張っている姿は僕から見ていても分かるので、今後も洋史中心に伸びていけば、僕らの代よりも良いチームになると思うんで、頑張ってほしいですね。
近藤洋 いやあ、もう僕は寂しいですよ。俺は結構ずっと先輩と仲良かったんで。4年生はすごく個性が強くてはっきりしてて、自分も三竿くんとよくケンカしたんですけど、言い合ったりして。でもプライベートでは遊びに行ったり仲良くしてくれてて、ぶつかっても言い合ってもサポートしてくれて、4年生はさっぱりしていてそういうのが好きですね。自分らの代はしっとりしてます(笑)。
池西 みんなすごい良い子だから気にしちゃうんですよ。悪いこと言わないんだよね。
近藤洋 そういう部分もあって、4年生が抜けてしまうのはすごく寂しいんですが、これからは自分たちの代ももっとそうなっていけるようにしたいという思いがありますね。
「1stに到達できるように」(池西)
近藤洋。後期3試合連続のゴールなど得点力に磨きをかけた
――インカレに向けてお話を移したいと思います。リーグ戦を終えていまのチームの雰囲気はいかがですか
池西 インカレまで2週間という中で、先週くらいからチームをAチームBチーム分けずに、チーム全体で自分たちが目指しているスタイルに対してチャレンジしていて、良い雰囲気というか、良い成長をしていると思います。それに対して課題も見つかってきていて、それを高めていければ本当に良い結果が出てくるんじゃないかと僕は思っています。
近藤洋 すごくトレーニングから、いままで試合に関わってなかった選手も試合に関わろうという気持ちや姿勢を持って、トレーニングに取り組んでいるので、これからもっともっとそういう競争をやっていくことはインカレだけでなく、来年もずっと続けていきたいというか、常に下の選手が上を狙っていけるチームがつくり出せたらすごくいいなと感じています。
――昨季とは立場が違ってくるかもしれませんが、昨季のインカレと比べて
池西 昨季僕は1試合スタメンで出させてもらいましたけど、ことしはディフェンディングチャンピオンということで、周りはそういう目で見てくると思いますけど、自分たちはそんな意識全くなくて。あくまで専大に勝ち点15差も広げられた関東2位のチームと思ってトレーニングしています。みんなの気持ちに慢心というのは全くないと思うので、自分たちはチャレンジャーとしてまずは初戦突破を目指して、個人的にも最後の舞台ですし、何とか自分の力でチームを勝たせることができるように。そしてそういう姿を見せることが、来年洋史たちが4年生になってあるべき姿として残せると思うので、しっかりやっていきたいと思います。
近藤洋 自分は昨季全試合出させてもらって優勝したんですけど、昨季の4年生がすごく活躍して優勝した感じで、自分はあまり貢献できなかったなという気持ちで、うれしさよりも悔しさもありました。本当にことしは4年生がここまで引っ張ってきてくれてこのチームをつくってくれたし、自分も流経大戦から意識を変えることができたのは4年生のサポートのおかげなので、ことしは自分が勝利に導くという気持ちで臨みたいなと思っています。
――組み合わせを見て率直な感想は
池西 悪くはないですが、関学には早関戦(●1-2)で負けていますし、勝ち上がっていけば鹿屋体大や中京大と負けているチームが来るなとも思います。関東がいないのでそこだけ少し良いのかなと。
近藤洋 僕は関学とやりたいですね。MF小幡元輝(関西学院大)っていうグランパスの同期がいて、関西リーグのアシスト王にもなっています。関学には早関戦で負けて、そのときはサッカーでもそれ以外でもすごく良いチームだなと感じたので、ぜひ戦って勝ちたいなと思います。
――負けたら終わりのトーナメント勝負ですが
池西 リーグ戦の時も優勝目指してやってて、最後3試合まで負けたら優勝ないって思ってやっていましたし、そんなに今回プレッシャーはないと思うんですが、今回は本当に負けたら終わっちゃうので、それは力を惜しみなく出せるように、最大の力を出せるように練習していきたいなと思っています。
近藤洋 結構プレッシャーがかかっている方が良いプレーできたりするんで、良いプレーして負けたら終わりなんで、最後決勝まで行って勝てるようにやっていきたいと思います。
池西。ボランチながら積極的な攻撃参加を見せ、4得点を奪った
――練習試合の手応えというのはいかがですか
池西 練習試合の中でもいまトレーニングでやっていることを試して行こうってやってて、トレーニングでやっていることはすごく表現できていると思います。その反面でいまは攻撃に少し重きを置いてやっているので守備への課題が出てきていて、監督からも「良い成長の過程だと思うから向き合ってチャレンジしていければ」ということなので、良い感じだと思います。
近藤洋 トレーニングに関しては良い感じだと思います。個人個人が取り組んでて良いと思いますけど、個人的にはやっぱり実力的に見たときに、もっと成長しないと優勝は届かないと思うので、良いトレーニングができていることに満足せず、優勝するためにもっと個人が向き合って、レベルアップしていかなければと思います。時間は少ないと思いますが、一日一日のトレーニングとか、自分の時間を大切にして、インカレに向けて個人個人で成長して、チームとしても成長していかないといけないと思います。
――インカレで注目してほしい選手はいますか
池西 洋史と貴司です。来年リーダーとなる二人だと思いますし、チームのためにっていう思いが非常に強くなって二人の行動が一番変わったと思います。それがチームが前進するために必要なことだったと思うので、それが実を結んで結果を残すことがまた来季を良いかたちで迎えていけるのかなとも思います。僕たち4年生も全力出してしっかり活躍しないといけないですけどね。
近藤洋 選手というか、4年生は最後の学年で、いままでチームづくりをしてくれて最後の舞台で、4年生の気持ちやプレーは見てほしいですね。その中で自分や貴司の3年生がいかにチームに貢献できるか。政幸(DF奥山、スポ2=名古屋グランパスU-18)や拓真の2年生は真面目で、自分たちがチームのために頑張ろうって思っている良いやつらなんで、そういうやつらがどれだけ貢献できるか、4年生に付いていけるかということを見てほしいですね。まとめると、4年生の思いとか気持ちとか、それに下級生が付いていく思いも、試合に出ている選手たちが背負って戦っているというのは見てほしいなと思います。
――最後に、インカレに向けて意気込みをお願いします
池西 本当ことし最後の大会ですし、どうしてもまだ自分たちの目標である1stに対して到達できていないので、最後こそ到達できるように、まずは自分がピッチにいままでの思いをぶつけたいと思います。チームとしても、ワセダが一番なんだと人としても全プレイヤーとしても、スタッフ含めてワセダが日本一にふさわしいチームだということを証明できるように、頑張っていきたいと思います。
近藤洋 ことし優勝することで4年生も自分たちの取り組みを結果として表すことができますし、僕は本当に結果にこだわって優勝したいです。また、昨季自分が優勝したけど全然貢献できなかったと感じたように、出れなかった選手とか活躍できなかった選手が優勝にどれだけ貢献できたかって考えたとき何か感じるものがあると思います。優勝することで自分自身どうだったのかなと感じることができると思うので、そのためにも優勝したいですね。本当に4年生のために最後優勝して終わりたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石原瑞季、佐藤拓郎、増山祐史)
左から近藤洋、池西
◆池西希(いけにし・のぞみ)
1992(平4)年3月12日生まれ。171センチ、65キロ。埼玉・浦和南高出身。前所属・浦和レッズユース。スポーツ科学部4年。色紙には両親への思いを綴った池西選手。インカレ当日は彼女だけでなく家族も来てくれるとのこと。大学生活最後の大一番に向け、まさに不足なしです!
◆近藤洋史(こんどう・ひろし)
1992(平4)年10月12日生まれ。174センチ、66キロ。愛知・安城東高出身。前所属・名古屋グランパスU―18。スポーツ科学部3年。4年生への気持ちを色紙に熱く記した近藤洋選手。「字が汚い」と気にされていた様子でしたが、素敵な色紙でした。寮に持ち帰り、MF中田航平主将(スポ4=横浜F・マリノスユース)にプレゼントしたそうです