MF笠原綺乃がWEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナに加入内定!

ア式蹴球女子

 WEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナ(広島)は2日、MF笠原綺乃(スポ4=横須賀シーガルズJOY)の加入内定を発表した。ア式蹴球部女子(ア女)からプロ・WEリーグクラブへの加入内定は、今季2人目となる。

 

2001(平13)年12月15日生まれ。身長は167センチ。2020年に横須賀シーガルズJOYから早大に入学。ア女からは今季2人目のプロ内定者となった

 笠原のプレイヤーとしての特徴を一言で表すとすれば、圧倒的な「器用さ」。担当するポジションは幅広く、ボランチやインサイドハーフにトップ下、ウイングバックやウイングもこなすユーティリティプレイヤーだ。167センチと長身で懐が深く、パスや足元の技術、サッカーⅠQの高さは同年代の水準を大きく上回る。ゴール前でのクオリティも魅力で、今季公式戦での8得点はチーム2位タイの数字。持ち前のサッカーセンスは守備面でも生かされ、大学4年目にして一切弱点のない、完成されたプレイヤーになりつつある。

 

最高学年となった今季、最後の早慶戦にもフル出場

 笠原は高校時代、横須賀シーガルズJOYに所属。第1回日本クラブユース女子大会などで活躍し、3年時にはトップチームであるニッパツ横浜FCシーガルズとの2種登録に。早大進学後は1年時から関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)や全日本女子選手権(皇后杯)などで出場を果たす。2年時からスタメン出場の機会を増やし、第30回全日本大学女子選手権(インカレ)の優勝メンバーとなった。3年時から本格的にチームの中枢を担い、ア女のサッカーになくてはならない存在に。適切なポジショニングで、チームの「リンクマン」としての役割を担っている。今季は関東大学女サッカーリーグ(関カレ)のチーム初ゴールや、18日の皇后杯初戦の同点ゴールなど、MFながらチームに勢いを持たせる大事な一発も決めてきた。

 

昨年の皇后杯初戦(2022年11月27日、バニーズ群馬FCホワイトスター戦、〇3-1)でも先制点を挙げている

 内定先の広島は、10月に2023-24WEリーグカップを制した実力者。松本茉奈加(令3スポ卒=現サンフレッチェ広島レジーナ)、吉野真央(令5スポ卒=現サンフレッチェ広島レジーナ)と、近年ア女で活躍した選手の加入も印象的だ。リーグ開幕初年度から6位、5位と順位を上げ、三菱重工浦和レッズレディース、日テレ・東京ヴェルディベレーザ、INAC神戸レオネッサの強豪“ビッグ3”に割って入らんとする、気鋭の強豪クラブである。笠原が自身の手で切り拓いてきたサッカー人生は、次なるフェーズへと移ろうとしている。広島という新たな地での挑戦も、ア女で過ごした日々がその背中を後押ししてくれるはずだ。

 

(記事 大幡拓登、写真 前田篤宏、大幡拓登)

 

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