ア女選手、躍動! 大学女子サッカー地域対抗戦3年ぶり開催 

ア式蹴球女子

 2月20日から23日にかけて全日本大学女子サッカー連盟が主催する、大学女子サッカー地域対抗戦2023が開催された。早稲田大学ア式蹴球部女子(ア女)からは計6名がメンバー入り。全日本学連選抜(学連選抜)にDF後藤若葉(スポ4=日テレ・メニーナ)、MF三谷和華奈(スポ4=東京・十文字)、GK石田心菜(スポ3=大阪学芸)の3名、関東A選抜(関東A)にDF夏目歩実(スポ4=宮城・聖和学園)、MF築地育(スポ3=静岡・常葉大橘)、MF宗形みなみ(スポ2=マイナビ仙台レディースユース)の3名がそれぞれ選出され、活躍を見せた。

 

大会2日目関西選抜戦、右サイドでドリブルを見せる三谷

 2月20日を準備日として、実質の大会初日となった21日。夏目、築地、宗形擁する関東Aが、大会オープニングマッチとなる東海選抜戦に臨んだ。ア女の3名はいずれもスタメン出場を果たしたが、試合は0-1で敗れる悔しい幕開けに。関東Aのゲームキャプテンを任された夏目は「コンディション的にも難しい部分があった」と振り返った。後藤、三谷、石田が選出されている学連選抜の初戦の相手は北信越選抜。三谷、石田が先発し、3-0と快勝を収めた。その後関東Aが北海道・東北選抜に8-0、学連選抜は四国選抜に8-0といずれも圧勝。後藤も四国選抜戦に先発出場し、初日からア女選手全員が各チームの主力として活躍した。

 

関東Aのキャプテンを務めた夏目。ア女でなくとも得意のコーチングは健在

 大会2日目は関東Aが中国選抜と対戦。宗形が途中負傷交代するアクシデントに見舞われたが、後半8分には相手のクリアボールをヘディングで築地が押し込みゴール。学連選抜は関西選抜との一戦を1-1の痛み分け。この時点で関西と勝ち点で並び、大会の行方はリーグ最終試合に委ねられることとなった。関東Aのこの日2試合目は九州選抜戦。一度は追いつかれるが4-1と快勝し、予選リーグを東海選抜に次ぐ2位で通過する。学連選抜は関東B選抜との一戦を、またも1-1のドローで終え、こちらもリーグ2位通過。最終日の3位決定戦で、学連選抜と関東Aが会敵するまさかの展開となった。

 

築地は今大会ア女選手として唯一の得点者。関東Aの中盤で好プレーを見せた

 3位決定戦は、学連選抜で後藤、三谷、関東Aで夏目がそれぞれ先発。後藤、夏目と今季のア女最終ラインを支える二人がそれぞれのキャプテンを務めた。前半を0-0で折り返し、後半からは学連選抜の石田、関東Aの築地が出場。39分、55分に関東Aが得点し、2-0で関東A選抜が勝利した。

 

今季ア女の主将を務める後藤。セットプレーでは積極的にゴールを狙う場面も

 関東Aが3位、学連選抜は4位という結果で大会は幕を閉じた。「全日本(学連選抜)に勝てたというのが率直にうれしい。3位ということで悔しい思いはあるが、選抜チームなので最後に積み重ねた結果が出てよかった」と夏目。関東Aは初戦こそ落としたが、大会を通して2失点に抑える堅守ぶりを見せた。「全日本(学連選抜)というチームでやっている以上、この結果は不甲斐ないというか、悔しい感情も出てこないくらい恥ずかしい」と後藤。けがを抱えながらキャプテンとしてチームを引っ張ったものの、結果に反省の弁を述べた。この2チームは26日に関東大学女子サッカーオープニングフェスティバルに参加する。関東学連選抜がなでしこリーグのスフィーダ世田谷FCと、全日本学連選抜が三菱重工浦和レッズレディースとそれぞれ対戦する予定だ。

(記事 大幡拓登、写真 前田篤宏、大幡拓登、髙田凜太郎)

コメント

DF後藤若葉主将(スポ4=日テレ・メニーナ)

――4位という結果に対して率直にいかがですか

 どのチームもコンディションがあまり良くない中で、自分たちは全日本選抜という名前を背負っている以上、不甲斐ないというか、悔しいという気持ちも出てこないくらい恥ずかしいという感じです。

――個人としてはこの3日間どんなことをテーマにプレーしていましたか

 攻撃の形はそれぞれチームも違いますし、練習もできていない中で落とし込むのは難しかったですが、自分は守備の選手として目の前の選手に負けないというところ、相手の攻撃の芽を摘むというところは意識してプレーしていました。

――チームメイトとして戦った選手に気になる選手、相手として難しくなりそうな選手はいましたか

 一緒にやっていてやはり東洋大の選手は上手いなというのはありました。やりたいサッカーもパスをつなぐという面ではア女と近いのでやりやすかったです。あとは日体大の選手たちはなでしこリーグの開幕も近づいていて、仕上がっているなという感じだったので、もっと自分たちも突き詰めていかなければいけないなと思いました。

――対戦相手にア女の選手がいるという点に関してはいかがでしたか

 関東Aは他の地域もそうですが、「やってやろう」という気概をすごく感じました。自分たちも同じ気持ちでやらなければいけないのに、(学連選抜は)なにか綺麗事のようにしてしまっているのが個人的には気になりました。もともとのチーム柄というのもあるのかもしれないですが、ア女ではもっと1試合1試合にかける気持ちで挑む人が多く、それをどこまで選抜の仲間たちに求めたらいいのかというのは難しかったです。色々な所から色々な環境でやってきている選手がいる分、やらなきゃいけないけど求め過ぎてもよくないという葛藤はすごくありました。

――26日には関東大学女子サッカーのオープニングフェスティバルとして浦和レッズレディースと対戦します。意気込みを聞かせてください

 この大会通しては自分らはどちらかといえば追われる立場というか、目指される立場だったと思います。ただレッズさんは格上の相手ですし、リーグ開幕が近い中試合を組んでくださったので、恐れることなくチャレンジするのはもちろん、一緒にサッカーをする中で学びになることは沢山あると思うので、無駄にしないように試合に臨みたいと思います。

DF夏目歩実(スポ4=宮城・聖和学園)

――大会3位という結果、率直にいかがですか

 3位ということで初戦の敗戦が悔しいという思いはあるんですけど、やっぱり選抜のチームなので、積み重ねというところで最後結果が出て良かったと思います。

――東海選抜は強かったですか

 一発目の試合で、初日の9時キックオフだったのでコンディション的に難しいところはありました。もう一本後や2日目だったら違う結果になったかもしれないとは思います。

――キャプテンとしてのプレーはいかがでしたか

 そういった役職についていないア女ではできないことですし、こういう場所で良い経験ができたなとシンプルに思います。副キャプテンの2人がサポートしてくれましたし、学年、選手、スタッフ全員で戦えたというところ。外から見ていてもチームの雰囲気は良かったと思いますし、あの雰囲気の中でキャプテンができたことは嬉しかったし、良かったと思います。

――個人としてこの3日間でテーマにしていたこと、意識していたことはありますか

 やっぱり自分の武器はコーチングなので、違うチームになっても他のメンバーになっても変わらず声を出す、ということは意識していました。

――26日には関東大学女子サッカーのオープニングフェスティバルとしてスフィーダ世田谷FCと対戦します。意気込みを聞かせてください

 2年生の時の皇后杯で一度対戦しているので、相手の特徴も、スピード感の速さも身にしみて経験しています。格上の相手ですが、またみんなで楽しく良い雰囲気で、チャレンジ精神をもって戦いたいなと思います。

――対戦相手としてのア女の選手はどう感じましたか

 若葉(後藤)、若菜(三谷)に関しては3年間ずっと一緒にやっているし、心菜(石田)とも長い間やっているのである程度の特徴はもちろん分かっています。どこに出してくるとかがわかったりするので、そういう意味ではやりやすい面もあったんですが、一緒にやっている分誰よりも上手いというのは知っていますし、今大会の選抜の中でも上手いというのは感じました。そこをどうつぶすか、知っている分自分が指示を出して戦おうということは意識しました。