順大を撃破! 2試合連続の延長戦を制し、アミノ杯を3位で終える

ア式蹴球男子
アミノバイタルカップ2023 第12回関東大学トーナメント大会 兼 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選
早大 1-0
0-1
延長前半0-0
延長後半1-0
順大
【得点】
(早大)29’東廉、102’山市秀翔
(順大)64’梶原豊

 10日間で5試合を戦うアミノバイタルカップ(アミノ杯)もいよいよ最終戦。準決勝でPK戦の末国士舘大に敗れ、アミノ杯決勝進出とはならなかったア式蹴球部(ア式)は、中1日で3位決定戦の順大戦に臨んだ。立ち上がりからボールをつなぐ相手に対し、ア式はなかなか自分たちの時間をつくらせてもらえない。それでも前半29分、左サイドのDF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)のクロスにMF東廉(スポ3=清水エスパルスユース)が合わせ先制。しかし後半に入り64分、同点に追い付かれてしまう。そのまま勝負は2試合連続の延長戦に。30度を超える酷暑の中、互いに疲労の色が見え始めるが、迎えた延長後半開始早々の102分、MF山市秀翔(スポ2=神奈川・桐光学園)が値千金の勝ち越しゴールを決める。その後はGK山田怜於(社4=神奈川・鎌倉)のファインセーブが飛び出すなど、何とかリードを守り切り、2-1のまま勝利。ア式はアミノ杯を3位で締めくくった。

 

先制点を決めた東

 「(相手が)ボールを回してくるスタイルだとは分かっていたので、ある程度持たせてもいいなとは思っていた」という兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)のプラン通り、序盤からボールを持つ順大と、焦れずにブロックを敷くア式という構図になった前半。しかし、受け身になりすぎていたこともあり、「速い攻撃をやり切れず、後ろで停滞するようなボール回しになってしまった」(兵藤監督)と想定よりも相手に押し込まれてしまう時間が続き、なかなかア式らしい攻撃を繰り広げることができない。それでも徐々に左サイドの森やMF本保奏希(スポ2=JFAアカデミー福島)のところから、敵陣に侵入できるようになると、迎えた29分。最終ラインでのビルドアップから左サイドの本保にボールが渡ると、本保が追い越してきた森を使う。その森がワンタッチで上げたクロスに合わせたのは東。うまくコースをついたヘディングがゴールネットを揺らし、劣勢だったア式がワンチャンスで先制に成功する。アシストした森はこれで大会5試合で4アシストと、アシストランキングトップの数字となった。先制したことで、少しずつやりたいサッカーを表現できるようになったア式。続く39分にも、MF小倉陽太(スポ4=横浜FCユース)が敵陣深くまでプレッシャーをかけボールを奪うと、グラウンダーで速いクロスを送る。ボールはファーサイドまで流れ、走り込んできた本保がフリーでシュートを放つが、これは枠を大きく外してしまう。一方で前半の終了間際にはカウンターをくらい決定機をつくられるが、相手のシュートを山田怜が左手一本ではじき出し、何とかしのぐ。そのまま前半は1-0で折り返した。 

 

東のゴールをアシストした森。これで今季は公式戦7アシストとなった

 先制したとはいえ内容的には厳しいもだった前半を受け、「もう一段階エネルギーを上げるため」に後半頭からFW鈴木大翔(スポ1=ガンバ大阪ユース)とMF小松寛太(教4=東京・早実)をピッチに投入した兵藤監督。この采配の影響もあってか、後半は前半と比べ相手にボールを持たれすぎてしまう時間は減り、自分たちでどんどんアクションを起こせるようになる。それでも追加点は奪えないでいると流れは徐々に順大に。60分にはワンツーで一気にペナルティエリアに侵入され、ゴール付近までボールを運ばれるが、これは山田怜の好対応で難を逃れる。しかし続く64分、ピッチを広く使われ揺さぶられる中で、左サイドからのカットインに対応し切れず。ゴール左隅に同点弾を決められてしまう。試合が振り出しに戻った中、70分にもエリア手前からミドルシュートを放たれるが、これは山田怜が防ぎ逆転は許さない。ア式は84分、高い位置でボールを奪った鈴木が小松にスルーパスを送ると、小松がエリア右からゴールを狙うが、これは相手DFに阻まれてしまう。その後は互いに決定機をつくれないまま90分が過ぎ、勝負は延長戦へと突入した。

 

失点後ピッチ中央に集まり確認を行う部員たち

 延長戦、最初に決定機を迎えたのはア式。94分、右サイド森のコーナーキックにDF平松柚佑主将(社4=山梨学院)が合わせるが、これはわずかに枠の左へ。勝ち越しのチャンスを逃したが、延長後半の開始早々、ついに試合が動く。キックオフからア式がボールを回し続け、ピッチ中央で山市がボールを受ける。山市は左サイドに展開し、ここにいた森が大外へクロスを送ると、走り込んできたDF佐々木奈琉(社2=新潟・帝京長岡)がダイレクトでシュート。これはうまくミートしないが、こぼれたボールを相手がクリアしようとしたところに詰めたのは起点となった山市。すると相手のクリアボールがその山市に当たってゴールへと吸い込まれる。「相手がクリアしようとしたところを詰めればいけるかなと思って、思い切り体を投げ出したら左足に当たって入った」と愚直にこぼれ球に対して走り続けた山市の執念が、ア式にとって待望の勝ち越しゴールを生んだ。リードしたア式だが、そこからは防戦一方の戦いを強いられる。104分には、左サイドを崩されると、クロスからゴール前でヘディングシュートを放たれるが、これを山田怜が横っ飛びでセーブ。さらに終了間際にもゴール前で与えたフリーキックに合わされるが、ここにも山田怜が立ちはだかる。「(シュートへ反射するところといった)自分の強みが実際にこの場で出てくれた」という山田怜の好セーブが何度も飛び出し、同点にはさせなかったア式。2-1のまま勝利し、アミノ杯を3位で終えた。

 

得点を決めた山市

 10日間で5試合を戦うという過密スケジュールの中行われたアミノ杯。ア式は結果的に1部のチームを2度撃破、準決勝でこの大会を2連覇した国士舘大に敗れこそしたが、その試合もPK戦での敗北、内容では上回っていただけに、「優勝」の2文字は手の届くところまできていたと言えるだろう。リーグ戦3連敗という嫌な流れで開幕したアミノ杯だが、結果的には3位。間違いなく短期間でチームは飛躍的に成長した。それでもまだまだ発展途上であることに変わりない。3位決定戦も、内容では相手に上回られていた部分があったことは事実で、毎試合90分間自分たちのスタイルを貫き続けるというところには課題が残る。兵藤監督も「このままじゃ全国で勝てない」と、ア式が目指す1部昇格、そしてこの大会の結果で出場が決まった総理大臣杯を制覇しての日本一という目標は高く、まだまだ遠い。この大会で一つ成長したチームをさらにどう伸ばしていくか。全国をここからの2部の厳しい戦いを勝ち抜いていけるチームをどうつくっていくか。このアミノバイタルカップ3位という結果を意味あるものにするためにも、ア式の勝負の夏が今始まる。 

(記事・写真 髙田凜太郎 写真 大幡拓登)

 

試合後に集合写真を撮る部員たち

 

表彰式の様子

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 山田 怜於 社4 神奈川・鎌倉
DF 23 佐々木 奈琉 社2 新潟・帝京長岡
→105分 石川 真丸 スポ3 名古屋グランパスU18
DF ◎平松 柚佑 社4 山梨学院
DF 中谷 颯辰 基理4 静岡学園
DF 森  璃太 スポ4 川崎フロンターレU18
MF 小倉 陽太 スポ4 横浜FCユース
MF 24 伊勢  航 社3 ガンバ大阪ユース
→72分 22 平野 右京 人4 兵庫・滝川  
MF 14 山市 秀翔 スポ2 神奈川・桐光学園
MF 15 東  廉 スポ3 清水エスパルスユース
→HT  11 小松 寛太 教4 東京・早実
MF 17 本保 奏希 スポ2 JFAアカデミー福島
→87分  10 植村 洋斗 スポ4 神奈川・日大藤沢
FW 奥田 陽琉 スポ4 柏レイソルU18
→HT 26 鈴木 大翔 スポ1 ガンバ大阪ユース
◎=キャプテン
監督:兵藤慎剛(平20スポ卒=長崎・国見)

コメント

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

――準決勝から中1日でしたが、どのようなことを準備してこの試合に臨みましたか

 5連戦目だったので、コンディション重視というところはありましたし、順天とは今年まだ1回もやっていないという状況で、次2週間後にリーグ戦も控えているって感じだったので、お互いにどういうことをしてくるのかなといろいろ考えながらやってきました。ある程度想定のメンバーで相手が来てくれたので、しっかりとやりたいサッカーをやってくるんだろうなとイメージして入って、本当に向こうがやりたいことをピッチ上で表現している中で、自分たちが先制はしたのですが正直納得できる前半ではなかったと思います。やはりもっとできるのに相手に合わせるという、早稲田の負けパターンというか良くないところが前半で垣間見えたので、点を取った東(廉、スポ3=清水エスパルスユース)とFWの奥田陽琉(スポ4=柏レイソルU18)を代えてもう一段階エネルギーを上げたかったところです。

――納得のいかない前半という中で、相手にボールを持たれるシーンお多くありましたがそこは想定外でしたか

 いや、(相手が)ボールを回してくるスタイルだとは分かっていたので、ある程度持たせてもいいなとは思っていました。この暑さなので、前からボールを取りにいって変に疲労して隙をつくってしまうよりは、あくまで勝ちにいくという想定で、持たれても持たせているという感覚だったらOKというところではありました。ただやはり奪った後のサポートが遅かったりだとか、攻撃のスイッチの切り替わりが遅かったり、もっとできるし、もっと相手に脅威を与えるようなカウンターは成立できたと思います。そこのところのエネルギーが、自分たちが受けているというマインドになっちゃって、あくまで回させてる、主導権はこっちというやり方に統一できなかったなと思います。

――そこのメンタルのところで、あくまで相手に回させているんだとなれなかったところが、前半は大きかったと感じますか

 そうですね。持たれていても、じゃあ思いっ切り崩されたというところはほとんどなかったですし、逆にいい奪い方から押し込めるシーンもたくさんできたと思うのですが、その速い攻撃は早稲田の課題になってきますし、そこでやり切れない。もっと奥までいってキャンセルすればいいのに、早い段階でキャンセルして後ろで停滞するようなボール回しになってしまったので、そこら辺はもう一回トレーニングし直さないといけないと思います。

――内容が悪いながらも1点リードで前半を終えたことは評価に値するようにも感じますがそこはいかがですか

 狙っている外からのクロスというかたちで、東は合わせるのが得意ですし、ここ最近当たっていたので、点を取ってくれたことに関してはすごく評価できるのかなという反面、やはり本保(奏希、スポ2=JFAアカデミー福島)のところの2点目というところだったり、前半でカウンターで刺しとけば2-0で終わって、相手がもっとやりづらい状況にできたという中では、ゲーム運びのところがまだまだ甘いなというのはあります。勝っている状況で動くというのは勇気のいる決断ですが、あくまで僕らが目指す日本一というところでは、悪くないというゲームを減らしたい。悪くないということは良くないというところで、常に良いサッカーを目指したいですし、相手を圧倒するというところでは今日の前半は厳しめになるなというところです。

――後半は先ほども話にあったように思い切って交代策を打った中で追いつかれてしまいましたが、監督の中ではどのようなことを考えていますか

 1失点くらいはしょうがないという気持ちで今年はやっていますし、あくまで常に3点取れるようなチームづくりというところをやっているので、その中でこのカップ戦を勝ち抜くにあたって、守備の強度やバランスを自分たちで修正できるようになったと思います。それでも大会を通して無失点の試合がなかったという課題は、チームとして捉えないといけないですし、では3点取れた試合が何試合あったのかというところだと、まだまだ自分たちが理想とするところには届かないので、そこの両輪を追いかけて早慶戦とリーグ戦の再開というところをしっかりとつなぎつつ、このままじゃ全国で勝てないと思うので、2カ月間積み上げて、全国で、関東の代表としてのプライドや早稲田が絶対に優勝するという気持ちを持って、この2カ月やりたいなと思います。

――2試合連続での延長戦や、暑さというところでのコンディション面のマネジメントも難しかったと思いますが

 前の試合でメンバーをほとんど変えていて、その中でも(2試合とも)全員が110分走り切れたというところで、今年の2月からやっているフィジカルベースが全員上がっているのかなと思います。これはトップチームだけではなくて、社会人リーグだったりⅠリーグのチームも基本的に相手より先に(足を)つるということがなくなって、90分+αを戦えるなというベースはやっと整ったと思います。ここに対して、さらなるクオリティと体力だけじゃない筋力だったりも付け加えていければ、もっと飛躍的に夏以降も伸びていくんじゃないかなと思います。

――関東3位という結果でこのアミノバイタルカップを終えることができました。ここから早慶戦、リーグ戦、総理大臣杯とこの勢いをどのように持続させていきたいですか

 本当にメンバー入りしているメンバー誰一人ピッチに立たなかった選手がいないので、そういった部分ではチームとしての底上げも少しずつできつつ、Ⅰリーグ社会人リーグも今、底上げしてくれている段階なので、2カ月後、今回登録していた20人から5人くらいが変わってくれる競争を僕としては望みますし、そこを勝ち取ったメンバーで勝てるようなチームづくりをこれからまたしていきたいなと思います。

GK山田怜於(社4=神奈川・鎌倉)

――見事勝利を収めましたが試合を振り返っていかがでしたか

 おととい国士舘大学に負けてしまって決勝という舞台は逃してしまったのですが、やはりこのアミノを通してチームとして成長できたなとみんなが実感できているので、それを3位決定戦ではありますけど、3位か4位かは確実に変わってくるということで実際に挑みましたが、やはり前半のところが相手に合わせるかたちとなってしまってなかなか自分たちが積み上げてきたものを出せなかったところはありました。そういった中での後半の立て直しというところはありましたが、1失点してしまって1-1になってしまったのは反省点だと思います。ただ、そこで自分自身のセーブもそうですし、体を張ったプレーが出て、今までなかったようなプレーが増えてきたのは本当に自分たちの成長かなと感じているので、それが3位という結果に出たのかなと思います。

――アミノバイタルカップから先発出場を重ねられていましたが、毎試合どういったプレーを心がけていましたか

 やはり今のチームはところどころで緩む、隙が出てしまうというところが少し課題かなと思っていて、毎回試合の入りとか終わりでそこが出ていて。じゃあそこで自分ができることは、常に声を掛け続けることだったり、雰囲気をつくることだったりだと思っていたので、まずはそこを出そうという気持ちでした。そこで自分自身が小学校からやってきたサッカーで培ったものが、技術として今日とかは出たのは、そこについてはポジティブに良かったかなと思います。

――今日の試合は1失点こそしてしまいましたが、チーム救うセーブを何本もされたと思います。自分自身のパフォーマンスを振り返っていかがでしたか

 自分自身もアミノから変わってきて、実際にまずは準々決勝まで出させてもらってチームが全国に行くことが決まったこと、そこは本当にうれしく思っています。その中でも、自分としては、失点をした中でもそれを上回る得点で準々決勝まで勝ち上がってきていたので、キーパーとしては止めたいなというのはありました。そこをこのアミノの最後の試合で出してやるという気持ちの中で、ああいったプレー、(決定的な)ヘディングシュートを2本止められたのかなと思います。

――特に山市秀翔選手(スポ2=神奈川・桐光学園)のゴール直後のヘディングシュートは完全にやられてしまったかなというところを、見事なセーブで救いました。あのシーンは反射で止めたという感じでしたか

 自分が元々得意としているプレーがそういった反射のところで。自分の強みでありつつも、なかなか常に試合では出ないという中で、その強みが実際にこの場で出てくれて非常に満足しています。

――アミノバイタルカップを通して無失点の試合がなかったというのは課題として残るのかなと思いますが、そこはいかがですか

 結局、自分自身がヘディングシュートを止めたシーンは、得点を取った後の入りの切り替えの部分で、締めましょうと言っているのに毎試合そういった失点があるというのは本当に課題としてシーズン始まってからずっと続いていることです。ここは全国に行く前にしっかりとチームとして立て直して、そこができるようになれば、早稲田は今年は2部かもしれないですけど、自分たちの目標である1部昇格や、日本一を間違いなくかなえうる力を持っていると思います。よりいっそうそこはこの夏で締めて、自分もそうですし、平松(柚佑主将、社4=山梨学院)や、颯辰(中谷颯辰、基理4=静岡学園)がしっかりと締めていければいいかなと思います。

――10日間で5試合という過密スケジュールでしたがチームは間違いなく成長したと思います。後ろから見ていて、チームが一番成長したと感じるところはどこですか

 やはりクロスの対応であったり、守備時のどんなに回されていても焦らないという気持ちや、相手に対する向き合い方、姿勢というのが間違いなく変わってきたなと思います。それは自信から来たものだと思うので、そういった自信の部分が変わったかなと自分は思います。

――これでアミノバイタルカップが終わり5日後に早慶戦が控えています。選手としてまた主務として一つ集大成となる試合だと思いますが、どのようにして臨んでいきたいですか

 早慶戦というのは本当に特別な舞台ですし、今まで培ってきてくれた、この舞台をつくってきてくれたOBの方であったり、そういった人たちの思いをひしひしと感じていますし、そういった人たちに恥じないプレーや勝負にまずはしたいなと思っています。その上で、自分自身は選手としてしっかりと出てチームを勝たせる、そこからまずは早慶戦を足場にして、全国で勝ち抜いていけるチームづくりをしていけたらいいなと思っています。

MF山市秀翔(スポ2=神奈川・桐光学園)

――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか

 一個目(のクロス)に入れなくて、「ヤバい」ってなったんですけど、大翔(鈴木大翔、スポ1=ガンバ大阪ユース)が詰めてごちゃごちゃっとなって、相手がクリアしようとしたところを詰めればワンチャンいけるかなと思って。思い切り体を投げ出したら、左足に当たって入ったという感じでした。

――暑い中で相当走っていたと思いますが、終盤は身体的な部分は大丈夫でしたか

 自分の特徴はハードワークや献身性で、どこに行っても最低限求められるところはやるだけなので、ゴールできたことは良かったですが、今日くらいの運動量は普通のことかなと思います。

――監督の期待を感じたりしますか

 兵藤監督は自分のことを信頼してくれていると思いますし、しっかりそれに応えようと毎試合毎試合プレーしています。それが大きなモチベーションにもなっていますし、ありがたいと感じます。

――どんなことを言われるのですか

 「お前が試合を決めてこい」とか、「頼むぞ」とモチベーションを上げる言葉をかけてくれます。

――試合を決める、という言葉はご自身の中でどのように解釈していますか

 ゴールもそうですし、試合を決定づけるパスだったりとか、そういう意味では試合を決められる選手になれればいいなと自分でも思っています。

――チームは夏の暑い中での連戦で結果を出しましたが、収穫や課題は何かありますか

 失点が多いので、そこをどうしていくのかというのはチームとして取り組んでいかなければいけないと思っています。連戦重ねていくうちに、徐々にチームがチームらしくまとまってきている印象もある中で、リーグ戦は全然勝てていないので、来週の早慶戦も勝って、順天堂大とのリーグ戦に臨んでいきたいと思います。

――2週間後にまた対戦する順大への印象はいかがですか

 うまくて、サイドを揺さぶってきて良いチームだなと思いましたが、それでも自分たちのサッカーをやれば上回れるなという印象でした。リスペクトはありますが、そこまで怖くないというか、自分たちのサッカーをやればどこが相手でもやれると思っているので、そこは自信をもってやっていかなければいけないなと思っています。

――イタリア遠征ではキャプテンもやられていたと思います。まだ2年生ですが、こういった大会の中で自分がリーダーシップを発揮していくことについて考えることはありますか

 イタリア遠征も連戦で、正直イタリアの方がハードでした。そんなイタリアでも優勝できたというところで、勝ち癖のようなものをチームに持って帰りたかったのですが、結果的に3位に終わってしまって、積み上がっているものはありながらも悔しいという感じです。平松くん中心に引っ張ってくれていますが、下(の世代)がついて来なくては意味がないと思うんで、そういった下をまとめることについては自分が中心になってやっていきたいです。

――イタリア遠征からの収穫や今大会生かせることはありましたか

 (相手は)一個一個の球際、サイドの一対一、空中戦にすごくこだわっていて、死に物狂いでやってきているなというのは感じて。そこは日本ではなかなか感じられない経験ですし、チームにも持ち帰って、もっともっと還元していきたいなと思っています。