【連載】ア式蹴球部学生スタッフ対談『INSⅠDE:WASEDAーAFC』【第2回】新2年生マネジャー対談 伊藤未羽×永戸彩花×髙見真史×柳崎日和×渡邊朋恵

ア式蹴球男子

 第2回には新2年生マネジャー、伊藤未羽(文構2=千葉・東葛飾)、永戸彩花(商2=新潟・長岡)、髙見真史(人2=埼玉・栄東)、柳崎日和(文2=愛知・豊田北)、渡邊朋恵(人2=東京・帝京)の5名が登場。同期のマネジャーでありながらも、それぞれが五者五様の信念を持ち行動している。ア式蹴球部(ア式)での1年目を終えた彼らが今どのようなことを考えているのかに迫った。
※この取材は2月4日に行われたものです。
※原則として新学年表記にしてあります。

(髙見は)マネジャー全体の質をもっとあげていこうとリードしてくれる存在

練習の準備を行う伊藤(左)と永戸

――右隣の人へ他己紹介をお願いします

柳崎 彩花は、一言で表したらスーパーマネジャーという感じです。具体的に言うと、ピッチの中にいる時はずっと走り回っていますし、ピッチの外では練習が終わってもマネジャー室にこもって仕事をしています。来年の早慶戦に向けても既に動き出してくれていて、私の中ではこの学年のマネジャーを彼女が引っ張ってくれているなとすごく感じています。

永戸 未羽は、持ち前のすごく明るい性格で突発的に物事をいってみんなを困らせるっていう…(笑)。

一同 (笑)

永戸 それは性格(笑)。仕事に関しては、なんでも自分から食らいついていく感じで先輩の信頼も厚いです。いろんなピッチ外の活動に部員を巻き込んでいく姿勢とかも素晴らしいと思います。みんなをリードしている存在です。

未羽 朋恵は、学年が1個上なのですが、同じタイミングで入ったので、なんかみんなのママ的な存在です(笑)。

一同 (笑)

未羽 いい意味で、いい意味で(笑)。1個上とこの学年をつなげてくれる役割も持ってくれているというか、そういう面でもすごく助けられていると感じます。後、動画編集とかも勢力的にやってくれていて始動の日にモチベーションビデオを作ってくれていました。とてもかっこよかったので、これから先、彼女が関わっていくYouTubeとかに注目してほしいなと思います。

渡邉 髙見はホペイロを将来の夢にしていて、自分の夢に向かってア式を通して勢力的にピッチ外でも活動してくれています。私たちの学年だけじゃなくてマネジャー全体の質をもっとあげていこうとリードしてくれる存在で、高見がピッチ内外で頑張っているから自分も頑張ろうと思わせてくれる存在です。

髙見 うれしい(笑)。

伊藤 言い過ぎたって(笑)。

一同 (笑)

髙見 日和はSNSを頑張ってくれているというのが間違いなくあります。インスタとかのスタメン画像をやってくれていて、そういうのを見ると俺にはできないことで、彼女の強みだと思います。あと、実はサッカーやっていたんだよね?

柳崎 そうです。

髙見  とてもボールを蹴るのがうまいので、選手とボールを蹴りたそうにしている時もあるのですが、なかなか蹴れてないみたいなのでインタビューを読んだ選手が誘ってあげてほしいなと思います。

一同 (笑)

――仲がいい部員は誰でしょうか

髙見 全員仲いいけどね。

柳崎 本当?

髙見 本当だよ!全員仲がいいと思っていますが、同期だとトレーナーの中根大晴(スポ2=愛知・豊田北)とか、北村磨央(社2=東京・関東第一)と仲いいですね。寮に入ったので隣の部屋の先輩マネージャーたちの藤間英吉君(スポ4=神奈川・鎌倉)とか、北村公平君(文構3=神奈川・桐光学園)とか、成定真生也君(スポ3=神奈川・日大藤沢)・・・。挙げたらきりがないですね。最近は小倉陽太君(スポ4=横浜FCユース)と仲いいですね。多分あの人、僕のこと好きです(笑)。

一同 (笑)

――どこか遊びに行かれるのですか

髙見 それが行かないんですよね。本当にア式の中だけで完結してしまいます。ア式の人との関係はア式外ではないですね。みんなどう?

伊藤 分かる。オフはア式以外の人と遊びたい (笑)。

渡邊 私は特にこの人っていうのはないのですが、同期だったら中根大晴です。よく喋るのはトレーナーの浅木柊人(スポ4=広島)とかスタッフ陣と仲がいいです。選手だと1個上の橋爪瞭(教3=近畿大附和歌山)がすごく話しやすいかなと思います。

伊藤 同期は特別仲いい人はいなくてみんなと話すのですが、学生スタッフとかは練習終わった後によくご飯を食べに行きます。先輩は、北村公平君と伊勢君(伊勢航、社3=ガンバ大阪ユース)。小倉陽太君とかかなという感じです。同期は中根大晴で(笑)。

永戸 人気ものみたいになっちゃう(笑)。

髙見 スタッフ同士は距離近くなるよね。

永戸 同期は気さくにみんな話してくれてこの人っていうのはないのです。強いていうなら先輩とかだと100周年事業で関わっている北村公平君や矢萩啓暉君(教2=山形南)とコミュニケーションをとる機会が多いですし、よくしてくださっています。

柳崎 同期でいったら、奏希(本保奏希、スポ2=JFAアカデミー福島U18)とか健昇(増田健昇、スポ2=横浜FCユース)とか奈琉(佐々木奈琉、社2=新潟・帝京長岡)とかです。私、中根大晴と出身高校が同じで、3年間サッカー部で一緒にやってきていたのですが、周りから「その割に仲良くなくない?」と言われます(笑)。いまさらコミュニケーションをとらずとも通じ合う仲だと私は勝手に思っています(笑)。あと、みんな言っていましたが、公平君とか部の中心にいるような人達はみんなと平等にコミュニケーションをとってくれるのでありがたいと思っています。

選手のありがとうがモチベーション

質問に答える髙見

――みなさん毎日忙しいと思うのですが、日々のモチベーションはなんですか

髙見 選手のありがとうじゃないですか。選手のありがとうを聞きたいがためにやっているというのはあります。

伊藤 試合で勝った後の集合写真かな。

一同 あー。

永戸 自分より必ず頑張っている人がいるというのが大きいです。その人たちが頑張っているならやらなきゃいけないよねって自分の中で思える存在がたくさんいる組織だなと思います。

柳崎 私のモチベーションは仲間です。日本一という夢は自分の力だけでは見ることができないと思います。それこそ、自分がサッカーをやっていた時は日本一なんて夢のまた夢という感じだったのですが、みんなのおかげでその夢を見させてもらえるわけで、この人たちのために頑張りたいというのが自分の中にはあります。

渡邊 自分はケガでスポーツやめてしまったのですが、ケガをしてリハビリで復帰して試合に出ている選手たちを見ていると自分とは違うなと思うし、その選手たちを見ると勇気をもらえます。マネジャーとして頑張らなければいけないと強く思うことが多いです。

――皆さんのサッカー遍歴について教えてください

柳崎  きっかけは覚えていないのですが、3歳の時に突然サッカーがやりたいと親に言ったらしくて、男子の中で一人でサッカーをして小学校に入ってから女子チームでやっていました。3歳から17歳の約14年間サッカーをして、高校に入るタイミングで男子サッカー部のマネジャーも始めました。同時並行で自分もサッカーをしていたわけですが、受験勉強の時にサッカーから離れてまたア式にきてという感じです。

永戸 幼稚園ぐらいの時に初めてアルビレックスの試合を見に行って、そこから唯一の趣味がサッカーとなるくらいどんどんのめり込みました。自分の地元からホームスタジアムが少し遠かったので、頻繁に観戦には行けなかったのですが、画面越しとかから応援し続ける生活は今と変わらなかったです。幼稚園の頃はみんなとサッカーをしていた覚えはあるのですが、運動神経がよくなかったのでサッカーをする立場ではなかったです。高校に入って元々マネジャーをするつもりではなかったのですが、いろんな偶然が重なってサッカー部のマネジャーになりました。そこで3年間を過ごして、ア式蹴球部の存在を知って目指したという感じです。

伊藤 どちらかというと野球一家なので、小学生の頃から野球を見ていたり、毎週スタジアム行ったりして割とスポーツは身近にありました。サッカーの国際試合とかは、地上波で放送しているのを見ていたくらいでした。中学までは吹奏楽をがっつりやっていたのですが、やりすぎて離れたくなってしまって、高校の新入生の勧誘で1番最初に目に入ったのがサッカー部だったので、それがきっかけでサッカー部のマネジャーになりました。もとからスポーツ自体は好きだったので総じて楽しくやらせてもらいました。その中で紆余(うよ)曲折あり、ア式を知って早稲田を目指して今ここにいるという感じです。

渡邊 昔サッカーをやっていたのですが、ケガも多くて中学の時に辞めてしまいました。そこからは弟がサッカーを頑張っていたので、試合を見に行ったり、一緒に練習したりしていました。大学に入って1年目はいろいろあってア式に入ることができなかったのですが、サッカーから離れたくないなと思ってサッカーのサークルと自分でフットサルをやるサークルに入りました。でもサークルっていうのが自分の思っているものと違って、本気で何かに打ち込みたいと思って、ア式を目指すことにして2年生から入部しました。

髙見 僕も幼稚園の頃からサッカーを始めて、中学校くらいから選手兼マネジャーとしてやっていました。地元の大宮のクラブが好きになって毎週末、ホームもアウェイも行っていました。小5の時にホペイロになりたいと決めていたこともあり、高校はマネジャーに一本化してそのまま自分の進路を決める基準がホペイロになれるか、ホペイロの道を目指すときにそれが最善なのかっていうのを考えて、その流れでア式にたどりついたという感じです。

ア式へのこだわりは自分が一番強い

コートを設営する伊藤

――何で早稲田に入ろうと思ったのか、何でア式に入ろうと思ったのか教えてください

柳崎 私はあまり誰にも隠してないんですけど国公立落ちで早稲田に来ているので、みんなみたいに「ア式を目指して早稲田に来た」、「どうしても早稲田に来たい」っていうのが正直なく、みんなと違ってア式に対する事前知識が何もないまま早稲田に来ました。みんなの中にはア式を目指した理由があったから入部までの期間頑張れたと思うんですけど、私はみんなよりはそれが弱いものだから、心が折れたり、もう逃げようかなって思ったりもしました。仮入部の期間4カ月間を通して、その時の4年生や先輩に助けてもらって、難しい組織ではあると思うんですけど、その分人の優しさとか、温かみとかも感じられる組織だなとすごい感じました。大学生活って人生で1回しかないと思うんですけど、ここで過ごすのが私にとってベストなんじゃないかっていう気持ちに4カ月通してなっていきました。私がここにいる理由は4カ月通して出来上がったんですけど、恩返しでもあるし、何かに対してずっと一生懸命な自分でありたいというのは大きい軸としてあります。

永戸 いろんな偶然が重なった中で、ここでマネジャーをするって決めた1番の理由としては、マネジャーという立場からサッカー界を目指すって自分の中ではっきり決めたところです。サッカー界で働きたいというのは小さい頃から描いていた夢でもあって、そこでマネジャーっていう立場からサッカー界を目指すって自分で決心したのが高校の時です。その高校生活を通してどういう進路で大学を通じてサッカー界を目指していくかという中で、いろいろ考えたり調べたりしてア式蹴球部を知って、当時在籍していたマネジャーの方々の強烈な個性だったりパワーだったりを知ってまず圧倒されました。それと外池前監督(外池大亮氏、平9社卒=東京・早実)の考え方にすごく共感しました。その上で早慶戦が学生主体で作られていることを知ったり、YouTubeだったりを見て、「自分がこの舞台をつくり上げたい」「先輩方のようになりたい」という気持ちがあって、自分が一番成長できて夢に近づける場所かなって思い、志望校を自分の身の丈に全く合ってない早稲田大学にしました。そこから部活を引退して半年の超絶猛勉強で偶然受かりました(笑)。そのままア式蹴球部に仮入部したって感じです。ア式へのこだわりは多分上の学年通しても自分が一番強いかなと感じてます。

伊藤 高校の時にスポーツに関わりたいっていう思いがあったのと、中学でちゃんと部活をやっていたことで、高校の温度感が物足りないというのもありました。それで将来自分がスポーツに関われるヒントがある場所というのと、自分が本気になってもまだ足りないよって言われる場所に行きたくて。いろいろ探す中で早稲田のア式の先輩方の部員ブログを読んで、それまではスポーツ関われればいいやって思ってたんで行きたい大学がなくて。行きたくもないのに勉強して早稲田とか行くの馬鹿らしいから、勉強しないでそこらへんの大学行こうと思ってたんですけど。でもそのタイミングで部員ブログを読んだり、それ以外にもいろいろ考えることもあってやっぱり早稲田目指そうってなって今ここにいる感じです。

渡邊 自分は2019年に等々力陸上競技場で行われた早慶戦を見て、早稲田の泥臭さというか、それにすごく惹かれて「早稲田大学に行きたい」、「自分も早慶戦を作り上げる立場になりたい」って思って早稲田を目指しました。それと将来、自衛官か警察官どっちになるか分からないんですけど、そういう大きな体育会系の組織に所属したいっていうのもあって部活動に入りたいってずっと思っていました。それでア式に入るぞって決めてマネジャーの説明会に出たんですけど、部費とかの問題もあって当時の状況的に無理となって、諦めてサークルに入りました。それでもやっぱりア式に対してちょっと後悔は残っていて、その時に成定真生也の部員ブログを見て、環境が人間をつくり上げるみたいな文章なんですけど、やっぱり自分が行きたい環境にいかなきゃダメだと思って、そこからバイトをしてア式に来るお金を貯めて今年ア式に来たって感じです。

髙見 僕はホペイロになるっていう目標を考えたときにやっぱり圧倒的な現場での経験不足っていうのを感じていました。それを補える環境、僕の夢とかしたいことを受け入れてくれそうな組織であるっていうのは先輩方の発信を見ていて分かったので、自分がやりたいことを肯定してくれる組織だったからっていうのはあります。ア式に入ることをモチベーションに受験勉強していました。

――実際にア式に入ってみて、思い描いていたものと違う部分はありましたか

柳崎 私はア式に対する事前知識が何もないまま入ってきたので(笑)。今11人マネジャーがいるのですが、私は高校3年間ほぼ一人でマネジャーをやってたので、そもそも私以外にマネジャーがいるっていうのが一つカルチャーショックでした。高校3年間、マネジャーっていう理由で甘やかされて、「重い荷物持たなくていいよ」とか、「そんな働かなくていいよ」っていう環境でぬくぬく育ってきたので、仮入部で先輩から「マネジャーだからっていうことはなくって、選手と対等に扱われる組織だから」っていうのを聞いた時に、少しビビった部分もありました。それでも私の中では、今まで経験してこれなかったものを与えてくれる場所だなというのはすごく思ってます。

伊藤 日本一を目指す組織、歴代の先輩方がつくり上げてくださった歴史を見ても日本一を目指せる組織であるっていうのは思っています。その中で1年目に降格したっていうのは、だからこそ見えるものもありますし、あとマネジャーが11人いて、高校の時はマネジャーが5人いたんですけど、5人でも人が余ってたんですよ。選手の数が違うのもありますけど。でも今11人いて、選手もいろんなところでいろんなことをして、それでもてんやわんやしているというか、いい意味でみんなやらなきゃいけないこと、取り組むべきことがあって、足りてる感がないというか。そういうのは、今考えるとそれだけア式っていう環境がいろんなものに触れる機会がある組織なんだなって思います。

渡邊 自分はすごく上下関係が厳しくて、常にピリピリしている組織を想像していました。でもそんなことはなくて、上下関係もいい意味で緩いと言ったらあれですけど、そこがすごいギャップで、こんな楽しくサッカーやってるんだっていうのが自分の第一印象でした。

髙見 自分は結構想像通りで、大学のサッカー部ってこんな感じなのかなって思ってました。それと、強い歴史があるわけじゃないですか、100年の歴史の中で。強かったのには強かったなりの理由があったんだなっていうのは感じたし、今降格してしまったんで、その責任も感じています。大学のサッカー部としては想像通りでした。

永戸 人一倍ア式に対する思いっていうのが入学前から強かった分、すごく自分の中でもア式について考えていた中で、いざ入ってみてかなりギャップっていうのは大きかったかなって思います。良かったギャップはもっと人間関係とかが殺伐としているようなイメージを発信しているところから感じていて、そこはすごく自分でも覚悟を持ってた部分ではあったんですけど、横の繋がりも縦の繋がりも、向き合うときはお互いに厳しく、それ以外の時は良き仲間としてっていう切り替えがすごくはっきりしていて、オフの部分では仲間として接してくれる環境がギャップの一つだったかなと思います。

――降格の話が今出ましたが、1年目で降格したことに対してどう考えていますか

柳崎 私の選手としてのサッカー人生は負け続きで、何一つ目標達成できないまま終わっちゃったっていうのがあったんですけど、マネジャーとしてのサッカー人生は、早稲田に比べたら弱小ですけど、結果だけ見れば良いものでした。でも降格という一番重たい結果を受けて、私たちがピッチに出てサッカーすることはできないんですけど、その中で、どうやって自分が勝利に貢献するか、人それぞれ違うと思うんですけどそれを試されてるのかなって私の中では捉えてて。悔しい結果ではあるんですけど、それをマイナスに捉えすぎずにプラスの力に変えていけたら1部昇格できるんじゃないかなというふうには思ってます。

永戸 去年1年間は落ちるべくして落ちてしまった1年だったかなとチーム状況を考えてすごく感じる部分があります。やっぱりコミュニケーション不足だったり、意思疎通の重要さをすごく感じた1年でもありました。一部員として、去年はただ食らいついていくのに精一杯になってしまった自分がいて、降格という結果を受け入れる時に、自分がチームに対してできることはなんなんだろうというふうに考え直させられる、すごい大きな出来事だったかなと思っています。

伊藤 落ちたこの結果に対しては、なんで落ちたんだっていうより、まあそうなるよなって気持ちも正直ありました。それこそ他大のマネジャーさんとお話しする機会があって、「早稲田の部員ブログを読んでて、早稲田のチームがうまくいってないのが分かる」って言われたんですよ。でもア式1年目の私としては、何もできてない1年で、悔しいと思う資格すらないと思っているので、自分の現状を受け入れて、2部リーグを戦って、1部に戻るっていうのが至上命題の中で、このままじゃダメだなっていうか、いてもいなくても変わらない自分の存在を突きつけられた結果であったというか、個人としてすごく感じているので、今年絶対1部戻って、喜べるようにしたいって思っています。総じて考えさせられるものでした降格は。

渡邊 側から見たら、プロをめちゃくちゃ輩出してて何で負けたんだろうって思う人はたくさんいるだろうし、自分も最初そう思っていました。偉そうなことは言えないですけど、外から見ていて、やっぱりサッカーって個がうまいだけじゃダメなんだなってすごく思わされたというか。チーム全体でまとまんないとダメなんだって思ったし、自分がチームに何ができたかって言われたら去年は何もすることができなくて、ベンチから負け続ける試合を見ることしかできなかったです。今年は色々とチームの体制が変わって、良いふうになってるって自分では思うので、今年はマネジャーのみんなと一緒にそれに必死に食らいつくって気持ちで、また一から頑張ろうと思っています。

髙見 責任というのは感じていて、歴史があるクラブを落としてしまったっていうのは、チームにいる以上全員に責任があると思うし、そういう事実に対して自分が果たせる責任っていうのは今年優勝して1部に上げるということだと思います。その1部昇格に向けて何ができるかっていうのをもう一度考えてそれを行動で示すというか、チームに還元してからだと思います。良くも悪くも今年の目標の根幹になる部分ができたと思うので、そこに向けて全員でまとまっていく、その中で自分が力になれたらなとは思っています。

同期や、ケガから復帰した選手が試合に出ていたりするのを見るのは嬉しい

質問に答える渡邊(左)と伊藤

――マネジャーとして自分が今していることを教えてください

柳崎 私は広報メインで動いていて、インスタの画像を作ったり、ストーリーの画像を用意したり、誕生日の投稿、部員ブログの運営とかもやっています。ピッチの中では水入れたり、練習のグラウンドつくったり、ビブスの用意したり、ボール拾ったりです。ピッチ外は1個の軸は広報で、あとは社会貢献に参加したりですね。

永戸 OB・OGの方々に関わる分野、年会費の連絡、Twitter運用、100周年事業に関わる仕事、あと早慶戦に関わるところっていうのは自分の中でもかなり力を入れてるところではあります。主務と副務のちょっとした手伝いもしてます。写真も担当してます。

伊藤 社会貢献チームに入ってます。社会貢献っていうのは今こそ大事にしないといけない時だと思います。社会貢献は今まで選手だけでやっていてマネジャーがそこまで深入りしてない部分ではあったので、マネジャーとして関わる以上何か「違い」じゃないですけど、より新しく深いところもできたら良いなと思います。

渡邊 自分はYouTubeのチームに所属していて、今はまだ大きな動画は上げることはできないんですけど、YouTube Shortの動画をオフの期間は結構上げています。あと部員ブログの「note」に感銘を受けてこの部活に来たので、部員ブログの運営を柳崎とかと一緒にやっています。あとは雑務なんですけどバスの予約をしたり、早スポさんとの連絡も取らせていただく係をやっています。

髙見 僕はサッカーに関わるところは全般関わらせてもらっていて、練習の中身のところとか、スパイク磨いたりとか。あとは100周年事業に関わらせてもらっているのと、選手から普段いろいろ言われるので、そこを一個一個解決してみたいな。頼みやすいんでしょうね僕が。そういうのをやってたら1日終わっちゃいますね。

――それぞれの役割ってどうやって決まったんですか

一同 自然の流れですね。

柳崎 気づいたらこうなってました(笑)。

――ア式内における自分のキャラクターはどのようなものですか

柳崎 結構喋る相手が限られてしまっていることもあり、謎が多いと言われることは多いです。生態系がつかめないです(笑)。

永戸 一番真面目で、一番まともです

柳崎 逆に一番不真面目なのは私

伊藤 ア式の小娘やっています。

一同 なんだかんだ愛されているキャラ。

一同 渡邊はア式のママ。安心感があってみんなの拠り所

髙見 自分にとって目標であるホペイロがもはやキャラになっています。ホペイロキャラですね笑

――1年間で成長した点は何ですか

柳崎 私も第二外国語の中国語が週4であり、苦しめられましたが、電車のアナウンスであったりが聞き取れるようになったりと、成長しました。あとは、簿記の勉強を少し始めました。また、バイトを始めて新しい世界を見つけたりであったり、ア式のたくさんの選手たちと話したりで、自分の視野は物凄く広がった一年であったと感じています。

永戸 私はシングルタスクな人間で、今年一年はア式にフルコミットして、学業は最低限にして頑張りました(笑)。同期に商学部の部員がたくさんいて、皆に助けてもらいながら単位をとりました。もともとスポーツビジネスが学びたくて、商学部に入ったのですが、今年一年は単位を取るための勉強となってしまいました…(笑)。ただ、その分ア式で色々な経験ができて、人としては成長できたのかなと思います。

伊藤 将来サッカー関係の仕事に就きたいと思っている関係もあって、第二外国語でスペイン語を取っていて、苦しめられましたが、ちょっと将来に繋がるレベルまで勉強できたかなと思います。ただ、ア式にはサッカー関係ということもあり、週4で勉強している自分よりも喋れる人も多くて、来年も頑張って抜かしてやろう!と思いました。あとは電話対応がうまくなりました。予備校のバイトや、ア式でOBの方や関係者の方に連絡を取る機会が多くて、ア式のコールセンターになれたなと思います(笑)。それ以外にも大学生になって、新しい考え方であったり、視点であったりを学べて、充実した1年間だったなと感じています。

渡邊 去年まで不真面目でしたが、ア式って学業も頑張っている人も多くて、自分も来年は選手たちと同じように頑張りたいと思いました。

髙見 学業に関してはいろいろなことを学べるので、いろいろな学問分野に触れられたのは自分にとって成長した点です。今年の目標が、影山優佳になることで、たくさん資格を取りたいです。多分まとまった時間が取れるのってこの大学生活が最後になると思うので、サッカーに限らず、自分の視野を広げたいです。

――マネジャーをやっていて辛かったこと、うれしかったことは

柳崎 ザ・大学生という生活をしている友人が多いこともあり、それを見て、うらやましいって思うことはあります。でも、ア式にいないと味わえない喜びがあり、そういったものがモチベーションです。私にとってはそれが、入部して初めて入ったⅠリーグの中大戦のベンチから見たア式の劇的勝利、興奮でした。その時、生きていてよかったと思ったレベルですね(笑)。結局サッカーの組織ということもあり、勝利の喜びは格別です。苦しいシーズンだったからこそ勝利への喜びはやはり大きかったですね。

永戸 ア式にいるとさまざまなことを考えてしまい、気持ちが落ちてしまう時期がすごく多いです。ア式の活動を継続する為に自分の周りのさまざまな人に助けられているのですが、自分がその期待に答えられているか、自分だけの価値を見出せているかはすごく悩んでしまいます。うれしいことは、サッカーの現場に立つことはこの4年間で最後と自分の中で決めているので、チームの一員で無いと味わえない喜びを感じられることは一番幸せです。

伊藤 勝った時であったり、同期や、ケガから復帰した選手が試合に出ていたりするのを見るのはうれしいです。辛いことは、睡眠時間が短いことくらいですね(笑)。

渡邊 同期が試合に出て、活躍をしているのを見たら嬉しいし、自分も頑張ろうと思いました。ここにいる同期もそうですが、自分がここまで頑張れたのは同期がいたからで、いい仲間に恵まれたなと思っています。辛かったのは、仮入部期間中、結構人間性の部分も見られて、入部できない間、自分に何が足りないのだろうと模索する必要があり、その時が一番辛かったです。

髙見 辛いって思ったことは無いですね。キツイなと思うことはあっても、それを投げ出したいって思うことは無くて、大変ではありますが、辛くは無いですね。うれしいことは、チームが勝利した時にその輪に加われるのがうれしいですね。また選手の「ありがとう」を聞けた時は最高ですね。選手の「ありがとう」が自分のモチベーションの一角となっています。あとは、自分の磨いたスパイクで選手が点を取ってくれるとやっぱりうれしいです。

チームを勝利に導けるマネジャーは理想のマネジャー

ボトルを運ぶ柳崎

――選手に物申したい事はありますか

柳崎 プライベートのことを聞いてくるな!

高見 謎キャラだからね。

柳崎 そこは大分オープンになってきたはず。

永戸 部室を綺麗にして下さい!

伊藤 ボトルに名前を書いて下さい!これはマネージャーの総意ですね。

渡邊 自分の使った物は自分で片付けて下さい!

高見 自分の磨いたスパイクで点を取って欲しいので、なるべく足で取れですかね(笑)。

柳崎 寮入ったんだし頭とか洗ってあげれば?

高見 アリかもしれない。

――自分が考える理想のマネジャー像は

柳崎 マネジャーの仕事はイレギュラーなものが多くて、正解とかは無いと思うのですが、やっぱりチームを勝利に導けるマネジャーは理想のマネジャーです。

永戸 強い早稲田を体現できるマネジャーです。ピッチ内はもちろんのこと、ピッチ外のこともしっかりこなして、強い組織のために必要な存在となりたいです。

伊藤 チームを勝たせることができるマネジャーです。やはり勝てば肯定され、負ければ否定される世界だと思っているので、選手が頑張ってきたことを否定させないためにもピッチ内外で勝たせられるマネジャーになりたいです。

渡邊 それぞれのやるべきことがしっかりとできていて、それぞれが自立し、お互いを信頼しあってしっかり組織化できているチームとしてのマネージャー像が私にとって理想です。

高見 チームにお前がいないとダメだって言われるマネジャーになりたいです。正直今自分が抜けてもチームは回ると思うのですが、そうでは無くて、自分がいないとダメなんだって言われるマネジャーになりたいですね。

――同期の活躍はどのように映っていますか

柳崎 純粋にうれしいですね。それこそ早慶戦のメンバーに選ばれなくて沈んでいる姿をみていたので、その後の天皇杯であったり、リーグ戦で活躍している姿を見ていると、見ているこっちとしてはやはりうれしいです。

永戸 やっぱり同期のゴールは特別ですね。みんなの活躍が本当にただただうれしいです。

伊藤 先輩方よりもより近くで同期は見ているので、感じるものは多くて、メンバー発表後メンバーに選ばれた同期とグータッチするのが楽しいので、どんどん活躍してほしいなと思います。

渡邊 ケガで長期離脱していた選手が、1人黙々とリハビリを頑張って、オフ明けに活躍しているのを見ると、やっぱり自分も頑張ろうと勇気付けられます。

髙見 やはり一番近くで見ているので、人一倍努力している姿や、思いなども分かるので、そういった選手が活躍するのは自分のことのようにうれしいし、ピッチ外で関わってくれるのもうれしいし、やっぱり同期に限らないんですけど、選手がうれしかったら自分もうれしいし、選手が悔しかったら自分も悔しいです。

来年のさらなる飛躍のためにも未来に繋げる1年間にしたい

質問に答える永戸(左)と柳崎

――外池前監督(外池大亮氏、平9社卒=東京・早実)と兵藤監督(兵頭慎剛氏、平20スポ卒=長崎・国見)はそれぞれどのような監督ですか。また今のチームの雰囲気はどう感じていますか

柳崎 間違いなく上向きになっていると思っていて、今年は去年と違うと思わせてくれます。兵藤監督は自分も選手たちと一緒に走ったりと背中で見せてくれる熱い漢、というような感じで、頑張ってついていきたいなと思っています。

永戸 私たちとコミュニケーションをしっかり取って、クオリティの高いものを求めてくれる監督であるため、自分も頑張りたいと思えます。兵藤新監督のつくる船の一員として、チームを勝たせられるように頑張りたいです。チームとしても、兵藤新監督の下、一致団結して動けていて非常に良い雰囲気だと思います。

伊藤 チーム全体で言えば、勝ちへの執念が強くなったなと思います。選手にはもちろん高いクオリティを望んでいるのですが、スタッフ陣に対しても成長の機会を与えて下さり、マネジャーの存在もピッチ内で求めてくれるため、より自分達も頑張ろうとなります。さまざまな意味で非常に熱い監督であると思います。

渡邊 外池前監督はピッチ外を非常に大切にしている監督で、兵藤監督に変わったら極端な話マネジャーなんていらないとなるかもと思っていたのですが、むしろ逆で、マネジャーの基準をもっと高めていこう。マネジャーの動きでチームは変わっていく、自分たちがチームを支える助けとなれると言って下さったことが非常にうれしくて、新監督の下で頑張りたいと思いました。

髙見 ア式としてのあるべき姿は変わらないのですが、それぞれ重点を置くポイントは少し変わってくるのかなと感じています。兵藤監督は、サッカーで結果出す事が一番最初に来る監督で、外池前監督は、もちろんサッカーも大事だが、ピッチ外の行動もしっかりやろうということが一番に来る監督でした。もちろん2人ともこのどちらも大切にしているのですが、視点の置き方は違くて、僕たちは外池前監督が残してくれた良い所を継承しながら、兵藤監督のスタイルにアジャストして、チームを更に一段階上のステージに上げられたらなと思うし、それをできるような1年間にすることが、ア式に必要なことだと思います。雰囲気は非常に良いと思います。

――最後に今年の抱負を教えてください

柳崎 チームとしては2部優勝、昇格がやはり目標というか最低限であると思っています。個人としては笑顔を絶やさず、1人の人間として柔らかい人間になりたいと思います。

永戸 チームの1部復帰はア式の一員としてしっかり追い求めていきたいです。個人としては、昨年に比べて仕事量も増えて、自分の中で勝負の一年となると思うので、最後まで妥協せず走り切りたいと思います。

伊藤 チームの1部復帰、そしてカップ戦での日本一が目標です。この代のア式に入ったからには目を背けてはいけない目標であると思うし、来シーズン終了後に笑っていられるように、4年生が笑って引退できるように頑張りたいです。個人としては、思考と言語化、考えることをやめず、自分の考えをしっかり人に伝えるということ、そして、入ってくる後輩を大事にしたいと思います。

渡邊 関東1部昇格がチームとして最大の目標であると思うので、自分もチームの一員として戦っていきたいなと思います。

髙見 優勝、昇格ですね。サッカー部である以上そこはブレてはいけないと思うし、来年の100周年を考えると、1部復帰は成し遂げたいし、来年のさらなる飛躍のためにも未来に繋げる1年間にしたいです。

――ありがとうございました!

(取材、編集 川上璃々、熊谷桃花、関端健斗)

◆伊藤未羽(いとう・みう)(※写真左上)

千葉・東葛飾高出身。文化構想学部2年。昨年行われたW杯では前田大然選手(セルティック)のプレーが印象に残ったという伊藤さん。また地元が柏レイソルの本拠地の近くということもあり、中山雄太選手(ハダースフィールド・タウンFC)にも期待していたそうですが今回はケガのため出場できず。3年後のW杯での中山選手の活躍を楽しみにしているとのことです!

◆永戸彩花(ながと・あやか)(※写真左下)

新潟・長岡高出身。商学部2年。「自分の趣味はサッカーしかない」と言うほどサッカーが大好きな永戸さん。新潟出身ということもあり、アルビレックス新潟を応援するのはもちろん、他のJクラブや女子サッカーの試合も見ることが多いそうです!

◆髙見真史(たかみ・まさふみ)(※写真中央)

埼玉・栄東高出身。人間科学部2年。W杯の印象的なシーンを聞くと、他のマネジャーが「三笘の1ミリ」を挙げる中、ドイツ戦での浅野拓磨選手(ボーフム)の逆転弾と答えてくれた髙見さん。多くの人が負けると思っていた強豪国との一戦で見せてくれた一発がとても印象的だったとのことです!

◆柳崎日和(やなぎさき・ひより)(※写真右上)

愛知・豊田北高出身。文学部2年。母校が名古屋グランパスの本拠地、豊田スタジアムの側にあったこともあり、昨年のW杯ではア式蹴球部OBでもある相馬勇紀選手(平31スポ卒=現カーザ・ピアAC)に注目していた柳崎さん。辛い受験期には、スタジアムから聞こえてくる名古屋グランパスの応援歌が、自身にとって励みになったそうです!

◆渡邊朋恵(わたなべ・ともえ)

東京・帝京高出身。人間科学部2年。幼い頃から警察官に憧れていたという渡邊さん。その影響もありオフの日には白バイの訓練動画を見たり、警察車両を調べたり、そのプラモデルを家に飾ったりしているそうです。また高校女子サッカーの試合が好きでよく見ると教えてくださいました!