【特集】ア式蹴球部学生スタッフ対談『INSⅠDE:WASEDAーAFC』【第1回】トレーナー対談 浅木柊人×中根大晴

ア式蹴球男子

 初回には、ア式蹴球部(ア式)でトレーナーとして活躍されているお二人、浅木柊人(スポ4=広島)と中根大晴(スポ2=愛知・豊田北)が登場。なぜア式蹴球部でトレーナーとして活躍される道を選ばれたのか、学生トレーナーとしてどのような業務をこなしているのかなど、さまざまなことを語っていただきました!
※この取材は1月11日に行われたものです。
※原則として新学年表記にしてあります。

トレーナーをやりたいから大学を選んだ

――どのようなサッカー人生を送ってきましたか

浅木 面白くないですよ、全然(笑)。自分は広島出身で、広島ってやっぱりカープ(広島東洋カープ)が有名じゃないですか。自分の父親が結構カープファンだったので、小学校とかは地域の野球チームに入ろうとしてたんですけど、そこの練習が週5くらいあって母親的に厳しいと(笑)。それで、サッカーチームが週1であって、週1だったら運動もできるし、野球じゃなくてサッカーやりな、みたいなのが始まりです(笑)。小1の秋か冬くらいから地元のサッカー少年団みたいな軽い感じのやつから始めて、中学、高校はそのまま学校の部活でっていう感じです。

中根 僕はお父さんがもともとサッカーとかスポーツをやっている人だったので、それで多分お兄ちゃんが始めて、僕はそれを追っていくかたちでスポーツ始めて。幼稚園の頃くらいからサッカーをやっていて、ただそんなハイレベルではないですけど(笑)。中学校からは部活でサッカーをやって、高校2年生まではがっつり選手としてやっていました。ただケガとか、この先何やりたいかっていうのでトレーナーっていう風にも部活で絡ませてもらって、サッカーはずっとやっている感じです。

――お二人とも早い時期からサッカーを始めていますが、選手からスタッフを目指し始めたきっかけは何ですか

中根 僕はトレーニングとかがもともと好きなタイプで、それでトレーナーっていうのを中学校2年生くらいの時に(見つけました)。サッカーのトレーナーじゃなくてジムとかのトレーナーとかを見ていて、その後に、サッカーの試合をよく見に行っていたので、ケガの対応をしている人を見て「ああ、こうやって選手に携われるのっていいな」っていうのと、自分がスポーツに関係していることをやっていないと普通の仕事は向いていないだろうなっていうので、ちょうどトレーナーっていう仕事を見つけて。それからはずっとトレーナーをやりたいっていう風に考えて、大学もここを選びました。

――早大に入る段階からトレーナー一本ということですが、他のスポーツではなく、サッカーに惹かれた理由は何だったのでしょうか

中根 他のスポーツを全然知らないっていう(笑)。あとは家からスタジアムまでが近くて、それでよく見に行っていたのもあります。

浅木 僕はトレーナーがやりたくて早稲田に来たとかじゃないんで(笑)。サッカーをやっていたのでサッカーは続けたいなと思っていたんですけど、やっぱり大学、早稲田ってハイレベルなので、多分試合に出られないし、ついていけないし、楽しくないなっていう思いと、目の前で困っている人がいたら助けたいなっていうか。目の前のことだけでいいので、道で急に人が倒れたりとか、ケガしたりしたら自分が行って助けるようなことがしたいっていう、医療系のことがやりたくて。トレーナーというメディカル寄りの方であれば、そういう内容も勉強しつつサッカーにも関われて、自分がやりたいことをやらせてもらえるのかなっていうところで入りました。

中根 しっかりしてますね。僕の方がなんか(笑)。

浅木 いやいや(笑)。

――医療系の講習などは受けられていたんですか

浅木 めっちゃ(行っていた)ってわけではないんですけど、高校生の時は簡易的なAEDの使い方とか、心肺蘇生だったら毎月消防士の方が定期的にやってくださるキャンペーンとかがあって、そういったところにはたまに行っていました。軽くですけど。

――進学先に早大を選んだ理由は何ですか

浅木 これって結構赤裸々な感じで話して大丈夫ですか?もともと広島出身というのもあって、広島大学を目指していました。ずっとそれ用で勉強していたんですけど、自分は一応進学校で、センター試験の100日前に「100日前になりました、勉強頑張りましょう」みたいな集会があって。その時に自分と仲良かった陸上部の男の子がいて、その子がめっちゃ駅伝好きなんですよ。僕は広島大学のスポーツ系に行こうとしてたので「スポーツ系だったら早稲田行ってよ。早稲田は駅伝が有名だから、仲良くなって、俺とつなげてよ」みたいなことを友だちが言ってて(笑)。それを聞いて何言ってんだよって思ったんですけど「いや早稲田か。早稲田大学ですって言うのかっこいいな」と思って、東京に出られるし、一人暮らしもできるしっていうところで、そこからちょっと調べたり勉強し始めたりして。大本の理由はそんなしょうもない。その男の子が人生変えてくれましたね(笑)。

中根 さっき言った感じでトレーナーがやりたくてっていうのです。僕も早稲田の他の学部は受けてなくて、早稲田にっていうよりはスポーツを、トレーナーを学びたいっていうので大学を選んでいました。それで早稲田と法政と地元の中京を受けました。僕は進学校みたいなところで、全体的に国立に行こうっていう流れがある高校なんですけど、その中でも文系で私立を目指すクラスがあってそこの担任の先生に恵まれて。その担任の先生は自分が勉強あまり好きじゃないというのを分かってるので受けさせてくれて。模試とかも全然早稲田とか法政が受かる感じじゃなかったので、早稲田に行きたいっていうのはずっとあったんですけど、まあ行けないだろうなと。共通テストもそんなに点数取れなくて、これは無縁だったなと思っていたら、運良く受からせてもらったっていう感じです。勉強で早稲田に入れたとか自慢できるような人じゃなくて、スポーツを学びたくてそれをやってたくらいの感じですね。

もっとやらなきゃなとこの一年すごく感じた

質問に答える中根

――実際にア式蹴球部に入部されて、トレーナーとして活躍されていますが、具体的にどういった仕事をされているのでしょうか

浅木 練習前だったら選手のサポートで、コミュニケーションを取ったりテーピングを巻いたりとかをしています。練習中だと、主な対応は練習のアップのところと選手のリハビリの対応と、救急対応。ここの3点がメインになってくる感じです。

中根 僕はちょっと変わってるっていうのと、まだ知識がないのでそういう対応は浅木くんとか社会人の方に任せてしまっています。それでやらない分、選手がリハビリで走る時に一緒に走ったりとか、アップとかは僕もやらせていただいているので、火曜日にやるフィジカルトレーニングのメニューを考えさせてもらったりとかですかね。

――アップのメニューは一任されているところもあるのでしょうか

中根 AとBで帯同が一応分かれているので、Aを浅木くんが担当してくださって、僕がBに帯同して、分けているかたちです。

――トレーナーとして知識がいることがあると思いますが、そういったことは日頃から勉強されているのでしょうか

浅木 うわー刺さるなあその質問(笑)。僕が一応2年生の時からトレーナーになっていて、それまでの知識がほぼない分、スポ科の授業である程度やる分はあるので、そこで勉強したりするのと、グラウンドでいろいろ経験積ませてもらったりとか、家に帰っても多分勉強してるんだと思います。

中根 1年生でまだ具体的なトレーナーの勉強の授業はないので、基礎的なものを学ぶところから。教科書で体の部位見てみたりとか、あとはグラウンドで耳にする専門的な言葉を「これなんだろう」って気になって調べたりとかで、そこからちゃんと学べているのかは分からないですけど、頑張ろうとはしています。でもまだまだですね。

――先ほど浅木さんから救急対応というお話がありましたが、病院と連携を取ることもあるのでしょうか

浅木 そうですね。直接連携を取るのは基本的には社会人スタッフの有資格者の方にお任せするかたちにはなるんですけど、そこで僕らから希望を出したり、選手から希望が出たりして、部員の診察に一緒に行く機会をつくらせてもらって実際にお医者さんの方とコミュニケーションを取る機会を増やしています。そこで同じ病院に何回も行っていたらコミュニケーションが取りやすくなるし、こういうリハビリや診察の方法あるんだっという勉強になります。そこは学生ならではじゃないですけど、やっぱり時間の調整とかはしやすいと思うので、うまく調整することができれば結構病院との連携も取りやすくなるのかなという感じはします。

――ア式蹴球部という部活柄どうしてもケガ人が多くなってしまうかと思いますが、一人一人のリハビリメニューは一緒に考えているのですか

浅木 グラウンドでのメニューは社会人スタッフの方がたててくださるんですけど、ただ例えば1年生がケガしたらやっぱり僕よりも1年生同士、大晴の方がコミュニケーションが取りやすいので、そこは結構リハビリのメニューを考えるのを任せています。逆に僕と同じ代だったら僕の方がちょっと多めに比重持ってコミュニケーション取ることもあるので、そこは選手とかもそうですけど、学年とか、それこそさっきのカテゴリ分けでリハビリメニューとかは分かれてきますね。

中根 そんな感じです(笑)。

――中根さんの「#Real Voice」(※)では、10月にあった社会人リーグの試合が印象的だったということでしたが、どのように印象に残ったのでしょうか
※#Real Voice:ア式蹴球部の部員ブログリレー。公式noteにて更新されている

中根 今までの試合で見てきたのとはまた違う感じで、内容的にも負けるような感じじゃなかったというのと、レベル的にも早稲田の方が上だったんじゃないかと思う試合でした。それで試合の最後の方でちょっと足が伸びなかったりとか、フィジカル的な面で「あ」、と思うところがありました。それはやっぱり僕の責任だなというのをすごく感じてしまって。それを受けてもっとフィジカルの部分で貢献できて、試合に勝たせられるようなトレーナーになれたらいいなと思って多分あのブログを書いたと思うんですけど(笑)。ただその気持ちは今も変わらないです。その試合が終わってから本当にフィジカル系のトレーナーをやりたいと強く思い始めて。入学した時はメディカル志望だったんですけど、もともとトレーナーを知ったきっかけのトレーニングという部分と、自分がトレーニングするのが好きっていうのもあって、その試合を経てからフィジカルをやりたくて、それを頑張って、ブログの順番が回ってきたので書いたっていう感じです。

――そこから(ブログ更新日は10月13日)変えたところもあるかと思いますが、手応えはありますか

中根 そんな生意気なことは言えないです(笑)。それで変えたのかは分からないですけど、その試合の後にやったフィジカルで自分の思いを伝えてから、サーキットトレーニングをやらせてもらった時に、終わった後に選手から「ありがとう」とかそういう言葉を頂いたので、それはこれからも頑張る糧になったなと思います。

――浅木さんにとって印象的だった出来事は何でしたか

浅木 結構ある中で、サッカーのことではないんですけど、今年一年間で自分の目の前で人が倒れたりケガしたりとかいうのを目にする機会があって、そういうのを助けたいという部分で(ア式に)入ったというのもさっきも言ったようにあります。そういうところもあって頑張って活動してきたにも関わらず、あまり何もできなかったです。結果的にその人には何もなくて良かったんですけど、もし万が一とかいろいろ考えていたら、もっとできることがあったんじゃないか、もっとやらないとなとこの一年間すごく感じました。  

――ア式にはプロに内定するなどレベルの高い選手が多くいますが、そういった選手のトレーナーとして活動するところにやりがいはありますか

浅木 僕は結構やりがいを感じています。それこそプロになった選手とかもいるので、実際に自分たちよりも上でやっている人の話を聞けたり、それこそ平瀬君(平瀬大、令5スポ卒=現サガン鳥栖)がJの試合に出たのを見ていたのですが、一緒にトレーニングしている人が試合に出てる、テレビに出てるとか。去年の雄大君(田中雄大、令4スポ卒=現ファジアーノ岡山)とかが活躍をしているのを見ると、一緒にああいう人たちとやれてたんだなというのはすごくやりがいを感じますし、モチベーションにもなります。  

中根 僕も同じ感じです。今まで自分がやってきたスポーツのレベルがそんなに高いところでなかったので、今年入学して練習に入った時にすごくレベルが高いと感じたのと、有名な選手とかがいるというので、最初のファーストインプレッションがすごく良かったです。こんなハイレベルな中でやらせてもらえるんだという喜びもありました。後はプロが多く出ている中、そんな選手と一緒にやらせてもらっているというのは、すごくうれしくてやりがいを感じます。  

――やはり練習のレベルは今までと違うように感じられますか

中根 練習のレベルというか…。今まで体験してこなかった世界の雰囲気があります。  

浅木 いや、もう全然違います。オーラとかがすごいです。別にピッチ外のところで言えばただの一般人って感じなんですけど、ピッチ内とかサッカーに関わることを聞いたり見たりすると、意識の高さとか、プレーの技術、質、雰囲気とか全部が「ああ、こんな人たちがいるんだ」みたいな感じのレベルです。  

(浅木は)選手の意識の高さと変わらない

選手の状態を確認する浅木

――ここから少しプライベートな話を伺わせていただきます。まずはお互いの紹介をお願いしたいです

一同 うわー(笑)。 

――トレーナーの面とプライベートの面、両方ともお願いします

浅木 トレーナーとしては本当にすごいと思っていて。それこそトレーナーになるためにというところからずっと小さいころから動いているので、大学選びもトレーナーになるためにという感じじゃないですか。実際に現場の活動とかいろいろなトレーナーの業務を含めて、去年の外池さん(外池大亮前監督、平9社卒=東京・早実)の言葉を借りると主体性がすごいです。僕だったら思いつかなかったり、そのまま放置してしまうことにちゃんと取り組んでくれるというか、自分でアイデアを出して提案するという行動力とか、そういうところが本当にすごいなと思います。プライベートはあまりトレーナー間で関わっていなくて。自分と去年の江田君(江田祐基、令5スポ卒=東京・日大桜ヶ丘)もそうなんですけど、たまにご飯行ったりするかなくらいですね。あ、でも、めちゃくちゃ料理がうまいらしいです。  

中根 トレーナーとしては本当に尊敬するところが多いです。自分が全然できないというのがあるので、ケガ人が出た時とかも自分はすぐに足が動かないんですけど、すぐに対応してくれます。さっきからふざけた感じでへこへこ話しているんですけど(笑)、練習に入ったらちゃんと目の色が変わるというか、さっきの選手の意識の高さと変わらないなとすごく学ぶことが多いです。自分ができないことができるというのが、うらやましさと憧れがあります。プライベートは遊びに行くとかはあまりなくて、学年も2個違うので、そこで1個上ともまた違う感覚です。ただ、いじられているというのはよく聞きます(笑)。そういった愛されキャラというのは、僕がそういうタイプじゃないので、ちょっとうらやましさはあります(笑)。  

一同 (笑)  

浅木 うらやましいの?(笑)  

中根 かまってもらえているのが、自分は変にいじれない雰囲気というのが出てしまっているのかなというのがあるので、楽しそうだなと思います。料理は分からないです(笑)。  

――浅木さんはかなりいじられることが多いのですか

浅木 いやあ、まあそうですね(笑)。なんか自分でもなんでいじられるのか分からないんですよね。そういうつもりではないんですけど、いじられるんですよね。何なら1年生とかも結構いじってきます。  

――1年生からもいじられるのですか

中根 僕は直属の先輩なので、あまり大きなことは言ってないですけど、周りがめちゃくちゃ言うので(笑)。  

――お互いの紹介を聞いてみての印象は

浅木 いやあ、これはご飯連れて行かなきゃいけないですね(笑)。  

一同 (笑)  

浅木 やっぱりそう思ってもらえているのはうれしいですけど、自分ではまだまだ求めている高さには達していないと思っているので、そこは大晴にもっと目指してもらえるようなところを目指して、これから1年間頑張っていきたいです。  

中根 褒めていただけたのがうれしくて(笑)。本当に全然できないことの方が多いんですけど、褒めていただける部分があったということで、そこをもっと伸ばしていきたいです。それこそ、浅木君みたいな先輩方を超えられるようにもっとこれから頑張っていかないとなと思います。  

――中根さんは料理が得意とのことですが

中根 一人暮らしで、トレーナーで練習の後も一緒に自主練とかに残りたいというのがあるので、バイトをしていない分、節約しないといけなというところで自炊を毎日しています。  

――他に趣味はありますか

中根 オフで授業が終わった後とかは作り置きとか料理をしています。  

浅木 すごい。  

中根 やっぱり帰って作りたくないなという日もあるので、それで温めるだけだと楽なので作り置きはしますね。後は音楽を聴くのも好きです。川崎鷹也さんの曲が好きなので去年はそれを聞いてました。最近はいろんな曲を教えてもらって聞いている感じです。  

――浅木さんは何か趣味はありますか

浅木 この後は難しいなあ(笑)。なんだろ、でも最近はめちゃくちゃドライブに行っています。成定真生也(スポ3=神奈川・日大藤沢)が学年は一個下なんですけど、年齢が同じで仲が良くて、2人でドライブにハマっていて。「ちょっと今何してる?ドライブ行かね?」みたいな感じで電話が来るんですよ(笑)。それで夏休みくらいからドライブに行き初めて、授業とかあると行けないんですけど、冬休みとかに行き始めたら、だんだん免許を取る人も増えてきて、それで初心者ばかりを集めて来い来いみたいな感じでドライブに結構行ったりします。  

――仲が良い部員の方は誰ですか

中根 僕は毎日練習後とかに北村磨央(社2=東京・関東第一)と一緒にボール蹴ったり走ったりしています。  

浅木 僕は成定真生也が一番仲が良いかもしれないです。自分が2年の時に入部しているので、同期と言うと今の新3年生の代は1年間やっているので仲が良い人が多いです。ただ学年的には4年なので、4年とも仲が良いという感じなので、お得な感じです(笑)。いろんな人と仲良くできて、良いポジションなのかなと思います。  

――トレーナーには昨年まで江田さんがいらっしゃいましたか、お2人にとって江田さんはどういった存在でしたか

浅木 江田君はもうずっと言っているんですけど、本当にすごいです。もうスーパー。やばいです。江田君もめっちゃいじられキャラで、ア式内だったら「おい、江田~」、「おい、筋肉~」っていじられているんですけど、実際はすごくて。何でも1人でこなせちゃうというか、とりあえず何かあったら江田君に言おうみたいなことが結構あって。それこそ江田君たちがいなくなってからグラウンドに来たら、さみしさというよりは不安さというか、「江田君いないわどうしよ」みたいなことを自分は感じていて、江田君がいなくて逆に1年間大丈夫かなとは思います。  

中根 江田君が今年入院していてあまり長くは一緒にいられなかったのですが(笑)、本当にすごいなの一言です。なんて言ったらいいのか難しいんですけど、江田君、浅木君っていうすごい2人がいるから僕は安心してできていました。でも今は江田君がいなくて、僕と浅木君の2人で、僕が大丈夫かなと。もちろん浅木君には頼れるんですけど、負担が大きくて、江田君がいるのといないのとでは本当に全然違います。1年生の選手も去年、江田君に頼ることが多くて、僕が全然できない分、僕に言われたことも江田君にやってもらったりとか、江田君の存在は大きかったです。  

僕たちも早稲田を勝たせられるような存在に

お二人の仲の良さがうかがえた対談でした

――今季からまた新体制となりますが、体制が変わったことで変化する部分また貫いていく部分はどういったものがありますか

浅木 個人的には監督が変わるという経験がなかったので、いざ変わってみないと分からないですが、最初は結構大変になってくると思います。でも、役割が実際に変わることは全然あると思っていて、今まではアップはトレーナーに任せていたのが、新しい監督の考え方的に、大人のスタッフやフィジカルコーチにアップをしてもらおうということも全然考えられますし、そもそも学生トレーナーっていらなくねみたいな考えの可能性もあるので、厳しくなることも覚悟しています。そこの中で、(トレーナーは)自分がやりたいことなので、上の意向とかに関わらず自分の意思を明確に持って伝えられれば、今とやれることは少なくなるかもしれないけど、全くなくなることはないと思うので、そこは自分のやる気を持ってやりたいことを貫こうと思います。  

中根 どんな感じになるかは分からないのですが、トレーナーになりたくてア式に入ってきているので、トレーナーになるために一年間小さいながら積み上げてきたものを、もっとこれからに積み上げていくように頑張っていくことは変わらないです。  

――来年のア式の注目選手を教えてください

浅木 いっぱいいるなあ。うーん…。僕が個人的に応援したいなというのが、奥田陽琉(スポ4=柏レイソルU18)。推薦で入ってきた中で、プロに決まっていないのが陽琉だけで、本人も焦っているところがあると思います。実際にフル出場とかができているわけでもなく、悩んでいることもあると思うのですが、ただ、本人のパーソナリティ的な面ではピッチ外でも人格者なところ、こんなにサッカーがうまいのにこんなに良い人っているんだみたいな。サッカーに対してもストイックで、食事制限とかも自分の体に合う合わないを考えていて、オフの日もトレーニングに行っていたりとか、試合や練習前も大体1時間前に陽琉が一番最初に来て体づくりを始めていたら30分前に選手が何人か来始めてとかなので。サッカーに対する熱とかを見ると、それだけの思いを持ってやっているので、それを今度は爆発させてもらって、大活躍してもらいたいです。  

中根 うわあ、迷うな誰だろ。誰も捨てられないです(笑)。でもやっぱり磨央に期待したいです。浪人で入ってきていて、1年やっていない分、最初の自主練とかも1人でやっているのを見ていて、同じ時期に部活に来ていますし、終わった後も一緒に自主練をしていて、頑張っている姿を一番長い時間見ているので、めちゃくちゃ推してます。  

――最後に今季に向けての抱負をお願いします

浅木 今季はチームとしては関東2部という少し難しいステージになったのですが、次期主将や幹部を中心に1年で1部に戻って強い早稲田を取り戻すというところに注力しているので、そこで1年で1部に戻るためには厳しいですけど勝ち続けなければならないです。そうなると主力選手のケガやコンディション的なところで自分たちも頑張らなきゃならないところがかなり出てきます。そこは自分たちの仕事の範ちゅうなので、そこで関わって早稲田を勝たせて強い早稲田を取り戻して、1部に昇格できるように頑張ります。  

中根 浅木君がおっしゃったように1部昇格のためにトレーナーができることを頑張って、僕たちも勝たせる存在になれるようにしていきたいのと、いろんな意味でとにかく走りまくります。ピッチ内外で走るというのと、目標に向かって突っ走るというのを頑張っていきます。  

――ありがとうございました!

(取材、編集 髙田凜太郎、荒井結月)

◆浅木柊人(あさぎ・しゅうと)(※写真右)

広島・広島高出身。スポーツ科学部4年。ドライブによく行かれるという浅木さん。最近では成定選手とマネジャーの佐藤慧一さん(政経4=東京・早実)と一緒に木更津のアウトレットに行ったそうです。浅木さんと成定選手は目的の物を買うことができず、結局佐藤さんだけが買い物をすることになったとのことです!

◆中根大晴(なかね・たいせい)

愛知・豊田北高出身。スポーツ科学部2年。オフの日は料理だけでなくランニングもするいう中根さん。昨年はハワイのホノルルで行われたフルマラソンにも挑戦。今年は抱負にもあったようにとにかく走る量を増やしたいとのことです!